わんこめ映画評ら【か】


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21世紀映画評入り口
 

ガーゴイル』

「セックスの最中に咬みつかれ喰いちぎられて血まみれになって死んでゆく」様子を映像にしたかっただけ、の映画です。男ヴァーヂョンと女バーヂョンを観ることができます。冒頭から、わざと解りづらくついて来づらく作ってあって全然親切ではありません。思わず寝てしまっても責められまい、ヴィンセント・ギャロの映画だって点でそれは覚悟して観るべきなのであろう。とっととスプラッタなセックスシーンを観せてくれればいいのにね!
 

カーサ・エスペランサ〜赤ちゃんたちの家〜』

出生率がやたら高い、“赤ん坊が最大の輸出品目”と皮肉られる南米の某国へ養子をもらいにきてホテルに長期滞在する女性たちと、その国のいろんな人々とが織りなす顛末が描かれます。ホテル側は長いこと逗留してくれた方が儲かるから、役人に手を回してなかなか許可を出さないようにしたりしていて、人によっては何カ月も待たされることになるのだった。で、こんな設定だけどいちよう楽しく観られるよう、例えば「2カ月も待ってるのよ」に対して「妊娠は9カ月待つわ」って答えるってふうに面白くしようという試みは方々にちりばめられている。しかしなー。テーマがテーマだけに、人身売買だの不妊症だの、シビヤでダークな問題がちょろりちょろりと見え隠れしちゃって、心から楽しめないのでした。ううむ。製作者側はこの映画を観てどう思ってほしいのだろう。
 

かあちゃん』

この映画を観つづける唯一の衝動は「こんな善人ばっかしで話が成り立つ訳がない。きっと何かこれだけでは解決できない問題が発生するにちまいない。そこを楽しみに観よう」なのだが、観終わってみると結局陰湿な事件は何一つ起きなかったことが判明する。テレヴィだったら途中のどっかで絶対にチャンネルを変えるだろう。時代劇だからといってここまで「みんないい人」で作ってしまうってのは単に「江戸時代は人情が活きていてよかったよね」とゆう妄想に基づいているに過ぎない。騙されては駄目だ(笑)。
 

『カーテンコール』

結局はアマチュアの域を出なかった芸人が映画館を馘になったのを惜しんで追う話、かと思いきや、舞台が下関だからっつーことで在日朝鮮人サベツ問題に発展してゆくのでした。昨年観た『チルソクの夏』みたいね、と思っていると劇中に出てくる映画館にはちゃんと『チルソクの夏』のポスタが漲ってある辺り、ちゃんと考えて作ってるのねつーことか。それにしても芸人役の藤井隆は、年老いてからの役者と頭身が違いすぎないか。頭がでかいの、藤井隆の。イワカンを抱かないのかなあ>製作者側。映画はね、郷愁に生き別れを足したりするもんだから、争点がぼやけてたと思います。なんだこれ、ただ頑張っとるなあって観ればいいの? フィクションだろうくせに、ドキュメンタリィのようなファクタの多さであった。
 

『ガーフィールド』

『トイ・ストーリー2』を真似、『102』をぱくり、『キャッツ&ドッグス』を作り損ねると、これになる。低レヴェルで大人が観るに耐えない。大人が観るに耐えないものは子供にも観るに耐えなかろうと思いますが。
 

ガールファイト』

喧嘩っぱやい女の子がボクシングを習って勝ち進んでゆく話です。試合のシーンもトレーニングのシーンも、あまりどきどきしない。どーせ勝つしね、って思って観られることが判っていないのか。「主人公をないがしろにしてきた実の父親」への対処が、“ボクシングで強くなった揚句殴り倒して首絞めて殺しかけ、弟に止められて、それ以降ヘタレた親父は映画上フェイドアウトする”…ってのは新鮮だけどさ、そんなん全然解決とちゃうし、やっちゃいかんやろ(笑)。狂犬ぢゃん。
 

『地球交響曲第四番』

4人の人のインタヴュで構成された映画。ふたりめのサーファーはさほど面白くなかったが、ガイア理論の学者とか、チンパンジー研究家とか、沖縄出身の版画家の話は興味深い。結果、夢のある話に落ち着くので安心して綺麗な映像と音楽が楽しめることでしょう。
 

『怪異談 生きてゐる小平次』

82年の作品。登場人物3人以外、動物たりとも一切出演させていません。予算がないからそうしたらしいのだけど、それはなかなかいい方に転がっている。他者が介在しない分、3人の関係がシャープに切り取られていますね(笑)<偉そう。
 

『怪獣大決戦 ヤンガリー』

設定も展開も特撮合成も、すべてが甘く中途半端。まさに「怪獣が出てくるような話なんだから固いこと言うなよ」をまんま映画にしたようだ。一番すごかったのは、途中までこいつが主人公か?と思わせておいた“報道カメラマン”のキャラが、後半いっさい出てこなくなるとこだ(笑)。こんな展開を、誰が読めようか。なんてことを面白がるための映画であった。
 

『快盗ブラック・タイガー』

モノクロフィルムにあとから彩色したかのような色遣い、べたなギャグ、わざと大袈裟にデフォルメされた表現など、映画のテクを遊んで作られたタイ映画。今さら目新しい手法でも、新鮮な視点でもないけど、くだらねえと思いつつ観れば楽しめゲ。
 

『回路』

ホラーだからと思って、筋の通らないことをいっぱいやっている。なまじ簡単な理屈を通しているから、細かい部分がいくつかひっかかるのだけど、まぁホラーだからいいかな(笑)。いっこ、面白かったのが「パソコのモニタを見ていると、パソコを覗き込んでいる自分の後ろ姿が映る。そしてこっちに振り返る。ってのを見てしまったので、驚いて、しかしながらモニタで見たのと逆、モニタでは右から振り返ったのだが、実際には恐る恐る左から振り返る」ってゆー「ずらせば予言になるまいとの判断を瞬時にする」ってのが人間らしくって、好き(笑)。
 

『カウボーイビバップ 天国の扉』

上質の、映画です。テレヴィシリーズを全然観てなくっても、いきなしこれを観ても、なんの問題もなく入ってゆけましたね。アニメならではの表現もふんだんにあり、ちゃんと効果が解っている人が作っているのであった。「え? ここは、これはちょっとご都合主義に過ぎない?」って箇所も見受けられた(にっこり)けども、それは決して“アニメ作品ゆえの雑な作り”をしてるってんではなく、普通の映画に普通に見られるレヴェルのはしょりであると、看做してあげましょう(にこ)。
 

『顔』

でぶでぶすで陰気なおばはんである藤山直美が、妹を殺して逃亡する…ってお話です。『王手』の監督の作品なのでそこそこ面白いのです。「陰気な『大阪物語』?」って言われたら、そうかもしれないのだけど。どこに逃亡していても、誰かが死ぬ度に(自殺でも殺人でも)お巡りさんが来るのでその場を追われて次の場所へと逃げゆくのでした。決して派手ではないけど、決してつまらなくもない映画なのです。「ギャグ」か「エピソード」かで、もうちょっとデフォルメが効いていると、もう少しだけ共感を覚えるかもな〜とも思うのだけど、まぁ、そうゆう好かれる話でもないからいいか。
 

『カオス』

偽装誘拐と殺人なすりつけのお話です。中谷美紀が、破滅型のゲーム好き、みたいな設定で「殺人を隠そう」としたり「偽装誘拐されよう」としたりってゆう犯罪を楽しんでおります。地に足をつけて生きたいまありの人たちが転がされてゆく、ってのを観る映画ですね。まぁ、観ている時はそんな分析なんてしてないけど。テレヴィ的かもしれないとも思ったけど、ラストはいい絵だし、面白く観れたかな。
 

『鏡の女たち』

これをテレヴィで放映したら一瞬でチャンネルを替えられるだろう。映画館に観客を閉じ込めたからといって、こんなたるい映画を観せてはいけません。能でも意識しているのか、なにも調度品のない部屋で無表情のまま、カメラ目線で絞り出すように台詞を淡々と語り合う、なぁんて無機質なシーンのオンパレィド。絵的には、障子は出てくるし原爆ドームは出てくるし、たしかに「日本語の解らない外人向け」にはアッピールするような作りが施されているかもしれないが、日本人で騙される奴はおるまい。
 

『輝ける青春』

6時間14分に及ぶ映画だ、観はぢめる前にマスコミ試写室に一緒にいる全員が、同じ船に乗り合わせる同志、って思いになったよ(笑)。物語は長いくせに解り易い。つーか、なるほど、時間はふんだんにあるのだ、懇切丁寧にストーリィが進むのだ、解りづらくなることはありえねーのかとちょっと思った。早い話が連続テレヴィドラマを全6時間分一氣に見せた、ってことだった。なるほどね。こー作れば、6時間の映画が出来るのかと勉強になったよ。そしてここまで長いと、ラスト1時間の間に、ここで終わるかな?と思われる箇所が3シーン以上あったよ(笑)。ああ、まだやるのか、と思って観ていた。てゆーかなんならまだまだ続けられるだろーし。なるほど、終わりこそがむづかしいの、かも。→【きねま猫】
 

『隠し剣 鬼の爪』

『たそがれ清兵衛』と一緒ぢゃん! これを新たに作った意味は何? どっちかを観れば充分です。こぉんな判りづらい覚えにくいタイトルだけど、いっぺん観たらインプットできます。出てくるからね、「隠し剣 鬼の爪」がね。
 

『カクト』

心に重く分銅がいくつも乗っかっている。放り出すことは人間関係を帳消しにすることだから、それはしたくない、我慢して自分を抑えて、周囲と折り合いをつけながら過ごしている。そんな伊勢谷の人間関係を描いた映画。みなが通常生きている時に抱いている重荷からの、あるひとつの開放法が提示されているので興味深く気分よく観られました。
 

『かげろう』

ナチの侵攻から逃れて南仏へ疎開する途中、空き家があったのでお母さんと子供二人、それと知らない若いお兄ちゃんがそこで共同生活をはぢめる、とゆう物語です。だから何? 何が訴えたいの? 「奇妙な共同生活の様子」が描きたいとゆーだけの理由で、この戦時中に舞台を設定したのか。その割りにはインパクトのない共同生活であった。ただ撮ってみました、って映画だといえましょう。
 

『下弦の月〜ラスト・クォーター』

浮気をする男をぐだぐだで赦す話は大嫌い。「昔あんなに優しかった」ことを思い出して踏みとどまっていたけど、今の変心こそが重要だろう、フツー。死んでもいいから純愛の方にいくべきだったと思います。けど、アダムはアダムでどうしたかったのだ。どーなったらあっち側の結論が出てたのだ。なんだか、助け出されるのを待つ目的で監禁している、みたいな変な話だった。絵が綺麗で栗山千明が綺麗だから雰囲気に飲まれて騙されるところだったが。
 

『過去のない男』

暴漢に襲われ記憶喪失になった男が、辿り着いた町で巧く折り合いをつけて暮らしてゆくとゆうフィンランド映画。淡々としたトーンの中で繰り出すギャグが、素敵に絶妙でいい感じ。こんなふうなら記憶喪失も悪くないな、と、『刑務所の中』のような感想を持つよ(笑)。→【きねま猫】
 

『風花』

相米監督作品で、主演がキョンキョンと浅野忠信なのだ。話は相米らしく地味です(笑)。キョンキョン&浅野ぢゃなかったら、かなり辛いかも。ま、『踊る大捜査線』とか『五条霊戦記』『PARTY7』みたいな派手なのを期待せずにさえ行けば、まぁ、映画としてはちゃんと観られる出来に仕上がってはいるのであった。
 

『火山高』

細かく提示されるキャラクタ設定が全然活かされることなく話が進んでゆく。いくら原作にあった(のだろう)といっても、映画にした時にその後一切触れられないほどの量があるってゆーのなら切り捨てるべきではなかったのか。若しくは角度を変えて、開き直ってそれをギャグにするとか。原作が(おそらく)面白かったからといって、無秩序に実写にすればいいというものではないのがよく判る反面教師になっております映画です。
 

『華氏911』

爆発的に面白いなあ(笑)。“説得力”とゆうことを教えてくれる映画である。こんなの、ディズニィが配給をしない訳だ、叩きまくっているブッシュがディズニィワールドの宣伝をしてるシーンまでアイロニカルに挿入されているんだもの。ぎゃはは。ただ『ボウリング・フォー・コロンバイン』ほども、観やすく作る工夫はされてなくて、フルパワーで情報が詰め込まれているから、マイケル・ムーアの映画に慣れていない人にはついていけないこともあるかも。
 

『榕樹の丘へ』

偏屈な独り暮らしのおばあちゃんのとこへお手伝いの女の子が来て、ココロが通いあってゆく…ってゆう中国映画です。純朴さがいい感じを出していますね。「おばあちゃんの偏屈さ」も理解できる描かれ方をしていて。…ほら、よく「それはシナリオとして無理に作ってつけている難癖でしょう?」みたいな頑固もの映画あるぢゃん、そうではないのだ。“独り暮らしの老婆だったらこのくない、求めるよね”って域で要求をしているの。最後はお婆ちゃんがいいおばあちゃんになって、メデタシです(にっこり)。ああ、邦題を『いじわるばあさん』とつけてもいいかもね(笑)。もちよん毒の効いた長谷川町子の漫画ヴァーヂョンではなくって、万人に愛される(げろげ)テレヴィドラマ仕様のいじわるばあさんですけども。
 

『カスタムメイド10.30』

木村カエラの周囲に濃ゆいキャラクタが現れて悪ふざけをする。木村カエラはそれをあしらってる、ってだけの映画。それが別に面白いわけでもない。終わりの方に到っては奥田民生のライヴヴィデヨになっちゃってるし。お調子に乗ってるんだろう。CM畑の監督の長編映画第一作と聞けば、ああ、なるほどね、CMの奇抜さだけで映画を作っちゃったのか、やらかしちゃったねーと微笑ましい訳ですが(苦笑)。
 

『風の絨毯』

日本=イラン合作映画です。イラン映画だけ観ていた時に感じる、「こいつら人の話聞かないで、言われたことやらないで、自己主張ばっかりして、相手にすると難儀そう」って思えるイラン人の人物像が、日本人をからめることで、マイルドに、ああ、この程度の難儀度ならありえるって思えるものになっています。でも、それぢゃあイラン映画としてはつまらないのだと知った(笑)。あの、取りつく島もなさ度が、味わいだったのだ(笑)。あと、この映画で訴えたいのは「アラビヤ絨毯を織るのは大変ね」であるから、完成しちゃったらものすんげぇいきよいで映画が終わるよ! それまでに培った人間関係の精算なんて知ったこっちゃねースピィドだ。すげー。
 

『家族のかたち』

しょぼい男と子連れの女の停滞した間柄に、女の元亭主が出現することでいろんな事件が勃発するとゆーコメディ。しょぼい男のしょぼさが際だったり、元亭主はやっぱき別れただけの理由のある駄目さだし、これは果たして本当にこの結論でよかったのか、ふわんなまま終わるけど、コメディだからいいのか(笑)。
 

『カタクリ家の幸福』

韓国映画『クワイエット・ファミリー』を三池崇史ふうにアレンジして作られた邦画です。実写の人物が突然クレイアニメになってストーリィが進みまた実写に戻る、なんてことをへっきで行っている時点で、そっから先がミュージカルになろうが(つまりいきなり歌い出し踊り出そうが)展開やキャラクタが歪んでゆこうが、すべてを「楽しいね」で許してしまわざるをえないのですね〜。笑って受け入れられれば、とても楽しめることだろう。
 

『学校の怪談4』

思いもよらず、いい話だったのだ! 「成仏をさせてあげる」話なの。『シックス・センス』と一緒でしょう? 試写会でもないと観なかったのだけど、観てよかった映画です。大人の人も偏見を捨てて観て欲しいなぁ…ってってももし自分だったらどんなこと言われても絶対観ない、ってことも判ってるからなぁ…。こうゆう映画の、サダメなんだろうなぁ…。
 

『カナリア』

カナリヤぢゃなくてオウムですがな、これ(笑)ってゆうか(ありがちなツッコミ)。こんな、洗脳された子供を野に放っちゃいかんなあ。「洗脳された子供の冒険譚」になってるもの。ラストで提示されるテーマは、それは入り口に過ぎないでしょう? だから、そっからどーすんのかを映画にして見せなきゃ。それを、この映画につけられたオチで済ますくないだったら、教団内での生活の方こそを延々と詳しく描く映画が観たかったわ。
 

『彼女を信じないでください』

女詐欺師とゆう割にはちっとも悪くないなあ>ヒロイン。せいぜい“いけしゃあしゃあと嘘をつくことが出来ゆ”って程度のキャラクタ止まりだ。まぁ、だからこそ可愛いんだし、ええ感じのコメディに仕わがったのだろう、低刺激だからって文句言っちゃいけませんね。韓国のラヴコメを楽しむには充分な設定であると捉えましょう。
 

『彼女を見ればわかること』

なんらか“幸せとは言い切れない生活”を送っている女性たちを5話構成で描く映画です。「女性に支持されている」と言われるとなるほどね、と思う。群像劇を上手に観せております。
 

『カノン』

アニエスbが出資して完成にこぎつけたとゆう急進的(?)なフランス映画です。ズームで寄って行くとこでは大仰な効果音がなったり、途中で「映画館を出るならあと30秒以内で」ってゆう字幕が出てカウントダウンをしたり、ヘンなことをいっぱいやっております。でもまぁ、ストーリィ自体は重苦しいおやぢがうだうだやっているだけ、なのだ。「暗いフランス映画」ってこうゆうもんだよね、ってのを知ることが出来よう。
 

『かまち』

とてつもない大根を起用したものだなあ! まぁ、子供が観る映画だと思って舐めているのかもしれない。1960年生まれのかまちが中学時代にマット系の茶髪だったってーのは、ビートルズの『プリーズ・ミスター・ポストマン』のEPをかけるたびに流れてくるのはBONNIE PINKの曲だ、っていうのと同じ、想定されるこの映画の観客である今の子供たちが受け入れ易いよう、アレンヂが施されているのだと好意的にとってやることはできるけどもだなあ。ただ、現代の引きこもりのキャラクタまでもが綺麗に茶髪で整った髪をしているっつーのは、いったいいつ部屋から出ているのか(失笑)。ゆるいわね(くすっ)。
 

『神に選ばれし無敵の男』

ヒトラーが台頭してくる前夜のベルリンで、「力持ち」の見せ物になったユダヤ人の男の生涯を描いた物語。田舎者の純朴さ故に欲はなく、しかし好いた女の子を護るために、見せ物屋敷の主人の野望であった“ナチスのオカルト相”就任の夢も砕いちゃったりするのでした。愚鈍な馬鹿が勝手に生きているだけでドラマティックな展開になった、とゆーところか。
 

『カミュなんて知らない

いっかにも映画に一家言ある人が作った映画っぽい。長まーしする、とかね。面白がってやってんならともかく、鼻につくよーにしわげてちゃあ、駄目では。下手では(笑)。
 

亀は意外と速く泳ぐ』

こいなけあまたのコントで、しかしきっちり構成された映画は稀有だ。数知れずのネタがふんだんに盛り込まれている。最高なのは「手羽先ナチス」ですねー。ぎゃははっ。これがここで挿入されることがすべてを象徴していよう。→【きねま猫】
 

『亀も空を飛ぶ』

こんな社会で子供が育っては、そりゃあ話の通じない人種が育まれる訳だ。うわあ。もっと国民全体の知的レヴェルを上げようよ、とつくづく思わされる物語が展開するよ。それでも地雷原に赤ん坊が迷い込むと助けに行くなんて。いったい君の中の倫理的なルールはどーなってるの?と問いたい。地球上からイラク人がいなくなりますように、と祈りたくなります(笑)。本当、理解不能であった。
 

『ガメラ3』

飛行時のガメラの回転の速さ! 焼けただれたギャオスの肉片が降り注ぐ渋谷! これらを観れれば、イリスがいかにもCGでございますよって絵づらで京都に降り立っても、許してやろうぞ。
 

『仮面学園』

ちょっと、観客をなめ過ぎ。不思議そうな絵を繋げば筋が通ってなくてもいいと考えているらしいし、どうせコドモの観るもんなんだからセリフが棒読みの新人遣ったって文句は出まいと考えているらしい。
 

『仮面ライダー THE FIRST』

怪人が仮面をつけている方法が明らかになります(笑)。そんなところで筋を遠そうとするもんだから、「それまで仮面はどこに持っていた?」って辺りがオロソカになっているよ(笑)。サンシャイン栄がロケ地になっていて、しかも物語上2004年4月の段階で稼働してることになってるよ! 2005年にオープンしたのに<細かい。
 

『花様年華』

絵は綺麗。ヒロインが着替えるチャイナドレスは、どれもとても綺麗な柄です。お話はお互いの結婚相手どおしが不倫をしている、隣り合って住んでいる男女の恋愛もので、でもほぼプラトニックでいい雰囲気です。ただ、オシムラクは、とても眠い。絶対寝ないで観続けられる元気な時に観るのがよいと思う。
 

『カラー・オブ・ハート』

これも設定オンリィで好評価を下した映画でございます。エンディングで裁判所になる映画は、訴訟社会ではなくディベードを嫌う日本の風土には合わないと、つくづく思うのだ。なんでそんな映画のように、論客を言い負かすことができる訳? なぁんて欠点をも覆す、モノクロの世界に入り込んだカラーの世界の人間の困惑、って設定は楽しめたのだったよ。
 

『カラオケ』

『のど自慢』みたいに、定番で盛り上がる映画かなって思ったらやっぱりカラヨケだけあって、せまっくるしくてミミッチイ話でした(笑)。クラス会の二次会でカラヨケボックスに行って、でも人それぞれ、ひとネタあって…っていう映画。『のど自慢』ほども歌とネタがシンクロしていないのが、敗因かな…。
 

『ガラスのうさぎ』

人にアニメィションを見せようと思う絵ぢゃねえな。ターゲットは「動いていれば有り難がる層」か。そんな低みを目指してどーしたいのか。→【C2】
 

『玻璃の城』

70年代に愛し合っていたカップルが、でも結婚できなくって、90年代に再度出会って不倫の関係を続けたのちに交通事故で一緒に死ぬ…ってゆう香港映画です。ヒロインが『ゴージャス』にも出てたスー・チーなんだけど、どう数えても映画の中で25年以上が経過する話なのに、老けませんねー(笑)。まぁ、アイドル映画(え?そうなの?)だで若いままでもしょうがないわなーってことでしょうかしら…。観どころはね、スー・チーの娘の役の女の子が石田ひかりのようで、たまに菅野美穂風にも見えて、可愛い<それだけかいっ。あ、あと学生運動のシーンで「軍国主義日本反対」とか、尖閣諸島問題がばんばん出てくるので観どころ(にっこり)。
 

『ガラスの脳』

生まれてこの方、ずーっと昏睡状態にあったのが、17年めに7日間だけ目覚めることを(神様からね)許された女の子の話。手塚の漫画が原作です。をかべはこの原作を雑誌発表時に読んでいるんだよなー。こうゆう話だから7日間で、這う→立つ→歩くのみならず、読み書き喋りが充分に達者にならないといけないっていう設定なのです。が、なんで“もう充分成熟した状態になっていい”日を迎えても17歳の年相応の喋り方よりも幼い口調を演じるのだろう…って不思議に思っていたら、こないだポカリスエットのCMを観て解った! ヒロイン役の後藤理沙は、普通に喋っても舌っ足らずだったのか! が〜ん!! そんなトリックが、あったとは!
 

『カリスマ』

話はよく判らない処があるけれどぉ、まぁ、自分で勝手に判断して埋めながら観ると宜しい(笑)。言いたいテーマはおそらく、ラスト近くで主人公が口で言うことなのだろうので、そこを押さえれば納得したような気分になってよいのではないでしょか(にこ)。
 

『カル』

韓国の血塗れスリラーです。切り刻まれた人間の肉体が、上手に作ってあるよ! 素人考えだけども、血ってもうちょっと粘り気ないかしら…って思うのであった。大きなトリック以外のディテールも、割りと緻密に作ってあるとのフレコミだから、血塗れが嫌いぢゃない人は何度か観よう。
 

『カルテット』

久石譲第一回監督作品です。弦楽四重奏を組んでコンクールを目指す、同じ音大の同窓生が、ひと夏の間にいろいろドサ回りしたりしつつカルテットとして完成してゆくってゆー成長譚です。演奏する曲目が久石譲のオリヂナルばっかりなので、トトロとかラピュタとかが流れます。いんちきだけど、そうゆう曲で感動させるってのは、しかしこの映画ならでは、ってことなんだろーからありかな(笑)。とゆう程度以上に、お話もきちんと楽しめたのが意外でした(笑)が<久石譲に対して失礼?
 

『カルメン』

カルメンって、峰不二子だったんだと知りました。体を武器にして男をとっかえひっかえして登り詰めていく野心を持っている、ってことだものね。
 

『カレンダー・ガールズ』

“女性連盟”のおばはんたちが、自分らをモデルにヌードカレンダーを出版し、大売れしたとゆー実話をもとにしている映画です。もっと下品になるかと思ったら、すっと、スマートに描いてくざさいました(にこにこ)。イギリス映画らしいのは、「しつこく掘り下げないで進める」とこですね。まさか、撮るまでの悶着、撮ってから世に出すまでの騒動が、こんなにあっさりと軽く、他のいろんなエピソード並の比重で扱われているとは思いませんでした。よいバランスの気持ちのよいコメディに仕わがっています。
 

『川の流れのように』

森光子が主演で、じいちゃんとかばあちゃんが活性化する映画、です。全然全く一切期待せずに観に行ったのだけど、監督が秋元康だけにきちんと観せ処とか、話の持ってき方とか考慮されてて楽しめました。最後に近づくとこれでもか!これでもか!って感動させようとのモクロミが判るエピソードが羅列されてきます(笑)。まぁ、どれかいっこはひっかかってくるのではないでしょうか。ちょこっと「しつこ!」って思いましたけどまぁ許す(にこ)。
 

『ガン&トークス』

一軒家に同居している4人組の殺し屋の話。韓国映画だからなあと覚悟していたよりも、4人のキャラが立っていて区別がついて、それぞれのエピソードも楽しくて、ギャグセンスも「ちょっとこれは、どうよ?」みたいなのがそんなにはなくて、面白く観られてよかったよかった(にこにこ)。充分に上質のエンタテインメントが盛り沢山でした。
 

『カンガルー・ジャック』

公開を日本語版でやるとゆーのでマスコミ試写も日本語版だった。そーすると際立つのが「子供向け」っぽさだ。なんて幼稚な映画なのだろうと思いましたね。英語で、日本語字幕で観ていれば、もー少し許せるとこもあろうにね。
 

『感染』

ホラーだとゆう括りで、だったらなんでも許されると思っているのだ(笑)、出鱈目な病院が舞台になっています。血管注射が射てない看護婦、人を縫ってみたいだけの若い医師、失踪する院長、お金が足りず備品が底をつきかけ、入院患者はよそで引き取ってもらえないような末期症状の者ばかり、そこで医療事故が起こり、症例のない救急患者が搬送されてくるぞ。ここまで出鱈目が横行しているのなら病院内に発生する事件だけを描けばドラマとして十分面白いだろうに、でもいくらなんでも医療関係者に失礼だ、叱られるよね、つーことでホラーとゆう隠れ蓑をかむっている訳ですね。ホラーにし、ラストで種明かしをしたことで、せっかくふんだんに詰め込んだ設定が台無しになっているのがつくづく惜しい(笑)。『パニック医院』とかってタイトルにして、人間模様だけで押してった方が面白かったんではないかニャー。
 

『完全犯罪』

「お金が必要なので友達を騙して手に入れましょう!」ってしたら、その友達の性格がとても難儀なものだったので、どんどんヘンに深みにはまり込んでゆく…っていう話です。難儀な友達を甘く見ているととても難儀な事態が起きるよっていう教訓ですね(笑)。1時間33分っていうみぢかい尺なので、間延びすることもなくドキドキ楽しく観れます。
 

『完全犯罪クラブ』

完全犯罪で殺人を行おうとする男子高校生2人と、それを発く刑事を描いた物語。計画している段階では穴のない殺人で、はたしてこれをどうやって発くのかわくわくしていたら、なんのことはない、とてもゆるいほころびがぼろぼろ出てくるは、理由もなくこの二人を疑いはぢめる女刑事は出てくるは(笑)、とても頭のよい者同士の対決を描いた映画とはほど遠いところに来てしまうのであった。ってことで、頭の半分だけが面白い。
 

『カンダハール』

カナダへ亡命していたアフガニスタンの女性が、祖国に置いてきた妹から「20世紀最後の日食の時に自殺する」との手紙をもらい、妹を救いにカンダハールを目指すという話。アフガニスタンの人々が今どんな生活をしているかがマフマルバフらしい語り口で描かれている。ロードムーヴィの形をとっているのでいろんな立場、境遇の人々が登場するのであった。映画として観て面白く、イスラム世界を知るのにも(デフォルメはあろうけど)よい作品ですね。「カーテン越しに医療をする医者」「義足をもらいに来ている地雷で脚を失った人々」の辺りは必見でしょう。
 

『カントリー・ベアーズ』

カントリィ・ミューヂックを演奏するくまさんのバンドが再結成する話です。着ぐるみのくまが可愛いね。→【きねま猫】
 

『カンパニー・マン』

産業スパイで二重スパイで洗脳が出てきてテクノロジィが出てきて、とてもはまれる映画。映像も、わざわざシチュエイションが変化するごとにライトの色を替えたり、単に「飛行機で移動する地名を地図上で示す」だけなのに凝ったデザインで見せてくれたり、これでもかってゆーくらい手が込んでいて楽しませてくれます。ラストで明かされる「ミッションの目的」も、あまりにくだらないオチとして機能していて、ここまでやってくれたら言うことありませんね〜(にこにこ)。
 

『がんばれ!ベアーズ 〈ニュー・シーズン〉』

はぢめて観たけど楽しめました。作り話と解っていても車椅子の選手がキャッチすると感動するしね(笑)。それにしても、弱小チムーを立て直すのに「強肩の女の子のピッチャ」と「強打者の不良の男の子」を入れるって。確かに少年野球チムーの物語だったらそれだけで常勝チムーになれそうではあるけどさ、それにしてもミモフタモナイのでは?と思いませんか?(笑) いっけどね。
 

『がんばれ、リアム』

導いてくれる先生のいない『蝶の舌』、ダンスをしない『リトル・ダンサー』といった感じの、大人にとって暗くて厳しい社会に生きる子供を描いた映画。ところどころ楽しい、ところどころやり場のない閉塞感、とゆー話が展開してゆくのであった。
 

『カンフーハッスル』

部分部分は確かに面白いんだけど。そもそもこれは“チャウ・シンチーを知らない人”が観たら、まさかあそこで出てきたあいつがラストで主役になるとは!と思うにちまいない、途中にすんげぇ断層が存在するストーリィ展開になっているよ(笑)。これはないでしょう。知名度に頼りすぎ。つーことで急転直下にいんちきしている訳で、だからこの映画で一番つおいのは実は大家の奥さんであったぞ。ラヴ!(笑)→【きねま猫】
 

『歓楽通り』

献身的に、娼館の女性に滅私奉公する男性の話。プラトニックな愛情物語を描く上で、その対象として娼婦を選ぶとゆうのはとても頭のよい発見だと思います。この上ない崇高って感じが表現できるものね。もちよん幸福には決してなり得ないシチュエイションでもある訳だけどね(にっこり)。
 

『巌流島-GANRYUJIMA-』

「武蔵が巌流島で小次郎と闘っていなかったら?」というひとネタだけを語っている映画、なので全編で1時間17分という尺です。それでも長いくらいだった。もっくんとか、ロンブーの淳の演技は観てて面白かったけど、劇場で金を取って観せる映画としては、これはどうよってゆーシナリヨの浅さでしたね。ナニハトモアレ、小次郎側のエピソードは全部要らない。これで30分は削れる。ほらね?(笑) そんなので水増しされてもね。


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