わんこめ映画評ら【さ】


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21世紀映画評入り口
 

サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』

悪そうで、でもおしゃれな女の子に惹かれてまぢめな女の子が悪く染まってゆくお話。この程度のワルだったらいいぢゃんねえ、と思わないでもないけど、それが家族で、妹だったりするととても動揺する、ってとこがうろこでした。みんな、そんな程度のファヂィな価値観なんだ、ほう。
 

最後の恋のはじめ方』

期待してたよりもちょこっとだけフツーだった…。設定は面白いし導入部もスピィディでいい感じ、予定調和とも言えるラストだってラヴコメなんだから小気味よく、あり。でも、真ん中がだれたのね…。ウィル・スミスが恋愛請負人“デート・ドクター”であることがばれる顛末をもっとスマートにやっていただけてたらと思えてなりません。偉そう?
 

最後の恋、初めての恋』

「左遷先の異郷での恋愛」「姉妹の双方との恋愛」に、「傷心時の恋愛」のファクタまで加えるもんだから、終わってプレスを読むまでそんな設定にまで気づきませんでした(笑)。ふんだん過ぎるよ! さらにこの後に「不治の病の恋愛」へと展開していくし(笑)。多っ! ドン・ジェが可愛くて、石橋凌が『g@me.』のあの副社長然とした立派な上司で、脇にいい役者を配した映画であったことだなあ。メインのふたりはフツー。
 

サイコ・ビーチ・パーティー』

アホバカサイコホラー映画を作ろうとしている。ラストの3分にもってきたオチには、思わず苦笑して楽しんだのだが、途中が飽きるね。
 

『最終絶叫計画』

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と『マトリックス』を観た人は観るとよい。ホラー映画のパロディで、自ら「『スクリーム』に筋があったか!?」と言って憚らない(笑)くらいだから、それと知って観にゆきましょう!
 

『最終兵器彼女

もっとメカニカルに変化するとこを見せるかと思ってたけど、ま、こんなもんかな。前田亜季カワユス! がんがん爆撃を受ける札幌や小樽カッコヨス! ラストシーンもいい感じ、なので貫地谷しほりの役が無駄だったとか、不満があっても許す<偉そう。
 

最‘新’絶叫計画』

全編で1時間15分、しかも冒頭の5分は前作のダイヂェスト、とゆう手の加えられ方がされている。普通の映画にこんな処置が施されたのだったら噴飯ものであるが、このシリーズに関しては、ちょうど製作者側の意図するレヴェルと、その拙い処理ってのが合っているような気がする。映画本編を支持する人はこんな改悪をも面白がれるだろうし、この変更を快く思わない人はそもそもこの映画本編を観に来ようとも思わないであろう。
 

『サイダーハウス・ルール』

孤児院で育って、一旦りんご農園に働きに行って、また戻ってくる男の子の話です。孤児院のシーンは、泣くね(笑)。りんご農園の話は、オマケだ。タイトルにもなっているオマケなのだ。
 

『サイドウェイ』

ワインおたくで女性に奥手の男が、女好きの友人とふたりでワイナリーを巡ってワインの試飲の旅をする1週間を描いた映画。絵づらが地味だなあ(笑)。まぁ、おたくドラマなんだから地味でもいいのか。→【C2】
 

『サイドウォーク・オブ・ニューヨーク』

女性3人、男性3人のニューヨークの恋物語です。街頭インタヴュの形式をところどころに挿み込んで、行動だけからでは窺い知れないキャラクタの本音や本質を発いているのであった。ブリタニー・マーフィーとヘザー・グラハムが可愛いねえ(にこにこ)。不器用だろうがスマートだろうが、こんなふうに展開すると恋愛が成就するのだなあ、などと観てて思うよ(にこにこ)。
 

『催眠』

『富江』の菅野美穂を期待して行ったのだけど、レヴェルが違いましたね(もちよんこっちが下)。どうして、“力を限度以上出して走った揚句に脚の骨がぼっきぼきに折れて死”んだ、その脚が「いかにも作り物」なのを許すかなぁ! もっと、本当みたいな死体を作っておくれよ。これは『ガメラ3』の“血を吸われてひからびてミイラ化した死体”にも言えるのだ。醒めちゃうんだよねー、そうゆうシーンでおもちゃ出されると。菅野が振り返るシーンで、身体が異様に捩じ曲がる、って処も雑な映像処理でよしとしているしさー。「これならテレヴィで観れば充分」って思われては、イヤでしょう?
 

『サイモン・バーチ』

無理に、殺してないか? いい話にしようとしたのは判るけどさ。
 

『サイレン』

妄想落ちかよ!(ぎゃふん!) 起こった怪異現象のすべてが幻想だったなんて、駄目だろう。てゆーか幻想と現実の境目がはっきり描かれてないって点こそが一番駄目なんだけど。『フライトプラン』のアンチでしたね>『フライトプラン』参照。
 

サイン』

どうして「ミステリィサークルを作る商売をしている人たちがいる」とみんなが知ったのちに、こんな映画を作ったのだろう。何故『マーズアタック』とゆう映画がかつて作られ、その内容が広く知られているにもかかわらす、こんな終り方の映画を製作しようという気になったのだろう。最初にあれだけぶち上げておいて、結局“ミステリィサークルの作られ方”は最後まで明かされないし。最後になにかとてつもない“謎解き”があるんだろうと、わくわくして観て大損しました。たとえただでも、テレヴィでやることになっても、観てはいけない。時間の無駄以外のなにものでもない。
 

ザ・インタープリター』

たしかに上手に組んである。今、不明のままで話を進め、やむを得ず棚に上げておいた疑問が、展開とともに解明されるという作りで引っ張って引っ張って見せるのだ。しかしあまりにもこれが多用されすぎてて、観ていてものすごく疲れる。読み返す、観返すことが不可能な映画とゆうメディワで、これほどふんだんにこれをやられちゃあついていけないよ。そんなには覚えてい続けられません。もーちょっとだけ観客が楽に観られるよう、親切に作りましょう。
 

『ザ・ウォッチャー』

よくある“自分から警察にアピールしていって結局捕まる犯人”映画のパタンです(笑)。まぁ、ほかのは「なんでわざわざ捕まりにゆくねん!」って思わされていたのだったが、これは犯人であるキアヌ・リーブスが自分を追ってくれる(「くる」ではなく「くれる」と思っている)捜査官に好意を持ち、捜査官をウォッチし続けているってキャラクタなのだから納得できなくないのだった。やおいっぽい好意には恋愛が絡んで来ないので、純粋に見えて映画的によい感じね<「よい」か?
 

『サウスパーク 無修正映画版』

アメリカで人気の、放送禁止用語ばんばんのテレヴィアニメの映画版です。日本語のテロップで「オマンコ」とか「黒んぼ」とか「こびと」とか出て来るは、切り絵アニメなのをいいことにフセインの顔写真をそのまま使って登場させているは、ペニスの写真をもろに(おもちゃだ、との触れ込みで)出すは、ビルゲイツは(絵で描かれたキャラだけど)撃ち殺すは、小山ほどもある巨大なクリトリスは出てくるは、やり放題っぽいアニメ映画です。こうゆうのを、日本人が日本のタブーに抵触しながら作ってくれぬものか!
 

『サウンド・オブ・サイレンス』

幼い娘が誘拐された。無事に返してもらうためには、精神病院に入っている女の子から「6桁の数字」を聞き出さないとならない。しかもタイムリミットは夕方の5時だ。とゆう、サスペンス・ミステリィ…を作ろうとしたのだろう。しかし「6桁の数字が何を表わすものであるのかを、伏せておく必要がない」「タイムリミットを設定することに意味がない」などなど、ミステリアスに見せるために出来た歪んだ設定がいくつか目につきます。この手の映画って、どーせ「幼い娘が殺されることはあり得ない」って解って観ている訳だし。一回だけ観て「面白かったね」って思って忘れてそれっきり、って映画なのかもしれない。一言で言って「よくある映画」なのだ。
 

『ザ・カップ 夢のアンテナ』

北インドの亡命チベット僧僧院で修業中の若い僧たちの間ではサッカーが大人気、98年のワールドカップの期間にはテレヴィが観たくてしょうがないので夜中に抜け出してテレヴィを観せてくれる民家で観たり(地球は丸いから脳、って言っている)、テレヴィ屋でレンタルテレヴィを借り出したり、どうにかして観るのだ!ってゆーお話。「テレヴィをどうするか」にまで話が及ぶとそっからあとは面白いのだけど、そこまでの設定説明とか状況説明みたいなシーンはねぶかった…。細かい“面白がらせ”はやってる(朝起きない主人公を起こすのに足に水をかける、とか)のだけど、話がテレヴィ観賞に及んでからやっと動き出す、って感じ。オチはわざとらしく、ヒューマニティで、いい話にしちゃってる(それまでにやってきた無茶はどうなったのだ!)けど、まぁ、ブータン映画ってことでいいことにしましょう(にこ)>キャラの勝利ってことですね。
 

『魚と寝る女』

湖の上に小さいお家がいくつか浮かんでいて、それは釣り客用の宿なのです。経営者の女の子がモータ付きのボートで送り迎えをしてくれます。湖に朝靄が立つととても綺麗な絵になりますね。そこへ、訳ありの男が流れてきて長く居着くのだ。…とゆう韓国映画。設定の異質さに負けない、強いエピソード満載の、しかし解り易く面白いよい映画だったのだ!(にこにこ)
 

『魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE』

驚くべきは神山が漫画にそっくりなことだ(笑)。それですべてを許せる。もともとの原作が短編の読み切り形式で連載されているので、ひとエピソードごとがぶっちぶちに細切れになっているのは観る側も覚悟の上、笑いを誘う前に次に進んでしまってもやむを得まい。それよりこれを実写映画化しようと思った、その心意気を買いたい(笑)。
 

『さくや 妖怪伝』

松坂慶子が巨大化して目から破壊光線を発して襲ってきます! それに免じて、かぶり物の妖怪の造型のちゃちさとか、ふり蒔いた設定(旅の道中でお地蔵さんに必ず花を供えているとか妖刀村正に人間の血を吸わせ続けていると外道に堕ちるとかの“このあと何かあるだろうな”って思わせる各エピソード)を使い切らぬまま話が終わってゆくとかの欠点には目をつぶってあげましょう!(にっこり)
 

『サクラ大戦 活動写真』

簡単な設定だけ、観る前にインプットしておけば、楽しく観られるレヴェルのアニメでした。
 

『ザ・コア』

地中版『アルマゲドン』(<『アルマゲドン』観てないけど)、若しくは世界を救え版『ポセイドン・アドヴェンチャ』(<クルーがひとりひとり順番に死んでゆくから)です。理屈なんて(通って)ないから考えてはいけません。ただ、次々に降り掛かってくる災難を順繰りにクリヤしてゆくのを面白がって観るタイプの映画であった。
 

『ザ・コンヴェント』

『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』内で礼讃される映画こそがこれだ! くだらなく楽しく作った超B級バカホラー映画です。ちらしの煽り文句に「総天然蛍光色ホラー、日本上陸」ってあるよーに、顔に浮き出る血管や噴き出す血しぶきが蛍光カラーなのだった(笑)。笑って観よう。
 

『ザ・コンテンダー』

合衆国大統領が、副大統領として女性議員を指名しようとする。それに反発する議員らが、承認会議の席で大学時代のセックス・スキャンダルを武器に女性議員を叩く。女性議員は、下品な追及だとゆーことで相手にしません。普通この手の話って、“真実がどうであれ口が巧い奴が勝つ<それが主人公の側だ”とゆう作りで、嫌いなのだけど、この映画はそもそも“真実に触れる気はない”ってスタンスで推移してゆくので、「口八丁」とゆうよりも「何が大切で何こそを護るべきか」とゆう副大統領としての素養を論じるストーリィになっているのだった。この設定になると、両陣営とも弁が立つだけでなく本当に頭が切れないと闘えないので、結構なレヴェルの議論が楽しめるのでした。
 

『ザスーラ』

ミドコロであるべきカットは、全部CMで観てしまっていた。とほゲ。凍らされるグラマなお姉ちゃん萌え〜♪
 

『サスペクト・ゼロ』

連続誘拐殺人事件を追う物語なんだけど、視点が出鱈目なのでとてつもなく解りづらい。映画がはぢまってすぐに、こいつは捜査をしているんだろうとしか思えない遠隔透視をする禿親父が出てくるのに、そいつが犯人であるかのように語られる。観客を混乱させる事しか考えて作られてないのだ。せっかく着眼点はいいんだからもっと判り易く組みましょう。
 

『ザ・セル』

サイコキラーものとしても、他人の意識に入っていくよものとしても、とてもよい出来の映画です。それが両方合体してるんだからこいつぁすげえよ〜ん。ららら♪
 

『ザ・ダイバー』

アメリカ海軍で初めてダイバーになった黒人兵のお話です。実話に基づいている。うーむ。しかし「人種偏見ばりばりだけど最終的に主人公の味方になる」デ・ニーロのキャラクタってのは、実在した複数の人物を混ぜ合わせたものだそうだ(笑)。それで実話とは片腹痛いのは、だれ?(笑) 主人公が頑張っても、そう易々とはみんなの人種偏見が解けない気味なのは本当っぽいかな。でも、頑張ればなんとかなる程度の障害しかなかったとゆうのも事実だろうけど、ちょっとその程度をあんまりドラマチックに盛り上げ過ぎちゃう?とも思わんでもない。実話でなくてもいいからスーパーマンが見たい気がします。
 

『殺人の追憶』

こんなに、思いがけず跳び蹴りが出る映画ははぢめてです!(歓喜) 「犯人が結局捕まっていない、実際にあった連続強姦殺人事件をモチーフにした」映画だ、と聞いていたので、即ちこれは解答のないミステリィだ。解答がないとゆーことは伏線もない訳で、つまり観るべきは純粋に韓国の警察の操作手順と、酷く殺された若い女性の死体です。満喫しました。考える必要も頭を使う必要もなく観る犯罪映画の、何て楽しいこと!(ららら♪)
 

『座頭市』

「血がCGで描いてある」ってのと「やたらと“めくら”だの“乞食”だの言う」ってのの2点に於いて、邦画の時代劇に一石を投じる映画。これでフツーなのに、あまりにもこれまでのちゃんばら映画では軽んじられていたのだ、とたけしは言いたいのにちまいない。こんなことが当然のこととして描かれる状況下で、次にたけしが何を作るかが観てみたいと思いますね。
 

『サトラレ』

自分が思っていることを周りの人にみんな知られてしまうってゆー男の物語です。設定上、「サトラレはIQが高いために国家財産として保護する」って法律があることになっていて、そんで話として成立するのでした。ちょっとテレヴィ的になっちゃうかなって思っていたけど覚悟した割りには充分楽しめましたねー。きちんといい感じで感動させるエピソードもあって。ちょっと感動に偏り過ぎかなと思わないでもないけど、まあ許す。
 

『サハラ ―死の砂漠を脱出せよ―』

2度、立て続けに観る映画ではない、それほどミクロチェックしたくなるほどマニワックに作られている訳ではない、けど、生涯に1度だけ観てとても楽しめる良質のアドヴェンチャ映画でした♪(はぁと) 繋ぎのシーンにもきちんとネタが施されていてメガ離せなく、飽きません。タイトルの地味さからは予想もつかなかったなあ(笑)。→【きねま猫】
 

『サハラに舞う羽根』

出征前にびびり入って、軍隊を除隊する。そーしたらもー、軍の親友から彼女から父親から、みんなから「憶病者」呼ばわりされるってー男が主人公。その、軍の親友たちから手紙に白い羽根が添えられて送られてくる。「白い羽根」は憶病者のしるしなのだそうだ。ってことで主人公は単身、白い羽根を突き返しに、軍隊を追って戦場へ赴くのだ。こそこそ単独行動を行いながら、軍が窮地に陥ると親友をひとりひとり助けては白い羽根を突き返すよ(笑)。なんちゅう映画だ!(笑) なんだか立派なことをしているよーな錯覚に陥りそーだが、だけどこの主人公みたいなのを憶病者と呼ばずして、憶病者って言葉が遣われることはありえないぢゃん、ねえ。「ポリシィがある訳でもないみみっちい奴が意趣返しを人生の目的にする」って、そーゆーお話なのぢゃった。観てると面白いからって、主人公の行動の本質が正しい訳ではないことがあるのだと、よく解って観ましょう。
 

『ザ・ハリケーン』

タイトルだけ聞いて観に行ったので最初は『ツイスター』みたいな悪天候パニック映画だと思っていたらボクサーの映画でした(笑)。と思っていたら黒人差別と冤罪と上告と裁判の映画だ(笑)。最近多いぞ、実話裁判映画。若しくは最近多いぞ、刑務所映画(笑)。まぁ、飽きずに観られたのでよろしい。
 

『ザ・ビーチ』

綺麗なビーチがあるというので行ってみた、そうしたらそこには旅人が作ったコミューンがあった…って点で「な〜んだ」って、抜けたくならんか? そこで抜けずに仲間になると、今度はサメに喰われて瀕死の重傷を負った仲間は山に捨てにいきましょうっていう。いいぞ、捨てろ捨てろ。なのに、そのコミューンのボスがラストでディカプリヨに銃を向けたことで、コミューンは崩壊してみんな文明社会に帰る…なんでやねん(笑)。君たちなにしにそこへ行ってるねん(笑)。方々で「それは選択せんやろ」って道を選んでお話が進んでゆくので(日本人だったら大麻畑を発見しても大麻って判らないのではない? だから喜びもしなければ危険も感じないのではないか?とか)この映画を観る時にはワンエピソードずつ独立させて、前を引きずらないで(笑)その時問題になっていることだけを気にして観るようにいたしましょう。まぁ、世捨て人みたいな生活に憧れていても結局タンポンは必要だし石鹸やゴム手袋は欲しがるし、って処のみで文明否定の批判をしているのかもね〜とは、思えるのだけどね。
 

『ザ・プロフェッショナル』

チームプレイで金塊を強奪し、しかしその後仲間がどうにか金塊をすべて我がものにしようとやってくるので、それらを何度も何度も出し抜いて、裏をかいて隠し場所をどんどん変える、とゆう騙しまくり映画だったよ。「実は思っていた隠し場所と違った」ってのも、一回くないなら「賢い脳」と評価できるのだが、それを三回もしちゃあ、やり過ぎだ(笑)。調子に乗り過ぎて、既に意外でも何でもなくなってしまいますのです。「実は…」なんて、野球映画に於ける「ぎりぎり滑り込んでセーフ」と一緒で、どいなけでも作り込むことが可能なんだからここまでも安売りしちゃあ駄目だ、ってゆう例だと言えよう。
 

『サベイランス―監視―』

どおみてもビル・ゲイツを思わせるコンピュータ業界の巨人が、会社を発展させるために在野のプログラマを殺してそのプログラムを盗んだり、陰で悪事を働いているのだ。新たにその会社に呼ばれた若いプログラマがそれを糾弾する、とゆうストーリィなのだけど、さて、どいつとどいつが味方でどいつが敵でしょうか…ってとこがミドコロ。設定が甘いところもあるけど楽しめることでしょう。
 

『ザ・ボディーガード』

フツーの女性を、子供の頃からずっとボディガードし続けていた奴が、成長した揚げ句スタローンになってよかった。もっときしょい奴になっちゃってたらと思うと怖いね(笑)。この「フツーの女性」のフツーらしさの表現がなかなか秀でているので、だから物語がどう転がるのか、観ていて読めないとこがよかったです。そこでそれが起こるかよ、ってとこに到るまで、フツー過ぎて、緻密じゃない良さが効果となり活きておりました。→【きねま猫】
 

『サマー・オブ・サム』

連続殺人鬼が跋扈する77年のニューヨークが舞台です。パンクになって戻ってきた旧友を怪しんだり、自警団を組んだり、なんかばかがいっぱい出てくる映画です。主人公からして、親友を裏切るは、浮気がばれて奥さんに去られるので泣いてすがるは、大ばか。なんでもっと賢い物語を作らないのかなぁ! 77年のアメリカの風俗が大好きな人には、多少は見るところもある映画なのかもしれない…。
 

『サマータイムマシン・ブルース』

タイムマシンもののシナリヨの、ものすご初期段階で思いつくネタのレヴェルに留まっている。バイエルか。上野樹里はかあいいし真木よう子は眼鏡をかけたあややみたいでかあいいんだけど、価値はそれ以外にない。
 

『サマリア』

女子高生がネットのライヴチャットで客をとって売春をする韓国映画だ、わーい(笑)と思っていたら、途中から親父が出てきて客に復讐をしはぢめるぞ。とほゲ。そんなはずぢゃあなかったのに!(笑) にしてもこのラストは、行き当たりばったりに撮っていってこの辺でやめようかとか言って終わらせたのではと思えましたが。だって、直前の「いきなし父娘で田舎の家に行き泊めてくれと頼む」エピソードで出てきた田舎の親父は、あれは言葉が解らない韓国語であったにもかかわらずそうと判ってしまう、素人だったろう。演技になってなかったやん。緻密に組んであるとは到底思えないエンディングを迎えるぞ(笑)。なんとゆーか。
 

『ザ・ミッション/非情の掟』

別にかっこよくも楽しくもない、目新しいこともない香港のギャング映画。
 

『ザ・メキシカン』

ブラピとジュリア・ロバーツ初共演、が売りの映画です。伝説の銃「メキシカン」を盗りあうお話。いきあたりばったりで事件が起きてゆき、最後に“それなりに筋の通った設定”が暴露されます。魅力も見どころも発見もない2時間3分でした。
 

『さよならS』

フランスのちんぴらの兄ちゃんの映画です。えー加減なこころもちで当たるので、パン屋も巧くいかないしちんぴらも巧くいかないのであった。まぁ痛い目にあって取り返しのつかない傷を負って、結局落ち着くしかないとこに戻ってくるっていうのは教訓なのか敗北なのか。犯罪シーンとかがリアルっぽくってちょっとミドコロって感じ。
 

『サヨナラCOLOR』

昭和五十三年度に高校卒業ってことは、つまり昭和三十六年より5年早く生まれた竹中直人と昭和三十七年より5年遅く生まれた原田知世がともに5年ずつ歩み寄って同級生の役を演じた訳だ、リーズナブルだなあ!(笑) 出てくる俳優が誰も彼も、みんな役者としての自分の色を封印してフツーの人として演技をしてたのに好感が持てました。を蔭で、実際にありえそうな穏やかな世界が繰り広げられたのだ。濃いキャラクタを濃く使わないという、この場合望ましく正しいテクニックが施されていたのですね。25年来の片想いが成就する物語に相応しかったと思います♪
 

『さよなら、クロ』

「さよならだけが人生」の犬みたいで、このタイトルはあざとくてヤだなあ。高校で飼ってた犬にかこつけて、その実ただ単に青春ドラマをやりたいだけではないかって途中で判っちゃって、不快でした(笑)。犬をこそ主人公に据えろよ。『仔犬ダンの物語』の方がよっぽど秀逸。
 

『さよなら、さよならハリウッド』

ウディ・アレンは、昔々のテレヴィのコメディのパタンが大好きなのだ。しゃれた会話、真横からだけのカメラアングル、大きく派手なことは起こらずくすぐりを重ねてストーリィが展開していく。今回は「起死回生で久ヴぃさに映画製作に乗り出した監督が失明したら」とゆうお話でした。古きよき時代っぽいお笑いが繰り広げられます。例えて言うと、吾妻ひでおが、今ではだれもしないような“小さいコマ割り、全身を描いて話を進める”絵柄で漫画を画いているよなもんだと思えば、純粋に面白いかどうかだけで判断を下すべきだと解るだろうよ。そして語り口や切り口がたとい古くさいパタンを踏襲していても、このウディ・アレンの映画は、充分に楽しいのであった。楽しい。
 

『サラ、いつわりの祈り』

実話はつおいねと思った。『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』はまだぬるいな!って感じだったけど、こっちは、幼少期にこのくない異常な育てられ方をすると歪んで、しかし落ち着く場所を求めて曲がったまま安定するのだと知れました。これの方向性が変わった奴が『カナリア』なのね、そんでね。剣呑剣呑。
 

『サラマンダー』

怪獣映画だ!(笑) 盛り上げる割りには、主人公が竜と闘う時には存外ユルくなってとんとん拍子に話が進んだりとかするけど、ま、怪獣映画だからねー(笑)。「最初の一匹を倒す」ところが一番の見せ場で、あとはしょぼい、なんて誰が予想できただろうか(笑)。
 

『サラリーマン金太郎』

なんで裁判所から金太郎が出て来ると、パンピーが大挙して押しかけて、喝采するかなあ! そんなにアカラサマに金太郎を支持できるようなニュースソースを、みなさんどっから得たの? そんなマスコミはいる訳? そうそう、テレヴィシリーズも漫画も、一切観たことがないまま観に行ったのだけど、それは関係ないみたい。どっちにしてもこうゆう“独りよがりの一方的に勝ち名乗り”話は大嫌いですので。
 

『ザ・リング』

邦画の『リング』を観たことがある者にとっては、「あの映画面白かったからもう一回、ヴィデヨを借りて来て観ようかな」と思ったかのような、そんなスタンスで観賞することになろう。これから映画の中で起こるほとんどすべての出来事を既に知った上で観るホラーなのだ、間違っても「邦画の『リング』より恐いかな」などとの期待は持たない方がよい。はぢめて邦画の『リング』を観た時のインパクトに勝るショックがあったとしたら、それは全然違う映画でしかあり得まい。そんな観方ではない。例えば落語の『芝浜』を、ストーリィやオチまで知っていても、しかし楽しみに観にゆくとゆうことがあろう。今回の『ザ・リング』の観賞姿勢はまさにそれである。自分の知っているあのストーリィを、どう料理したか、どんなアレンヂで観せてくれるのか、をこそ楽しむべきである。もし、邦画の『リング』を全く知らぬままこの『ザ・リング』を観る人がいるのなら、きっと恐がり楽しみつつも「どうして“呪い”が、ヴィデヨテープなんてゆう即物的な形を持って出現したのか」などとゆー根源を揺るがす(笑)疑問を抱きながら観賞することになろう。我々、邦画の『リング』を知る者にはその気遣いはない。なぜならば「それは言わない約束」であることを既に知っているからだ(笑)。そーゆー些末な(笑)点を無視できる、どことどこで力を抜き、何をこそ注視すべきかを知って観ることができる、「このお話を観るのは2回目」である状況を活かして、『ザ・リング』を観るのがよかろう。ひとつだけ、邦画の『リング』より遥かに優れた表現がなされているところを挙げよう。貞子がそうであったように、この『ザ・リング』に於いてもクライマックスで“テレヴィの画面から髪の長い女がぬるりと出てくる”シーンがある。そこが、邦画では画面から出てしまうと生身の人間になっていたのが、このハリウッド版では“画面から出てもモノクロ”で“走査線が入っている”ヴィヂュアルなのだ。これは大したものです。…逆に、邦画の貞子がその顔を見せるシーンでは「気持ち悪い顔(=白目を剥いた顔)」をしていたのが、ハリウッド版では単純に「恐い顔(=睨みつけた形相)」になっているのだ。きっとこれは、日本人が考える恐れとアメリカ人が考える恐れが違うとゆーことに起因しているのでしょうね。顔の恐さでは邦画の方のが恐かったでした。
 

『サルサ!』

血(人種)の違いと、音楽性の違いを融合させた、よいラヴストーリィです。アクティヴになることで成就する恋、って終わり方も、ラテン系ってゆう主旨にあってるようでいい感じ。楽しめることでしょう。
 

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』

「絵」を観せよう、とゆう態度に、『アメリ』に通じるものが感じられる。エピソードもキャラクタも面白く楽しいけど、「こおゆう展開にするために、それまで離ればなれになっていた家族が急に一堂に会してまた同じ屋根の下に住まうようになる顛末が唐突でご都合主義に過ぎる」点と、「結局終わってみたら“親子愛”ものに過ぎなかった」点が、残念でした(笑)。
 

『サロメ』

『サロメ』の舞台が作られてゆく制作過程と、その総稽古をまんま撮った映画。ともあれ『サロメ』に興味がないし、知らないし、解りづらい。面白いもんでもなかった。
 

『ザ・ワン』

設定が緻密に組まれていたのだったらこんな面白い映画はないのだけど、結構穴だらけなのでそーゆー箇所に到ると「ああ、まぢめに必死に観ることないか」なんて感じてしまって萎えちゃいます。一旦そおゆう目で観はぢめると“CGで合成しているのか、ヂェットリー同士で戦うなんて、本当に戦ってもいないだろうしそもそもだったら拳法の腕が立つヂェットリーである必要すらないぢゃん”なんてことばっかり考えてしまっていけませんね。いっそお笑いエンタテインメント然として作ってくれれば、細かい理屈なんかに捉われてないで笑って観ておしまい、で済んだろうにね。
 

『サンキュー、ボーイズ』

“だめんず・うぉーかー”な女性が15歳で産んだ息子を独りで育てる話。その辺に転がっていそうなこんな地味な話を映画にしようと思うきっかけは何なのだろう。しかも取り上げているエピソードはどれもこれも「嫌な思いをした」シーンとか「不幸に感じた」シーンとかばかり。ネガティブで辛気くさくて、全然楽しいと思えない映画。
 

『サンダーバード』

あの、デザイン重視のサンダーバードの各メカが飛び回り動き回ってくれるのが嬉しい。お話は「出来の悪い五男坊が家族の窮地を救い、一人前と認められる」とゆーよくあるパタン。五男坊がどうにも嫌な奴にしか見えず、好きになれませんでした。
 

『サンダーパンツ!』

映画史上、最高に感動的な「豆を喰うシーン」が出てくるよ! サンダーパンツとゆータイトルからは“サンダーパンツ1號”しか想像してなかったが、3號機は、すごい。→【きねま猫】【C2】
 

『サンデイ ドライブ』

カメラの長回しをしている。監督本人が「カットが長い」って言っているだけあって、なかなかに退屈です(笑)。「そんなシーン、早く切り替えろ」って思います。あとはね(笑)、日本の映画なのだけど英語の字幕が出るよ。これは、役にたっているね。ノイズが大きくてセリフが聞き取りづらい処が方々にあるから、始終英語字幕のお世話になっていました…ってそんなウシロムキな評価でいいのか?
 

『サン・ピエールの生命』

島にギロチンがないからと、死刑が延び延びになっている死刑囚に勤労奉仕をさせる気紛れな軍隊長の奥さんが主人公ですね。死刑囚は悟りきっているので自分の死を避けようとしないのだけど、周りのみんなが死刑囚に愛着を持ってきてしまうのだ。そこにギロチンが届く!とゆうストーリィです。ドラマチックですね(にっこり)。最初の30分くないはたるくてちょっとうとうとしましたが、いい感じで楽しめるお話でしょう!
 

『三文役者』

竹中直人が演じる殿山泰司の伝記映画です。◯竹中直人は喋り方まで殿山泰司の真似をしていてさすがに達者。◯殿山泰司の生涯は映画にするレヴェルのエピソードがいっぱい。◯荻野目慶子が真っ裸でうろうろしていい感じ(笑)。×昭和20年代のくせに現代の都会でロケをやってたら駄目だろう。×竹中直人に中学生をやらせたら駄目だろう(笑)。×単なる、この監督の過去の映画のプロモーション映画になっている。…ってことで“こんなに観客の好意に甘えては映画としては駄目だ”、です(にっこり)。


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