わんこめ映画評ら【く】


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21世紀映画評入り口
 

クイール』

普通に、盲導犬を飼っていて起こった出来事が順番に語られるだけ。それでも「話になる」ことを選んで並べたためだろう、盲人がクイール扱いに失敗した事例ばっかりが出てくるので、観ていて苛つきます。実際にあったことだけをただ並べただけだから全然ドラマティックではない。普通の話だ。盲導犬扱いに慣れていない盲人に苛つくための映画でした。
 

クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア』

『ポーの一族』がベースになっているかのよーです。最古の純粋な血を持つヴァンパイヤの女王がかっちょいい。かっちょいい割りにあっさりとやられるのだけどね。「ロック音楽は悪魔教の音楽」ってのはいい加減やめたらどうだ、と思います。
 

クイーン・コング』

“広川太一郎のおちゃらけがあって救われている”ギャグ映画です。最初こそ笑って観ていても、途中からノリに慣れて飽きてきて退屈になるのであった(笑)。期待よりも大きな覚悟を必要とするであろう!(笑)
 

『クイルズ』

精神病院に収容されているマルキ・ド・サドが、弾圧を受けながらも小説を執筆し続けるとゆーお話です。書いている内容はお下劣きわまりないくせに、創作に対する真摯な態度にはとても好感が持てるのだった(笑)。
 

『偶然にも最悪な少年』

もっと、無軌道ぐわいをオムニバスでどんどんただただ観せ続ける映画かと思ったけど、お姉さんの死体を手に入れた後はロード・ムーヴィ化したねえ。軌道が読めちゃうとゆーのなら、悪ふざけぎりぎりのエッヂに立った面白がらせセンスこそが売りなのだろうと、途中から判断を切り替えて観ていました。普通の「無軌道な若者映画」と違って、全然重苦しさがない。とても軽く生きていて、いざとなったら1秒後には所謂フツーの生活に馴染めるよーな、そんな無軌道さが展開するので観ていて辛くなく楽しめます。中島美嘉の歌番組でのキャラをそのまま活かしても周囲と乖離しないってゆー環境を描いているんだから、軽い所以だが。こーゆー軽いのが一番いいや、楽ちんで。
 

『偶然の恋人』

飛行機のチケットを譲ってあげた相手が飛行機事故にあって死んでしまいます。1年ちょっと経って、その男の奥さんと息子たちに会いにゆき好きになってしまう…とゆー恋愛映画ですね。自分の立場を明かさないままつきあいはぢめて、さぁ、正体がばれる。当然ひと悶着あり、そっから立ち直ってくるとこがなかなか巧いです。ああ、まぁ、こうすれば巧く行くのねって、勉強になりますねって、そんな感じ(笑)。ほかにも、細かい“アメリカの生活”切り取りの選択がいい感じです>飼ってる犬の名前が主人公と一緒だってゆーくだりとか、自分の職場の上司を紹介するときに“奥様は魔女”を引いてくるとことか、8歳の子供に“ウォーリーをさがせ”を薦めるシーンとか。
 

『空中庭園』

最初は厭なキャラクタばっかり出てきて腹黒いことばっかし展開するのでイヤンだったけど、途中で爆発してからはぐいぐいと面白くなるのでだいぢょうぶ。大阪弁のソニンがえっちで可愛い(ラヴ)。表面上、隠し事がないことになってる家族がどっかで破綻を迎えるお話、なのだけど、でもそれでフツーに戻るだけなんぢゃんってゆう救済の物語だったのね。よくこんなシナリヨを考えたものだ、巧い偉い面白い。
 

『クールボーダー』

アンナの彼氏のバリーの登場シーンで、それまでの“低レヴェルのアホバカ映画に過ぎないのでは”との認識を180度転回しましたね。主人公の恋敵であるバリーは車椅子に乗っている。それまで主人公はバリーを殴ってでもカノジョをものにしよう、と考えていたのを撤回する。さらにバリーは頭が切れ、ジョークも達者とゆういい男であった。ああ、やっぱり、こうゆう身障者が出てきたらアメリカ映画は強いね、と思う展開だ。ところがここで、ちょっと頭の足りないキャラクタ・ピッグペンは、バリーの脚が無感覚なんだと言うのを聞くや否や、力任せに脚を殴りつける! 慌てふためく全員! なぁんてことをするのであった(笑)。ストーリィ上、こおゆう車椅子のライバルを登場させないとならない。それは効果的ではあるけど、とてもあざとい手法だ。ってことで、せめてこの映画のスタンスであるギャグをかまそう。そう考えたのでしょう。とても、“本気でふざけている”映画なのだと言えよう! そおゆう目で、とても楽しんで観るとよいでしょう(にこにこ)。
 

『草の乱』

無知な農民が困窮に喘いで一揆を起こした「秩父事件」120周年を記念して作られた映画です。いやあ、本当に、無知だ。一揆が野蛮な風習であったことがよく解る。体力馬鹿のやることですね。こんなの最初っから巧くいく訳がないと知れる。「みんな、お利口になりましょう」がこの教訓だ。
 

『草ぶきの学校』

1962年の中国の田舎の小学生が遭遇する出来事を片っ端に描いたお話。ラストの「病気が治った」表現ってのを先に知っていれば、そんなに有り難がって観る映画ではなく(笑)って、笑いながら斜に構えて観るのが正しいのだと判ろうものを(笑)。途中でも、「禿」を笑いものにするってシーンが多々出てくるところから、その程度の意識のお笑いを取り込んだ映画だ、と知れるのだけれどもね。まぁどう観ても面白いとこは面白いしええエピソードはええ話な訳でもあるが、ナニハトモアレちょっとやっぱ古い表現がフンダンに含まれているレヴェルのものではあったのでした。
 

『郡上一揆』

普通に期待する“一揆のシーン”は、映画開始1時間20分後にちょびっとあるくないで、ほかの大部分は直訴したり投獄されたりの折衝に費やされているのだった。まぁ、そんなもんでしょう。既婚の女性がお歯黒をしているところは◯、役人に打たれた百姓のおやぢがいかにもテレヴィの時代劇風に痛がるわざとらしいシーンは×、ですね。
 

『クジラの島の少女』

原題である“ホエール・ライダー”の方がかっちょうよくて素敵。「どんなにおぢいちゃんに憎まれ嫌われても、少女はおぢいちゃんが大好きで、認められることだけを望んで毎日暗い顔をして暮らしていました」って、馬鹿ッ! そんなぢぢいは無視しろ、無視!
 

『クジラの跳躍』他2編

たむらしげるのアニメーションです。東京では98年秋に公開されていたので、名古屋でかかるのを心待ちにしていました。イラストレータとして、自分が創造した世界がここまで綺麗なアニメーションになるってのはすごい、幸せなことだよね〜。
 

『くたばれ!ハリウッド』

映画作りに携わったプロデューサの半生を映画化したもの。成功作にはそれなりの理屈が、人生上の失敗にも理由が、それぞれ提示されて、いかにもドラマティックに語られるけど、これってフツーのことでは。この「ロバート・エヴァンズ」って親父に興味がないので別にどーとゆー思いもないまま観ておりました。周辺の、作品とか知っているともー少し面白かったかもしれないけど、それはちょっとずるいもんね。基礎知識なしで面白い映画を作れよ。
 

『クッキー・フォーチュン』

“自殺した死体を、殺されたように見せかける”っていうとこに端を発するお話です。容疑者が投獄されてからが物凄く面白くなるのだけど、逆にそこに至るまでの前半部が、とてもねぶい。ブルースが流れたりしているんだけど、それもねぶくさせる要因でしょう。後ろの方の面白さとは対照的…とまで言っていいのかな。ええとね、「開けっ放しで出入り自由の留置場」を描いているのは、秀逸です。
 

『グッド・ガール』

スーパマーケットで働いているおばちゃんが、不満が高じて、そっちへ行ってはいけない方向へ向かってって、袋小路にはまり込んで、取り返しのつかない事態に陥る、ってゆー話。ラヂヨの人生相談に電話をかけるよーな人を描いているのだ、こんな映画を観せられても、なあ。
 

『靴に恋して』

登場する女性たちが「〜な靴を履く女」って紹介のされ方ではぢまります。ので、『ラヴ・アクチュアリー』みたいなオムニバスだといいなと期待した方が悪かった(笑)。靴とゆう括りは、それほど引きずるほどは重要ではないのだった。割りとフツー。この映画に出てきた、各自の細かいエピソードが『靴に恋して』のものであることを、きっと数年経つと判らなくなるだろうってゆーほどに、フツー。もっとおしゃれかと思ったのにねー。
 

『グッバイ、レーニン!』

お母さんが目覚めて以降は凄く面白いです。それまでが、比較して、たるい。そもそも東ドイツに思い入れも思い出もない者には、あのくだりは、退屈に過ぎる。訴えたいことがその「格差」だったとしても、もーちょっと、なんとかね。
 

『クライシス・オブ・アメリカ』

冒頭は戦争映画だ。うえ。男臭いので苦手です。やがてすぐに、大統領選映画に変化していく。ぎゃっ。色気がないので大嫌いなヂャンルだ。そしてもー少し待っているとSFになってくるぞ(笑)。わーい、SF好きー(笑)。取っつきが悪く、嫌々観はぢめて、我慢して観てると面白くなっていくとゆうのがこんな顕著な映画は、そうない。タイトルもこんなふーでちっとも萌えない、ってのもその落差の後押しをしてくれます。それにしてもメリル・ストリープ演じる上院議員のタカ派加減はさすがの貫禄だった。本当みたい。→【きねま猫】【C2】
 

『暗い日曜日』

シャンソン『暗い日曜日』を作った男とその曲にまつわる物語、だと思って観に行ったのだが、いや、これは戦争映画であり、ナチスドイツものでした。ここに出てくるようなナチスの将校が描かれたのははぢめて観ました。これこそを、反戦映画と呼ぶべきでしょう。
 

『クライム&ダイヤモンド』

殺し屋がターゲットに銃を突きつけつつ「殺し屋に命を狙われるようになった顛末」を聞き出す、という構成の話。殺し屋が名画マニアなので、“その人生は映画になりうるかどうか”で判断が下されるのだ。絵づらに派手なところはないが、最後まで楽しめました。この映画を観る上で絶対に知っておくべき名画は『雨に唄えば』ですね。今作中にほかに挙げられる名画群は、「名前だけ知っている」とか「そんなのがあるんだ」くないの認識で十分。
 

『クライモリ』

結局「若者が森に迷い込んだら気違いの集団がいて惨殺されまくりそうになるので這々の体で主人公は逃れる」みたいな、いつものパタンだった。独特だったのは“気違いの集団”の括りとして“近親交配を繰り返した揚げ句に異形と化し、筋力が発達して暴力的になった血の濃い者たち”を設定しているってくない。あとは目新しいものはない。
 

『グラスハウス』

莫大な遺産を相続した娘は、後見人がその遺産を狙っているのでは、との疑念を抱き、さらに両親を殺された仇を討つことを考え始める。とても行動力のある主人公で、実質的に何もされない、可愛がってもらっているうちから独りで大活躍し、どんどん勝手に真実を発いていってしまうぞ(笑)。そのせいか、一カ所たりともどんでん返しとかがなくって、どんでんマニアにはちょっと物足りないことだろう。「行動力のある主人公の小気味よさ」を楽しむ映画です。
 

『クラッシュ』

ろくでもない、本当に腐りきった根性の奴らが澱んで暮らしてる町を延々と映し出していて、いー加減滅入る。こんなの、いくら据わりのよいラストが用意されていても絶対にヤだよなあ、もうみんな呪われろ、とか辟易しながら観ていたのだけど、でもしかしこの終わり方には心が洗われたよ(爆笑)。世の中まんざらでもないなあ(笑)と思えるええ映画でした(笑)。キャラクタごとに、ここはフルスロットルで行くけどここには弱い、とかを巧く計算して配置してある。上手に反動、っつーか揺り返しを使っているものだ(感心)。テーマは「救い」ですね。
 

『グラディエーター』

長い。2時間半もある。ローマ帝国の頃の剣で闘う男のお話なのだ。お話は面白い、映像も、ところどころとてもいい効果を見せてくれる。さらにモブが、本当に圧巻です。ただ、長いのだけがちょっと辛かったにゃー。
 

『グリーン・デスティニー』

評判を聞いてわざわざ劇場まで足を運び、大失敗だった映画です。『風雲 ストーム・ライダーズ』の足元にも及ばない。糸で吊って戦うシーンが稚拙で、観ていて辛かった。
 

『グリーンフィンガーズ』

開放型のシステムを採っている刑務所の受刑者たちが、手に職をつける目的でいろんな仕事に従事しています。そこへ主人公がやってきて、こいつはガーデニングの才能があるってことが判り新たに庭園作りのメンバが決められます。キィワードは「もう囚人は飽き飽きだ。庭師になろうぜ」です。かっちょいい脳(にこ)。“実話を元にしている”そうだけど、“フィクションです”で構わないでしょう、これ? 映画の途中で「“更正施設ではなく、大学のキャンパスみたいだ”って批判があるがそれを打ち消すためにもこのガーデニングを成功させないと」みたいなセリフがあるけど、いや、大学のキャンパスみたいだろ、この刑務所(笑)。お話としてはおもろいけど、これがまんま実話だったらちょっとヤです。
 

『グリーンマイル』

「死刑囚の収監されている刑務所の話」としか知らずに、しかも3時間8分と聞いて、「つまらなかったらきついだろうなぁ」と、すごい覚悟をして行ったらヴぁ!全然退屈をしなかったのだ! こうゆう大作ってゆうか大メヂャー作を上の方に推すのは本当はイヤなんだけど(笑)面白いんだから仕方がない! 何も知らずに観にゆくのが幸せでしょう! …いっこだけ、“回顧ものの形式で語られる物語”であることに、まさか意味があったとは! まさに「やられたー」のだ。
 

『クリスティーナの好きなコト』

下品とはこうゆう映画を言うのだ。下ネタのオンパレィドですね。キャメロン・ディアスとかセルマ・ブレアがやってるから観てられるけど、主人公が男だったりしたら気分が悪くなるほどの汚れ役(笑)ぐわいでした。嫌悪感を抱かないのだったら、こーゆーのも面白いよね。あんまりここまで堂々と前面に押し出してエロネタをやる映画も珍しいから新鮮だし(笑)。
 

『グリッター きらめきの向こうに』

主役がマライア・キャリーでなかったら、なんとゆうこともない単純なストーリィの「恋愛あり、家族愛ありの女性歌手のサクセスストーリィ」ってなもんだ。そしてマライア・キャリーだからといっても、やはりそれは一緒。アイドル映画、って範疇に入るのであろうよ。
 

『クリムゾン・リバー』

猟奇殺人事件のお話です。フランス映画だからなのか、捜査にあたる刑事とかがちょろちょろふざけたことをやっていて、陰惨な死体とは別に、映画自体の雰囲気を和ませているよ(笑)。こうゆうのの常として、答えが明かされる前までが面白いので、そこまでを満喫しましょう。
 

『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』

もう、ジャン・レノは、アクションは無理ね。「走れなかったから、自動車に辿り着けなかったから、爆発に巻き込まれなかった」ってゆーシーンがあるてのはどうか(笑)。キリストと使徒たちのそっくりさんが片っ端に殺されてゆく事件を発いているうちに、キリスト教的な大したお宝を狙う組織にぶちあたる、とゆうお話です。内証だけど、ちょっと『すべてがFになる』入ってます(にっこり)ってゆうか(しーっ)。そして!ジャン・レノたちがそれを阻止しようとする!のだけど、ええと、あまりに事前にちゃんと阻止しちゃったせいで、そのお宝ってものがどんな効力を持つのか、一切判らぬまま終わったっつーのはどうか(苦笑)。『ヘブン・アンド・アース』の逆かよ。では、見せ場は?ってゆーとアンフェタミンの使い方、とかになるんだろーけどもさ。なんだか、広げた割りには、ちっこい話だわね。
 

『グレイスランド』

プレスリーがどんなに偉大か知らないが、プレスリーがどんなに偉大か知らない人には何の価値もない映画です。何が言いたい?
 

『クレイドル・ウィル・ロック』

登場人物が多すぎて途中でイネムリしちゃったよ(笑)。でもラストのお芝居のシーンは感動的だね(笑)。つまり、終わりから20分くない観れば感動できる映画なのであろうよ。とほゲ。万が一観るのなら、ストーリィを先に全部知ってから観ると、多少は受け入れ易いかな。
 

『グレースと公爵』

背景が絵です。フランス革命の頃のフランスの風景を絵で描き、その上に人物を嵌め込んだという映像を面白がる映画。背景の色合いに合わせて、肌や衣裳の色調を揃えていて、見たことがない効果を楽しむことができるでしょう。お話はなんとゆーこともない、書き割りの前で展開する舞台劇(しかも台詞が長尺で解りづらいことこの上ない箇所がここかしこにあるもの)に過ぎず、退屈。
 

『クレールの刺繍』

もっともっと刺繍は美麗かと期待していたけど、リワリティだ、そうは惹かれませんでした。くい〜ん。しかしこの映画の最大の功績は「マドモアゼルXの出産」とゆーシステムを教えてくれたことにあるのよ! ほう。勉強になるなあ。そして、流石フランス映画だ、色がとても綺麗です。壁が青みがかった緑(ぽゎん)って、フランスならでは♪って感じね。素敵ー。クレールの赤毛にぴったし。→【きねま猫】
 

『黒い家』

森田芳光が「ホラーを撮ってみよう」って思い立った時、どんなことを考えてどんな演出を施すか、ってゆうのを楽しむ映画でした。おもっきし明度の低い真夏のビーチ、とかね。蝉の鳴き声や、セロテープを引っ張る音ですら、恐怖心を掻き立てる小道具として使う、とかね。
 

『クロエ』

ともさかりえの口調は魅力的でした。こおゆう喋り方をする女の子は好き。ただ、主人公の追い込まれ方がちょっと厭。「現実にはあり得ないけど映画だからあり」なことがらを、どおゆう理屈で導入しているかって部分が甘い。具体的には“肺にスイレンの花が咲く病気”は許せるけど、“どこからともなく現れる子供”は不可です。後者を使うというのならもっと現実から乖離させて欲しい。そして“病状が進むにつれて狭くなってくる部屋”に至ってはセンチメンタルに過ぎる、としか思えませんでした。解り易すぎるモチーフで、かなりがっかり。ファンタヂィにしたいのか、そうでないのか、もうちょっとはっきりスタンスをまとめるべきでしょう。
 

『グローウィン グローウィン』

「集団自殺の会が指定した場所まで自転車で向かおう」というロードムーヴィとして話が始まる。いじめられたり、人生にいいことがなかったりで、しょぼくれている敗者の側の話なんて辛気くさいなあ、胸くそが悪いなあ、と思ってみているとやがて電車に乗ったりする。「自分らで自転車でゆくと決めたルールは、自分らで破るのは勝手だ」というリアリズムが発揮された映画ははぢめてなので新鮮です。もうひとつ、「低予算故に、撮っている最中に雨が降って来てもそのまま撮り続ける」なんてことをしているシーンが、とても何かを訴えているかのような効果を生み出している。こうなってくると、ラストシーン、ラストのカットに到るまで、いったいこの話がどっちへ転ぶのかなんて予想するのは不可能だ。まったく、予期せぬラストを迎えたのであった。「予期せぬラストを迎える」なんて知らずに(笑)、いっぺんだけこの映画を観た者はとてもいい体験が出来るであろう。
 

『クローサー』《03》

亡き父の遺産である「世界大観システム=ワールド・パノラマ」を使って殺人業を営む美人姉妹の話。キャッツ・アイのようなミッションをチャーリーズ・エンジェルのようにこなします。細かいとこで変な箇所は方々あるけど、目をつぶって楽しく観るべき映画ですね(にっこり)。
 

『クローサー』《05》

うわあ、浮気者の話かあ、この浮気者が不幸に終わるならまだしも、趣味ぢゃないんだよなー、いっくらジュード・ロウとはいえどもなあ。とか、ナタリー・ポートマンってゆう彼女がいるくせにジュリア・ロバーツと浮気してんぢゃねえよ!とか思っていたら、なぁんだ、お互い様ってゆー展開になっていくのね。ぎゃふん! 時間が、ものすんげぇヂャンプする点は、何かリワリズムって感じで新鮮に好ましかったです。→【きねま猫】
 

『クローサー・ユー・ゲット』

アイルランドのさびれた村で男たちが嫁捜しのために新聞広告を出すけど、結局身近なところでひっついて終わる…ってゆー話で、たいした衝撃的な事件も起こらず目を惹く映像もなく、退屈な映画です。
 

『クローン』

『シックス・デイ』と似たようなテーマのお話です。全編に亘って、どっかで見たことがあるような感じがつきまとい、ラストまで離れることはありませんでした。なんか一カ所でもいいから、「ならでは」のものを入れて頂きたかったです。
 

『クロコダイルの涙』

これがミステリィというものでしょう。主人公は頭が悪くはなく、だからといって超人ではない。確かに吸血鬼ではあるが、それ故の超能力もなければ(空も飛ばないし姿も消さない)弱点もない(十字架に触れても日光に当たってもオッケィ)、とゆうバランスのいい映画でした。
 

『クロスファイア』

宮部みゆき原作の、ファイアスタータのお話です。『リング0 バースデイ』の貞子は、なにをすることもなくただ恐れられるっていう存在でしたが、それに“本当に発火させる念力”を持たせれば、ここまで他人との接触を避けるようになるわな、と納得できる設定になっているのだった。そんな子が心を開いてゆき…って展開していくのだ。…と、こっちが主人公の女の子の身の上の話。もういっこテーマは「残虐な少年犯罪」です。かなづちでいきなり人を殴りつけにきたり、女の子をさらってはバイクで何度も轢いてその一部始終をヴィデヨに収め売る、ってゆう未成年が登場します。こいつらに思い知らせるために、この能力を使いましょう、ってのがあるのだ。「実行犯こそが罰を受ける」ってゆう、支持されうる造りになっているので、最終的には裏で操る黒幕も、自らの手で殺人を犯さざるをえません(そうしないと燃やしてもらえない、焼き殺すことを支持してもらえないかもしれない、からね)。結局“ばかな犯罪者”が懲らしめられるってとこから離れていない様子ですね。“アタマのイイ犯罪者”をこそ、懲らしめる映画が観たいのだけどなー(希望)。
 

『黒猫・白猫』

予想に反して面白かったのだ! 予告が悪すぎたのですね。「ニャにがニャンでも結婚!?」なんて聞いたら、観る気が萎えますって〜。でも観ると流石に面白いです。ジプシーの恋愛は気持ちがよいね〜。ラヴラヴなハッピィエンドが待っているしね。
 

『黒の怨』

光の中にいると襲われない、闇に入ると襲われる、とゆールールなんだけど、それが高じて「目さえ光に当たっていればオッケィ」ってのはどうよ(笑)。→【きねま猫】
 

『グロリア』

ギャングから子供を護る気丈な女性の話。どいなけ気丈かっていうと、刑務所帰りなくらい気丈。でも、妹を頼って行って断わられて怒ったりとか。って、自分の生活を改めなさい! 最後の決着もね、駆け引きの材料のフロッピィを簡単に渡して、交換条件に見逃してもらう…ってそれでいいのか? ギャングとしてのオトシマエって、それでオッケィなの?
 

『クワイエット・ファミリー』

家族で山荘の経営を始めたら、客はこないは、やっと来たと思ったら自殺はするは心中はするは、悪い噂が立たないように死体を埋めにゆくと工事が始まって掘り起こされそうになるのでまた埋め直しにゆくは…とゆう韓国のコメディです。これらの出来事からちょっと離れて、傍観者の立場におかれる次女の役をしている女の子が、目つきの険しい原田知世みたいで可愛いですね。


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