わんこめ映画評ら【す】


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21世紀映画評入り口
 

酔画仙』

金玉均が活躍していた時分の朝鮮の、実在の天才画家の波乱に満ちた生涯を描いたお話です。たしかに、こー生きれば波乱だよなあ。たしかにチェ・ミンシクが演じるにふさわしいっぽいけど、でも実在だからなあ。チェ・ミンシクの魅力って、足場がしっかりしている中に秘められた狂気が垣間見えるかにゃって辺りにあると思うんだけど、これはモデルご本人が奔放に出鱈目に過ぎて、チェ・ミンシクのデリケートな味が活かしきれなかったかなあって感じ。苦悩するに決まっている道を自ら選んで歩んでるんだもの、それは苦悩するのは当たり前…ってんでは、チェ・ミンシクの「やり場のない中から発動する抗うパワー」は生まれてこないのぢゃ。
 

スイミング・プール』

あったこととなかったことの区別がイッパツでは解らないぞっ。ミステリィ小説家のおばちゃんが、編集者の別荘だかを借りて住まって、いろんな得たものをもとに作品をものす、ってゆー話ではあるんだけどもさ。幾度も観返して真相を突き止めたい、って思うほども思い入れを持てる映画でもなし。
 

スウィート・ノベンバー』

“広告代理店の超エリートのクリエイティヴ・ディレクタ”であるはずの主人公が、あまりにばか過ぎる。この映画の中で描かれているように人に接し生きているのなら、設定の高みまでには登りつめることは出来ないだろう。ヒロインは自分勝手で、人に有無を言わさず自分の価値観を押しつけることしかしない、ヤな女です。美男と美女の恋愛ものである以外、いいとこはどこにもない映画でした。
 

『スウィングガールズ』

作りはまったく『ウォーターボーイズ』と一緒。女の子だから体力勝負ぢゃない方にいったのであろう。やたらと「本当に演奏できるまで練習したし、劇中で流してる音は実際に本人たちが演奏したものだ」なんて喧伝してるけど、それはどっちでもいいや。ってゆうか本人たちが演奏できてなければ台無しになるってゆシナリヨだったらそれは選択ミスでしょう。別にどうしてもクリヤしないと死んぢゃうって訳でもないチャレンヂを描いているだけなんだから、やってる本人たちが楽しんでいるのを観て、こっちも楽しく思えればそれで十分です。そーやって観るのが正しい娯楽映画。貫地谷しほりが可愛いです(にこにこ)。てゆーかメインの4人はドラムの子以外みんな可愛い(笑)。
 

スウェプト・アウェイ』

ラズベリィ賞受賞、にしてはちゃんと観られました。マドンナがちゃんと「本当は若い娘がいいのよね」とか言うしね(笑)。最初は嫌いあってる男女が無人島に流れ着いてすぐは、女を女とも思わず殴るしね。マドンナが歌い踊り狂うシーンと「実は好きだったんだ」って箇所はごわいきょうだが(笑)。
 

『スーパーサイズ・ミー』

まず映画がはぢまって思うのは「マクドナルド食べたいなあ」だったよ(笑)。実験としては興味深く、一回は観る価値のある映画だけれども、“アメリカ人の食生活に於けるいろんな問題”が途中から挿入されてきてフォーカスがちょっとずれたかなって感じ。マクドを1カ月喰い続けた結果の警鐘が、でもあれくないの体調不良で生きてる人なんていっぱいいそうぢゃん、としか思えぬ程度の状態をオーヴァに言ってるようにしか見えなかったしね。→【きねま猫】
 

『スカーレットレター』

モテの刑事が、愛憎のもつれの殺人事件の捜査に当たりつつも、妻と愛人の両方にいっぺんに子供ができたとゆーそーゆーごたごたしたどろどろした愛憎劇でした。ぢゃあ、なにをどーしたいのかがちいとも解らないけどもさ。「二股かけてるととんでもない目に遭うよ」かな(笑)。イ・ウンジュは綺麗で脱ぎっぷりもよいのでミゴタエがあります。これに出演したからって自殺せんでも、なあ。
 

『スカイキャプテン ―ワールド・オブ・トゥモロー―』

レトロ・フューチャー大好き(はぁと)。ここまで徹底してやってくれると、もう言うことはありません。なんだよ、あの“電波が同心円状に出る”のの映像化は(笑)。そして全編に充ち満ちているくだらなさが素敵。「物で試せよ」も好きだけど、圧巻はラスト。ジュード・ロウの台詞、それを受けてのグウィネス・パルトロウの微妙な表情! これを見るためにこの映画を観てきたのだ! うははうははは!→【きねま猫】
 

『スカイハイ』

ナンバプレィトがはっきり映る車のナンバが「S-888 M6 23-999」みたいに、替えてある配慮が偉い!(歓喜) おかしな点のすべて(“心臓を抜かれた女性が歩く”とか)は「そーゆー設定」で納得させ、舞台さえそー定めたらあとは突っ走っているのだ。映画内ルールを次にどう使うか、楽しんで楽しんで観られました(萌え〜)。→【きねま猫】
 

『スキージャンプ・ペア 〜Road to TORINO 2006〜』

DVDが人気だと聞いた時点では、若者の悪のりに依るブームに過ぎまいと高を括っていたのぢゃが、いや、映画化されたこれを観たら、うわあ。よくぞこんなくだらねえことを考えた!  先に発売されているDVDの時制がこの映画より未来になっているので、さぞや「ネタの昔の形態」を考案するのは苦労だったろうと思います(笑)。よくやった!(喝采) 生涯に幾度も観ろとまでいう氣はないが、一度はこれに、お金を以て報いていい。それだけの価値はある。
 

スキャンダル』

光源氏の物語だ。こいなけちゃらんぽらんに女の子をとっかえひっかえしておいて、「29で初めて愛する人に逢った」とか、信じてなびく方もどうかしている(ぷん!)。ヒロインは、おもっきし抑えた演技をしている木村佳乃みたいだったよ。日本でリメイクする時にはキャスティングするがよい。
 

『スクービー・ドゥー』

そもそもこの原作のアニメは嫌いです。ハンナ・バーベラのアニメの中でも頭身の高い奴はあまり面白いと思わないのだ。「そんなみえみえなギャグで、笑わないだろう」って思う展開ばっかりゲなのですね。で、あんまり期待せずに観たのだが、ああ、この実写版なら面白いです(にこにこ)。“お馴染みのキャラクタ”を、しかし映画化初とゆうことでどう扱うか、とゆう問いには「仲たがいをさせて、映画の中で結束をより堅くする」とゆう方法を採っている。そして、“アニメで面白かった事を実写にする”のではなく、“実写で動いた時に面白い展開”ってのが考えられて作られているのだ。この映画は、原作を知らずにいきなりこれを観て充分楽しめるレヴェルになっていたのであったよ。
 

『スクービー・ドゥー2 モンスター パニック』

子供向けに過ぎる。あと、馴染み客を対象にし過ぎている。“今までに功を成し名を上げた者が、今回は窮地に追い込まれる”パタンの、いつもの通り後ろ半分だけを描いた物語なのだ。はぢめて観る者にはこいつらのこの手段で問題が解決する訳がないとしか思えぬ手際の悪さ、そしてそんなことで解決してしまう敵キャラクタの弱さ、ばっかりが強調されております。テレヴィ漫画のシリィズが、途中の一話だけを見ても楽しめるように作ってあるように、映画になった時もそれだけで完結するものを作ろうよプリーズ。
 

『スクール・ウォーズ HERO』

こんなことで更正するもんなんだ、はあー。不良が全員ラグビー部に所属していて、しかもラグビー好きで、よかったね。てゆーか花園で優勝するのはおまけのエピソードに過ぎないんだろうけど、逆にこれがなかったら物語として広く伝えられることもなかった訳なのね。なんでも成功はしとくもんだ、って教訓だ。SAYAKAが、一切恋愛に発展しないマネーヂャ役を巧く演じています。→【C2】
 

『スクール・オブ・ロック』

おたく魂全開ですね。一番すげぇと思ったのは、バンド・バトルで優勝できなかった時に言う「セックス・ピストルズも無冠だ」でした(笑)。こーゆー、どっちに転んでもロックに結びつける力こそが、おたくの本領発揮って感じ。
 

『スクールデイズ

いぢめのドラマに出てる子役が現実のガッコでもいぢめられておる話だ。現実は救いがない脳、とよく解る。こゆのは「面白く撮ろう」とかし過ぎない方がいいのではと思う演出ぐわいだったよ。
 

スクラップ・ヘブン』

ぱっとしない警官が、便所掃除のプロと組んで復讐屋を営む話。なんだけどぱっとしない。ぐだぐだのまま、なんだかみみっちい自己満足だかに過ぎない終わりを迎えるし。ぱっとしない奴が延々とぱっとしないだけの話を映画化しても、映画自体がぱっとしなくなるとゆう法則か。唯一、栗山千明の右の義眼が取れた痕、黒く深い空洞たる眼窩を見せたとこだけは偉い。
 

『スクリーム3』

ラストで連続殺人の犯人がついに仮面を取る。…観客は、その顔を観て驚愕する! 「………誰だこれ?」 犯人は自己紹介をする。「監督のローマンだ」! あ、あの、眼鏡をかけてたキャラか! なんと、仮面を装着するにあたって眼鏡を外していたのだった。観ている側は「あの人は眼鏡をかけている人」ってインプットしているので、これは盲点でしたね〜…って、いかんがや!!
 

『助太刀屋助六』

邦画の時代劇に何の期待もしないのだけど、これは楽しかったですね。監督の岡本喜八が巧いということなのでしょう。オチは大団円になる、ってのは読めているけれども、そもそも期待をせずに観た身としてはそんなこたぁ問題にならない。途中がノリノリで面白かったので評価しましょう!と思うよ。
 

『スコア』

『エントラップメント』でキャサリン・ゼタ・ジョーンズがトライした盗みテクを、もっとセキュリティをゆるくすることでデニーロでも挑戦できるレヴェルに落とし御大デニーロ直々に盗みに入るとこを見せてくれる映画です。『エントラップメント』のあとで、この映画を作ろうとゆうパッションがどこから来るのか、知りたい。
 

『スコーピオン』

カジノ強盗をした奴らが騙しあいながら金を盗ったり盗られたりする話。エルビス・プレスリィが設定に絡んできているけど、思い入れがないのでなんとも思いません。泥棒のくせに、すぐにもと仲間のことを警察に通報とかしちゃう、なんて点だけで新鮮だったけど、あとは別に…。
 

『スコルピオンの恋まじない』

ウディ・アレンは40年代が舞台の映画が大好きみたいで、そのとおり、CGも特殊効果もなにも施されない、喋くりでくすぐるタイプの映画を作りました。古臭い手法で、でも面白く観られるものを作り上げるのは大したものなんだろうけど、ただ、今、現代に於いてこれを作ることにどいなけ意味があるのだろうか、これを観ることで得るものはなんだろうか、と思わないでもない。ってほどに、つくづく古さを楽しんで作られている訳なんだけどね。
 

『スズメバチ』

倉庫に篭城し、撃ち合いを始めるとそっから後は面白い。そこに到るまでのセッティングの語り口は、構成には凝っているのだろーけど判りにくいことは否めまいて。
 

『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』

宇宙人のデザインがとても気持ち善い。海中のでっかいでっかいお魚が好き。
 

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』

映画を本数観るようになって、初のスター・ウォーズシリーズ観賞なんだけど、わあ、こんな話だったのか(苦笑)。『ウォーズ』だけに、戦争をテーマにしなきゃならないことは解るのだけど、画面の「SFさ」とは裏腹に戦争の原因がとても古臭い物語なのだ。世界中の観客を納得させるには、こーゆー“ありきたりな利権対立”を据える、とゆうのが一番だ、とゆう考えなのだろう。テクノロヂィが発達した世界なんだから、人間の意識とか知恵とかももっと進んでいる、その先での対立を描けばかっちょいいのに〜と思わされた…のだが、よくよく考えてみると「ずっとずっと昔の話…」ではぢまるストーリィなのであった(笑)。ああ、みんな、野蛮だった時分の話なのね(笑)。ちゃんと、考えられているぢゃない。映像を観ている分には楽しい映画でしたね(にっこり)。
 

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』

タイトルに冠しているように戦争を描くのが目的だから、目新しい戦い方のパタンをどいなけ出せるかが勝負の映画っつーことで、でもやっぱき「クローン大戦」と比べちゃうと人間の動きはアニメィションよりももったらもったらしてて切れが悪いよね。現実の戦争と違って、ファンタヂィの世界だけに、戦争の理由は純粋に利権争いだ。宗教抗争とか人種対立なんてのは出てきません。つーことで、見た目でサベツが発生しないのをいいことに好き放題に展開されている異星人のデザインを楽しみにすべきであろう。グリーバス将軍が素敵。しかしこの物語に到るまでやっぱきヨーダは理知的だった。なんでエピソード5ではあれほどまでに化け物として登場したのかは不明のままでした(笑)。
 

『スターリングラード』

第二次大戦中にソ連に攻め込んできたナチスドイツのスターリングラード侵攻を、なんとか阻止するのに一役買った、実在の狙撃手の活躍を描いた物語です。戦争の描き方が悲惨であるとこがまず好ましいし、途中からは狙撃手同士の戦いの話に移行してゆくことで西部劇の一騎討ちの様相を呈してきて楽しめるしで、なかなか面白かったのだ。にこにこ。
 

『スタンドアップ』

映画の冒頭から延々と、とても嫌な、滅入る、胸くその悪い居たたまれない氣分の悪くなる展開がばんばんと続く。うわあ。感心するのはこれだけの目に遭っていて、それで「アメリカ初のセクハラの集団訴訟」に踏み切った実在のモデルとなった女性のつおい意志だ。それは称賛に値するが、でもこの映画は重苦しいばっかりで耐えられません。仕方ない、お勉強のために観る映画ってレヴェルでしかあり得なかったよ。
 

『スチームボーイ』

宮崎駿の手垢ついた展開を、大友克洋の絵、すなーち「つまらないデホルメ」で描いた、レヴェルの低いアニメィション。こちとら、宮崎アニメに慣れ親しんでいるので、次の展開を予想しつつ観進めるんだけど、それがことごとく下方に裏切られ続けるぞ! 特にがっかりしたのは、これだけ期待を持たせたスチームボールを、「空を飛ぶため」にしか使わないって、どゆこと!?(苦笑)
 

『スチュアート・リトル』

CGで描かれたねずみが実写の中に嵌まって、その声をマイケルJフォックスがやって、と聞いて想像できる“コドモダマシ”映画です。エピソードはどれもみみっちいし、苦労したであろうCG合成は「ふ〜ん」程度だし。観るべき点があるとすれば、実写の猫の演技ですね。猫は、可愛いね。
 

『スチュアート・リトル2』

“ファミリィ向け映画” 然としているので、退屈な箇所もある。けど、「模型飛行機で空を飛ばせる」アイデワによって前作よりも広がりを表現できており、楽しめましたね。
 

『スティール』

凄腕の盗賊団が、しかし警察権力とかから脅迫されて言われるがままに悪事を働かざるを得なくなる、ってーと『トエンティマン・ブラザーズ』のよーですが。そして見せるアクションは『トリプルX』のよーな、『EXエックス』のよーな、派手なものです。そこに加えてこのタイトルだから、「えーと、どんな映画だったっけ…」ときよくの中に埋没するであろうことは必至。悪くはなかったのだけど、ありがちなのがねー。
 

『スティル・クレイジー』

20年前に解散したロックバンドを再結成するぞーってゆうドタバタコメディ(笑)です。楽曲になんの興味がなくとも、ストーリィは判り易く作ってあるので、面白く観れるでしょう。日本趣味が方々にちりばめられてるのも楽しゲ。
 

『素敵な歌と舟はゆく』

パリを舞台にいろんな人がこちゃこちゃと小ネタをやるのをつなげた映画。軽い気持ちで流して観るのに合っている、のだろう。
 

『すてごろ』

梶原一騎マンセーの映画。梶原一騎の弟である真樹日佐夫がバーでホステスにひどい仕打ちをしている男を諌める、なぁんてシーンがあるが、梶原一騎本人は映画中に出てくる新聞記事をよく読めば判るよおに「ホステスや編集者に対する暴行容疑」で逮捕されたりしているのだ。笑わせるぜ(失笑)。梶原一騎信者のための梶原一騎信者に向けての、映画なのであった。
 

『ステップ・イントゥ・リキッド』

もっと波乗りのシーンをいろいろ見せまくってくれるのかと期待していたのに、もう全編インタヴュばっか! サーファが自己主張するための映画でした(笑)。「審査員も理解できないサーフィンをする」男、ってのはちょっと面白かった。
 

『ステップフォード・ワイフ 』

冒頭の、かなり早い時点で、判っちゃう。展開からオチに到るまで、こーなったら常道だよなってのをそのまんまやってるので、判っちゃう。判るように作ってあるのだ。そしてたとい判っても、こーやって作って観せてくれると面白い。謎解きではない箇所をこそ見せたい映画ってことだ。お砂糖とスパイスと素敵なものを加えたりしてるとことか(笑)。成功していると思います。それにしてもニコール・キッドマンは怖い顔をしているなあ。可愛いふりふりの服を着て、確かに綺麗だけど、なおりりしい顔だもんなあ(笑)。
 

『ステルス』

タイのシーンは要らないなあ。緩急の緩のつもりなんだろうけど、ピントがずれ過ぎ。あと北朝鮮であんな爆撃行っちゃ駄目です(笑)。もー。アメリカは、ものが解ってないったら!(笑) 無人機は超かっちょうよかったよ♪ 衛星軌道から見える規模の爆破を行ったってのも偉い。本気で映画を撮っている訳だ、この馬鹿さ加減は称賛に値しよう(笑)。→【きねま猫】
 

『ストーカー』

DPE屋がフィルムの現像を請け負っているうちに、ある家族に親近感を持ち、あたかも自分が「おじさん」であるかのように思い、ふるまうようになってくるサイコ・スリラー。最後まで観ればとても首尾一貫している犯人像なのだが、映画の途中では、どこで切り取っても犯人が次に何を考え、何をし、どこまでの行為に及ぶのかが読めないし、読ませない。こうゆうキャラに設定したのはこの映画の手柄と言えましょう。なお、邦題の『ストーカー』というのはこの映画のこの犯罪を象徴して一言で表すのに相応しい単語ではあるけど、もちよんこれひとつでこの話のすべてを表現しきってなどは全然いないことも確か。まぁ原題の“One Hour Photo”だってストーリィ的には抽象に過ぎるから、いいのかも。
 

『ストーリー・オブ・ラブ』

恋愛は出会ってからよりも継続させ続けるのがむづかしいのよ、っていうとっても正しい映画(<『ワンダ−ランド駅で』に観せてやりたいものだ)。結婚して15年経って、大倦怠期に陥った夫婦のお話です。それにしても描かれる“恋愛・新婚時代”のエピソードの可愛いことよ!(はあと)
 

『ストレイト・ストーリー』

トラクターで荷台を牽引しつつ、6週間かけてお兄さんに会いにゆくぢいちゃんの話です。ロードムーヴィーって、いうの?(笑) 温かい気持ちになる映画で、そーだなー、『ライフ・イズ・ビューティフル』からギャグを除いたみたい、かな…。主人公のおぢいちゃんのヒゲヅラ笑いが、いいですね。
 

『砂と霧の家』

自堕落な自分のせーで失った家を取り返そうとするあまりに、2つの家庭を崩壊させる『ゴヂラ』女のお話だ(笑)。胸くそが悪くなるストーリィなので、破壊の限りを尽くす顛末を楽しむつもりで臨みましょう。
 

『砂の器 デジタルリマスター』

だから「判らない、隠したことがあるまま物語が綴られていく」っていう推理小説の構成の映画は、駄目だって。何やってるんだか理解不能で、テッテー的につまらない。前半部を全部寝てて、解決編だけ観て、充分に面白い。ってんだったら最初っから解決編を先に見せるよう組むべきだ。
 

『スノー・ドッグ』

毒にも薬にもならないディズニィ映画だろう、と覚悟の上で観たのだが、覚悟をしておいてよかった。犬ぞりレースの話なのに犬ぞりレースは「人と人の結びつきの道具」としてしか利用されていない。ハート・ウォーミングな映画が作りたかったのね。毒にも薬にもならない小ギャグもちりばめられていて、そーゆーのに笑うことが出来る人は知らず知らずのうちに時が経ってゆくであろう!と思われるよ。ああ、きっと、アメリカのちいちゃい子が観て喜ぶように作ったものだろうね。
 

『スパイキッズ』

子供向けの、子供が喜びそうな映画です。スパイの父母を持つ姉弟が、敵に囚われたれた両親をスパイグッズをいっぱい使って救い出しにゆくお話です。敵のロボットやミュータントの造型がくだらないし、スパイグッズも“硫酸クレヨン”だの“電気ショック・ガム”だの、馬鹿馬鹿しい限りです(笑)。楽しくする方に神経が全部行ってしまったのであろう、囚われの身の両親は子供たちが救い出しに来るまで処刑されることはないし、解決はとても他愛ない。もう少し、気を配ってもよかったのではないかしらんねー。
 

『スパイキッズ2/失われた夢の島』

CG合成がちゃち(笑)だけど、「気違い博士が造り出した合体生物」だの「出鱈目に派手なテクノロヂィ満載のメカ」だのを楽しむのが目的の映画なので細かいことを言うべきではないのでしょう(笑)。ストーリィはいきあたりばったりで、何に対してはらはらすればいいのかよく解らないって程度だったけど、絵づらが十分に馬鹿馬鹿しく派手なので楽しめました。それにしても主役の子供二人は安っぽい無名俳優でございって面相だなあ(笑)。
 

『スパイキッズ3−D:ゲームオーバー』

84分の上映時間中、右が青、左が赤の3Dめがねをかけている時間が60分くらいあるよ。メガ疲れるよ(笑)。どーせ周囲の風景やメカをすべてCGで描いたなぁんて映画を作るんだったら、たしかにこのくないの、「立体映像」ごっこをいっそした方が潔く楽しめる、といえば楽しめよう。ゲムーの世界での冒険も、子供がいかにも喜びそーな「ロボットバトル」だったり「レースゲムー」だったりするし、そりゃあやりたくなる方面でした。
 

『スパイシー・ラブスープ』

予告を観た限りでは『アドレナリン・ドライブ』と『八月のクリスマス』を足したみたいな話かなって思ったのだったけど、10代、20代、30代、40代、50代それぞれの恋愛を描いてゆくって映画なのだった。まぁ、予想できる範囲の出来の、映画です。「韓国の風習を楽しんで観ましょう」っていうお薦め言葉が相応しい、ってくらいの評価ですね。
 

『スパイ・ゾルゲ』

昭和初期の背景を、もう、CG使いまくりで描いています。一番すげーのは「クラシックカーが町を走行する、その運転手側から助手席方面に向いたカメラアングルで、助手席の窓の向こうの流れてゆく景色が延々CGで描かれた町並と人と車」ってとこだ。ま、すげーだけで、実はそんなCGだって判っちゃいかんとゆー気もする。あと、3時間3分もあるので、最初の1時間を仮りに寝てても、目覚めてから2時間もある訳だ。すげえね!(笑)
 

『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』

精神病の男が、自分の少年時代の記憶を訪ねる物語。観ていて、ちょっと不自然だな、と思う箇所は、すべてこの映画のルールに基づいているもので、最後まで到るとそのルールがどういうものであったかが明かされる仕組みになっています。もしかしたら『ドグラマグラ』を映画化すると、手法としてはこういう表現になるのかもしれません。ちなみに、どこで正答を確信したかってゆーと、“父親が少年時代の主人公に「本当におれが母さんを殺したと思っているのか?」と問うた時の表情”で、でしたね〜(笑)。なぁんてふうに、方々に正答への道は張り巡らされているのであったよ。
 

『スパイダー パニック!』

“巨大生物が襲ってくる”話を最新のVFXを駆使して作ったばか映画です(笑)。ところどころ、とても秀逸に笑えます(「壁の中で猫と蜘蛛が戦うとこ」とか「シャッターの向こうから伸びる蜘蛛の脚をチェインソーでぶった切るとこ」とか)が、どうもテンションの維持が困難だったらしい。“つなぎのシーン”を作ってしまっているのだ。惜しいね。シナリヨに、もうちょっとお金をかければよかったのかもね。
 

『スパイダー・フォレスト/懺悔』

韓国の記憶混濁ミステリィ。本当にあったことと妄想と、過去のきよくの残滓とそっからの捏造と、時間の超越と順序の入れ替えが出てくる。つまりミステリアスっぽく、テキトーに、筋を通すことなど端から考えずにそれっぽいイメィヂだけを繋ぎ合わせ組んであるだけの、雰囲気重視のいんちきミステリィでした。まぢめに解こうと思って観ていると馬鹿をみるであろう。
 

『スパイダーマン』

“第一話”を作るつもりでしょう、丁寧に組み立ててあります。能力を手に入れるエピソード、活用するエピソード、正義に目覚めるエピソード、そののちに、やっと舞台はニューヨークに移り、スパイダーマンは活躍をはぢめるのであった。飽きさせないで、これだけじっくり見せられる構成がなされているのは大したものでしょう。但し、一回観てしまうともっかいこの活躍する以前の顛末を観たいか、と言われるともう結構、と思うのであった。それよりは続きが観たい、そんな映画です。
 

『スパイダーマン2』

前半部は「スパイダーマンなんかもうやめる」話。理由がすごい、「お金に困って」だ。うわあ。そんなヒーローもの観たことないよ。後半部はもっとすごい、マスクドヒーローがこんなふーになるなんて空前絶後であろう。まさに全編に亘って設定の盲点をついた(笑)ってゆーか、卑怯な禁じ手の連続でした。わはは。ドック・オクの造形はかっちょうよく、素敵。人工太陽球も手塚治虫に見せてやりたかったぞ。
 

『スパイ・バウンド』

実際にあったスパイによる悲劇的な船舶爆破事件をモチーフに、そのバックグラウンドのスパイの暗躍と口封じのために始末されるまでの顛末をフィクションで映画化したもの…だそーだけど、そもそものその船舶事件ってのにちーとも、他国民だけあってなぢみがありません。ケッて感じ。さらにはよほど悲劇的だったとみえて、とても腫れ物に触るように事件を扱っているんだから、全然言いたいことが伝わってこないし。何がやりたいんだかって感じ。
 

『スパニッシュ・アパートメント』

スペインに留学に行った先のアパートにはいろんな国の若者が同居していた、ってゆー話。なのだけど、字幕スーパでしか内容を理解できない者にとっては各国語に依るやりとりだの国ごとの風習や考え方の違いなんてのを楽しむすべもなく、「きっと面白いんだろーなー」とゆー想像でしか観られないってーのは、やっぱ、駄目でしょう。ヨーロッパ圏の人が観て楽しむ映画です。
 

『スピリット』

アメリカ西部の野生馬・ムスタングが騎兵隊に捕まり、インディアンとともに脱走し、騎兵隊に捕まり、インディアンに助けられて逃げて故郷に帰るとゆうアニメ。眉毛はキャラクタの感情を表現するためにはとても便利なアイテムだけどいくらなんでもこの絵では最初は引く。主人公の仔馬が成長して大人の馬になる頃には慣れるんだけど。「馬は会話をしない、喋らない」って設定を貫きながら、顔だけはこんな人面馬にするってんだったら、それは唖の物語を語っているのとどう違うのか。ええと、つまり表現に於いて古臭い訳だな。
 

『スペース カウボーイ』

40年前にアメリカ空軍にいたぢぢい達が、スペースシャトルに乗って人工衛星を修理にゆく、って話です。いろんな確執や妨害があるかと思いきや、すいすいクリアしていく。でも次の困難がすぐにやってくるので大丈夫(笑)。終わった困難は振り返らないようにその場を楽しみつつ観ましょう(にっこり)。
 

『スペース・トラベラーズ』

最初はどうしようもなくテレヴィ的でゆるい。ギャグドラマを観ている感じだ>きっとギャグドラマのつもりで作っているのでしょう。また、いかにも「舞台劇を映画化しましたよ」的な演出が方々に施されている。登場人物がキャラを立たせるための“お芝居”をしているのね(笑)。そんな悪口も、観ているうちにだんだん気にならなくなってくるくない、楽しめる映画でした。キャラの棲み分けも出来ているし(にこ)。…でも本当にラストの、深津絵里のカットには「その終わり方にはどうかな…」ってちょいご不満が残らんでもなかったのだ(まぁ、巨大な不満を持ったまま終わる映画よりよりゃあええか)。

『すべては愛のために』

難民を救済するために世界を飛び回る版の『トゥームレイダー』でしたね。最初は飢餓、次はゲリラ軍、さらに内戦ってゆーふーに、レヴェルワップの方向を「自分の身に危険が降りかかる」方へ進めていっているが、はっきり、最初の難民たちこそが最も衝撃的でした。徐々にヘタレてゆきます。主人公本人が痛いよりも、周囲が痛いのに主人公にはなにも出来ない、って方がよっぽど痛さを伝えられると、どーして気づかないかなあ。つーことで観る甲斐のあったのは最初の国での顛末。あの悲惨さは、訴える価値があります。
 

『スリー・キングス』

湾岸戦争が停戦になったので、イランがクウェートから略奪した金塊を帰国前にぴんはねしようとするアメリカ軍兵士のお話です。人間が鉄砲の弾を受けるシーンの映像はちょっと凝っている…だからといってそんなに敢えて言うほどよい、って訳でもない。ほかに挙げるべき特長がない映画です。30年前に同じような映画を深夜のテレヴィで観たことがある気がする…ってレヴェルなのだった…。しょんぽり。
 

『スリーピー・ホロウ』

ゴシック・ホラーだ、と判った上で観にゆきましょう。ミステリィ仕立てになっているけど、途中で考えて謎を解こうなんてゆめゆめ思ってはなりません。肝心の処を“悪霊のせい”にしている(笑)ので、トリックを解くなんてことは不可能です。この映画の一番面白い処は、だから犯人が判明してから後なのです。犯人が判るまでは、まぁ、映像を楽しんで観ようではありませんか。登場人物も、観てて区別がつかないことですし(とほほほ…)。


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