わんこめ映画評ら【は】


【あ】【い】【う】【え】【お】/【か】【き】【く】【け】【こ】/【さ】【し】【す】【せ】【そ】/【た】【ち】【つ】【て】【と】/【な行】

【は】【ひ】【ふ】【へ】【ほ】/【ま】【み】【む】【め】【も】/【や行】/【ら行】/【わ行】/【アルファベット】/【数字】
21世紀映画評入り口
 

『バースデイ・ガール』

ロシヤのネット見合いサイトに応募したら英語の解らない女性がやってきてしまった。困惑しつつも同居生活を送っていたら、そこへさらに女性の従兄弟と称するふたりの男が転がり込んでくる…という結婚詐欺の話。なんだけど、騙される主人公がそんなに悲壮な状況には追い込まれきらないので、なんかラヴコメを観ているようないい雰囲気の映画に仕上がっています。
 

『ハート・オブ・ウーマン』

原題が『What Women Want』ってゆうWを重ねたタイトルで、それをこんな曖昧などーとでもとれる(英語の)邦題をつけるもんだから「またその手の曖昧な映画か…」と全然期待せずに観に行ったのだった。が、これは楽しいのだ♪ “女性が心で考えていることが聞こえるようになった男”の話です。なるほどね。どっちのタイトルもありかなって感じ。なかなか洒落ててよいセンスのもとに組み立てられているよい映画でした。
 

『ハートブレイカー』

母娘の結婚詐欺師のお話です。嫌な気分にならない、いい感じのコメディに仕上がっていて楽しめるのだった。悪人を必要以上に悪く描かず、騙される側も、「騙されていい気味」でもなければ「あんなふうに騙されて憐れでならない」でもない、いいバランスで表現しているからですね。
 

『バーバー』

コーエン兄弟の映画は、オモテムキ昔の映画っぽい淡々とした流れの中に小ひねりがちりばめられている…って構成になっているのだけど、お蔭さまでとても眠くなります<きっと性分と相性の問題なのでこれを評価としてはいけないのだろうけどね。でも、そんなに熱心に起きて観続けなきゃ!って思いつつ観るってのも違うと思うから、もっとメガ覚めるようなのをこそ作ってプリーズ、だ。起きて観ていた部分の小ひねりは、面白かったでした。
 

『ハービー/機械じかけのキューピッド』

ハービーを一度手にした悪者が悪者として機能してない。分解するなり壊すなり、なんとでもできようものを。つまりはすべてが幼稚なのだ。その場が盛り上がるだけの浅薄な障害しか発生しない話です。どーせ子供が見るのだと思ってシナリヨが舐めてる。
 

『パーフェクトストーム』

悪天候映画です。気象学者が狂喜する悪天候が来て、そこにカジキ漁船が突っ込んでゆくのだ! “港で待つ女たち”なんてゆーセンチメンタリズムがなければもっと面白いのに!
 

『パープル・バタフライ』

仲村トオルとチャン・ツィイーの映画なんだけど何やってるんだかよく解らない。イメィヂを先行させているのだろう、そもそも解り易く語ろうという頭が欠落している。時間軸がいじってあって、先に結論が、あとから理由が述べられたりする上に、台詞が少なく、とにかく説明不足のままどんどん映画が進んでゆくのだ。観客を置いてきぼりにすることこの上なし。
 

『ハーモニーベイの夜明け』

ゴリラと一緒に森林で暮らしていた大学教授が、森林警備隊員をふたり殺した容疑で収監されるのだ。でも、言葉を一言も発しなくなっていたので刑務所内の精神病棟に入れられる。そこへ精神医学部の若きホープがカウンセリングに来てココロを解いてやる…ってお話です。『マイティ・ジョー』のような『ターザン』のような『グリーンマイル』のような、いいお話でしたね(にこ)。
 

『パール・ハーバー』

『マーズ・アタック』は次のように推移する。1;登場人物のアメリカ人たちの紹介。2;火星人たちに依る侵攻と虐殺。3;アメリカ人たちの反撃と勝利。2の時には、思い入れは完全に火星人側にあって(笑)「殺せ−」「壊せ−」なんて楽しく観ている。でも話が3に到ると、1の時に見知ったアメリカ人たちが頑張って闘うので、今度はアメリカの味方になり「火星人やっつけろー」なんて立場で観る。『パール・ハーバー』も作りはまったく一緒。ただ違うのが、2で思い入れる対象ってのが日本軍であること。こちとら日本人なんだから、いっぺん日本軍に思い入れしちゃったら最後、ストーリィが3に到っても心は大和魂だ(笑)。1でせっかくインプットされたアメリカ人たちに、もう既に何の興味もありません。「真珠湾攻撃のシーンが終わったんだから早く映画終われ」なんて思いつつ耐えるのみだ(笑)。なーんて目で観はぢめると、アメリカ人たちの恋愛模様も、いかにも“戦争でずたずたにされる不遇のカップル”を描くために、とにかくひっつけ!ってゆー安直な出わいをするし…などと思ってしまうのだった。ただ一点評価すべきは、こんなにゼロ戦がかっちょよく爆撃をする映画は生まれてはぢめて観たってとこだ。日本映画のゼロ戦はぼろっちくてカスだが、いやー、こいつのはすげー。“40分間に亘る爆撃シーン”だけ観たら満足するってほどの素敵さなのだったよ。
 

『π』

「難解」とかって前評判の割りには解りにくくない映画でした。出てくる大数学者が、日本の囲碁に造詣が深いってのも面白いのです。設定の解析は、よく解りません<いや、解るのか解らないのか、どっちやねん!(笑)
 

『ハイ・アート』

女の子同士の、まぁ、肉体も含めた恋愛のお話です。片っぽがカメラマン、片っぽが被写体です。ので、いい感じのショットとか出てくるので絵づら的には綺麗なとこもある映画なんだけど、期待したほども“芸術”に傾倒していなかったのが残念だったのでした。
 

『バイオハザード』

ミラ・ヂョヴォヴィッチ主演の『トゥームレイダー』です。それの、みみっちい奴だと思うと正しいでしょう。期待したアンデッドの活躍が観られませんでした。レーザシステムは面白かったよ。
 

『バイオハザードII アポカリプス』

なんといってもバトルがメインになっていない点が駄目駄目。異形の強そうな化け物も、その強さがちーとも判らないし。怖いルックスだけ見せれば強さを伝えたことになっていると思っているのだ、きっと。低レヴェルだなあ。
 

『ハイ・クライムズ』

裁判映画です。そもそも“レイプ事件の犯人をも無罪にしてしまう”やり手の女弁護士が、自分の夫の無実を勝ち取る、とゆう話。なるほどね、普通に展開しますね。それにしてもいつも思うのは、どうして反対勢力の妨害は「完膚なきまで」のものではなく、「却ってやる気を起こさせる」程度にしか行われないか、だ(笑)。
 

『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』

こんなにべたべたの、読め読めの、トリックがすぐに割れるシナリヨでも、演じているのがダコタ・ファニングとロバート・デ・ニーロだもん、つごく面白く観られたよ。“俳優の力”とゆーものを見せつけてくれる映画でした。
 

『パイラン』

純愛を貫く最も確実な方法は、恋をするもの同士が会わないことだ。離れて暮らしている上に、他の異性との交渉を持たない、という特異な状況さえ作り出せれば、それは嫌でも応でも純愛が描かれ得よう。「韓国にやってきた中国人の孤児の娘が、就労のために偽装結婚をする」というこの映画の設定こそが、それをまさに可能としたのであった。浅田次郎の原作が、これほどまでに巧く映画化されたのははぢめてでしょう。→【きねま猫】
 

『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』

2時間23分は、長い。たしかにこれだけのストーリィを丁寧に順々にやっていけばこの時間がかかるだろーけども、しかし面白いんだけども飽きる(笑)。てゆーか、楽しみながら疲れながら観て、きっと二度と観返したくないって長さだ。そうね、5分割して、1日に30分ずつのテレヴィドラマを5日間観る、って感じにしたら、いいかも。
 

『ハイローカントリー』

第二次大戦後まで残った西部男魂のお話、だそうです。女を取り合って諍いを起こして結局撃ち殺されて…って、な〜にやってんだか。喧嘩するな!
 

『ハウス・オブ・ザ・デッド』

ゲムーの「ハウス・オブ・ザ・デッド」があんなに面白かったのに、どーして映画にするとこーもつまんねーのか(笑)。登場人物に性格づけだのバックグラウンド設定なんてしちゃいけないのかもしれません。退屈でした。→【C2】
 

『ハウルの動く城』

宮崎駿の絵が動くのを見るのは楽しいし嬉しい。色もとても綺麗だし、これでこそアニメ!って思う。それにしても物語の掘り下げが浅い。不明な点も多く、カルシファーは結局あれはどうゆう契約だったのかとか、曖昧なままで終わるところが方々に見られる。好意的に解釈すれば「これはソフィの恋愛譚なんだから、自国の戦況に疎くても仕方がない、それよりはハウルが傷つくんではないだろうかってことの方こそが重要だ、すべてがその視点で描かれている物語なのだ」とゆう考え方もでき、ああ、ソフィーの理解力まででしか語られないお話だったのね、つーことになるけれども、本心を言えばそれではストーリィテリング的に無責任だろう(笑)とも思うよ。まぁ、きちんと解析するためには、ソフィーの年齢の変遷をしっかりと完璧に把握しないとならないだろうゲではありますが。→【きねま猫】
 

『バガー・ヴァンスの伝説』

戦争に行って戻ってきたら、ゴユフの英雄がヘタレになってしまっていた…。そいつを立ち直らせるためにキャディが降臨する、ってゆうお話です。まず、何故そいつを(そいつに限って)立ち直らせないといけない訳? まぁそれはいいとしても(いいのか!)、たった二日間、72ホール(!)に及ぶエキジビション・マッチのうちにヘタレから復活し、そのまま増長し、一回またヘタれ、再度今度こそ本気で立ち直る…まで描かなきゃならないから大変だ! “すべてが映画としての思い通りに物事が進む”映画です。
 

『博士の愛した数式』

なるほどね、原作を読んでないけど、これは「地上に降りてきた真賀田四季」だと思った(笑)。村山だの、俗っぽ過ぎるのがイヤンだったけど。そこまで、この物語に触れる客のご機嫌を取らなくっていいのに。“前向性健忘になる前に、社交性だけは身につけていた”ってだけで充分歩み寄っていると思うのぢゃが。→【きねま猫】
 

『白痴』

映像美! これが創れれば監督名利に尽きると言えましょう。画面の一つ一つが美しい。ラストの、爆撃シーンとBGMのセッションも素敵。LDを買って生涯観続けたい映画のひとつ。
 

『ハサミ男』

小説で伏せてある部分と、映画で伏せられる部分の差し替えが巧い。しかし「脱がない」とこが不満(笑)なのと、病院以降の展開が不要だった。せっかくの原作の切れ味が台なしだ。なんでそう、ウェットにしたがるんだろうね。
 

『橋の上の娘』

ナイフ投げの芸人とナイフを投げられる女の子の恋物語です。自殺を考えて橋の上に立っている女の子を、ナイフ投げられにスカウトするのだ。そう思って観てみると、素晴らしい恋愛映画だよう。ナイフでココロが通じているくないなので、別れ別れになっても会話が通じたりするシーンがあるのです。すごい発見だよね〜(にっこり)。モノクロなのもいい雰囲気を出しております。
 

『走れ!イチロー』

映画のラストに「これはイチローと呼ばれた4人の男の物語である」って出る。遅すぎ。観に行く方は“実際のイチローの映像を、物語の中に組み込んだ”のを楽しみに観にゆくのだから、まさかそんな“イチロー以外の人間を見せる”映画だなんて思ってもいないもんだから、観ている間中ずーっと「登場人物多すぎ」としか思えなかった。本当に登場人物が多い。しかもこいつらがこなさなきゃならないミッションってのがどれもこれも、甘くゆるい。達成しなくったって全然構わないよーな事件ばかりなのだ。もっと緊張感のある映画を作ろうよ。だらけ過ぎ。
 

『バス174』

この映画が作られた国メキシコの観客は、当然この事件の落ち、着地点を知ってこの映画を観るのだ。知らずにこのラストに遭遇する我々はショックを受けるけどもね、でも、そうか、ショッキングだからこそ映画化しようとまで思ったのだと知れる。但し、だからそもそもこの映画を観ようとまでに問題意識を持った、終わり方まで解った客を対象に作られたであろうだけに、途中がだれる。いっそ、何を意味していてどういうエンディングを迎えるのかまで判ってから観た方が、緊張感が保てるかもしれません。
 

『パズル』

連続殺人犯の目的が、“主人公をロールプレイングゲームのプレイヤにして最後の事件を阻止できるか実際にやらせてみせるため”とゆう、『世にも奇妙な物語』みたいな話です。それを108分かけてやるか。ほう。20分にまけてもらえんかったんか。
 

『破線のマリス』

まさか、ミステリィ(正確にはサイコ・サスペンス)だとは、ラストまで解らなかったのだ(笑)。黒木瞳が電話口で涙をこらえ、こみ上げてくる叫びをこらえるってゆうシーンの演技があまりにも秀逸だったので、観ていて「ここで尻切れだろうが問題が解決してなかろうが、終わっちゃえばいいぢゃん!」って無茶を思った(笑)のだったけど、あのあとにあんな種明かしがあるとはね〜! もっかい観る時には、あることを確認しつつ観たいと思うのです(にっこり)。…『シックス・センス』みたいね(笑)。
 

『裸の銃を持つ逃亡者』

ギャグにギャグを塗り込めたパロディ映画。ヒットした映画のパロディをつないでストーリィにしているようだけど、をかべが観たことのあるのはせいぜい『スター・ウォーズ』くらいだったのだ。さて、元ネタをそこまで知らずに観た場合、この映画はどうかっていうと、やっぱ流石にきついでしょう…ってゆうかきっと元ネタを知っていたとしてもどうかと思うけどね…。こうゆうのは好き嫌いでしょうし、をかべははっきし言って嫌いだからね<嫌いなの?
 

『裸足の1500マイル』

混血のアボリジニの少女たちが、隔離された収容所を脱走して、生まれ故郷まで歩いて帰ったとゆう実話を映画化した話。“追っ手に捕まらなかった最大の要因”が、追っ手に3週間分の給料しか支払われなかったから、なぁんていうのは、作家の誰も書くことが出来ないリアリズムだと思いました!
 

『バタフライ・エフェクト』

少年時代にたまにきよくがとぶ。氣づくと途中のきよくのないまま、次のシーンに移っているのだ。この現象は何なのか。ってのが解明されるのが映画がスタートして40分後。そっからの展開がものつんごい! そこまでだって充分に愉しめていたのだが、そおか、こっちへ走らせるのか、うわあ!うわあ!(歓喜) 必見なのはヒロインの様変わりぐわいだ。どっかできっといんちきを(笑)しているだろうけど野暮な詮索はすまい(笑)。『ラン・ローラ・ラン』の再臨と『時かけ』のラストを彷彿とさせるエンディングに泣け!→【C2】
 

『八月のクリスマス』

プラトニックラヴここに極まれり!っていう映画。「韓国は純朴でいいねぇ」なんて思っていたら、この主演男優は『シュリ』〜70位〜にも出ていてびっくりだ。惜しむらくは、予告で割りといいシーンを一カ所、先に観てしまっていたのが残念だったけどね。でも好きな映画です。
 

『ハッカビーズ』

日本で「実存主義」つっても解らないから、「実存主義探偵」にカウンセリングを持ちかけちゃって起こるどたばたのいずれも、単なる出鱈目にしか思えず面白くありません。そしてやってるひとつひとつの内容は悪趣味だ、頑張って通常の生活を営もうとしている者のトラウマを発くばっかりの話だからなー。イヤンだわ。イヤン。
 

『はつ恋』

入院したお母さんに、かつて別れてしまった恋人と逢わせてあげようと田中麗奈がいろいろするっていうお話。“一緒になれなかった恋人どおしが劇的に再会”することがはたして幸せかどうかってのを問う作品なの。田中麗奈はよかれと思って進めてゆくのだけどね。コドモ(=田中麗奈)の考える恋と、分別のついた大人が考える恋は違うよ、ってのが主題でしょう。即ち、「田中麗奈の成長譚」なのです。…例によってこうゆう時考えてしまうのが、お父さん役の平田満と元恋人役の真田広之が逆だったら(ルックス的にね)どうよ?ってことなんだけどさー(笑)。まぁ、甘くてゆるいとこ(「人のいい白タクのおぢちゃん」とか「ラストで結局、つきあう男の幅を拡げてないやんか!」とか)もあるけど、映画だからこんでいいかな。
 

『初恋のきた道』

現代をモノクロで、40年前の恋愛をカラーで表現しています。中国の山岳地帯の田舎の村が舞台で、だからもー映画に映っている限りはすべて綺麗な綺麗なプラトニックラヴですね〜(にこにこ)>結婚して子供作るくせにね(笑)。昔の中国の田舎の風習(「建設工事や井戸掘りの時は村総出で取りかかり、女性は近付けない代わりにお弁当を、どの家の誰が食べるとか気にせずに作ってもってくる」だの「死んだ時は遺体を担いで家まで運び、道を曲がったり峠を越えたりするたびに魂が迷わないよう声をかける」だの)を、恋心を表現するためのツールとして上手に使っているのです(はあと)。優しい気持ちになるかもしれぬよ(にっこり)。
 

『ハッシュ!』

ゲイの男性カップルと、その片割れとの子供が作りたいからスポイトで試みようと話を持ちかける女、が主人公。だから、特殊な人がフツーの社会環境でいかに折り合ってゆくか…って話かと思うと、違うね。「フツーの人」なんて、いない。全員が独特で特殊だ。とゆうことが言いたい映画なのであろうゲ。いくつかの問題が、その後を語られぬままに映画は終わるのだけど、まぁ、きっと“なんとか今まで通りに折り合ってゆくのであろう”と捉えればよいのでしょう。きっとね。
 

『パッション』

ハードSMですね。『花と蛇』のは、あれはソフトSMだったのだ。ソフトはS者とM者の間にちゃんとプレイであるという約束があって、お互いに不快感を感じぬよう、痛くないよう気が配られている。でもこの映画のむち打ちのシーンは本当に血が飛び散り、肉が裂けるよ。こんなのを敬虔なキリスト教徒のじじいやばばあが、キリスト様の映画だからつって観たら、そりゃあ刺激が強すぎて死ぬ奴だって出るだろう(笑)。それにしても、当然のように「あばらが3本見えちゃってる」をはぢめとするすべての傷は特殊メイクで作られているんだけど、を蔭様でキリストのボディの、でっかいことといったら! あばらが浮いているほど痩せてなきゃならないくせに、ものすんげぇ胸囲があるぞ。ぎゃはは。
 

『パッション・フィッシュ』

「捕まえたお魚の腹を割いて中から小さいお魚が出てきたらそれは“パッション・フィッシュ”っていって、握って願い事を唱えると叶う…という言い伝えがある」ってのがタイトルの由来。だけどストーリィ本編には全く関係ないのみならず、この言い伝えもこの映画用に監督が考えたとゆうから噴飯ものだ(爆笑)。ストーリィはね、車椅子生活になった女優が田舎にひっこんで、お手伝いに来る女の子を片っ端に辞めさせてきたのだけどやっと気の合うお手伝いが見つかりましたよ、って話。地味です。面白い話でもありません。
 

『パッチ・アダムス』

“善意のお調子者”を描く時はどうやっても周囲を“頭ガチガチの判らず屋”で固めなければならないっていうのが映画界の定番ですね。ご多聞に漏れずこれもそーです。こんなに判り易く判らず屋が揃っているって処も、そうそうあるまいにね。でもこれ実話を元にしていて、エンドタイトルで今現在パッチアダムスがどうしているか、こいつがはぢめたこのシステムは今どう機能しているか、とか出てくれるのは、ちょっといい感じですね>だったら『Born to be ワイルド』も実話で、ラストで同じ様に出るのだが、それはどうよ>それはね〜、まぁ(笑)。
 

『パッチギ!』

喧嘩ばっかりしてるからなあ。こーゆー物語の一番解らないところは、喧嘩の際の手心です。何故殺さないのか。だったら、どこまでやるのか。片輪にする氣はあるのか。殺す気も片輪にする氣もないんだったらそもそも喧嘩するな。ルールが解らないので、この手の抗争はちーとも愉しむことができぬのであった。
 

『バッド・エデュケーション』

映画監督のもとを訪れた旧友は役者志望だった、少年時代にホモの関係にあったってんで受け入れるんだけど、なんだか昔と違う感じ。ってんでそれを調べるぞってゆう展開になってゆくのだったけど、ああ、こーゆー「アカラサマに謎がある」のに話が進んでゆくのって、性に合わないよ。もうちょっと、ミステリィを演出するんだったら上手に、騙すんだったら騙すよう、騙す氣がないんだったら先に明かすよう、落ち着いて観られる演出を施して頂きたいと思った。謎が解けた後にも物語が続き、そっから先はとても面白く観られたもんね。これは趣味嗜好の問題だから仕方がない。
 

『バッドサンタ』

ビリー・ボブ・ソーントンの顔ってあんまき好きではないけど、この映画で悪役やってるのは好きー。それにしても登場人物の全員が一癖あるのだ、よくこんなバランスで、しかし綺麗にまとまったこんな物語を組めたものだと感心しました。面白い面白い。子供の「でも友達だからプレゼントの交換を、と」ってのが泣かせるね! 巧い巧い。
 

『バッドボーイズ 2バッド』

麻薬の元締めを叩く警察官ふたり、とゆーお話。観ていると派手なことをいーぱいしてくれるけど、終わってちょっと経過すると、どのエピソードがこの映画のものだったかが曖昧になってゆくぞー。別に他の映画のワンシーンであっても全然構わないよーな絵がいーぱいだったってことぢゃ。観てる間だけ楽しければいー、といやーいーのかもー。
 

『バットマン ビギンズ』

トーンが暗い、つーか黒い。「そおゆうヒーロ」って設定だから、そっちで揃えてあるのだ。カラーの印象で、重いんぢゃないかと感じてしまうのが足枷になってる氣がしますが、観ちゃうと面白い。執事もいい味を出してます。でももーちょっと明るいばっかりのシーンもありーので、観易くしてもよかったんぢゃないかなーとは思うよ。人に薦めづらい黒さだもの。大人向け?→【きねま猫】
 

『バッドムービー』

韓国の不良とか浮浪者とか(この共通点は帰る家がないこと、だそうだ)を撮った「悪い映画」です。出演者である不良集めからスタートして、中味はみぢかいエピソードが繋がって出来てる、ってゆう作りで、ストーリィはあるようなないような。映画の中では本気で殴ったり蹴ったり(男の子も女の子を殴る蹴るするしね)してるは、シンナーは本当に吸ってるは。そうそう、あと「鳥頭」ってあだ名の女の子は男のモノを舐めてあげるってシーンが2カ所あって、一方は墨で隠してるけど、先に出てくる方なんかまともに映しちゃってるし。ってゆう「子供はみんな見ろよ!」なんて文字も出てきたりする映画なのだった。…なーんて情報を入れてから観るとよい映画でしょう! 1時間57分、全然飽きません。もっかい観たいくないです(にこ)。もう、“字幕をつけられて日本で公開される韓国映画”を信用してもいい頃なのでしょう、って思ったよ。
 

『ハッピー・フライト』

グゥイネス・パルトロウが出ていて、マイク・マイヤーズが出ていて、こんなにフツーのスチュワーデスの物語でいいの?(笑) シナリヨが安すぎない? つまりはグゥイネス・パルトロウのスチュワーデスコスプレをこそ、見せたかったって捉えてよい?
 

『バッファロー'66』

この映画は上映方法を考えた方が、善かったですね。本編を上映する前に、ヴィンセント・ギャロのイメージフィルムっていうか、なんかサイレントのみぢかい奴をだらだら流したその後でこれに移ってゆく、ってゆう、まぁサーヴィスのつもりなんだろうけど、あのサイレントの短編でどれだけ眠かったことか!! いきなりこの映画を観せてくれよ! これは、面白いんだからさあ。そうして、クリスティーナ・リッチはみんなが褒めるように可愛いのだった。ボーリング場でタップを踏むのが、可愛いね。ラストでハートの形のクッキィをおごるのも、泣かせるね。
 

『バティニョールおじさん』

フランスにもナチスドイツがやってきたので、肉屋のおぢさんがユダヤ人の子供をスイスに逃がしてあげるとゆー話。列車に乗って国境に向かい始めてから先は面白いのだが、そこまでの展開は愉快なばっかりのエピソードではなく、ちょっと暗いって感じでしたね。後ろ半分はけっこう好きなんだけどねー。
 

『バトルフィールド・アース』

“20世紀を代表するSF作品”の1位に選ばれた小説の映画化だと知らずに観た方がよいでしょう。期待をしないで観れば楽しい映画です。敵役の巨人異星人の思考ってのに穴があり過ぎ。やっぱり地球の人類は賢いねってのを言いたいだけ…もっとはっきり言えばアメリカ人万歳、ってのがテーマなのです。「どう考えても成功する」計画を、小さなハプニングにもめげず進めてゆくとゆうだけのストーリィが好きな人にはお薦め>薦めているのか?
 

『バトル・ロワイアル』

中学3年のひとクラスが殺し合いをする話です。武器の多様さ、殺し方のヴァリエイション、生徒たちのキャラの描き分け、などなどで、飽きずに引っぱってって見せてくれます。
 

『バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】』

そもそも第一作では「参加した中学生を全員死なせる」ことが目的であった。ところが今作では、参加した中学生たちに「テロリストたちを殺す」とゆーミッションを与えている。中学生に戦闘をさせる目的はいったい何なのか。テロリストが本当に殺さねばならないターゲットであるなら、中学生なんか投入して武器を投下してちゃ、駄目だろう。どうして本当に壊滅させうる軍隊を送り込まないのか。さらに、第一作では、そんな状況から如何にして生き残ることが可能か、という方向のミステリィとしての謎解きがあったけど、今作ではそんなのは皆無。つまりそもそもの設定からして、まったくとんちんかんで筋の通っていない映画だったのだ。まさかあの『バトル・ロワイアル』をこんなに持ち上げて褒めることになろうとは!(笑) すげえ続編を作って下さったものでございます。いっそ、父の仇をとろうと参加する前田愛に敬意を表して、イリスでも出現させればよかったんだわ!(笑)
 

『花』

“脳手術を受けないと死んぢゃうけど、受けてもこれまでのきよくが失われるかもしれない”大沢たかおが、“30年前に別れた奥さんの訃報を受けて遺品を取りに向かう、のだけどその奥さんの顔がとんと思い出せない”柄本明と一緒に東京から指宿まで車でゆくとゆーロード・ムーヴィ。だから、テーマは「記憶」らしい。なんだけど、なぁんか、とってつけたみたいに「きよくって大事だよね」が押しつけられます。口で言ってるだけって感じ。そんなに思い出したいかー?>30年前に別れた奥さんの顔。単に“過去にしがみつきたい人”の話に過ぎぬのであろう。「たとえきよくを失っても立派な人間としてふるまっていた!」ってゆー『NOVO/ノボ』の、足元にも及ばんわ。
 

『花子』

障害者アートの作家、今村花子の生活を撮ったドキュメンタリィ映画。アートと言っているのは母親だけで、ご飯の食べ残しをただ畳の上に並べ積み上げたもの。まぁ、それを切り口に、一般家庭の障害者の生活を知ることが出来たとゆうことに意味があるでしょう。言葉で意志を伝えることが出来ない花子の、訴えたいことを解ってやれたらな、と思ったよ。
 

『花咲ける騎士道』

くだらなくって痛快(笑)。これ好き。フランス王ルイが、7年戦争の意味を知らずに戦っている、すなわち西洋史に疎いってのは最高ですね。
 

『花とアリス』

ガーリーな映画大好き! 絵は逆光を多用してて、とても美麗だし。出てくる女の子たちは、美人で可愛い子は根性が悪く、ぶちゃいくな子は素直でとてもいい子、ってゆー棲み分けがされてて、すなーちレヴェルが揃えてあるし(笑)。つまりは男性監督の描くガーリーな映画なのだ、男性の心を捉えて放さない訳だ(笑)。わはは。情報量が出鱈目に多いってのも、おたく心をくすぐって素敵(ぽわ〜ん)。→【きねま猫】
 

『花と蛇』

杉本彩の裸を観るのを楽しみにゆくべき映画。ストーリィは、意外とあったのね、とゆう程度にしかない。ってゆーかいっそ杉本彩の裸が拝めるまでがまだるっこしいぞ(笑)。早送りがしたいほど、どーでもよく、要らない(笑)。「劇場で公開される、ストーリィ部分がやたらもたもたあるAV」だと思って頂くと宜しい。
 

『花と蛇2 パリ/静子』

前作よりストーリィを語ろうとしている分、切っ先が鈍っている(笑)。そのストーリィにしても、ブラックマーケットが簡単に部外者の闖入を許したりとか、ゆるゆるだし。あと、男性週刊誌なんかで写真の露出が過ぎるだろう、実際に映画を観た頃にはちいとも新鮮味がなくて、どころか写真で見た絵づらになるまでがまだるっこしくていけませんでした(笑)。観客が何を楽しみに観に来るかをはき違えてはいないか?(笑)
 

『華の愛』

宮沢りえが中国映画に出る時の名前は宮澤里惠で、台詞はくちぱくで向こうでアテてもらっているらしいです。綺麗なボーイッシュなお姉ちゃんに同性ながら好かれて、でも綺麗なボーイッシュなお姉ちゃんはかっちょいい男とも関係を持って、宮沢りえはへこんで…みたいな話でした。画面的には華やかなんだけど、どうしたかったのだろう、この話。口ぱくのせいもあるのだろうが、宮沢りえの役に、どうも意志が見えづらい。表明している心の動きはすべてことごとく思い通りにいかないものばかりで、でも受け入れるしかないってんだから、どうせいっちゅうねん、なあ(笑)。
 

『花火降る夏』

返還に伴い、社会が混乱する香港が舞台です。メインの話は「英軍に所属していた兵士たちは働き口がなくなってやさぐれて…」ってゆうモノですが、エピソードとエピソードの隙間の埋め方が大変巧い。2時間8分もある映画だけど、そうゆう要らん演出こそが飽きさせずに観せるのに一役かっているのだ。“仲間が強盗に射殺された葬式”では、単に暗い若しくは重い映像にならぬよう、音声はずーっと幼児のはしゃいだ声、だったりとかだ。ギャグのセンスのよさで、スパイスを効かせているのでしょう、きっとね。
 

『花嫁はギャングスター』

韓国のやくざのナンバ2である女性が、望まぬ結婚をする羽目に陥る、とゆうコメディ。なんだけど、役に徹しているって意味だろう、徹頭徹尾ヒロインが仏頂面で、ワンカットたりとも可愛いとえる顔をしない。…だったらブスを起用すればいいぢゃん、とつくづく思うぞ(笑)。→【C2】
 

『パニック・ルーム』

サスペンスか、ホラーかと思わせる予告編を観て、怖い映画を楽しみに行ったのだけど、怖くありませんでした。面白いです。まぁ、一回観たら二度は観なくていい面白さなのだけど、娯楽映画としてはこれで充分でしょう。「母娘の住む家に3人組の強盗が押し入ってきたので、避難所“パニックルーム”に逃げ込んで内側から閉めてしまう、しかし強盗の目的はそのパニックルームの中にこそ、あったのだ!」って話なのだけど、怖くならなかった理由は一言で言ってこれは「大人向けの『ホームアローン』」であるからであった(笑)。大人向けだから、人は死ぬんだけどね。強盗退治する話なんだものね。
 

『パニッシャー』

きっと原作漫画の読者層である子供の集客を狙ったのだ、車で轢かれた妻子は血の一滴も流していないし、アパートの隣人が敵に受けた拷問はピアスをペンチで引っ張ってちぎるとゆうユルさであった。なんだそのヘタレぐわいはっ。「復讐ではない、制裁だ」とか、他との差別化を図った台詞を言ったりしているけど、そんなだったら別に復讐でもいいから、もっと気持ちよくばんばん殺し殺されろよ、と思ってなりません。
 

『バニラ・フォグ』

試写会に行く時にも、前情報を全く貰ってなくって、「もしかしてプロモータさんもあんまり推してないのではない?」って不安になって行った映画でしたが、面白かったのでした! 恋する女の子の料理人が、食べるとラヴラヴになるお料理を作っちゃって、きゃあ(はあと)!っていう、おそらくアメリカの中学生くらいの女の子が観て楽しい、可愛い映画(笑)。ハッピィでとてもよろしい。
 

『母のいる場所』

介護老人ホーム紹介映画でした。まー、ドキュメンタリィではなく、映画なんだから、綺麗に綺麗に撮ってあるのは致し方あるまいて。こーゆー老人ホームもあるのね、と知るために観る映画ですね。
 

パピヨンの贈りもの』

蝶好きな偏屈なぢぢいと、物怖じしない女の子の間にいつしか心の交流が生まれる!ってゆー、よくある(笑)パタンの物語。映像も、細かいエピソードも、決して悪くはないんだけど、途中で放りだしたような解決法を採るところとか、教科書どおりのラストが待っているところとか、あんまり緻密に組まれていないと思しきところも多々。もしかしたら子供向けの映画なのかも。
 

ハムナプトラ/失われた砂漠の都』

これはいい映画です。原題を『マミィ』って言って、ミイラっていう意味なんだけど、つまり英語圏のみなさんはこれは「ミイラが出てくる映画だ〜」って観に行くものなのね。即ち、お子ちゃまが観るような映画なのだった。小ギャグも、お子ちゃま向けみたいなゆるいのが満載で、飽きさせないよ。小さい子向けだからといってCGにいっさいの手抜きをしていないってーのもいい感じだし。
 

『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』

第1作を観ているからこそ面白いシーン(“書架の将棋倒し”の再現、過去の確執のさらなる裏エピソードなど)や、「この満月のシーンはETのパロディやろ(笑)」みたいなシーンがいっぱい出て来るし、むっちゃ大人数VS大人数のバトルシーンはあるし、楽しいです。ただ、最強のライバルであるべきイムホテップが、今回恐くない。前作では“どーやって倒したらいいのか解らない強さ”を見せてくれたのだが、今作品では“強さ故の余裕”を見せようとでもしたのか、むちゃな予想外の攻撃をしかけてこないので強そうに感じません。…第2作ってのはむづかしい脳(笑)。あ、あと、タイトルがエンドテーマに到るまで出ないよ!<ここ、チェックね(にこ)。
 

『ハムレット』

2000年のニューヨークを舞台にハムレットの映画を撮りました、とゆーもの。しかし、韻を踏むだのまわりくどい言い回しを遣うだの、前時代的な言葉遣いを残しているために観ていてとてもうざい。少なくとも英語圏の人間でないと(言葉遣いのとこは)楽しめまい。ではどこが現代風なのかと言えばフロッピィを使ったりFAXを使ったりしているとこだけ、と言えよう。薄っぺらい遊びこの上ないのだ。シェイクスピヤの時代にはシェイクスピヤは偉大だったのかもしれないけど、今観たらこのシナリヨはゆるいわ。手塚治虫が今見たら古臭くって、歴史的な価値しか持たないのと全く一緒だ。パロディとして観ろっていうのなら、シェイクスピアに精通した人のみに観せるべきですね。そうでない人には辛い。
 

パラサイト』

これをこそB級SF映画というのでしょう! 小気味善いのであった。「んなバカな!」って変身はするし(笑)。楽しめる映画でシュ。
 

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

丸眼鏡の占い学の女先生が好き。いつもの如く、本を読んでないと解らない謎を残したまま終わるけどこのシリィズの場合は仕方ないと思うべきか。そんな作りになっているので「ルールが曖昧で出たとこ勝負の行き当たりばったり」って感じもしちゃいます。世界的にヒットした小説なんだからそんな穴はないだろうと、好意的に心を曲げながら観ることになったのであった。一番大きな穴はエンドロールで“忍びの地図”を出し、人の足跡が犬の足跡に変化するなぁんてことを見せちゃった点だ。本編の「じゃあピーター・ペティグリューの足跡が靴の形で現れたのは何故だ」ってとこに抵触するこーゆー杜撰はどうか。
 

『ハリー・ポッターと賢者の石』

飽きさせないよういろいろ見せてくれる。けど、疲れますね、長いし。これでも原作から考えるとおもっきり切り捨ててあるのだろう、ハリーの飼っているフクロウの名前すら出てこないのだ。ってことで、かなりご都合主義的なストーリィの展開を見せてくれるのであった。キャラクタの掘り下げも少なく、悪そうな先生は悪そうなルックスをしているだけで、実際に意地の悪い行いを見せるとこが弱かったりしている。「この映画の中でどのキャラクタが好き?」と言われても、さほど色分けがなされていないから答えようがない。…もしかして、この辺すべて原作がそうなっているからなのか? だとしたら、映画に関する評はこのひとつだけ、「お金がかかっているのが見てそれと判る」映画ですね、だ。
 

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

魔法の応用が可能な範囲が曖昧であることを観ていて痛感した。結局その場をすべてしのぎながら進んで行くだけの物語で、「そんなことすらも解決する魔法が存在しないのか」と「そんなことが出来る魔法があるなんて、なんて都合がいいのだろう」の間を右往左往しながら観続ける魔法もの映画になっていた。
 

『ハリー、見知らぬ友人』

高校時代の友人だとゆうハリーが主人公と出会う。ハリーはやたら憶えているが、主人公は全然憶えていない。ハリーは、主人公が高校時代に書いた詩とか小説が大好きで、そのせいもあっていろいろよくしてくれようとする。ハリーの考えでは「この解決法が一番正解なんだから」だが、常軌を逸していることは否めない世話を焼いてくれるのであった。えーと、フランス映画っぽいブラックな展開になってゆく訳だ。「結局主人公は最後に救われた」と考えていいのか?、どうにももやもやの残る終わり方も含めて、フランス映画っぽい(笑)のであろう。

『ハリウッド的殺人事件』

ハリウッドの刑事は刑事以外に副職を持っています。捜査中でもほかごとに余念がない。どーせ、時間いっぱいびっちびちに犯罪の解明だけを描く刑事物の映画なんてないんだ。もしあったら、それは「刑事物」ぢゃなくて「犯罪物」にカテゴライズされよう。そもそも刑事に焦点を当てたって時点で、犯罪捜査以外のサイドストーリィが描かれるってのは当然でしょう。それをこの映画では判り易く、サイドビジネスをやってることにしてあるって訳。クライマックスの追っかけシーンではハリウッドをあっちからこっちまで駆け抜けて、名所案内の相も呈しているし。「ハリウッドでの、普通の人々の生活」ってのも描かれてるし。肩が凝らずに楽しめる刑事物として作られています。→【C2】
 

『ハリウッド★ホンコン』

映画が面白くなるためだったらなんでもする、とゆうスタンスで作られている。腕は切り落とすし。全編に亘って出ずっぱりなのはでぶ家族だし。人が死ぬと豚に喰わせるし。そもそもフルーツ・チャン監督は、綺麗なだけの映画を撮る気が毛頭ないのだ。創作ってここまで自由に、面白くできるものだと、改めて思わされることだ。
 

『ハリウッド・ミューズ』

スランプに陥っている脚本家が、“女神”の力を借りてヒットする脚本を書き上げる! でもそのためには投資として女神にティファニーをプレゼントしたり、超高級ホテルに住まわせてやったりしないといけない…ってゆうコメディです。設定はすげー面白いし、女神役がシャロン・ストーンではまり役なんだけど、オシムラクは徹底した不幸と徹底した幸運の落差が小さいこと。もっと派手にやればいいのにね。
 

『バリスティック』

穴だらけ。鉄製の階段をかんかんと逃げるルーシー・リューを鉄砲でばんばんと撃つと、すべての弾丸が細い細い鉄製の手すりの支えのパイプに当たってルーシー・リューは無傷、って何だ(失笑)。血管の中を自在に泳ぎ回ってターゲットの心臓に穴を穿って殺す究極の暗殺兵器を密輸入するために子供の血管の中に隠す、って、なんでワルモノはそれを自分の血管に隠さないのか、って以前にそんなちーさなものだったらわざわざ生体に隠さなくてもなんとでも運べるだろう!とか(苦笑)。
 

『パリの確率』

パーティ会場のトイレの天井の穴が70年後の世界に繋がっている、とゆーフランス映画です。やっていることは、“70年後の子孫が、主人公に子供を作ってくれって頼む”とゆーのだ。避妊をされていると自分たちの存在が消えてしまうからね(にっこり)。70年後の世界の描写も、現在の世界のテレヴィで放映される「未来映画」も、楽しいです。未来映画のチープさは『スペース・トラベラーズ』、現代は『奇人たちの晩餐会』、未来世界は『ティコ・ムーン』ってとこかな<違うけどそんなものだ。
 

『巴里の恋愛協奏曲』

面白くしようとしてキャラ設定が出鱈目だ。「キスされたくない元夫」ってなんだそりゃ(失笑)。“みんな恋愛ホリックで、とにかくひっつけばハッピィだと思っている世界”のお話ですので、そーゆーのを面白がれる人でないと受けつけないことでしょう。せっかくオドレイ・トトゥが出てるのにね! イザベル・ナンティも共演してるのにね!(笑)
 

『パリ・ルーヴル美術館の秘密』

ルーヴル美術館の裏側を、解説もなく淡々と撮った記録映画。こんなに沢山の所蔵品があるとは知りませんでした<30万点だそう。とっかえひっかえ展示していたのかー。ここに、作品を、しまっておいてもらえる美術家に、なりたいなあ(笑)。
 

『春が来れば

チェ・ミンシクが優しい役(笑)になってるよ! ええお話だ。ラストの、電話とかその後とかの辺りの行動の計算が、ビミョーだった氣がするけどもね。
 

遥かなるクルディスタン』

トルコで虐げられているクルド人の話。途中までは「主人公をとりまく状況が悪化してゆく」話、後半部分は「世話になった人が死んだので、その遺体を故郷にまで運んでゆくロードムーヴィ」になります。なぢみのない世界のことなので、事前に設定や状況をインプットして観るのがよいかも、とちょっと思います。これが、現実に存在するシチュエイションをバックグラウンドにしているのではなく、すべて創作された世界で展開した出来事だったとしたらその想像力はすごいものだと思うけど、だとしたらこの映画は説明に於いて不親切過ぎと言われかねないでしょう。つまりそれは想定されている観客をどこに置いているか、ってことになる訳なんだけどね。つーことで、事前に多少勉強してから観るのがこの映画の正しい観方だろうと想像するよ。
 

『ハルク』

アメコミ原作だから思いついたのか、漫画的な画面構成が秀逸。ミドコロとミドコロの間を埋めるつなぎのシーンを、を蔭で飽きさせずに見せることに成功しています。そもそも怒りをパワァに変えて大暴れする、なぁんて破壊衝動はある意味、夢であり理想だから、観ていて気持ちがよいですね。まぁ、緑の化け物のハルクがいかにもCGで描きましたよ然とした造型なのは、まぁねえ(笑)、そこだけはねえ(笑)。好きなとこは、ナノメッドを照射されて方々が脹らんで破裂するカエル。ぎゃー。稀に見るスプラッタだ。
 

『バルニーのちょっとした心配事』

愛人ふたり(若くて綺麗な女の子と、男性)と妻の3人から、それぞれ別々に「5月1日発ベニス行きのオリエント急行の切符」を誕生日にプレゼントされた男性の困惑を描いたコメディ。どんなにだれとだれが顔を合わせても別段修羅場を迎えないまま、話が展開してゆく。しゃべくりが主体のストーリィなので、舞台演劇を観ているかのようなみみっちいせせこましい印象は残りましたが。
 

『春のソナタ』

フランスの、とってもいい感じの春の過ごし方…の映画(って言っていいのか?)。フランス人はご飯の時にも哲学談義をするんだねぇって、この映画で知ったよ(ってこの映画だけか?)。いや、『哲学者の密室』を読んだ後だったのでねぇ…。
 

『春の日は過ぎゆく』

気紛れな美人の女の子とつきあって、振られて、女の子の方は屈託なくいるけど男の側はそうも言ってられずどっかでふんぎりをつけなきゃね、っていう韓国映画。もちよん、そんな話になってゆくとは映画を観ている間には予想しないほどに、綺麗な恋愛映画っぽく描かれてゆくのだけどね。邦題をつけるとしたら『男はつらいよ』であろうか(笑)。
 

『春の惑い』

古いメロドラマです。昔の映画のリメイクだそうだけど、そのまんま古臭く作ってどうする。
 

『春の雪』

ヘタレなひねくれ者の男の恋愛話ぢゃった。辛気くさいなあ(嘲笑)。台詞中に「大地震」が出てくるのは関東大震災の伏線、咳をして血を吐くのは肺病で死ぬ伏線、だと思うのだけど、どちらもこの映画の中では登場しません。4部作の1部目だけを映画化したからかー? だったらそんなノイズでしかない伏線は消せよ。綺麗な映像さえ見せれば文句あるまい、と言っているよな、まさに妻夫木×竹内結子を起用したならではの映画でした。
 

『パルムの樹』

勝手に構築された世界を舞台に、その世界でのルールなどがすべて説明不足のまま、固有名詞ががんがん遣われてストーリィが進んでゆくとゆー日本製のアニメ。絵的なデザインだけにはちょっと惹かれるとこがないでもないが、ここまで話を解らせようとしない不親切な作りはちょっと稀有と言えるでしょう。まるで言葉の全く解らない国の、しかし台詞が解らないと理解できないアニメを観ている気分で過ごした2時間16分であった。
 

『バレエ・カンパニー』

創作ダンスとバレエはどう違うのか、解らないくない、観てて楽しい創作ダンスを披露してくれるよ。お話の作りとしては群衆劇の形を採っているけど、そんなに必死に全部のキャラクタを追わなくてもいいから観やすいです>そもそもダンスの役回りが違うから、動きですぐに見分けがつくし。それにしても『ベジャール、バレエ、リュミエール』で「バレエの創り方」を見知っておいて本当によかった、先に起こる出来事が予想できたもの。皆で集まって飲んで騒いでいる時に、芸術監督の物真似とか、自分たちの舞台のパロディをするなぁんて内輪受けのギャグをやるさまも、仲良しさぐわいがよく表現されていていい感じでした。バレエは楽しいなあと思うよ。それもこれも舞台が素敵に楽しいからなんだけどもね。この劇団の公演が観たいなあ。
 

『バレット・オブ・ラブ』

瀬戸朝香が二役をやっている香港映画です。殺しあいの舞台から、一転「呑気な生活」を送る村へと換わる不自然なほどの落差にちょっとかなり戸惑ったりとかするけれども、香港映画でなければ許されない(笑)ような二役の秘密とかに驚愕したりする(笑)けれども、楽しく観れるかな。なにはともあれ思いもよらないことが起きることだけは確かだ(にこ)。
 

『バレット・バレエ』

塚本晋也監督の映画はパワァが溢れているのが常なので、よっぽど元気な時に観ないとつらいでしょう…ってのはいつもと一緒。今回のこれは身体が鉄の固まりに変身したりしないし、眉毛を剃り落としたりもしてない。唯一目立つ“通常からの逸脱”は、自作した密造銃のデザイン、かな。いつもの如く、“嫌悪感”を楽しめる人には面白い映画でしょうね。
 

『バレット モンク』

リズムが凄くいい。いきよいがあって、ぐいぐい引きつけて次を見せてくれるのだった。きっと足を停めて考えたら、変なとこがいっぱいあるだろーけど、足を停めさせてくれないから善し!(笑) ひとつだけ、原題は“Bulletproof Monk”(=防弾坊主)なのに、邦題になったら「弾丸坊主」になっているってーのは、意味が逆だぞ(笑)。いいのかっ。→【きねま猫】
 

『ハロウィン:レザレクション』

『ハロウィン』という20年(笑)続いているホラー映画のシリーズの8作目だそうだ。プレスを読むと「前作で、主役の殺人鬼は実の妹に殺されたはず」なのだが、今回は「実は死んでなかった」さらに「実の妹を逆に殺す」シーンからはぢまります。が、妹が死ぬまでにかかる時間は15分(笑)。あとの1時間15分ほどは、今回用の新しい話になっています。この展開は、シリーズものをはぢめて観る者には嬉しいよね。これまでの筋を教えてくれて、それに決着をつけて、主役の殺人鬼のキャラ設定はよく表現できて、期待していた惨殺シーンは三つも(たった15分間なのに!)あるし、この後のお話に期待が持てまくりなのだ。さて、今回の話は「インターネットテレヴィの企画で、殺人鬼の生家探検をしにやってきた6人の若者が、実は潜んでいた殺人鬼の餌食に次々となる」とゆう展開だ。インターネットで生中継されているので、主人公の女の子のケータイに、テレヴィで観ているメル友から指示が入る。「奴は廊下にいるぞ!」「奴は家の中に入った!」「窓から逃げろ!」って感じだ(笑)。すげー! 遠隔操作で、プレイヤが動くよ(笑)。本物の人間と、殺人鬼を使った、ゲームをやっているわけだ。メル友の側はハロウィンパーティの真っ最中でギャラリィがいっぱいいるしね。とても素敵な対比です。今どきのホラーは、いかに緩急の落差をつけるかが手腕の見せ所で、それがとても達者になされているのでした。上質のホラーでしょう。ホラーなんてそもそも二度観るものとして作られる訳ではないのだから、これは、このレヴェルは、十分に賞賛に値するのであった。
 

『ハロルド・スミスに何が起こったか?』

こんなところにこんなスーパーな超能力おやぢが存在したとは!(笑) タイトルにそのおやぢの名前が入っているので、てっきりそっちの話がメインかと思って観続けてると、実はハロルドの息子の恋物語なんだよなー(笑)。77年が舞台なので、『サタデー・ナイト・フィーヴァ』とかブリティッシュ・パンクとかが重要なアイテムとして使われていますが、さほど詳しくなくったって映画を楽しむのに支障はないでしょう。ラストのおやぢのカットは感動もん、かもだ(笑)。
 

『パワーパフ ガールズ・ムービー』

テレヴィシリーズで観慣れた『パワーパフ ガールズ』がおっきい画面で、だからいつもは簡略化されている背景なんかもみっちり描かれ、しかしストーリィ展開のゆるさ(笑)はいつもどおり、という映画でした。「ゆるい」と言う表現だとけなし言葉だが、言ってみれば「デフォルメ」されているってことなのだが。絵のデフォルメを受け入れられる人はストーリィのデフォルメをも面白がるとよいと思います。
 

『半落ち』

世にも稀な法廷映画だ。検察側も弁護側も、のみならず裁判官も新聞記者も刑事も、みんなこぞって「被告が隠している真実」を発くために団結するのだ(笑)。絵づら的にはとても地味な映画だけど、ここまで引っ張って見せられたのは、こゆふに次々と一線級の俳優がこの物語に途中参加してくるからでした(笑)。飽きさせないように巧く作ってあるやん。『ニューオーリンズ・トライアル』と比較するまでもなく、ああ、日本の法廷は「真実の解明」こそが重要なのねって思わせる物語でした。
 

『バンジージャンプする』

観てない人に決して言ってはいけない、とされている禁忌があります。実はプレスをぱらぱらと見てた時に、わざわざその注意書きが四角で囲ってあったので却って目を惹き、先に知っちゃってから観たのだったけど、知って観て、なんの不都合もなかったよ(笑)。てゆーかトリックはそんなところに仕掛けられているのではない。もっと初っ端から我々は騙されているのだ! それはラストシーンを観た時に思い知るであろう。うわああ。やられたああ(笑)。
 

『パン・タデウシュ物語』

ナポレオンがロシヤに侵攻する時代のポーランドが舞台です。もともと叙事詩として書かれたものを映画にしたのだ。だからセリフは詩づいていたり、ポーランド史が判らないと設定が理解しづらかったり、よくにたおやぢが出てきて区別がつけにくかったりで、2時間34分の上映時間のうちアタマの方2時間くない、寝てた(笑)。先にストーリィを読んでおいてよかったのだ。ところどころ起きた時に何をやっているか、判ったから(笑)。
 

『パンチドランク・ラブ』

かなり、何を描きたいのか解らない、がっかりさせられた映画。「ほら、こんな風変わりな奴がいるよ、面白いでしょう?」とか「そいつが恋愛をするとこんな展開になるよ」って辺りを観せたかったのだろーが、そんなものをいきなし観せられても。主人公に共感する前に、面白い訳でもない珍妙さだけが先走って、ついてゆけないのでした。
 

『バンディッツ』

いっぷう変わったやり方で成功してゆく銀行強盗の話。男ふたりが実行犯なのだけど、途中で亭主に不満を持つ主婦を拾い仲間に入れるところから、三角関係がメインのテーマになってゆく。しかし「どっちを選ぶ」だの、結果どういうラストに到るのかだの、どんなに頑張って見せてくれても「だってもともと既婚の女性を取り合ってんだから君たちみんな不倫しているだけじゃん、二択と全然違う話やん」って思って観ていたから、まったく興味浅いのであったよ(笑)。いかなる感動も致しませぬ。犯行の方法だけはたいへん面白く観られたのにね。
 

『ハンテッド』

殺人のノウハウを叩き込まれた弟子が、狩猟に来たハンタを殺しはぢめたので、師匠が呼ばれて、弟子vs師匠で闘いがはぢまるのだった!ってゆうお話。師弟対決を観るためだけにこの映画は作られており、だから、「何故か大都会の近郊にいるにもかかわらず、お互い手元の鉄屑や石から、ナイフを作り出してそれで闘う(どっかに盗みに行った方がはるかにリーズナブルだろうに!)」とか「弟子がどう逃げても、どんな雑踏に紛れ込んでも、すべての逃げるノウハウは師匠がトレースしちゃう」とか、明らかにありえない(笑)ことを描いていても、そーゆー部分にはすべて目をつぶるべき、そんな映画でありました。好意的に、ああ、弟子は、師匠に見つけて欲しいのね、かなんか、映画にとって都合のよい理由をこっちで考えながら観てあげましょう(笑)。そーでもしないとこんな対決は実現しないんだから仕方がなかろう。
 

『パンと植木鉢』

イラン映画です。イラン映画は当たる時と外す時の差がおっきいのだけど、これは大当たりと言っていいでしょう。“20年前の実話を元に映画を撮ろうとする話”です。何故か、シナリヨを出演者に配ったりしてないものだから、“どんなシーンをこれから撮るか”は判っていても“では具体的に何が起きるのか”を知らされていない俳優とかがいて、それは物語になるわな!と感心するのであった(にっこり)。まさか本当にこんな映画の撮り方をしている訳ではあるまいな?(笑) 面白いよ。


【あ】【い】【う】【え】【お】/【か】【き】【く】【け】【こ】/【さ】【し】【す】【せ】【そ】/【た】【ち】【つ】【て】【と】/【な行】

【は】【ひ】【ふ】【へ】【ほ】/【ま】【み】【む】【め】【も】/【や行】/【ら行】/【わ行】/【アルファベット】/【数字】
21世紀映画評入り口