わんこめ映画評ら【き】


【あ】【い】【う】【え】【お】/【か】【き】【く】【け】【こ】/【さ】【し】【す】【せ】【そ】/【た】【ち】【つ】【て】【と】/【な行】

【は】【ひ】【ふ】【へ】【ほ】/【ま】【み】【む】【め】【も】/【や行】/【ら行】/【わ行】/【アルファベット】/【数字】
21世紀映画評入り口
 

『キープ・クール』

女性を巡る争いに、通りすがりで巻き込まれてパソコを壊された男が、弁償してもらおうと諍いを起こしている双方を取り持とうとする。しかし激昂している主人公は復讐することしか考えない…とゆー関係で展開する物語。途中で美人の女の子がフェイドワウトして男ばっかりで話が進んでゆくってのは淋しい脳(笑)>ストーリィ上はなんの文句もないんだけどね(笑)。上手に、目的がだんだんズレてゆくことだなあと感心する面白さでございます。→【きねま猫】
 

『機関車先生』

どんな心温まる交流や正しいスタンスを見せられようと、唖の教諭(聾ではない)に児童たちの教育は任せられんとゆー伊武雅刀の主張がこの映画で一番正しい。アウトプットが遅すぎるもの。教育にはなっても勉強にはならないよ。そー思って観ると、板書する漢字の書き順が間違っている時点で教諭失格だし。なんでも感動的に作ればいいと思って出鱈目な設定をしちゃあ駄目です。
 

『喜劇王』

香港のギャグ映画です。ヒロインは綺麗だし、脇役にジャッキー・チェンが特別出演しているし、まぁ笑えるし、構わないんだけど、このタイトルは大仰すぎるだろう。こんなタイトルをつけるほどの映画でも、ない(笑)。
 

『菊花の香り 〜世界でいちばん愛された人〜』

そうそう、韓国映画の作り方ってこーゆーことなんだよね。思いついたアイテムとか展開を無理矢理お話の中に組み込んでくるってゆう。この映画で言えば「カノジョが毎日ヨーグルトを買っているからってんで先回りして全部買い占めて、彼女が帰ってきた時に門の前に山積みにして、そのてっぺんに薔薇を持ったくまぬいを載せておく」とかをする。いや、ヨーグルト傷むし、喰いきれないって、なぁんてことは考えない。そうだそうだ、キャラクタの性格づけなんて域を遙かに超えて、せっかく考えたんだから入れようってんでどんどんぶち込んでくるのだ。それが巧くは働かなかった例がこの映画です(笑)。ま、ベースとなるストーリィがべたに過ぎて、物語の急展開をすべて「人の死」で表せばいいやと考えている甘さが失敗に繋がっているんだろうけども。これと、成功した例との差は、しかし本当にちょびっとなんだけどもね、韓国映画ってば。
 

『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』

テレヴィシリィズも観ていた常連客向けの映画。観てなかった人はとても入りづらいだろう、排他的な作りになっています。無理に入っていくと今度は「出鱈目やれば面白いだろう」とゆー考えに基づいているのだろう、予定調和に成り下がった出鱈目と、そもそも都合のいいようにしか進まない展開のオンパレィド。「ああ、手が込んでいるね」って感想がせいぜいです。
 

『岸辺のふたり』

イメィヂアニメです。たった8分だもの、そんな急転直下に感動的になろうはずがない。劇場で観ると、1回の上映時間30分のうちで2度、繰り返して上映されるシステムになってたけど、だから2度目に観る時にはミクロチェックを行うことになる訳だけど、だから何?でした。そんな有り難がるほど情報量が含まれているアニメィションでもなかったし。
 

『キシュ島の物語』

イラン映画です。3人の監督による短編が集められた映画で、全部合わせても72分。つまり一編が25分ないのだ。なのに、最初の「ギリシャ船」と2本目の「指輪」ってのは、眠い眠い(笑)ってゆうか(眠)。25分なんて、普通の映画にしてみたらまだ全然導入部の、掴み部分辺りだとも思える長さだろーに、それっぽっちで眠くさせるとゆーのは、どうか(笑)。が、3本目の「ドア」はすごい!面白い! 舞台の現代演劇を観ているように、面白いよ。これだけで、充分普通の映画一本分以上の価値がある。
 

『奇人たちの晩餐会』

これは舞台劇ですね? 確認してないけどおそらくそうゆうシナリオから作った映画でしょう。「毎週水曜日に“バカ”を客に招き、そいつらのバカさ加減を肴に酒を呑むという晩餐会を開いている集まりがある。そこの客として選ばれたのが、マッチ棒で建造物や飛行機などの模型を作り、自分の作品の写真を持ち歩いては方々で人に自慢をするというバカ。そいつを晩餐会に連れて行こうと思った男がぎっくり腰になってしまい、晩餐会を諦めざるを得なくなった、のみならず動けなくなった処へそのバカがやってきて、大騒動を起こす…」っていうコメディです(失礼だな!)。映画タイトルは、多少薄めるためにか“奇人たち”になっていますが、字幕でこれだけ言っているのだから本当は『バカの晩餐会』ってタイトルなのでしょうね。シーンの90%以上がひとつのお家の中で進んで行く話なので、きっとお芝居でやるための物語だと思われるのだ。映画を観ていてここまで声を揚げて笑ったのも、ひさしヴいです(にっこり)。
 

『季節の中で』

ねぶい! 地味なストーリィだから、眠気と闘うのがとても大変な映画です。しかし、最後まで寝ずに(ちょっとくらいうとうとなら、しても可)観終われば、ラストには善い結末が待っているのだった(はあと)。4つの話が並行して進んでいて、それぞれ主従と恋愛と親子と友情(笑)のエピソードってゆう、ベトナムが舞台のアメリカ映画です。このカテゴリで友情に振り分けた話の“男の子”は、その登場シーンでだけはすべて雨が降っている、とゆう演出もあるのだったよ。そんな手もあるのね、ってことで。
 

『キス・オブ・ザ・ドラゴン』

リュック・ベッソン監督、ジェット・リー主演の、フランスを舞台にした中華アクション映画です。ジャッキー・チェンほどふざけてはいないけど、楽しませてくれる戦いっぷりです。最後の手段の“針”の見せ場を、もっと作ればいいのに。
 

『キス・オブ・ライフ』

ただ解りづらく撮っているだけで、「事故死したお母さんが迷って出て、お父さんやお姉ちゃんや弟の夢枕に立っていろいろする」話であった。どこまで解りづらいかとゆーと映画の割りと冒頭で“お母さんが男と写っているポラロイド写真”ってのが出てくるんだけど、その男がお父さんだったってことがすぐには判らない(笑)ってくない、解りづらいぞ。雰囲気もいいけど映画はもっと解ってもらえるように撮りましょう。
 

『キス★キス★バン★バン』

殺し屋稼業から足を洗おうとした男が、最初の仕事として子供の警護を請け負う。ただし子供と言っても、生まれてこのかた過保護に育てられ屋敷から出たことがない33歳になる大男で、そいつがはぢめて世界に触れるというカルチャーギャップコメディ、そこに組織からの追っ手が迫る、とゆう話。で、全編を通して観ると、3組の父と息子の関係を描いた父性愛の物語なのであった(笑)。親子愛を前面に押し出したストーリィのものって大嫌いなのだけど、これはお洒落に巧く展開してくれるので知らず知らず美味しく食べてしまいました(にっこり)。全然オッケィ。
 

『ギター弾きの恋』

ウディ・アレン監督作品です。ウディ・アレンがいかにも好みそうな、1930年代のいまひとつビッグになりきれない天才ギタリストの実録映画ですね。「女の子を引っ掛けると、スグサマ拳銃でネズミを撃つのに誘う」ってゆー主人公のキャラクタが面白い。
 

『北の零年』

前半部、「北海道へ開拓に行く」ことにブルーになり過ぎ! みんなもっとポヂティヴに捉えたらどーだ。辛い辛いと口でだけ言ってて、見た感じそんなに大儀そうに見えないってゆー演出もたぶん悪いのだ。“五年後”ってとこから以降は、それまでに組んでおいた人間関係を利用してしがらみを前面に打ち出したので、それなりに楽しめましたが、しかしこの結論がまた甘いし(苦笑)。まぁ、一番嫌だったのは“花柄の着物を千切って枯れ木に括りつけて花だと言い張る”シーンだったが(笑)。子供も騙せんぞ。てゆーか、よくあんな梢の高いところにまで括りつけたもんだ。ほう(冷笑)。
 

『奇談』

諸星大二郎原作の伝奇漫画の映画化だってんで大期待したのに、駄目だったよ(笑)。ルールがすべては解明されないままで話がおあってるの。「なんで7歳か」とかね。とほゲ。『黄泉がえり』が受けたから、それに似たのを作ろうとでも思ってもってきたのか、と穿ってみたくなるシーンがラストにあるけど、これほどまでに方々にうやむやをされた揚げ句だ、感動は皆無でした。ここまで作っといて勿体ないなあ。なんでこんな中途半端をしたのか理解に苦しみます。
 

『キッチン・ストーリー』

設定の選び方の妙ですんげぇ面白いコメディになっている。下手な色恋なし、ブラックありで痛快です。ねずみ取りとか、食卓塩とか、チョコレートとか、細かいくすぐりも全部活きてるし。こーゆーのをセンスがいいというのだ。→【きねま猫】
 

『キッド』

40歳のブルース・ウィリスのところに、タイムスリップして8歳の自分がやってくる、という映画。…とだけ聞くと「お!」とか「お?」って思う(笑)けど、「実はディズニィ映画だ」とまで知ると、もう着地点は明らかですね(笑)。ご想像の通りです。ディズニィ映画のように楽しく、ディズニィ映画のようにハッピィなのだった。
 

『キッドナッパー』

フランスのクライム・ストーリー(っていうの?)です。組織と交渉してお金を手に入れようとかするのだけど、史上空前ではないかっていうくらい、「ここで殺すの?」「ここで死ぬの?」っていう感じで“殺して解決”してゆきます(笑)。トイレットペーパーがないとか、小ギャグをちりばめているくないなんだから、もっと頭を使った解決を見せてくれるかと、期待したのにね…。って点が残念かな。
 

『ギフト』

ESPカードで占いをするケイト・ブランシェットが、若い女の子の失踪事件の解決に尽力するのです。容疑者として逮捕されたキアヌ・リーブスの裁判では魔女呼ばわりされて、霊能者も大変だってことだ。初見ではわくわく、どいつが犯人かどうなることか楽しみで、興味深く観れたのだけど、2回観ても果たして面白いだろうか…って思うよ。映像こそ凝っていて綺麗だけど、お話が一本道だから脳。
 

『気まぐれな唇』

仕事が巧くいかなくて腐っている主人公が、2人の女性とラヴい関係になる話。でも、好いてくれる方は棄てて、旦那がいるから巧くいかないって方にはいつまでも執心するのでした。なんだかなー。教訓めいたことを訴えたいようにも思えるけど、でもただのしょぼくれた話でしかないよね、これ。
 

『ギミー・ヘブン

共感覚つってるけど無理矢理言ってるだけだ、無くっても成立するだろう、この話。つーか「変なことに拘る」2人ってだけぢゃん。懲りすぎて盲になった揚げ句に出来た映画ですな。
 

きみに読む物語』

老人ホームで、お爺ちゃんがお婆ちゃんに恋愛物語を読んで聞かせてあげる話です。もう、設定とか展開とか、予想がついちゃうんだけど、ええんだな〜これがっ(笑)。肝心の恋愛物語が、また微妙に一筋縄には進まないってのもよい方向に機能しています。紆余曲折ぐわいが(当たり前だけど)ドラマティックを醸し出しているのです。もいっこ、オープニングとエンディングで鳥がとても効果的に飛ぶんだけど、それを見るだに、ああ、CGだか合成だかの映像技術がこの映画を彩るまでに発達してよかった、甲斐があった、と思いました(にこにこ)。→【きねま猫】
 

『きみの帰る場所/アントワン・フィッシャー』

ああ、『スチュアート・リトル』や『カントリー・ベアーズ』は、これの“孤児の黒人”をねずみやくまに置き換えたものだと知った。途中までは「いろんな幼少期のトラウマを持っているから、いろんなからかいの言葉に反応してキレる男の話」かと思って、そんなことを面白がって観ていたよ(笑)。ラストの落ちは、ちゃんと提示されていたのに、うるうるってくるね(うるうる)。
 

『逆境ナイン』

熱さが足らないなあ(笑)、演じちゃっているんだよねー。原作のあの熱さを知りすぎるくない知っているのでどーしてもそれを求めてしまうんだけど、そこを目を瞑ってもちょっと作ってるなあ感が見えてしまって残念。藤岡弘、とココリコ田中はなりきっていて言うことなし。『少林サッカー』の音楽の入り方を真似してるにゃあとか、ジャスコジャスコ言ってるのは直前に『下妻物語』が公開になったからだろうにゃあとかゆう影響がもろに見えちゃってるのは、ご愛敬と言ってよいのか?(苦笑)
 

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

60年代前半に実在した天才詐欺師の物語をスピルバーグが映画化したもの。そもそも実話をもとにしているので、展開をいぢる訳にはいかないのだろう、純粋にスピルバーグの構成と演出の妙が堪能できました。「エクレア」のエピソードなんて、大好き(はぁと)。オープニングタイトルも、いかにも「60年代にも描ける技術」っぽいものが使われていて、いい感じ。邦題をなんとかしていたら、もっと評価が上がったのに脳!
 

『キャッツ&ドッグス』

犬が可愛いし設定もかっこよく面白い。難点は、猫に関してはちょっとCGを多用し過ぎ、デフォルメをするあまりに可愛くなくなってしまっていること、なのだけど、まぁ、きっと製作者側が犬派なのでしょう(笑)。お子ちゃま向け(当たり前)なのだけど、全然楽しめるのだ。オッケィオッケィ。
 

『キャットウーマン』

この物語が語られる意味は「ラスボスが女性」ってとこにありましょう。男性ヒーロが、いくら悪者といっても女性を殴りとばすお話は作りづらかろうからってことで、これだ。なので他の全ては、ひとまず“並”でもよしとしないとね(笑)。そして“並”はクリヤしているから、これはこれでオッケィ。ハル・ベリーが一瞬研ナオコに見える(笑)以外は可愛いから、大丈夫。
 

『キャプテン・ウルフ』

子供向けってことでしょう。確かに楽しいけど爆発的な意外性はない。わざとらしいおふざけはある。歌って踊るってシーンがあるので、おそらく吹き替えで観るよりは原語で観た方がよいのではと想像します<ゼロ號プリントってゆう奴だけを観た上での推測ですが。
 

『ギャラクシー・クエスト』

かつてテレヴィで放映していたスペオペドラマの電波を受けた宇宙人がその物語を“歴史的ドキュメンタリィ”だと思い込み、それをバイブルに宇宙船を開発して宇宙へ進出していた。敵の宇宙人の侵攻を受けた時に、司令官として艦長役の役者を連れに地球にやってくる…ってゆー話です。テレヴィドラマのコアなファンの描き方と、テレヴィドラマに出てくる宇宙船をまんま実際に使えるメカに造り上げているとゆー設定が秀逸。
 

『キャラバン』

チベットだかネパールだかの村が、塩と麦を交換にゆくキャラバンを出す…って話です。長老が非論理的な解らず屋で、こんなぢぢいとは一生接したくない。ヤクは可愛く湖や山の風景は絶景なのだ。ので、キャラバンが出発すると楽しめるのだがそれ以前の人間関係でうだうだやっている部分はねぶかったよ。
 

『キャロルの初恋』

アメリカから内戦下のスペインにやってきたキャロルが3人組の男の子たちと知りわって、うち一人とラヴくなるとゆう、映画にはよくある「戦時中の子供の成長譚」です。戦時中の話だけあって終わり方がこーゆー別れになるのは読めております。むむ。途中で出てくる、キャロルが英語で書いた日記を、何が書いてあるのか読んで聞かせるってシーンがラヴい脳。
 

『ギャング・オブ・ニューヨーク』

19世紀のニューヨークを舞台にした、抗争の末に殺された父の敵を討つ若者の物語。なんだけど、どう考えても父を殺した側の言ってることに筋が通っている。そのため、単に若者が私怨を晴らす話に過ぎなくなっていて、見苦しいことに陥るのであった。ラストは、抗争が暴動を呼び収拾がつかなくなってしまうため、そこに軍隊と警察が砲弾を撃ち込んで終わらせるとゆう力技が採られている。ええと、蛙を降らせた『マグノリア』の方がよっぽど考えられている、とゆう点で上質でした。
 

『ギャングスター・ナンバー1』

ギャングのボスの座を狙い、見事に現ボスを陥れてその椅子を奪う男の物語。結局その後も、だからといって最後まで優越感は抱くことは出来なかった、とゆー機微を描く映画なのであった。殺人をするシーンとか味方を見殺しにするシーンとかで狂気を露呈したりするので、あんまり主人公に共感をしつつつ観るものとは違うのであろう。だったら、いったいこの映画で何を思えばよいのか。「どうしても超えられない存在に、しかし挑戦して、潰えたけれども、まぁそおゆう人生を歩む男もいるっつーことで」かな。
 

『キューティーハニー』

変身前の如月ハニーに、漫画とかアニメの聡明さ(笑)を求めてはいけません。映画がはぢまっての第一声はバブルバスに浸かりながらの「やっぱお風呂はいーよにゃー♪ 生きてるって感じがするよにゃー」だ(笑)。馬鹿で設定されているのですね。まぁ、それも
    1. カシコの役は市川実日子が担当しているので、棲み分け。
    2. 敵が馬鹿みたいな敵ばっかりだから、レヴェルを合わせた。
    3. 変身後に強くなるのを際だたせるため落差をつけた。
などの理由があっての、実写故の設定であろうが。こーゆー、可愛い馬鹿(笑)が許せるのなら好きになることができよう(笑)。好き。今回の話は“どーしてハニーは変身できるのか”を解明するとゆー辺りに的を絞ったストーリィだったから、これは続編を作る気はまんまんなのであろうよ。作って欲しい欲しい。好き。
 

『キューティ・ブロンド』

ブロンドで巨乳の美人が、しかしハーバードの法科にゆく彼氏に振られ、彼を追ってハーバードに入り弁護士としてのスキルをめきめきと上げていくコメディ。ハーバードの学生たちの、トーンの落ち着いた服装の中に、どピンクを基調にしたファッションでばりばり切り込んでゆく、ってんだから絵づらを見ただけでその方向性が判り易く、そして毒もなく、気分の悪くなるようなことはほとんど起こらないので、安心して観られます。
 

『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』

「黒ずくめの集団の中にどピンク」で見せる映画なので、前作の舞台であるハーバードの法科を卒業しちゃったら、そんなシチュエイションに持ってゆくのは無理があるのでは?って思っていたけど杞憂でした。アメリカ連邦会議下院が舞台なのだ。なるほどね。一貫した嗜好に基づくこだわりの小物使いが小気味よく見もの>“5つの大陸のヴェルサーチで買い物したお客だけがもらえるVIPカード”とかね(笑)。くだらなくて素敵。
 

『宮廷料理人ヴァテール』

映画本編がはぢまる前に日本向けに、字幕で背景の紹介が数枚開きます。これは仕方のないことで、例えば『五条霊戦記』を日本で公開する時には観客の誰もが“牛若丸と弁慶は五条大橋の上で闘う”ってことを知ったうえで観るでしょう、ってのの外国版、なのですね。きっと欧米の人にとっては“国王をもてなすために三日に亘って饗宴を催し、しかし最終日に魚が届かなかったために自殺した料理人がいた”って史実は常識になっているのでしょう。その辺りのくだりが映画の前に字幕で知らされるのであった。さて、映画はね、なかなかゴーヂャスな絵づらでいい感じ。
 

『キューバ・フェリス』

キューバのミュージシャンのぢぢいがキューバの各地を旅行して歩いて方々でミュージシャンとセッションしたりする映画。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』がキューバミュージシャンの『おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!!』だとしたら、これはキューバミュージシャンの『子猫物語』だ。こーゆーなりゆきまかせでええ加減に撮って繋いだ映画が嫌いな人にとっては、救いなのは1時間半とみぢかいことだ。
 

『凶気の桜』

「女とヤッたりしない」「焼肉屋でもサラダしか喰わない」など、窪塚洋介の演じるストイックさは、大義名分である「正義」を補完して理想を見せてくれている感を強く表している。それ故に、「暴力で渋谷を浄化する」なんてゆう普通なら嫌悪感を覚えかねないこの種の映画であったにもかかわらず好意的に観ることが出来ました。
 

『きょうのできごと』

「浜に打ち上げられた鯨」と「ビルの間に挟まった男」は、たしかにスパイスとして効いてはいるけど、を蔭でちょこっとだけ物語の持つ色合いが変わりかねないところであった。ま、ぎりぎり許せるかな、本当は要らないと思うんだけどね。とにかく出色なのは田中麗奈の可愛さ、池脇千鶴の可愛さですね(はぁと)。こーゆー彼女がいて、こーゆー友達がいて、うだうだと、一晩を過ごしたい、とゆう青春映画でございます。→【きねま猫】
 

『キラーコンドーム』

期待が大きすぎました! “コンドーム型の肉食の生き物”って、ものすごく楽しみぢゃん? そうしたら、造型がちゃちちゃち! もうちょっとなんとかさぁ、そんないい加減なことしないでさぁ…って残念に思うのであったよ。本当に、もう少し制作費をかけてあげてね。
 

『キリング・ミー・ソフトリー』

過激なセックスをするのならちゃんとお互い合意のもとでやらないと「この人は本当は凶暴な人なのでは」なぁんてふわんを抱かせちゃうので注意、とゆう教訓映画ですね(笑)。「実は彼氏は本当に情熱的な誠実な人だった」とヒロインが思い知る、その詰めがとても甘いですが。ミステリィでは、真実に到る証拠の提示が一番むづかしい所以であろう。
 

『ギルステイン』

3Dのモンスタを2Dの人物と同じ画面に展開している。画面でこんなユルいことをしているのみならず、ストーリィはさらに輪をかけてひどく、いきあたりばったりで進んでゆく。問題の解決法も「何をやっても解決しなかった問題が、時間が来たタイミングで頑張れば、解決する」というものだ。ミニモニ。ぴょ〜ん星人の展開にも劣るといえよう。いくら「かっちょいいモンスタのデザインが出来たから動かしたい」と思ったからといって、これは映画として披露するものではあるまい。
 

『キル・ビル』

これ、モチーフが「日本」でなかったら、観られなかったかも。タランティーノが日本好きなのね、とゆーインプットがあったから、アニメィションのシーンもついてゆけたし。寿司屋でのだらだらのシーンも我慢して観られたし(笑)。てゆーかそもそもタランティーノの作風を全然知らずにいたので、宣伝から受けていた印象ではまさかこんなに血が出まくるとは思っていませんでした。かっちょいい映像の映画かなも、と期待してきたお姉ちゃんたちはさぞや引くことでしょう(笑)。だから、このVol.1を観て気に入った連中だけが集うことになるVol.2の上映の方が、観客の質が統一されて(笑)きっととてもよい雰囲気で観賞できることになるであろう! それにしてもこの映画で一番強いのは栗山千明だったことだなあ(笑)。あーゆー強いキャラを倒す時には、あーゆー“タイミング”に頼るしかない、ってのも表現されててよい感じ。ちなみに、一番好きだったのはユマ・サーマン演じる×××がターゲットを捕捉した時に奏でられる「鬼警部アイアンサイドのテーマ」です♪
 

『キル・ビル Vol.2』

面白くなるように作ってあるのだ。キャラの設定と、そいつがしそうな行動を定めれば、あとは「見せる」よう演出を施して出来わがり。そもそも「花嫁さん」が「お母さん」になって終わる物語が語られているのだ、前作から延々こぉんな顛末だった(笑)くせに、いい気分になって観終わることであろう。オー。
 

『きれいなおかあさん』

まぁ、綺麗な女優さんがお母さんの役をやっている訳だが(笑)。中国で、耳の聞こえない子供を育てるお母さんの話です。なかなかによいエピソードで構成されているよい映画でしたね。いいことばっかりでもなく、救いのないことばっかりでもなく。
 

『銀色の髪のアギト』

『ナウシカ』以降にこれを作ろうと思った、その鈍さが信じられない。
 

『銀河ヒッチハイク・ガイド』

これが、これぞ、SFだよ! ひゃっほう!! 「どーして地球が破壊されたか」がスルーされてるよーだけどいいのかしら、って点と、マーヴィンのいかにも着ぐるみ然としたデザインにはちょっと不満が残るけど、でもまあ許そう(笑)。
 

『キング・アーサー』

大規模な合戦ものさえ創れば観るだろうと、観客をなめてかかった駄作。合戦のシーンに目新しいものはなにもなく、『ギャング・オブ・ニューヨーク』と『トロイ』と『ロード・オブ・ザ・リング』と『タイムライン』で観たよーなのの焼き直しを、よりスケールダウンして見せてくれるというしょぼさ。
 

『キングダム・オブ・ヘブン』

アラモでも、トロイでも、籠城した方が負けるもんなんだなあと思いました。だいたい1184年の頃の西洋史なんてちいとも知識もないし興味もないので、観てて面白いと思えなくてもやむを得まいぞよ。
 

『銀のエンゼル』

佐藤めぐみはかあいいなあ(ぽゎん)。この監督は映画を撮るのが嬉しくてしょうがないのだろう、「コンヴィニ」とゆうキィワードで思いつくネタを片っ端にぶちこんでいる。但しそのどれもが洗練されていなくて低レヴェル。最たるものは“ドレスで返品に来る女”。絵的な面白さを狙っている以上の意味を持たないどころかその目的すらも空振りしていて、ただストーリィの流れをぶち壊しているだけであった。映画としての整合性よりも小ネタを重視してしまったのですね。その結果できわがった物語は敢えて映画にするほどの域に達していないとゆーテータラクでした。
 

『金髪の草原』

大島弓子の漫画を映画にしたものです。映画を観てから漫画を読んでみたのだけど、大島弓子は大好きなのだけど、映画の方がすげえ好き!です〜♪ 絵も綺麗、流れる精神も綺麗で、最高の創作と言えます。
 

『銀幕のメモワール』

お婆ちゃんになっちゃった現在に監督がインタヴュに来て、過去の「映画俳優との恋愛譚」をその現場の現在の様子を交えながら語る、みたいな構成を見ると『千年女優』!の実写!とかって思ってしまいます(笑)。ナチスドイツの占領下のユダヤ人たちを描くと、なんぼでもドラマはできるもんなのだなあと、本当に思わされますね。通常の、平穏な社会ではここまでアカラサマには表出してこない、イデヨロギィの違いによる密告者なぁんてのが、筋の通った理由によって簡単に設定できたりするんだから、これほど“対立”とか“窮地”なんてスパイスを効かせ易い便利なシチュエイションもない所以なのであろうよ。ちなみにこの話は、フランスの結核患者のサナトリウムが舞台でございました。
 

『金融腐蝕列島 呪縛』

日本の企業ってめんどうくさいのねって思った<子供の感想か。株主総会と総会屋っていうのは、そんなに嫌なことならなしにすればいいのにって思いました。現場のおっちゃんとかが観るとなんかきっと感想があるのだろうけど、こうゆう世界とは全然カンケーない者にとっては面白くもおかしくもなんともない映画です。


【あ】【い】【う】【え】【お】/【か】【き】【く】【け】【こ】/【さ】【し】【す】【せ】【そ】/【た】【ち】【つ】【て】【と】/【な行】

【は】【ひ】【ふ】【へ】【ほ】/【ま】【み】【む】【め】【も】/【や行】/【ら行】/【わ行】/【アルファベット】/【数字】
21世紀映画評入り口