わんこめ映画評ら【け】


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21世紀映画評入り口
 

『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』

「テレヴィで観ていないと判らないよ」って噂を聞いて覚悟して観に行ったのでしたが、まぁそんなこともなく。“判らない”っていうか、「内輪の悪ふざけ」についていけるかどうかだけが、観慣れているかそうでないかに関係してました。メイントリックに関係する事件が解決したあとで、延々30分以上に亘ってテレヴィシリーズの決着(なのだろう)みたいな話をやっているのにはちょっと参ったけど、そんなに参るほどではない(笑)。この手のミステリィ映画を観る時は「誰がやったか」ではなく「どうやったか」ですらなく、「あの暗号はどう解くの?」とか、本当に手近なことだけを想像して観るしかない、理由なんてのは解決編の直前まで、観客には明かされないんだから…ってのを思い知って観るのがいいですね。中谷美紀のこのキャラははぢめて観たけど、をかべ的には好感が持てるのでした(にこ)。
 

『ケイティ』

天才男子学生と天才女子学生の恋愛映画だ、さぞや高度なやりとりが展開することだろーと楽しみに観ていたら「2年前に失踪した天才男子学生捜し」がまぢってきて、結局ミステリィ仕立てになってっちゃうのであった。設定上天才が必要だから、その天才たる所以のエピソードを(就職の面接試験とか合唱の指揮をする時とかで)考案して嵌めただけで、単にキャラクタの色づけ以上の意味を持たないよってことだ。なぁんかもったいなかったよ。ミステリィだとしたら、もう、キィとなるアイテムがみえみえで提示されてるからね。あんまき驚きはなかったのです。
 

『刑務所の中』

冒頭に、原作の漫画にはなかった「銃刀法違反を犯している」シーンがつけ加えられてて、そこの出来がとても秀逸。この映画を見た後で喰う飯は、きっととても旨い。
 

『劇場版ウルトラマンコスモス ファーストコンタクト』

今回のシリーズでは怪獣は殺さない方針らしい(笑)。太古の怪獣が復活したら、もっかい冬眠状態に戻し、埋めちゃえって措置を採るようだ。ここで「うーん」とは言うまい(笑)。これまでだって「ただとにかく殺せ」ってことしか描いてこなかったのだから、やってることは一緒、“お子様向け”なのだ。それにしても子供向けに過ぎると思われるのは、戦闘機と怪獣とのバトルです。一回目は戦闘機からボクシングのグローブが出て殴る。殴ると怪獣の顔がへこむよ。うーむ(笑)。そして二回目は戦闘機からでっかいスピーカが生えて、子守歌を大音響で流す。バルタン星人が、眠るよ(笑)。なんなんだ〜。子供らが集まって子守歌の大合唱をするとこといい、…かなり幼稚です。それにしても“ウルトラマンを呼ぶシーン”はちょっと(世代のせいもあろうけど)いいなって思わせたり(笑)、あとウルトラマンの動きが変にマトリックスを意識しているのか、重力も大気もまったく無視した、そうそう、『ドラゴンボール』のよう(笑)な映像に仕上げられてて、最初はちょっと引いたけどもよく考えてみたらもともと異世界の宇宙人なんだから、逆に人間の着ぐるみらしさが消えてていいかも…と思うに到ったよ(にっこり)。…それにしてもウルトラマンは何をしに、地球に辿り着いたのか。そこが一番、なにはともあれユルくて説得力がない。
 

『撃鉄 GEKITETZ ―ワルシャワの標的―』

褒めるべき点が3つある“セガール映画”でした。
  1. セガールが、なんと『リベリオン』で出て来た究極の武術“ガン=カタ”を使っている! 至近距離どころか、触れるほど近くで銃口を突きつけられても、その手首を取ってひねってぶん投げちゃうぞ! 撃たん方も撃たん方だが、勝つ側も、それはちょっとどうか(笑)。
  2. 悪者が、メイドの女の子であろうとホテルのフロントの女性であろうと、容赦なく撃ち殺すぞ! そうそう! ワルモノたるもの、やっぱこうでなくっちゃ! 人を殺すキャラクタは、徹底して、女性だろうがなんだろうが殺せ!と思います。激しく同意。
  3. どんでん返しではない、これは、「オチ」と呼ばれるに相応しいラストが待っている。誰がこんな終わり方を予想できよう。『マグノリア』で蛙が降ってくるって方が、よっぽど良心的だ(笑)。誰も観たことがない終わり方をする映画だと、期待して頂いて構わない。きっと、話を作ってったらどこで終わらせるか、いい感じのところがなかったのでここに到るまでやっちゃった、なんとなく切りがよさそうに見えるからここで終わりましょう、なぁんて作り方をしたのでは。
 

『解夏』

『盲になるまでにしたい10のこと』だ。しかし失明は、死と違って盲になったその後も生き続けなきゃならないから大変だろう。そーゆー問題提起としては意味のある映画だった。先に失明した人に話を聞きに行ったり、お寺でお説教を聞いたりして安寧を図っていたのだ。しかし善くしてくれる彼女の存在ってーのが、お話とは言え、甘いけどな。彼女の人生がケワによって曲げられた、そっちの描写が浅いよね、と思いました。
 

『夏至』

ヴェトナムの三姉妹のお話です。旦那が4年に亘って二重生活をしていたり、旦那が出張先でふたりを相手に浮気をしたり、彼氏よりも実の兄に惹かれたり、なんとゆーか大変な恋愛状況な奴らばっかりだ。問題は、登場人物の見た目に大きな差異がないので、見分けがつかなかった、ってことだ。うわー。誰のせい?(笑)
 

『ゲス・フー/招かれざる恋人』

黒白を逆にしたリメイクだそーです。アメリカは、あけすけなのか今なおサベツがあるのか、よくぞこれを映画にするものだと思わされます。ま、逆にしたことで被差別の側である黒人が多数派になって、歩み寄るのは黒人だってゆー話にスライドされてはいるのだけど。純粋に見た目と、あと歴史だけが枷になっているだけで、本来考え方なんてのは同国民なんだから一緒であり解りあえようってとこに救いを見出す訳だ、思想にまで起因する他の「サベツ」ではできないストーリィ展開と落ちと言えましょう。ああ、だったら日本でも部落サベツに斬り込んだコメディ映画を作ればよいのにね。
 

『月光の囁き』

主演のつぐみが可愛い。男の目から見て、理想の恋愛が描かれています。ふつうこうゆう愛の形を受け入れてくれる女の子はいないよね。そしてつぐみの方言が、可愛い(可愛いばっかりか!)。
 

『ゲット・ア・チャンス!』

タイトルがちょっと違う。原題である『Wher the Money Is』ってのが正解ですね。テレヴィサイズで観るのが楽しい感じの映画です。少しお手軽だから、なのでしょう。
 

『月曜日に乾杯!』

フランスのおやぢがプチ家出をしてイタリヤに行って来る話。下手くそに作ったジャック・タチといった感じでした。小ギャグとして提示される微妙なズレが、微妙すぎて判りづらかったりとかね。たるいのね。もっと惹きつけるように作ってくれれば楽しめたと思います。
 

『ケミカル51』

面白ければ何でもいいや、と思って作った映画だ。サミュエル・L・ジャクソンは全編に亘ってスカートを穿いているし、襲ってきた奴を撃退する武器はゴユフクラブだし、敵は騙されて下剤を飲まされずぼんを穿いたままでうんこちびりまくるし、どんなちょっとしたカットにもふざけを入れないと気が済まない様子ですね(笑)。ラストでサミュエル・L・ジャクソンがスカートを着用していた理由みたいなのがほのめかされるのは、いっそ邪魔なほどです。
 

『けものがれ、俺らの猿と』

町田康の原作を、おそらくとても活きるように映画化するとこうなるのだろう(<原作読んでないけど)。場当たり的に、その場に於いてだけのルールが設定されて話が進んでゆく。そのため主人公は、いかに一癖あるといえども翻弄され続けるのであった…ってゆう、理由とか原因とかが解らないストーリィです。楽しくなくはなかったけど、人に薦めるかっていうと「面白ければ出鱈目やってもいい訳?」って点に於いて腰が引けるのだった(笑)。まったくの出鱈目ではないけど、でもこれは出鱈目でしょう?(笑)
 

『ゲロッパ!』

こいなけおふざけを織りまぜて、こいなけ入り組んだ場面転換を多用して、よくこんなに解り易いお話に見せられるものだと感動しますね。井筒は、言うだけの事はあるセンスを持った監督であったのぢゃ(笑)。
 

『化粧師』

いいたいテーマや訴えたいことは解るけれども、ちょっと都合よく展開し過ぎ。そもそももとが綺麗な女優さんたちを「化粧したことによって新たな綺麗さに気づき、目覚め、人生が変化する」とゆう役柄に遣うところに問題がある。「この物語のルール」に則って、あれは今は汚い状態を、そして化粧した結果綺麗な状態を、表わす記号なのだな…と頭の中で転換させながら観なければならない…ってーのは、どうか。ちょっと観客に甘え過ぎではないか。あと、プレス資料にはさも重大な秘密が途中で明かされる!みたいな書かれ方をしてあったその“秘密”は、それが明らかになったところでそれまでに不明だった何かが明解になる、といった変化もなく、別段どうでもよい、あってもなくても構わない秘密だったとゆーのも「とにかくドラマチックになるなら何でもあり」とゆう姿勢が露骨に見えてしまって興醒め気味です。「口が利けなかった子供が、化粧を施された母親を見て喋れるようになる」はねえだろう(苦笑)。
 

『現実の続き夢の終わり』

台湾スタッフによって作られた水野美紀主演の台湾マフィア映画です。なんかみみっちいシノギで殺しあいをしているねって感じるのだ。


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