わんこめ映画評ら【へ】


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21世紀映画評入り口
 

『ベアーズ・キス』

ロシヤで捕獲される仔熊の、なんと愛らしいこと! その仔熊をサーカスの空中ぶらんこ乗りの少女が引き取り育てはぢめる。うわぁ、これは、今年のベスト1の映画となるか!?と大期待して観ていると、熊は人間の男性に変身してしまう。うわあ(笑)。「熊が人間の男になった」時点で、そっから先の展開は、すべて予想の範囲内に収まってしまいました。残念無念。そうか、こんな“あり得ない展開”を提示したことで、却って“進む道が一本に決まってしまう”とゆー、伏兵が現れちゃったってことだ。→【きねま猫】
 

『ペイチェック 消された記憶』

フィリップ・K・ディックはお利口だねえ。「自分の過去は判らないのに自分の未来は判る男」とゆうアイデワをストーリィに組み立てたものだ。それを映画にするに当たって、もう、本当に、エンタテインメントの粋が凝らされているよ! ドワから白鳩も入ってくるし!(定番) クライマックスで活きるあのアイテムも素敵(ぽわ〜ん)。
 

『ペイネ 愛の世界旅行』

74年のアニメです。いかにもな70年代の風俗が満載です。面白がるにはさすがにちょっと古いですが、ほのぼの観ればよい、とゆう映画であろうね。
 

『ペイ・フォワード[可能の王国]』

「世界を変える方法」を実践する子供のお話です。…って聞いて、楽しみにして観に行って、まぁ期待を裏切らなかったのではあるけども、どーせだったらもっと派手に、夢物語でも何でもいいからオーヴァに話を展開して欲しかったと残念に思うのだった。変に途中で常識的な判断が出てしまったのか。その割りにオチは無理くそつけているし。どうよ。
 

『ヘイフラワーとキルトシュー』

画面は原色使いでとても綺麗。ヘイフラワーもキルトシューも淡いブルーの瞳をしていてとてつもなく可愛い。だけどもやってることは単なる出鱈目だ。大人の行動規範が幼児の側に歩み寄ってしまっては駄目。何でもありっつーことは、すなーち何一つ意外ではなくなる。逸脱はルールがあってこそ活きるのだとつくづく思い知るであろう。
 

『ヘヴン』

信念を持って人を殺し、しかし罪は罪として解っている。償いをする気はある。自分の終わる場所を求めて進んでゆく話です。「信念と贖罪」とゆーものを映画にするとこーなる、とゆーことだった。宗教的な救済が色濃くは押し出されていないので、とても受け入れ易かったです。
 

『ベーゼ・モア』

えっちと人殺しを軽く考えてどんどん実行してゆくお姉ちゃん二人組の話です。フランスでは、あんまりだってことでX指定(ポルノ扱い)になったとゆー映画。これがムクツケキ男ふたりの物語だったら噴飯ものだけど、ポルノ女優(らしい)が演じているってことでありかな…って思って観れてしまうのであった。「ああ、一回タガが外れると、もう殺す方向に暴走してゆくのね」と「意外と捕まらずに殺し続けられるもんだな」と「日本に『バレット・バレエ』があったように、これはフランスの非日常を描いていると思って観るヴぇきなんだろう脳」とだけ、思ったよ。
 

『北京ヴァイオリン』

誰がこのタイトルを見て、「中国の田舎町に住むヴァイオリンの天才少年が北京に出てきて先生に師事し都会の綺麗なお姉さんとも遭遇しつつ世界コンクールを目指す」物語だと思おう!(笑) とてもよい抽象が邦題に施されているのだ。いー話にいー邦題がつけられてていーバランスを保っている。→【きねま猫】
 

『ベジャール、バレエ、リュミエール』

ベジャールのバレエの世界公演のための宣伝映画ですね、これ。もっと高尚で難解で哲学的で抽象的で、フィーリングで観るものかと思っていたバレエが、実はお芝居仕立てになってて「お話」然としているのだと知ったよ。なぁんだ、言葉が通じれば、そんなもんか<そんなもん言うな。踊りつきのお芝居だった訳ね。ふぅん。とっつき易く思えるようになった分、ちょびっと興味が減りました(笑)。
 

『ベッカムに恋して』

プロサッカ選手になるのに障害が一杯ある主人公が、プロサッカ選手を目指す話。「そもそも女性」で「仲間意識が強く保守的な考えを守っている、イギリス在住のインド人の一員」で「太ももに火傷のケロイド」があって、などなどが障害として挙げられているよ。こーゆーもろもろのものvs「サッカが好きで、才能がある」とゆー構図になっているのだ。実際の社会での障害は誰もが経験するように「才能がない」とか「辛くて続かない」だったりする訳だけど、こいなけ他に独自の障害がある主人公は、そんなレヴェルの障害はクリヤしちゃっているのでした(笑)。『ピンチランナー』で言えば市井ちゃんのエピソードだけをクローズアップしてお届けしました、ってことか。
 

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』

性転換して「女」になったヘドウィグが自分のバンド“アングリーインチ”を率いてアメリカをツアーして回る、その歌の合間合間に身の上話が明かされてゆく…という、ミュージカルを映画にしたもの。英語が解れば、英語圏の文化やミュージックシーンに詳しければ、どんなに楽しめるだろう!と思う。
 

『ベニスで恋して』

夫と息子がいる女の人が独りでベニスに行って、レストランの主人の家に転がり込み仕事も見つけて新生活を始める、でもそのうち戻んなきゃいけない…ってゆう話です。『逢いたくて、ヴェニス』といい、イタリヤ人がベニスに行くとすることは一緒か(笑)。まぁ、この映画は現在の嫌な夫と新しい男性の描き方が、すごく微妙に上手に対比されているので、観てて嫌な気分にはなりませんでした。楽しんで観るのだ。
 

『ペパーミント・キャンディー』

行き詰まった男の、これまで20年間をどんどこ遡ってゆく…とゆう作りの韓国映画です。先に見せられた性癖なんかの萌芽があとから明かされる、なんてゆう見せ方をしている映画なのだ。これ、もし順番が時間順だったら単によくある「ある男の一生」映画に過ぎなかったところが、巧く作ってある、と言えますね。そして一番昔、20年前に戻ってそのラストシーンで主人公が流す涙は、これからの20年を憂う涙、なのだ、きっと(にっこり)。
 

『蛇イチゴ』

つみきみほは牧瀬里穂のキャパの小さい奴みたいですね。宮迫がとてもいい役者になっています。まっとうな道を歩んでいるつみきみほの自信が揺らぐ、とゆーお話でした。要は、これ、自信だよね。
 

『ヘブン・アンド・アース』

油断をした。『MUSA』と一緒ぢゃん、とか思っていたのだ。観たことある話ぢゃん、とかちんたらちんたら構えていたら、ラストで、驚愕の、「これをやったらどんな話でも収束させることが出来る」禁断の、とんでもない展開が勃発する! うわあ。最初っからこのノリでやっていたら続かないと思ったのか、それとも順番に撮ってきて鬱憤が溜まったのを発散させたのか(笑)。
 

『ベリー・バッド・ウェディング』

うっかり娼婦を死に至らしめちゃったのを隠そうとしたらヴぁ、メンバの中に気の弱いのがいて自首しそうになるからそいつも殺さないといけなくなって…ってゆう映画です。「友達は選ぼうね」というだけの映画だねぇ。
 

『ベルヴィル・ランデブー』

デザインがすごい。映像のデザイン、行動のデザイン、設定のデザイン、みんなすごい。大人が愉しむためのアニメィションと言えよう。これを商業的に、エンタテインメントとして作ることができる国は、文化的に本当に優れていると思います。映画文化が円熟しきった末に産まれてくる完成度なのだ。日本のアニメィションってのは漫画文化の延長だからにゃー。若しくは日本に於いて映像文化に根を下ろしてアニメを作っている人は、今度はマニワックな方を向いちゃって、商業性とエンタテインメント性に欠如しちゃってるからにゃー。このセンスを持つアニメィションがもっといっぱい創られればいいのにとつくづく思います。→【きねま猫】
 

『ベルベット・レイン』

1話インファナル・アフェアです(笑)。入り組ませて語り、ラストでぴっくりさせる、ってのだけが目的の映画だ。つまりファッショナブルの振りをした独り善がりですね(笑)。好きで、ついてこられる人だけをターゲットにしているのであろう。
 

『ヘルボーイ』

もーちょっと大人向けかと思ったら、ばりばり子供向けの映画でした。ヘルボーイの考え方とか行動原理が子供なのね。イワンなんて、存在自体が子供向けだったし。そーゆーのを幼稚ととるか、構わないととるか、だ。
 

『ベルリン・フィルと子どもたち』

『春の祭典』をオーケストラ演奏して、それに合わせてダンスを披露する、そのモブシーン用のダンサとしてずぶの素人の子供たちが選ばれた。プロ意識とかが皆無のこいつらを舞台に立てるようになるまで教育するさまがドキュメンタリィで描かれます。つっても、最終的にただ舞台に立ったってだけで、実はとてもエクセレントな出来にまで登りつめた訳では決してなく、だからただ単にこーゆー企画をカメラを回して撮った、ってレヴェルの映画に過ぎない。ちっとも、有り難がるようなドラマティックな出来事が起こっている訳ではない。
 

『ベルリン、僕らの革命』

浅慮の若者を観て愉しむ映画でした。しょーがねーなーこいつらはー(苦笑)以外のどんな感想を抱けというのか。
 

『ベルンの奇蹟』

ドイツがはぢめてサッカのワールドカップに出場できた年に優勝まで行った、とゆう、どうやら感動的らしい(嘲笑)出来事と、父と子の触れわいとをシンクロさせて描いている映画。サッカで勝とうが負けようがちっともなんとも思わぬ者にとっては糞みたいな物語であった。価値を全く感じませんので。そもそもそれが特異な、有り難いことだったのだ、ってとこから描いてくれなきゃね。まぁ、その必要のない、共通認識を持った層を観客として設定しているってだけなんだけどさ。
 

『ベンゴ』

フラメンコを、とにかく映画で紹介したいらしい。そこで舞台をスペインのアンダルシア地方にとり、そこで起こるファミリィ同士の抗争を描きながらことあるごとにそいつらがフラメンコを楽しんでいるシーンが挿入されてくる、とゆー作りだ。殺すとか殺したとか敵討ちとか言っているのに、フラメンコ歌手呼んで飲んだくれてんぢゃねーよ。ってゆーか、こんな、ナイフで刺すとかしているのに、警察はどーなっている世界な訳? ケータイ使ってるシーンとかあるから、現代なんだろーに、なんか変な感じー。野蛮って、感じ?
 

『変身』

サエバ・ミチルの物語かと思ったらそこまでも凝ってない(笑)。せいぜい人浦狂児の物語どまりだった。てゆーか直球過ぎ。どんでん返しとかトリックがあると期待してたので大きく肩透かしを喰っちゃいました。まんまかよ。だったら描き方は、違う。観客には先にすべてを明かしておいた方が効果的だったろう。ミステリィかも、とか仄めかすべきではない。観客の想像の方が遙かに奇抜で面白いってことになっちゃうからねー。狙いが“奇抜”にないのなら、素直に綴るべきだった。
 

『変身パワーズ』

パロディとか、物真似とか、全然関係なく観てよい。こいなけのキャラクタを演じ分けられるとゆー点を楽しんで、日本人は観るがよい。「きっとアメリカ人が観ると、解って面白いギャグもふんだんなのだろうな」くらい思っているだけで、仕方がないし。
 

『ベンヤメンタ学院』

ヘンチクリンな全寮制の、執事養成学院の話です。入学してきた男がひっかきまわす…と書いてしまうと判り易い映画って気が致しますが、とんでもなく判りづらいお話です。…って、ここまで知ったうえで観れば覚悟が出来ているので多少は理解できることでしょう…かな?


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