わんこめ映画評ら【せ】


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21世紀映画評入り口
 

『星願 あなたにもういちど』

事故で死んだ男が、別人の体を借りて5日間だけこの世に戻ってくる、とゆう判り易い香港映画です。伏線としての意味以上のものをもたないエピソードカット(急に、泳げないから泳ぐ練習をするシーンが挿入されたと思ったらクライマックスでプールに飛び込むシーンを入れたいためだったとか)がふんだんに目について、ちょっと稚拙ってゆうか幼稚ってゆうか単純過ぎ。ここまで判り易くしなくていいのに…ってーか、香港の女子学生向きに、喜ぶように作られたってことなのだろうね。
 

『青春ばかちん料理塾』

場面が変わると、だれか有名なタレント(谷啓とか堀内孝雄とか)がいて、キャラを見せつつその場でのやりとりを完結させて次のシーンに移ります。ゲストのタレントのキャラに頼りつつお話が展開してゆく訳だ。つまり、後藤が出ずっぱりの吉本新喜劇を観ているような感じ。アイドル映画ぢゃなかったらこんな作り方、絶対赦さんとこぢゃが(笑)>ってゆーかアイドル映画だとしても映画としては赦さんけどね。後藤真希は、通常、笑顔を見せるような生き方をしてないもんだから、いくら役柄といってもそうそう笑顔を出せる訳がない。しかし「嬉しくて笑う」を演じなきゃならないからどーしたかってゆうと、歯を剥いて笑うのであった。その結果「ああ、笑いを見せるのが苦手な娘が、それでも周囲に“自分は笑っている”ということをアッピールしているのだなあ」程度に、他人に“笑おうとする精神状態であることを訴える”ことができる顔を提示しているよ。映画に出るのも大変だ。でもやっぱき、かつては表情が豊富には作れなかった仲間由紀恵が今現在あそこまで出来ゆよーに成長してきてるんだから、頑張って、ねえ(笑)。→【C2】
 

『聖石傅説』

人形劇でここまで表現できるとは!なんて感嘆されたとゆう台湾の人形劇映画なのだが、でも所詮人形劇ぢゃん。面白くも凄くも感じませんでした。苦心したみたいに見えるけどね。
 

『セイブ・ザ・ラストダンス』

スラム街の父親の所に引き取られてきた、バレエを目指す白人の女の子が、ヒップホップで小児科医を目指す黒人の男の子と恋愛をするお話です。バレエとヒップホップの融合は、判って観ていても最後にちょっと楽しめました。黒人社会の中で黒人と白人がオツキアイ、ってゆーと障害が当然あり得るだろー、それが巧く提示されていて、どーやってそれらをクリヤするのかな…と観ていたら「だって好きあってる同士なんだからそれが最優先だわさ」…って押し切ってオッケィ、ってゆー解決はどうか。物わかりのいい相手は解ってくれるし、物わかりの悪い奴は縁を切っちゃう訳だ。それって、物語なのでなくて現実の解決法なんちゃう?と思わんでもない。
 

『セイブ・ザ・ワールド』

結婚式を間近に控え、しかし新婦側の父親がなんかおかしい。裏の世界との接触がある様子だ。このまま結婚させていいの? 果たして結婚式は無事に執り行えるの? ってゆうコメディ。実は正体はCIAなんだけど、それにしても最近よくある設定で目新しさが何もない。『アナライズ・ミー』と『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』を足して焼き直したみたいなもんで、これならテレヴィのコメディで充分なんじゃない?
 

『西洋鏡 映画の夜明け』

20世紀はぢめの中国に映画を持ち込んだ西洋人と、それに魅せられ映画の世界に踏み込んでくる中国の若者を描いたお話です。「はぢめて映画を観た観客」なんてのを表現させたら、中国の人たちってのは本当によい表情をすると、つくづく思います。
 

『世界』

細切れのエピソードが次々と繰り出される群衆劇です。人の区別をするのが難儀なほどでとても解りづらい。アニメィションを挿入するとかの工夫は凝らされてるのだけど、それも細切れに一役買っている訳だし。多すぎる情報が、行動の意味があからさまにならぬままどんどん与えられる訳だ。プレス資料のStoryを読むと理解できるんだけどねー(笑)。映画でを観ただけでは何だか解らないってゆー作りって、決定的に説明不足だとの証左でしかあるまい。
 

『世界で一番パパが好き!』

とてつもなくべたな、父娘もの。出産とともに奥さんが死んで7年間、女っ気がなかったベン・アフレックのところへリヴ・タイラーが出現してラヴくなるお話です。仕事と娘の発表会とどっちを採るかとゆう二択に展開していきます。あまりにも定番すぎて、観てもすぐに内容を忘れそうだわ。
 

『世界でいちばん不運で幸せな私』

子供の頃にはぢめた「のる のらない?」ゲームを、大人になってもなお続けている男女の物語です。台詞にもあるけど、子供の頃は悪戯で済んでいたミッションが、成長すると悪趣味になってしまっていて、観ていてかなり不愉快になるよなフルマイをするぞ、こいつら。画面の造形とかはなかなかにお洒落で、『アメリ』を思わせるようなセンスも見せていたのに、ナニハトモアレ厭な気分になるようなことをやり続けるのには辟易しちゃったのでした。
 

『世界の中心で、愛をさけぶ』

ヒロインの長澤まさみは「勉強が出来てスポーツが出来てルックスは芸能界入りを噂される可愛さ」、その相手の、成長したら大沢たかおになる男子高生は「勉強が出来るでなし、スポーツに勤しむでなし、不良にすらなれない、放課後は屋上で焼きそばパンを食べてるだけとゆう平々凡々さ」加減だ。そんなパーフェクトな女の子が、いいとこなしの男を、訳もなく好いてくれる。これほど男にとって都合のいい恋愛があろうか!! さらには一番可愛い状態で、嫌なところか醜いとこを一切見せぬまま、しかもプラトニックのうちに死んで、いなくなっちゃう。そりゃあ17年経とうが引っぱるよ。大沢たかおは、だから、後かたづけくらいしてあげなさい、ってゆー映画だった。別れる時には嫌いになって別れましょう、ってのが教訓か?(笑)→【きねま猫】
 

『セカンドチャンス』

結婚と、不倫と、離婚の、みっつの話のオムニバスです。これこそ“映画館で観る意味”を考えさせてくれますね。逆に考えたら、これをテレヴィドラマとして1回こっきり放映したら、全然視聴率が取れないで消えてゆく…ってのの典型になりそうな、そんな作品ですかね。ってことで、金を取って劇場の椅子に縛り付けて観せる、という方法を選択したのはこの場合正しいと言えましょう。そうまでしてこれを観る意味というものを考えさえしなければ、ですが。
 

『セクレタリー』

精神病院から退院してきた女の子が秘書になって、SMっぽいプレイとかされちゃったりする話。なにを映画にしてもいいのねって思いました。どう捉えていいか解らないし、興味深くもなかったけど。
 

『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』

アウトロー映画を、ゲリラで、大作映画上映中の劇場を襲うシーンとかをまじえつつ、撮ってゆくアングラ映画監督の話です。映画が好きなら好きなだけ共感でき、元ネタが解り、面白いであろう! …ただし『パッチ・アダムス』とか『フォレストガンプ』が心底好きな人はその限りではないかもだ(笑)。
 

『セプテンバー11』

映画に重いか軽いかなんて分け方は必要ない。面白いか退屈か、だけだ。そしてこれは実に面白い映画なのだ。サミラ・マフマルバフと、クロード・ルルーシュと、アレハンドロ・イニャリトゥと、アモス・ギタイと、ショーン・ペンがよいです(にこにこ)。今村昌平は最低でした(笑)。→【きねま猫】【C2】
 

『ゼブラーマン』

ゼブラナースの谷間に尽きる! あのシーンに一番価値がある。そー思って観ると、ほかの箇所に山ほど辻褄が合わぬことが起きていようと、すべてに目を瞑ることが出来るであろう。どーせ“宇宙人が出てきちゃう話”なんだしさ。→【きねま猫】
 

『セブンソード』

解りづらい。「7本の剣の特徴が活きてない」のと「7人の使い手の区別がつかない」のとで、せっかくの魅力的な設定が台無しになっています。区別がついたのは敵の大将だけ、て!(ぎゃふん) さらには戦闘シーンに一切の工夫が見られない。ただ本当にばたばたと戦っているのを、カメラがたまたまここにあるから撮ったみたいな画で見せられてもさあ。価値の欠片もない映画であった。
 

『蝉しぐれ』

要る伏線だけを出して話が進んでいく>犬飼兵馬が突然登場するとか、蛇に咬まれた指とか。見苦しいなあ(笑)。そんなせせっこましい、狭苦しい映画を作らなきゃいいのにと思います。畳にざくざくありったけの刀を刺しておいて次々に使い捨てにするってのは面白かった(けど『七人の侍』でやってたと後で聞いてがっかりした)。
 

『セルラー』

「ケータイで起こる難儀なこと」カタログ映画だ。ほんっとうによっく考えられているよ。楽しい楽しい。
 

『セレブリティ』

モノクロで描かれる、ハイソ(この場合セレブリティって言うべき?)な人たちの生活、並びに女癖が悪くなかなか這い上がれないアンラッキィな男と、その男と別れたことで成り上がることに成功した女の物語…です。ウディ・アレンの作品だってことで期待して行ったのだけど、別にそんな…。これ、面白いかぁ? 毒が強い訳でもないし、ねえ。
 

『セレンディピティ』

偶然出会い、数時間だけをともに過ごした男女が数年ののち、お互いに結婚式を間近に控えるに到って相手のことが忘れられないことに気づき、それぞれ所在を調べはぢめる、とゆーラヴコメ。たった数時間の中にちりばめまくった伏線が、“偶然の幸運”であとからどんどん解き使われていく、ってのが楽しい。悪魔の子供、エルメスの店員などの脇キャラクタや、PRADOの財布、『コレラ時代の愛』の初版本などの小道具、スケートリンクやゴルフ練習場などの舞台なんかにも気を抜くことなく演出が施されていて、とても質の高い作品に仕上がっているのであった。
 

『戦国自衛隊1549』

親切だなあ、戦国物にまったく興味がない者にも解るように、ものすごくベイシックなトリックを使ってくれています。このレヴェルの人物関係だったら、判る、判るよ!(笑) 主人公の設定が、“どんなに過去の歴史をいぢくりまわして破壊しようと企んでいても昔の知り合いは殺せない”上に“襲ってくる過去の兵は実弾で掃射したい”って考える氣違い野郎だったのには辟易したが。こんな奴を過去に送り込むな! 馬鹿ッ!!
 

『戦場のピアニスト』

ユダヤ人のピアニストが、ナチス占領下のポーランドでどうにか生き延びて終戦を迎える、史実に基づいた物語。映画の冒頭に主人公たちが行っている対処法と、ラスト近くでの対応には雲泥の差がある。もちよんこれは行き当たりばったり(とゆーかナチスの勝手)で変化する状況にその場その場で対応しているためで、最初の方の危機感とお終いの方の危機感が全然違うことを表しているのであった。さすがに映画になるだけのことが起っているなあ、と思いました。
 

『戦場のフォトグラファー』

「写真の見方」を教えてくれる映画ですね。報道写真の裏になにがあるか、を知らないと、報道写真を見てもどーも思わない訳だ。「この映画で勉強したから、今後はこの写真家の写真は深読みをして見てあげよう」とは、しかし思わんがな。つーことでこの映画と、この映画で採りわげられている写真とを比べたら、映画の方が訴えるとゆー点に於いて優位に立っているという証明である。報道写真は写真だけでは存在し得ないことを思い知らされました。どーしても「説明」が要るのだなあ。
 

『宣戦布告』

北東人民共和国の潜水艦が敦賀半島で座礁し、工作員が日本に上陸する、とゆう有事を描いた映画。なんとか戦争状態にならぬよう、総理大臣が苦心するさまを見せたいらしいが、そんな、アメリカ大統領みたいな役割を日本で表現できる訳もなく、とてもみみっちい机上での話に終始している。新しさはない。
 

『洗濯機は俺にまかせろ』

あんまり洗濯機をまかせているシーンがないよ(笑)。冨田靖子も、パン屋の女の子も可愛いから、いいけど(にっこり)。
 

『千と千尋の神隠し』

宮崎アニメが好きな人は楽しめることだろう! 『もののけ姫』で発表された“痛みを伴う異物の混入は、神を忌むべき存在に変貌させる”という、神様に関する宮崎駿のアイデアはこの作品にも使われている。また、『紅の豚』で提示された“ヒトがブタになる”現象は、その仕組みがこの作品で解明されているし(笑)。『となりのトトロ』で少しだけその姿を見せていた“ススワタリ”は、『天空の城 ラピュタ』に於いてタイガーモスの機関士であったぢぢいと同じ顔を持つ、本作品でもやはり釜の番人とゆう裏方役を与えられた釜爺の、下働きをしているし。ストーリィがちょっと都合よすぎ、だけど、まぁ(にっこり)。
 

『千年女優』

リアルっぽい絵柄の日本のアニメです。きっと絵柄で嫌われて観られない、なんてことが起こりうるだろうけど、観るととてもよい。老女優が、自分の人生を語る時に、出演作のエピソードをどんどん織りまぜて言っちゃう…とゆう話。ドワひとつ開けると設定や役柄が変わり、しかしひとつ追うべき対象だけは残してストーリィが続いてゆくとゆう仕組みになっているので、アニメで表現するのに相応しい題材だったといえましょう。テンポアップしていって心地よく終わったのちにアタックしてくるエンドテーマもかっちょいいのであった。
 

『千年の恋 ひかる源氏物語』

名の通った女優さんがどんどん出て参ります。年末とか正月とかのテレヴィの豪華キャストドラマみたい。次から次へ新しい女優さんが出てくるので飽きはしません。が、映画を観ているとゆーより隠し芸大会を観ているみたいな感じだから女優に思い入れがないと退屈しそう。
 

『千年火』

映画の中のケータイ使いは巧かったでした。それにしても、引き籠もる子供におもっきし干渉する島だなあ。そーゆーのがイヤな症状ぢゃなくってよかったとゆうことなのか。たまたま巧くいった例を映画にしたに過ぎないと捉えるべきであろうね。
 

『千の風になって』

死んだ人に手紙を出すとゆうラヂヨの企画に応募してきた人に会いにゆき、聞いた話を映画にするとゆう構造になっています。辛気くさかろうけど、でも感動的になるのかもなーと思いつつ観に行ったら、もう一方的に辛気くさいぞ(笑)。だってこいつら未練がましすぎるんだもの! ってゆうかそもそも未練がましい奴を募集しているんだから仕方あるまいけどなあ。それにしても3話のうちの2話までが、死因が癌て。癌多すぎ!(爆笑) あと、水谷妃里が家庭内暴力をふるい、般若のような面相を晒すぞ。きゃー。水谷妃里はそれ以外にも、めっちゃみぢかい短パンを穿いて、チョー長い脚を披露してくれるのでバランスが取れていますけどね。バランスの問題だったのか。
 

『千里眼』

潜入調査も雑きわまりないし、そうやって入り込んできた敵を“利用しよう”とする悪役側も考えなさ過ぎ。悪事はもっと判りにくく、上手にやりましょうよ。…でも、アメリカの空母からミサイルは発射されるは、人の行動をずばりずばり操るは、水野美紀のカンフーアクションはかっちょいいは、見どころはいっぱいあって、楽しめたのだった。あとから思いつく「なんでやねん」は、このさい目を瞑ってあげてもいいかも。


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