2012年に読んだ本々

『相田家のグッドバイ』森博嗣/幻冬舎〔2012年2月25日第1刷発行〕
 親御さんにスポットが当たる『水柿君』、であったよ。 前日に『怪物はささやく』を読み終えた次にこれを選んだ僕て!すげいシンクロニシティだ!! どこまで被ってるか言ったら「母親を癌で亡くす息子の心の始末のつけ方」までて! このテーマで現在“文学”たり得る着地点ってのはやっぱきおんなしになる訳かにゃあと思う。147ペヂーのラスト3行だけは、んー?と思ったけど、その後172、173ペヂーにて展開される論はまっったくそのとーりだと同意できゆ、ので、まあいいかにゃ。12.06.14
『アイドル墜落日記』小明/洋泉社〔2009年6月17日初版発行〕
 文才があるなあ<ライタとしてばりばりばり仕事をしている人に、失礼な!(笑) 自虐ねたを「読ませる」ようアレンヂして書くって、大したスキルだと思い知る。人を攻撃しないから読んでて嫌な氣分にならないし。寧ろ、頑張れ!とか応援したくなるし。日々の日記だからどっちへ進んでいくのか判らないで書いている、にしては綺麗に展開していて、だからやっぱき「ねたの拾い方」も達者っていうことなんだろう。なんだ、現代の素晴らしい日記文学ではにゃいか(笑)。リワルタイムで翌日を待たされているとキガキぢゃなくって辛いので、こーして書籍にまとまったものを、かなり過ぎてから読む、という僕はきっと精神的に安定して、落ち着いて解釈できて、正しい向き合い方をしたのだと自負もしたい。12.08.27
『アキイロ』中田有紀/ワニブックス〔2007年3月5日初版発行〕
 いたってフツーで、まともなエッセイだ。それにしても中田有紀は美形だなあ♡ 美人に言われるとやっぱ有難いよ、僕は綺麗で聡明なおにゃのこが大好きです<それわざわざ発表すること!? 「両肩のホクロ」は今後要チェキやね!12.09.02
『ANNA BANANA』土屋アンナ/宝島社〔2004年7月12日第1刷発行〕
 テキスト少なッ。フォト&エッセイ集だそうだから、ほんっとうにすぐ読める。勉強になったのは「HOLEはコートニーのバンド」であり「コートニーの苗字はラヴ」であり「土屋アンナの嫌いな食べ物はラメーン」と知れたこと、って辺りか。2004年当時の土屋アンナを知ったところで、今や状況は移ろっているだろうけれども、空気感くないは味わえる感じかにゃ。12.08.29
『いかに木を殺すか』大江健三郎/文藝春秋〔昭和60年4月10日第三刷〕
 おんなしモッチーフに基づく8本の、すべてが1984年に方々の雑誌に立て続けに発表された短編の私小説を纏めたもので、内容としては民俗的な興味を惹く感じ? にしても文章が稚拙に過ぎる。思いついたまんま行き当たりばったりでだらだらだらと修飾語を長々々と弄して解りづらくする、のみならず! 勿体ぶって先送りする話を予告だけしとくだの、もう、本当読むのが難儀。いっぺん全編を無理くそ読み通したのちに各自脳内で再構成しないと意味が取れないなんて! 出来損ないの日本語読まされて辟易しちゃったヨ!12.06.26
『1Q84 BOOK1』村上春樹/新潮社〔発行/2009年5月30日〕
 僕の外部脳である村上春樹は沢山の知識を蒐集していてお利口さん、よく頑張ったね、って感じ<いろんな方向のブランドに詳しいからね。ふかえりがヴぢそうでよかった終わり方! いちよう第24章で、〈BOOK 1 終わり〉いうだけあって、それなりの1冊の本として体裁のつく決着を提示しているのは立派ね、とは思う。にしても〈4月-6月〉って謳っている分際で第24章は7月入ってんぢゃん!とか誰も糺弾しなかったの?(笑) この章を6月を舞台にする上でなんか支障でもあったの?12.08.25
『イニシエーション・ラブ』乾くるみ/文春文庫〔2012年6月20日第38刷〕
 二回読める、っていうのはオマケで、それよりか「こんなフツーの恋愛内容を一回でも読ませることができゆ」文章力にこそ魅力がある。サブタイトルのつけ方がこっすい(笑)、とゆうかずっこい(笑)とゆうか、したたかだにゃあと思います。それもこれもあれも、八十年代のアイテム群も含めて全部が「知ってる人向け」のサヴィース、オマケなんだけどね。つーか知ってて読んでる僕は、だからこそこの恋愛模様を楽しめたのかもしれんなあとも思う。世代的に自分に投影できたので愉しめた、のかもー?12.10.11
『ヴォイド・シェイパ』森博嗣/中央公論新社〔2011年4月25日初版発行〕
 ああ、なるほど、バーブ・斉藤が出てこないので、この物語の登場人物は誰であろうと森博嗣さんの作風を枉げることなく、スピンオフの物語が書けそうだ!と思う(笑)。10ペヂーに「リズム」って言葉が、地の文だけども出てくるので、いっそ308ペヂーでいう「その変化」のことを「加速度」とか言い換えはしないか?と考えつつ読んだし。なんだかチシャが、変にキィパーソンね?12.08.05
『乙女なげやり』三浦しをん/新潮文庫〔平成22年5月20日三刷〕
 この頃には未だ、持論自説の主張が他者の否定に繋がっていない感じで、ただ愉快に読めるなあ。自嘲や自戒や自虐が、ちゃんと客観を保って表現されているからだろうなあ。そー思うと『桃色トワイライト』や『悶絶スパイラル』は「より、ついてきてくれたお客様向け」に特化された商品だったんだろうと思うし、だから故に連載も終わった訳かなと想像。刺戟をつおくしてったことでせばいところに入り込んでったのではないかなあと解釈。12.11.18
『おまえ次第』サタミシュウ/角川文庫〔平成21年3月10日五版発行〕
 もう、「あとがきにかえて/サタミシュウ氏インタビュー」に書かれているとーり、助平シーンは主眼でなくっていいよ! 面白いよ、サタミシュウ! 3人を同時に相手してクーリエル送るとか、コメディの教科書みたいな成功例だし。その道のエキスパート同士でこのヂャンルを語り合うとか、あたかも森博嗣さんのS&Mシリィズの天才同士の対話のよーだし! つーこともあって、あと「あとがきにかえて」にてサタミシュウが「どんなシーンでも、まず頭の中に映像が浮かびます」言ってることもあって、サタミシュウの正体はもしや…?とちょっと思っている僕! 尻尾は掴めていないけど!!(笑)<違ってたら双方に失礼だと思うので明言はしないけどー<してるよーなもんぢゃ!!(悲鳴)12.09.19
『外食王の飢え』城山三郎/講談社文庫〔1991年2月5日第10刷発行〕
 状況描写だけ!で引っ漲っていく展開だなあ! 心理描写とかは会話が出てくる辺りでしか表現されてなくて、これでも小説? ルポルターヂュに近くね?と思わないでもない。読み易いことは確か。終わり方はいかにもやヴからヴぉうだ、まるで打ち切りになったよーだ。ただ、まあ『プラダを着た悪魔』のファミリレス版、だと思えばこれで落ちはつくわなあとも思えるけど。そうして、佐高信の解説がついててほんっとうによかった、さもなくばこれ、ロイアルホストとすかいら〜くがモデルだとか、生涯知ることはなかったろう僕よ!!12.07.08
『怪物はささやく』パトリック・ネス(池田真紀子 訳)/あすなろ書房〔2011年11月15日初版発行〕
 この挿画は原語ではどーなっているんだろう、裏焼きかな?と思ったけど時計の絵は、文字盤は裏文字になってなかったなあ。僕の人生は残念ながらハリーの子分のアントンかサリーのレヴェルなんだろうけど、アントンやサリーはどー生きたらいいかまでは、さすがにフォロウはされていないなあ(笑)。考えてみたらアントンとサリーを除けばあとは全員善良なんだから、氣の持ちようという着地点は当然と言えば当然で、よくぞここまでの物語を構築したと感心します、私。12.06.13
『家族八景』筒井康隆/新潮文庫〔平成23年12月15日八十八刷〕
 40年前に書かれたとは思えない、今なお通用する物語ではにゃいか! 想像していた「オムニバスの家族カタログ」ではなくって、寧ろ「職業カタログ」だったし、独特なのは「神の視点で描写できゆ(とゆーかせにゃならん)」語り口で、展開するミセドコロは「心理戦」だったかー!12.10.04
『彼女はいいなり』サタミシュウ/角川文庫〔平成24年9月25日初版発行〕
 「しほしほ」は超可愛い。久ヴぃさに助平路線が超全開のヂュヴナイルだから、ああ、こーゆー青春は自分にはなかったわねと、絵空事として距離を置いて逆に満喫できゆ、ってゆー意味では最早ライノヴェと同等の荒唐無稽を愉しめる、ってことだろう脳。あと、タイトルが「彼女“は”いいなり」なのね? ほう。12.09.26
『彼女は存在しない』浦賀和宏/幻冬舎〔2001年9月10日第1刷発行〕
 「ずうっとむかっ腹を立てて読まされてたキャラクタは、やがて読者の溜飲が下がるよーな目に、遭いますから!」と確約された(つーか期待通りになった)からといって、途中を延々々と読み続けさせられた苦痛を、忘れまじ!って思いたい(笑)。そーゆー行動は採らないだろう?って思うよーなフルマイに及ばれても、それらはほぼすべて、ラストの落ちまで読むと納得がいく、つーか理由があってそうしていた、ことが知れる、からといって、なあ(笑)。にしても「煮詰まった」(136ペヂー)と「かすかな異臭」(332ペヂー)は、赦せん。12.08.13
『かわいい躾』サタミシュウ/角川文庫〔平成24年11月25日初版発行〕
 うわそうきたか! 『絡新婦の理』以来、こーゆー構成に慣れきっていたから、まんまとやられた! てゆーか今回はやたらと具体的に日づけが特定できゆ箇所が多々あって、サタミシュウのシリィズではおなぢみのあのシーンの日づけまでもがばちっっ!と、ついに特定できたんぢゃね? わあ。助平なシーンよりかそーゆー「当時の風俗」の方にばーかし、興味が湧いちゃうよ(笑)。まあ、僕にでも判るよーな書かれ方がされているのは『ハチクロ』とヤクルト×マリーンズ戦、くないだけども。それでぢうヴん!楽しい♪12.11.28
『簡単に断れない。』土屋賢二/文春文庫〔2006年11月10日第1刷〕
 「働く喜び」(108ペヂー)が、真っ当だなあ! 確かにところどころ巫山戯てはいるけど、巫山戯ぐわいが少なすぎないか?と思うテータラク。とゆーか、巫山戯てなくても読ませるものに仕わがっているんだけどもね。あと、この頃には前後編ものが割りとあるのねとチェック。文字列{森博嗣}は出てこなかったけども。12.11.06
『喜嶋先生の静かな世界』森博嗣/講談社〔2010年10月25日第1刷発行〕
 『キシマ先生』の、そこを膨らませるか!と意外。てかそんなところを足しちゃったら肝心の喜嶋先生の凄さが、埋没しかねなくない?<と、森博嗣さんも思ったからこそ『キシマ先生』を書かれたのだろうけれども それでも『喜嶋先生』でなければ触れられなかったパートがある訳で、比喩でいえば149ペヂーの「昆虫的」と292ペヂーの「滑り台」と314ペヂーの「発電所」がさすがだなあ!!と思う素敵さ♡12.08.07
『教授の異常な弁解』土屋賢二/文春文庫〔2012年2月10日第1刷〕
 前半のエッセーにイワカンがある。論旨がとっちらかってるというか、読み終えてからこのタイトルはなんだっけ?と返って見る、ってことがやたら多かった。いろいろいろ詰め込むのはサヴィースでもあったんだろうけど、『論より譲歩』で面白かった「一つのテーマに沿ってあだこだ言う」が揺らいでいた感じ。でも、後半ではより『論より譲歩』的になってきてて、どれを読んでも面白い! 5年前に書かれたエッセーだけど、その後にも「成長」いうか「進歩」いうか(上からか!)、変遷がみられるもんなんだなあ!(感心)12.09.13
『銀齢の果て』筒井康隆/新潮文庫〔平成20年8月1日発行〕
 わはは。『虚航船団』の文房具が人間の老人になった話だ、わははは。こーやって傍役に肉づけをしていけばいいのか!と勉強になるようです。それにしても208ペヂーは便利だなあ、ここにしよりを挿んでおいて幾度も参照しつつ読みたい。12.09.28
『クリスマスのフロスト』R・D・ウィングフィールド(芹澤恵 訳)/創元推理文庫〔
 最初に、タイトルにも挙がっている主人公であるフロストが、そんな目に遭うなんて! これって『絡新婦の理』方式!?と思い、終盤ではひっきりなしに冒頭に立ち返ってどいつがフロストをこんな目に遭わすのか?とチェキりつつ読む流れでした。この前にもこの後にも担当すべき事件は多々あり、ちょーど関わってくる、都合のいい辺りを切り取って小説にしたのね?と。且つ、よく思わされることだけど、「小説として成立する」ような事柄だったからこそ小説になったのだなあ、と捉えて。“都合のいい”幾つかには目を瞑る方法を僕は会得している(笑)。12.02.23
『クリスマス・プディングの冒険』アガサ・クリスティー(橋本福夫/福島正実/小笠原豊樹/小尾芙佐/小倉多加志/宇野利泰 訳)/ハヤカワ文庫〔2012年6月15日四刷〕
 未解決事件だからって自分から舌なめずりして首を突っ込みたがるとか、どうゆう下品な探偵か@「スペイン櫃の秘密」。犯人がそこまで特定できているのに放置しておいて、よくぞ逃げ隠れされないもんだ、犯人も犯人だ@「クリスマス・プディングの冒険」。催眠術とかが出てくるんだったら超能力や非科学的なトリックをなぜ導入しないのか、意味が解らない?@「負け犬」 そっくりの他人とか、そんな簡単か!@「二十四羽の黒つぐみ」∩「夢」∩「グリーンショウ氏の阿房宮」 論うのも面倒臭いくらい、ぬるくゆるく、とっても単純で誰にでも解るよーな事件を、単に小説の表現法を採ることで解りづらくしてるだけだろ!としか思えない、駄作群。12.11.02
『月魚』三浦しをん/角川文庫〔平成24年5月25日二十二刷発行〕
 BLにするぞ!という氣概ばっかし透けて見えて、すごく抵抗がある。設定ありきでキャラクタを創っているのがみえみえでいやらしい。「水底の魚」で展開する出来事は、ちょーど喜国雅彦の古本ついーとを読んだばっかしだったので興味深かったけど。「水に沈んだ私の村」に到っては教師を小馬鹿にする不良学生に嫌悪を感じ、ええようにあしらわれる教師に憤りを感じ、読んでて不愉快極まりなかった。無軌道を小説にして何が面白いんだろう?12.12.03
『恋するおもちゃ』サタミシュウ/角川文庫〔平成24年7月30日再版発行〕
 解説を杉江松恋が書く、だけのことのある作り!(笑) こんなクロニクルがあるんだなあ(感心)。時間軸順に並べて読みたい<そんな、『メメント』を正順で観ゆみたいな野暮を言うな!!(笑)12.09.24
『紅茶を注文する方法』土屋賢二/文春文庫〔2006年1月15日第2刷〕
 911の時に書かれたエッセーが「子羊よ、よく聞きなさい」だったか! あの当時に、この、今読んで褪せていないものが書ける距離のおき方っていうのは、さすがだにゃあ!と思わされたよ。揺るいでないなあ。あと、134ペヂーには文字列{飯島愛}も出てくるし。まんだ生きてたんだなあ(感慨)。書名にまでなっている「紅茶を注文する方法」は、取り立ててとても秀でている訳でもないよねえ?って点がちょっと疑問(笑)<悪いとは言わない、けど『つちや教授の哲学講義 哲学で何がわかるか?』に出てきたのの面白版、みたいなのを期待したんでね。12.11.12
『ご主人様と呼ばせてください』サタミシュウ/角川文庫〔平成20年9月25日四版発行〕
 『私の奴隷になりなさい』は出来わいの奴隷のおにゃのこの話だったけど、今度は「調教」してく様子が綴られるんだ、つまりおにゃのこの口調が徐々に奴隷調になっていく訳で、すなーちこれって『アルジャーノンに花束を』の「SM青春小説」解釈ではなくって!?<さすがにこー期待して読みはぢめると違う(笑)だろうけど、でも方法論的には一緒だヨ?〈12.09.17〉
『コズミック・ゼロ 日本絶滅計画』清涼院流水/文春文庫〔2012年5月10日第1刷〕
 「消えた」とゆー言ーまーしになんらか、誤魔化しが含まれているのではっ!?と氣にし続けて読んだ僕ぢゃが!(笑) なるほど、「方法」は力業だったか、それを早々と察知させぬための「消えた」いう言ーまーしだった訳ね。そうして最後まで、電気が通じていたことが不思議よ? 「意図」は面白かったんだけどにゃあ。あと、探偵はいないのね。地の文で答え合わせするシステムね。ふーん。12.06.17
『このページを読む者に永遠の呪いあれ』マヌエル・プイグ(木村榮一 訳)/現代企画室〔1990年10月24日初版第一刷〕
 確かに対話だけで延々々と綴られるのですうすうすう読める。ただ、後で既出の人名や地名が出てきても、それがどこでどんな流れだったのか思い出せない(笑)し、捜すにしてもぽんぽんぽん話が脈絡なく飛んできてるので一苦労するよ! ラストまで読み終えてタイトルを見返すとしみぢみとするね(しみぢみ)<って、えらいフツーの感想か!12.07.09
『ゴミと罰』ジル・チャーチル(浅羽莢子 訳)/創元推理文庫〔2004年4月9日19版〕
 要らんことしいだなあ! 要らんことしいでないと主人公足り得ないし狂言まーし足り得ないし物語足り得ないからなんだろーとは解るけれどもさ。「友人への探偵」は読者にデータを示すためだし、「現場へ首を突っ込む」のは視点人物として目撃し描写するため、とは解るけれどもさ! この両方を併せ持ったら、それは穿鑿しすぎキャラクタだ! 好きか嫌いかで言ったら、鬱陶しい。出しゃばるな!と言いたい。あと、この本ではぢめて【もぎ離す】って言葉を覚えた!12.10.01
『今夜はだれも眠れない』メアリ・ホフマン/ジャクリーン・ウィルソン/オーエン・コルファー/アニー・ダルトン/レイチェル・コーン/ジェシカ・アダムス/ジェレミー・ストロング/ブライアン・ジェイクス/ヴィヴィアン・フレンチ/ジリアン・クロス/ビヴァリー ナイドゥー/ダレン・シャン(内藤文子/西本かおる/橋本恵 訳)/ダイヤモンド社〔2006年1月19日第1刷発行〕
 子供が視点人物で書かれる短編は、やっぱき、なんだか世界が狭い感じがする。神の視点の方がまだしも表現の自由度が高い? もしかしたら単に、沢山のペヂーを費やせばもっと面白くなるのかも?と思わないでもないけど、とゆーのはブライアン・ジェイクス『クマのマグワースとアルジー・ボタン』がそれなりに面白かったから。でもヴィヴィアン・フレンチ『マイティー・ワンの娘』はみぢかいなりに、よかった、この本の中で一番好きだ、やっぱきショートショートにSFっていう素材は合っているんだろうかしゃん。ダレン・シャン『ハグロサン』は、内容はともかく、ラストに添えられた訳者注でぶっ飛んだよ、うわこんなバックグラウンドがあったなんて!!12.09.03
『さあ、気ちがいになりなさい』フレドリック・ブラウン(星新一 訳)/早川書房〔2005年10月15日初版発行〕
 「さあ、気ちがいになりなさい」と「シリウス・ゼロ」はおんなし、『銀河ヒッチハイクガイド』に通じるパッターンね。料理の仕方でこうも変わるのね。一方で「不死鳥への手紙」は『地球幼年期の終わり』の感じかなあ。「ユーディの原理」は『笑うな』を思わせたし、筒井康隆方面? 「ぶっそうなやつら」「沈黙と叫び」は、おお、偶然?ともに駅が舞台だけど、これらはSFではなくってミステリィの、しかも上質の奴だ。「おそるべき坊や」は読め読めだけど邦題が秀逸だ、原題は“Armageddon”ってんだもの。「雷獣ヴァヴェリ」の邦題に雷獣って添えたのも星新一の手柄。「みどりの星へ」はいっちばんこの手のショートSFらしい。「ノック」は今や古典の定番、「帽子の手品」は原題が“The Hat Trick”っていうんだ、なんか、今なら違う訳ができるんではないか?と疑心暗鬼なう。「町を求む」はつまんなかった、単なる皮肉に過ぎない。12.07.07
『寒い国から帰ってきたスパイ』ジョン・ル・カレ(宇野利泰 訳)/ハヤカワ文庫〔2010年4月30日32刷〕
 読書会に参加して最大にぴっっくりしたのは、戴いたレヂュメの「流れ」を読んではぢめて、「転がる石」作戦が“架空”である!と知ったこと。だってだってだって!こんな、口八丁で翻弄して揺すぶるだけの心理戦、言ってることが本当でも嘘んこでもどっちでもかまーないしいっそカンケーないやん!と思って読んでいたんだもん! 信じられるのはト書きだけ?てゆう会話文の読み飛ばしが必至な小説て。信じて会話を交わしている登場人物たちが馬鹿みたい(笑)。アンダーウッドが出てきたのは214ペヂー。12.05.22
『ジグβは神ですか』森博嗣/講談社ノベルス〔2012年11月6日第一刷発行〕
 折角、前作から4年2カ月を空けてくざさったんだから!再読して復習しておくべきだったか!? しかしでも今回アキラカになった新事実がわんとこさあるから!!(悲鳴) これを踏まえてまた再読すべきだ、全シリィズをだ!!と痛感しますな(痛感<まんまか!)。にしても256ペヂー9行目で想起されるのは、ガリバーの夏帆のCMであった! そうして今、無性に、早く『赤目姫の潮解』を読みたい! 早く単行本になればいいのに!! てゆーかこれ一冊だけでもまだまだまだ読み解くべき点がわんとこさある! 幾度も読まなきゃ!!12.11.08
『実験的経験』森博嗣/講談社〔2012年5月25日第1刷発行〕
 金ぴかの装丁からしてすばらすい! 本文は大量に繰り出されるパタンの応酬で、どっから飛んでくるか判らないのを受けるのに必死、そして愉しい♪ ラストを読むと「これで一冊」なのだとよっっく解る、ぶちぶちに千切ったりせず、一氣にすべてを飲み干すのがいいのだと知れる。12.08.02
『澁澤龍彦』澁澤龍彦(富士川義之 編)/国書刊行会〔1991年6月10日初版第一刷発行〕
 蘊蓄入りのお伽噺だ、童話だ。それにしても詩的だ。お芝居って、こーゆーのを目指して創られているのだなあと知れる、原点のよーな創作だにゃあ。12.07.12
『邪道モテ!』犬山紙子×峰なゆか/宝島社〔2012年6月29日第1刷発行〕
 徒花だよなあ、今しか成立せず、今しか読めない内容でしょう。カテゴライズを遊ぶタイプのご本だから、幾つ「あるある」って言えるかで愉しめるかどーかが決まる。確かにこの2人の著者とも、観察眼とか分解能は秀でている、ああ、これができゆから『アラサーちゃん』とかに華開いているんだにゃあと思い知らされる、でも結局、『グラビアン魂』でみうらじゅんとリリィフランキィが展開している「ねた雑談」の域を超えていないよなあと思うよ。ねた雑談の魅力は臨機応変に才気煥発であるってことだから、そこは充たしているとは思うけれども。ためになる訳ではけっして、ない。一番勉強になったのは『恋のから騒ぎ』の控室にはコンセントが4つしかないっていう“情報”だったもの(笑)。12.07.27
『純粋ツチヤ批判』土屋賢二/講談社文庫〔2012年5月15日第1刷発行〕
 「中一週間で急かされて書いた、るーちんわあくとしていっこ前や次のを考えつつ書いた」訳ではなく、方々に発表したエッセーをここに纏めたものだから、ヴァリエイションを感じつつ読めて佳き哉。本や音楽の解説あり、果てはコー室にまで言及していて、でも遣り口が揺るがない様に触れることができて、悦ばしい限り♪12.12.20
『常識にとらわれない100の講義』森博嗣/大和書房〔2012年7月30日第1刷発行〕
 読み終えるまで見なかった森博嗣さんの「作品の紹介」を読んで、やっぱりなと合点のいく(たぶん34に書かれているとーり)、森博嗣さんの本にしてはださい表紙(笑)。でも中身はいつものよーに刺戟を与えてくざさるので大ぢょヴ。いっちばんすげいなと思ったのは99。おお!と思ったのは33、37、47、64、83、87の辺り!!12.07.30
『少女たちの羅針盤』水生大海/光文社文庫〔2012年9月20日初版第1刷発行〕
 そおか、4人の視点を順繰りに語るのかー。神の視点の映画よりか内情が解り易く、興味深いよ! 映画で引っかかってた「伝説」いうほども活動してたかー?って点も、小説だときっちんとフェワに「伝説」って遣ってたし。それにしてもこの作品を映画化するに際して、あの映画のキャスティングは僕は選べないんだなあ、と思い知った。読んでる時のイメィヂが全然違かったもの<違かった言うな。映画化って、むづかすいのね。12.09.14
『新版 つげ義春とぼく』つげ義春/新潮文庫〔平成4年6月25日発行〕
 「颯爽旅日記」は出来のいいときのDPZのレッポートみたいだし、「夢日記」のヴァリエイションも語り口も『一人の男が飛行機から飛び降りる』より興味深く愉しめたし、「断片的回想記」は大江健三郎なんかより遙かに面白く読める短編私小説足り得ていたし、レヴェル高いな!@つげ義春 「旅の絵本」「桃源行」のペン画による陰影、シルエット遣いの見事さは素晴らしいし<今頃氣づくもんでもない氣もするけど。新潮文庫の紙質が、漫画雑誌よりか上質でよかった!と思う(笑)。12.07.03
『数学的思考』森毅/講談社学術文庫〔 2010年8月25日第21刷発行〕
 タイトルは数学的思考だけどその実、望ましい数学教育法、でした。この本で提唱されているように僕も習いたい!てか学びたい! それにしても水道方式が氣になる(笑)。12.08.17
『数学の歴史』森毅/講談社学術文庫〔 2010年8月25日第28刷発行〕
 むづかしいよ(涙色)。一文だけを取り出して読み返せば、筋はすげい通っていることが書かれているっぽい、その一文を理解することはできゆ。でも。そーゆー、普通に読む時の数倍から十数倍の時間をかけて、一文一文を読み込んで進まないと、解らない本なんだろう。キー。語彙が、ほおら、京極さんとの対談の時に森博嗣さんが遣ってた「陥穽」とか出てくる、そんな用語をへっきで文中に挿み込んでくる文体なんだ、キー。むづかすいことをむづかすい言葉で正しく表現している、のだろう。理解できなくて残念だ(笑)<そうしてたぶん僕が今生でこの本を理解する日はくるまい! そんな中でも、数学者の紹介パートは愉しく読めた! 救い!! タレスといい大ガウスといい、ドブにはまりすぎ! クロネッカーがいぢ悪なのが、切ないよ(笑)。ともあれこいなけ数学者に触れたことで『笑わない数学者』を再読したくなりました。12.08.14
『世界一やさしい金融工学の本です』田淵直也/日本実業出版社〔2009年10月1日第7刷発行〕
 目的は「憶える」ことにあるテキストなので、本来いっぺん通読してよしって類いの本ではあるまいが。頭くるくるってなったのは、プット・コール・パリティの組み合わせオプションの辺り。こーなるのはいーんだけど、具体的にどーゆー予測をした時にこんな買い方や売り方を発動するのか?ってのが未だ、棚上げなう。あと、金融で儲けるには出し抜くに限る!って思っているのだけど「アービトラージ・フリー」って、脳天気に信用しすぎてないかなあ?と疑心暗鬼なう。「はじめに」で既に「道具を作ることと使うことは別」って堂々々と謳っているだけあって、ブラック=ショールズ・モデルの項で「自分で導き出すことができなくても/簡単に計算できる」つってエクセルに数値を代入しろ、って展開するとは予想だにしなんだ! いっそ、氣持ちがいいほどの抛棄!!12.06.30
『先崎 学の実況! 盤外戦』先崎学/講談社文庫〔2006年5月15日第1刷発行〕
 先崎学のファンでもないと、このエッセー集に、価値はそんなない、と思う。新味の発見も視点も考察も、蘊蓄も含蓄もほぼない、もの。民俗学的な意義すらも、ここまで現代だと感じ取れないし。てゆーか読んで痛快!って思える同種のエッセーに完全に後れを取っていると僕は思うよ、先崎学のファンではない故に。これ読むよりは、もっと、読めるエッセーはこの世にいーぱいあることでしょう。と思った、「ファンでもないと」の部分を、第3部の対談で森博嗣さんが違う言葉で表現しているよーに捉えられてほくそ笑む僕!(笑)12.08.19
『ソクラテスの口説き方』土屋賢二/文春文庫〔2005年8月5日第3刷〕
 表題作がちゃあんと『ツチヤ教授の哲学ゼミ もしもソクラテスに口説かれたら』に則ってた! でもやっぱき、本一冊に亘って展開している方が面白かった脳。「泣くな」と「命令に従わせる方法」はこの後の時代にも形を変えて出てくる論だったなあ、確か。「小太りの老人」がほんっとうに、このシリィズの異質で、こーゆー回もあるのか!と感心させられたよ。好きなのは「っていうかぁ」と「八十円のプレゼント(2)」の辺りかな。12.11.17
『ZOKURANGER』森博嗣/光文社〔2009年4月25日初版一刷発行〕
 「傍役をメーンにして読ませる物語を創る」のも凄いことだと思うけど、その際にぶれずに、森博嗣さんの思考と語り口で著されている、ってのが本氣で凄まじい。こんなことができゆのか!? 完成したのを読んでみゆと、癖のある、ちょっと避けたいキャラクタの方が意外性と深みが感じられて興味深い、っていうのが予想外だった。Chapter 1を読んだ時点では、全部品川視点でいいのに?と思っていたのに。12.08.03
『棚から哲学』土屋賢二/文春文庫〔2009年4月5日第8刷〕
 「百回記念の人間不信」が所収されているから、つまりこれが週刊文春での連載の2冊目に当たるご本だろう、初期は、すげいなあ! 段落ごとにいっちーち、ぼけてる。凄い沢山のぼけが繰り出される、これはヂェットコースタエッセーか!!(感嘆) 246ペヂーの「無理に四つに分けることにどんな意味があるのか」の次の一文では、声を出して笑っちゃったZ! 一氣に読むにはたぶん濃ゆすぎて疲れちゃう、けどぽつりぽつり読んでるとやめられなくなる、でも数編読むと疲労困憊する、という、いい本!12.11.25
『旅のラゴス』筒井康隆/新潮文庫〔平成23年6月10日十五刷〕
 「着地点」のラストのなんて感動的なこと!(笑) 「王国への道」では『虚航船団』でも発揮した、おそらくは勉強に裏打ちされたバックグラウンドを活かしているのだ、偉いなあ! 作家として厚みがあるつーことだと知れる。そうして内容を知ってこのタイトルを見ると、つくづく、よいバランスだと解るよ、偉大な作家だよなあ@筒井康隆<い、今さら!?12.10.12
『だれも寝てはならぬ』マリアン・カーリー/マロリー・ブラックマン/セリア・リーズ/フィリップ・アーダー/ジェラルディン・マコーリアン/デボラ・ライト/プライアン・パッテン/ガース・ニクス/ジェームズ・モロニー/マーガレット・マーヒー/エヴァ・イボットソン/ディック・キング=スミス/モーリス・グライツマン/ロス・アスキス/マイケル・モーパーゴ/ロジャー・マクゴー/ジョージア・ビング(安次嶺佳子/内藤文子/西本かおる/橋本恵 訳)/ダイヤモンド社〔2006年1月19日第1刷発行〕
 マーガレット・マーヒー『影泥棒』はこのまんま映画にできる。ジェームズ・モロニー『ポッサムの真実』の語り口はすげい達者だ、パパのキャラクタがいいのね。ガース・ニクス『ウサギのチャーリー』は萩尾望都の絵で想像しながら読んだ。ジェラルディン・マコーリアン『空の船』は空島編だよね! モーリス・グライツマン『自伝のためのメモ』は、こーゆーのが読みたいんだようん! 『一人の男が飛行機から飛び降りる』『実験的経験』か、と思ったヨ! マイケル・モーパーゴ『カルロスへ』とかエヴァ・イボットソン『はみだし者』とか、ええ話! あざといけどええ話!!12.09.04
『追撃の森』ジェフリー・ディーヴァー(土屋晃 訳)/文春文庫〔2012年6月10日第1刷〕
 2人組同士で追いつ追われつって、双方に1人ずつ「足手まとい」を入れておくとサスペンスがよりフルになるのか!と知れた! 足手まといが成長譚でやがて厄介者ではなくなったら、次の負荷を加えるとか、上手だにゃあ。ただ、なんでとっとこ殺さなかった!?ってシーンが多々々あった(笑)のは、ちょっとご都合主義かにゃあと思うなあ<こーゆーの大事なのになあ。もいっこ氣づかされたのは、視点を移動すると「視点外の脅威」がなくなる、代わりに今描かれている側に思い入れる、という働きがあんのな、どちらの側のキャラクタも応援できて、たぶん倍愉しめたと思う!12.07.13
『ツチヤ教授の哲学講義 哲学で何がわかるか?』土屋賢二/文春文庫〔2011年3月10日第1刷〕
 ラストに明かされる、唯一支持できゆ哲学者の論に準拠しているため、そこまでの大哲学者を全員間違ってる!と切り捨てていく本だ、わはは愉快痛快わはは。講義内容を文字に起こしたという体裁を採っているので、すっげい解り易い。何度も何度も何度もおんなしことリフレーンして言ってくれる。そうして最後の結論、「哲学の問題は解決されるべきではなく解消されねばならない」は、本当に圧巻。ミステリィよりか面白い、論理ミステリィだと思います私。12.10.17
『ツチヤ教授の哲学ゼミ もしもソクラテスに口説かれたら』土屋賢二/文春文庫〔2011年8月10日第1刷〕
 僕は「論点先取」(117ペヂー)を覚えた! 長年おんなし講義をやってきた、にしても、学生がぽんぽんぽん出してくる疑問や意見に対して即座に反証となる実例を提示する、とかって、さすが! 「独創的な理屈」(163ペヂー)のオーソリティ!!12.09.21
『ツチヤの軽はずみ』土屋賢二/文春文庫〔2008年6月20日第7刷〕
 やっぱき第4回で「紙面の都合・わたしの都合」をやっていたか(笑)。好きなのは73ペヂーの色素、20ペヂーの食事の仕方、42ペヂーの高速化の開発、229ペヂーの退治された鬼って辺り! あとあと、214ペヂーのイラストに添えられた「間違いの少ない顔」は「間違いの少ない順」の誤植だよ!!(悲鳴)12.11.30
『ツチヤの口車』土屋賢二/文春文庫〔2008年2月10日第1刷〕
 「舌の章」は、未だ土屋賢二文体が確立していない時分のエッセーだなあ!!と痛感させられる。けど、「先の章」以降ではみるみるみる、現在のパッターンに移行していくっていうのも凄い。こんな時点で“成長”ってゆうか“進化”ってゆうか“洗練”されてってたの!? すげい!すげい!! あとねえ(ため口か!)125ペヂーに文字列{森博嗣}が出現して、嬉しい!!12.10.29
『ツチヤの貧格』土屋賢二/文春文庫〔2011年6月10日第1刷〕
 おお、ツチヤ師の初登場だ。まんだ新鮮で豊富だった『妻と罰』から、ちょっと涸渇した感じ?っぽい『教授の異常な弁解』に到る、過渡期に当たるのかなあと思った。でもこの一冊でぢうヴん面白いからいんだけど。12.10.08
『つぶやきのクリーム』森博嗣/講談社文庫〔2012年9月14日第1刷発行〕
 土屋賢二よりか「ためになる」感が半端ない(笑)<比較しないように。1項目当たり見開き2ペヂー、なのにこの展開ぐわい、ヴァリエイション、密度はなんちう高レヴェルか!と思う。なるほど、これを読んだら『常識にとらわれない100の講義』が発行したくなる訳ぢゃわいと知れるよ。にしても解説がももちて! 嗣の字が共通してるって(たぶん)だけで!!12.09.16
『妻と罰』土屋賢二/文春文庫〔2010年10月10日第1刷〕
 あら、『教授の異常な弁解』よりかさらに2年を遡ったけど、面白いわ? 『異常な弁解』だけが、所謂スランプだった?と思ういきよい<失礼? 好きなのは「なぜ若いころは楽しいのか」「哲学を研究する者が動物園に行ったら」「有無を言わせず自分の主張を通す方法」「女は誤解されている」「死んでも惜しくない人」「流暢に話せない理由」「絶大な自信を持っている理由」「本人はそのつもりでも」の辺り。そこかしこに、後に書かれるのんとおんなしモッチーフが散見される、けれども、まあ(笑)<寛大(!)な僕!12.10.03
『てのひらの記憶』水生大海/PHP研究所〔2012年10月19日第1版第1刷発行〕
 ちょーどタイミングよく『純と愛』で夏菜がとんがってる真っ最中だったから、円をまったく夏菜のイメィヂで読めた! 七瀬のような、榎木津のような、でもどっちでもない別パターンの探偵だから、その結果解かれる謎的にも興味深く愉しめて読めましたぞよ♪ 見えるメモリィの「範囲」に興味津々々すぎる!けどね<通貨はどうかとか、地球には誰のどんな思いがメモリィされているのかとか。12.10.05
『転校クラブ 人魚のいた夏』水生大海/原書房〔2012年3月27日第1刷〕
 「転校クラブ」のトリックには氣づいたつもりで読み進めていた、でも、僕の予想は底が浅かったにゃあ!<毎度のことだけどもね! 実は読み進めていた時には理の首突っ込みぐわいを苦々々しく思っていたけど、でもミステリィがミステリィとして成立するためにはこーゆー性格が要るんだよねーと必要悪と捉えてたんだけど、だから最終章ではほんっっとうに、すっっきりした! あとねえ(ため口か!)、176ペヂーを読み終えた時にソッコーでチェキったのは、カヴァ絵でした(笑)<そんなところにチェックポイントが!!12.05.25
『天冥の標I メニー・メニー・シープ〔上〕』小川一水/ハヤカワ文庫〔2009年9月25日発行〕
 うわいいところで終わるなあ! カヴァの裏表紙に「全10巻のシリーズ開幕篇」とか書かれているなあ(笑)。僕はつきわうんだろうか、そうして前の方を忘れたりしないうちに次を読むんだろうか!? あと、読む時に、この描写は僕には書ける類いの表現かにゃ?なぁんて邪なことを考えながら読んだりしたので、妙に、文体の達者さに感心しちゃった!っていうのは評価をプラスに働かせていますよ? てゆーか僕は文章が下手くそだったのだと思い知らされたよ…<そこ、落ち込むところなのか!?12.12.14
『同期生』一条ゆかり・もりたじゅん・弓月光/集英社新書〔2012年9月19日第一刷発行〕
 漫画画かんといかんなあ!と思うよ(笑)。しかもパソコなんて使わないで!画けるもんなんぢゃん!と教えられるようだよ。それにしてもこの世代の人たちがそんなにも〈おとめちっく〉を敵視していたというのは知らなかったわ! もりたじゅんは受けている売れている漫画をへっきで魅力が掴めないとか理解できないとか言い放って、偉そうだなあ!(笑)12.09.25
『トーマの心臓』森博嗣/MF文庫ダ・ヴィンチ〔2012年4月25日初版第一刷発行〕
 原作漫画と「トーマの意味」が変わっている、氣がする<ちゃんと読み込め!(笑)<だって原作漫画ではエーリクは「トーマより分がある」もの、決定的な、逆でしょう? でも成立する、ようにいろいろ配置が換えられ、意味づけに違いを持たせ、でも変更を加えず残っている箇所こそが森博嗣さんの中で溶け残った『トーマの心臓』の芯なんだろうにゃあ。きっちんと表にでもして原作漫画との差異を分析したくなる。12.08.08
『灯籠』うえむらちか/ハヤカワ文庫JA〔2012年6月15日発行〕
 つまりこれを漫画にすると『境界のRINNE』だ、映画にすると『ちーちゃんは悠久の向こう』だ。あまりにも十重二十重に策を弄しているので、これだったら全員、別に分け隔てなくそーゆールールで動いている!って解釈してもかまーない混乱ぐわいぢゃん!と思った。ここまでやるんだったら、なにもこれが唯一の据わりのいい解である必要は、ないわなあ? どーとでも解ける現象のうちのいっこを、正答ですよ?って提示してるだけぢゃんね。12.08.01
『DOG & DOLL』森博嗣/TOKYO FM 出版〔2009年3月24日初版第1刷発行〕
 音楽エッセイ♪って滅多にないから嬉しい!と読み進めていくとやがてシンディ・ローパーのライヴとか西尾維新やゆうきまさみとの対談の話の行に到ると、日記とそんな変わらない(笑)とゆーことが判明して、いや、日記が読めるとかって、僕得!!と歓喜する次第♡ カヴァ絵は調べた結果「聖なる館」ってゆうアルバムか、ほう。12.08.10
『TRUCK & TROLL』森博嗣/講談社文庫〔2012年6月15日第1刷発行〕
 音楽をテーマに対談、とかって、「どっちを森博嗣さんが言っているか」をきっちんと見極めて読まないとなんない!から、緊張感を伴うよね!(笑)<相槌を打つ、ならまだしも「へんぢをしている」だけで、対談相手の言う意見とまったくおんなしことを森さんも考えた、訳では決してない、と捉えるべきだろうし! それにしても京極さんとの対談に出て来る「嚆矢」「陥穽」「敷衍」を僕は覚えて、操れるようになさい!!(義務)12.08.11
『なぜこの店で買ってしまうのか』バコ・アンダーヒル(鈴木主税 訳)/早川書房〔2001年2月28日初版発行〕
 小売店を舞台に観察と発見と解析と発案をする、これは『考えなしの行動?』だったよ。11年も前の本が、よくぞここまで色褪せずに読めたなあと感心した。民俗学に近いみたいな感じだからかな。人の行動って、興味深いね。12.09.09
『七瀬ふたたび』筒井康隆/新潮文庫〔平成22年7月30日七十三刷〕
 今度は一話ごとに新しい超能力者をずんずんずん殖やしていく、完全な「続き物」にしたのかー。ノリオもヘンリーも、意外性を演出して登場させたんだろうけど、その後まで引きずって遣うキャラクタとしては、どんどんどん以降の一編がそれだけで単独で成立できない物語になっていくなあと観測しつつ読んだヨ。続けて読んでいけばメクラマシに遭って(笑)読めちゃうんだけどもね?。キャラクタを、駒として使って動かしているなあって感じ。悪いとは言わないけど『家族八景』から考えると遠いところまで来ちゃったなあって思う。12.10.10
『波のうねうね』内田百閒/旺文社文庫〔1983年6月25日初版発行〕
 「話を散らかす」とか明言して、数行ごとにどんどんどん話題をずらしていく手法のエッセイは、まるで連投されていくついーとを順繰りに読んでいるよーで、うわあ、僕の読み方に合ってる!!12.07.26
『汝みずからを笑え』土屋賢二/文春文庫〔2008年11月25日第5刷〕
 こんなに!週刊文春以外に載ったエッセー群があったのか!ってーことは最近の分も文庫化して頂きたい限り。中には、まともっぽいちゃあんとした哲学エッセーっぽいのも含まれているけれども、それもヴァリエイション的にありだし。そうして、本当に古い、1988年1月號なぁんてのが初出のものは、ユーモワいうよりかこれはシニカルだった。出発点はここだったか。12.11.20
『2週間で小説を書く!』清水良典/幻冬舎文庫〔2010年9月10日第六刷発行〕
 別に、今さらあんたに言われたくないよ?みたいなイワズモガナの応酬(笑)。こーゆーのがいい小説表現の例だ、と挙がっているのも、なんだか読みにくいの満載だし。こんな、自分の氣にーった作品のパーツを紹介してこれを真似ろ!みたいな本でいいんだったら、僕も「映画の撮り方」を著せる!!と思う<そー考えるとこの構成は結構な手間だろうなあと氣づくけど、だからつってこの本の出来がいいかとか価値があるかとかは、カンケーない、もんなんだね〜(笑)。12.08.21
『日本の作家60人 太鼓判!のお取り寄せ』小説現代編集部 編/講談社〔2011年6月20日第一刷発行〕
 本人の文体で、本人に書かせていないってのが4件あるけどどーゆー了見なんだろう? 揃ってないことをよしとしているつーことか?<揃ってないいうなら文章量にも差がありすぎる、ってのも氣になる 長くて読み応えがあるのはいんちきだと思うし、長くて読みづらいのは辟易する(笑)。挙がっているお取り寄せの中で、対象の好き嫌いを排除して、文章だけで、これは味わってみたいかにゃあと思ったヒットーは辻村深月の甘酒でした。12.08.04
『のんピース 辻ちゃんの日々スマイル』辻希美/主婦と生活社〔 2009年12月10日2刷発行〕
 読んでもいないブログの書籍化は、すべてが新鮮な情報(笑)で、いいなあ<いいのか? それにしてもお弁当が、晒すほどのものではないではないかと思うワンパッターンでは? ウインナのぶつ切りと、楊枝を挿したうづら卵ばーかしぢゃんね。旨そうに見えないんですが?<「料理」はヴァリエイションがあってミゴタエあったけども 子供服と部屋着のデザインやプロデュースとか、ブログきっかけで新しい仕事したとか、偉いと思いました<子供の感想か。12.08.28
『はやくいって』サタミシュウ/角川文庫〔平成21年2月25日初版発行〕
 これまでの3冊『私の奴隷になりなさい』『ご主人様と呼ばせてください』『おまえ次第』に出てくるおにゃのこたちを主人公に据えたスピンオフ短編集だ! 『オドレイ』がいいなあ、よくぞこんな子に関して考察と展開と描写をしたなあ。あと『メランポの首輪』が流れから外れていて興味深くて楽しい♪12.09.22
『ビアンカ・オーバースタディ』筒井康隆/星海社FICTIONS〔2012年9月14日第3刷発行〕
 いとうのいぢの絵がなかったらこれはライノヴェではなくっていつもの筒井康隆のお下劣ヂュヴナイルではないか、と捉えただろう! ライノヴェに絵は偉大だ、ってこと? あと、第一章から第三章くないまでがすーかすかで、なんて薄くて軽い小説!!って思ってたけどいきなし第五章はキューテンチョッカで盛り沢山だなあ。サテオキ、「太田が悪い」の太田って人の悪評は僕の耳にも届いているくないなんだ、さぞかし悪いんだろうなあと推測。あと、是非に『ビアンカ・オーバーステップ』が読みたいぞ。12.09.23
『一人の男が飛行機から飛び降りる』バリー・ユアグロー(柴田元幸 訳)/新潮社〔発行1996.7.30〕
 面白かったのは「牛乳」「雪」「庭」「詩学」「二頭の熊」「話」「自然の欲求」「満月」「血」「ジャングルで」「気候学」「猿」「キャビンで」「ダンテ」「旅人」「宝」「工学技術」「芝生」の辺り。超短編は、よっぽど秀でたアイデワでもない限り冒頭が急勾配で登るから、すっげいとっつきが悪いと知れた。それでもついてった者に、価値あるラストが与えられるとゆう仕組みか、その甲斐のあった終わり方をしているのが上に挙げた作品群です。149本中18本なら、どうだろ、合格? てか「何故ペヂーの変わるここで切りわげない?」って思う作品が多々あった(笑)。ペヂーで書いているんぢゃないとは解っても、でも、「ここでぶった切っても一緒」以上の意味はあるの?と思えてならなかったり(笑)。12.06.22
『貧相ですが、何か?』土屋賢二/文春文庫〔2009年10月10日第1刷〕
 最新刊の方からどんどんどん時代を遡って読み進めて来て、この本の189ペヂーに到ってやっと、文字列{森博嗣}が出現したよ!! ひゃっほう。あと、38ペヂーにて「身体にいいとされている」と列挙された中の「ノニ」が判らない?? こんなのあったんだ、へえ(1へえ)。12.10.27
『富豪刑事』筒井康隆/新潮文庫〔平成18年4月5日三十九刷〕
 メタだし、いい言い方すれば実験小説、なんだろうけどこれは単に「同時代性」までをも含めた楽屋落ち、内輪受け小説ではないのか。書かれたその時に筒井康隆と同じ面白がり方をする者に向けて書かれたものではないか。つまりこの小説の後に出てきた数多のミステリィを読み、『はてしない物語』を知ってから読むもんではないなあと思う。設定、とゆーかアイデワだけだったらどいなけでも恒久的に成立する小説が書けそうなものなのに。12.10.26
『ブラッド・スクーパ』森博嗣/中央公論新社〔2012年4月25日初版発行〕
 『ヴォイド・シェイパ』に引き続き、持ちわるくアイテムがまたも増えたなあ! 袂をぢゃらぢゃらぢゃら言わせて歩んでゆくといいと思う(笑)。てゆうか、ああ、森ミステリィだったのだ!と終わって知れて、すげい嬉しい♪ 『ヴォイド・シェイパ』はRPGだったけど、『ブラッド・スクーパ』は『迷宮百年の睡魔』方式の、定点訪れものね! そうしてこーゆ、舞台が移動するシリィズでは、なるほど、各所で新たな“別の魅力を持ったヒロイン”が設定されてゼンに絡む仕組みかとも知ったよ、ほう。12.08.06
『変調二人羽織』連城三紀彦/ハルキ文庫〔1998年9月18日第一刷発行〕
 「変調二人羽織」は、ないわ(笑)。なんで動機から議論するんだろう? 可能か不可能かでいったら犯人は容易く絞れるだろうに。「ある東京の扉」は出来が悪い(笑)。このトリックは成立しない。「六花の印」は凝ってたので認める。でも推理にはなってないけどね。「消えた新幹線」はこのまま筒井康隆かかんべむさしにいくのかと思った。寧ろその方がよかったのでは? 「メビウスの環」は、家を出ろよ!以外になんも言うことはない。「依子の日記」はアンフェワだなあ(笑)。「白い花」は、ぎっりぎりでこれなら推理できゆかな?というエッヂ。「密やかな喪服」は、ないわ(笑)。氣違いでした、っていう落ちって、どーよ。「黒髪」は構成は面白い、けどやっぱき推理はできんでなあ。この手の、犯人の告白で全貌がアキラカになるパッターンしか、この人は書けないんだろうなあと思わされる。12.07.10
『ホーキングの最新宇宙論 ブラックホールからベビーユニバースへ』スティーヴン・W・ホーキング(佐藤勝彦 監訳)/日本放送出版協会〔1991年1月5日第六刷発行〕
 おんなし内容で別の講演論文がいーぱい載ってるので、繰り返しになって、なんだか「解る」氣がする(笑)。とにかく“講演”だから数式が一切出てこず、文字面だけでの展開だからいっそ『世界一やさしい金融工学の本です』並みに易しい、といえましょう。それでも目に入ってきているその場の文字列は「解った」氣になって読み進めててもペヂーを繰るや最早前のペヂーに書かれていたことは思い出せない、んだけどそんでいいんぢゃ? 本当に勉強したい人はここをとっかかりにちゃあんと数式の入った本や論文を読むべきぢゃ?ってことであろう。「解説・ホーキングの宇宙を語る」に挙がっている「科学の理論は、観測で実証されるべきだが、実在を議論しないのだという立場」ってーのも『世界一やさしい金融工学の本です』のブラック=ショールズ・モデルの扱いに似てる氣もする<違うけどね!12.07.05
『星をさがす』石井ゆかり/WAVE出版〔2012年1月27日第1版第1刷発行〕
 情報と思想がごったに入っているので、読み方に工夫が要るでしょう。情報の幾つかは、暗記までするもんぢゃない、「ここにある」ことを知っておいて「いつでも取りに来る」のが正しい使い方だと思う。一方で思想は、読んだからには、感服したからには、我がものとして採り入れたいぢゃんね? 思想部だけ抽出したらんといかんな、「ブレンド具合」(104ペヂー)とか「星の神様たちの専門分野」(106ペヂー)とか。巧いこと言うなあ!(感心)12.06.19
『魔術から数学へ』森毅/講談社学術文庫〔2010年8月25日第22刷発行〕
 なるほど! 数式が出てくると覿面に、僕はついていけなくなるぞ!(爆笑) もっと易しく教えてようん、と思ったが、文章のパートもこの人はぢうヴんに、こんな感じで、「知ってる人向け」に書いていたのだと合点がいった、氣がする…。具体的にたといば、「円に内接する四角形のうち面積が最大のものは正方形である」(187ペヂー)って、理由をちゃんと書いてくれよん!って思う。なんでそれを自明で済ますかなあ?、などなどなど…。12.08.18
『的を射る言葉』森博嗣/PHP研究所〔2004年9月22日第1版第1刷発行〕
 この本を僕が編集したらすべてに「何年何月何日の本日の一言か」を書き添えるだろう(笑)、まあ、それも興を削ぐので、なくていいかなと読んだ今思う(でも僕ならぜっったいに、データとしてどっかに挙げゆ!)。そーゆー、前後関係を取っ払うことができゆ人がラインナップしたを蔭で、【27】結果の3つ目と【43】やる気の2つ目みたいにニュアンスの違う似たようなのも収録されていて、いっそメリットだと思う、それでこその「本日の一言」なんだし。幾つかは、ああ、森博嗣さんの小説の中にも出てきた思考だ(ろう)なあと思えるのも喜ばしいね。12.08.09
『マニアックス』山口雅也/講談社ノベルス〔2001年2月5日第一刷発行〕
 『《次号につづく》』は意外だった。あと、なるほどねって思ったのは『人形の館の館』。他の5編は想定内。「とにかく一箇所にだけ、しかし必ず煙草が出てくる」のはこの作家さんのこだわりかにゃ?と思った。そうして「やるべきこと」や「すべきこと」をするの、好きね。わざとらしくフェワに書くことで、もう不信感を抱かせ、いっそばれても明かしてもいいと思っているのだろうね。12.06.23
『名探偵のキッシュをひとつ』
エイヴリー・エイムズ(赤尾秀子 訳)/コージーブックス〔2012年4月20日初版第1刷発行〕
 「わいだにっと」ばーかし詮索する一人称語り手だなあ! 森博嗣さんとかコナンくんで「はうだにっと」ものを読み慣れている身には不思議に思えるよ、誰にでも動機はあるとか途中で言っちゃってるくないだし。つまりは盲信だけで押していくストーリィだった訳だ、ほほう。あと、話の途中でぶった切って別の新たな問題に移ってく性格、やめろ>一人称語り手(笑)。好き放題か。ラスト間際になって、まだ閉じてない伏線っぽい仄めかしが幾つかあるけどどーする?どーする?と思っていたけど。挿み込みのちらしを見たら、ああ、11月にこのシリィズの2冊目の発行がもう決定しているのか、道理で、それはまた別の物語で、みたいな(笑)所以か。『僕の妹は漢字が読める』のことを言えないレヴェルの、完結してなさかも。12.07.02
『もえいぬ―正しいオタクになるために』
嶽本野ばら/集英社〔2012年7月30日第1刷発行〕
 嶽本野ばらの知識のバックグラウンドを以て考察され、語彙と言ーまーしを駆使して展開された論調が、対象をお宅においているのだ、興味深くない訳がない!! すごく氣味がいい♪<こーゆー悦び方こそが11章で分析されている厨二病的な嗜好ってことになんだろうけどもさ!(笑) 寧ろ、しかし、僕がまったく興味を抱かないアニメイションやゲムーに関する項が面白く、AKBについて解析している部分は逆に、えー?と思わないでもない(笑)から、まさに「読み物」として楽しまれるべき、なのかもとも思います(この辺りは13章に出て来る「自分の萌えは、他人の萎え」かも)。導入部は萌えに嵌まりはぢめたばっかの嶽本野ばらの様子が描かれてるだけだ(それでぢうヴん面白い)けど、終いに至るとコミュニズム考にまでスムースに発展していくとか、見事。お宅考察は、いい論客を得たなあ。12.07.31
『もえtter』
福田萌/宝島社〔2011年8月19日第1刷発行〕
 たった1年以内に結婚するとか、なあ(笑)。この本が出た昨年、既につきわいはぢめていたのだ!と思いつつ読むと楽しいかも(笑)。ついったのクライアントの評価はなかなかなかためになった。あと、字が小さいよ!!(悲鳴) レイワウトデザイン重視過ぎる。けど、まあ、内容読んでどーこーいう本ではないからレイワウトデザイン重視は正しいんだけどね〜。12.08.26
『桃色トワイライト』三浦しをん/新潮文庫〔平成24年4月15日四刷〕
 たぶん「三浦しをんの偏っている方向」が僕には我慢ならないんだう、批判ねたも、どころか自虐ねたですら、嫌悪感を抱いて仕方がない。まるで林真理子読んでるみたいに、なんでそんなに自分を棚に上げて偉そうなんだ?としか思えない。但し、偏りも「情報の取捨選択」っていうヂャンルで発揮して頂ければ、モワイの話みたいに興味深く楽しく読めました。あと、この手の偏りはマッチする人とか氣にしない人には面白がってもらえるんだろうなあということも見当はつきます。12.11.15
『森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!』森博嗣/講談社〔2008年12月18日第1刷発行〕
 こーゆー「森博嗣さんの人格の対話」形式の書かれ方って、かつての『浮遊研究室』を彷彿として、いいなあ(ぽぁん)。“インチが恨めしい”のイラストの数字の色分けは、凄い!!と思う。学んだ! “XYプロッタ”を読み、『ヒューゴの不思議な発明』って映画は、単に映像化したことが偉いだけでアイデワ自体はそんな大したことではないという底が知れて、よかった!(笑) 好きな考察は“「最適化」という誘惑”でした♪ あと、ああ、“宇宙のテクノロジィ”のマルシーは、松本零士なのね、とチェキ。12.08.12
『戻り川心中』連城三紀彦/ハルキ文庫〔1998年5月18日第一刷発行〕
 歴史もん嫌いなんだけど我慢して読んだら面白かった<子供の感想か!! 「藤の香」は巧いトリック(とそれに氣づく顛末)でいい話<通常“巧いトリック”言った場合には上手に発ける、って意味が含まれますからね? 「菊の塵」はちょっと氣づきに無理のあるトリック(笑)。「桔梗の宿」は一番好き。まさか!クーリエ@『モーレツ宇宙海賊』だったなんて!!(笑) 「桐の柩」は、なんで雀入れた!?(悲鳴) 「白蓮の寺」は、ないでしょ。幼児の曖昧なきよくを列挙されても信憑性がないったらない。「戻り川心中」はアイデワはいーんだけど発きはどーかな。僕はフミ子=ミネ、かと捉えたんだが。「花緋文字」はどこに文字出てきたっけ? 「夕萩心中」は、まさか「殺人現場では靴をお脱ぎください」@『謎解きはディナーのあとで』と被るとは思わなかった!(笑) そして、構成がめんどくさすぎる!12.06.27
『悶絶スパイラル』三浦しをん/新潮文庫〔平成24年9月30日三刷〕
 なんだかせばい範囲に関して書いているエッセーで、だから口調とか用語に頼った膨らませ方をしているけど、それって考察に重点を置く土屋賢二と比較してはっきりと薄いし。お宅関連の話題を採りわげているけど、それって分析に重点を置く嶽本野ばらと比較してはっきりと浅いし。得るところの少ない、あんま読んだ甲斐のないエッセーでした。なんだろう、これで採りわげられているテーマがもー少し僕の趣味に合えば、東海林さだおくらいには評価できたのだろうかしゃん?12.10.28
『夢のような幸福』三浦しをん/新潮文庫〔平成24年4月15日四刷〕
 ほんっっとうに、三浦しをんの「フガフガ」とか「バクバク」が、ださくって嫌い。ぜんっっぜんスッマートぢゃない。それでも175ペヂーの氷砂糖の一文のよーに、やればできゆってんだったら、そっちをこそ読ませろよと思う。ぼけやねたの収束させぐわいも、なんか全般的に恰好悪い。まあ「フガフガ」をよしとするセンスの持ち主だから仕方がないのだろう。12.11.21
『夜の甲羅』福田裕成/新宿書房〔1986年9月25日第一刷〕
 凝ろうとしているのは伝わる。読み易いか読みづらいか言ったら読みづらさが散見されはするけど「言葉を選ぼう」としているし。会話をかぎ括弧に入れるだけでなくてダッシュに続けて書いてみたり、いっそ改行無しで全部繋げて書いてみたり、そんな書き方の工夫にも挑戦してる。まさかそんなことしたか?みたいな、読者の予期せぬが好きなのかもしんない、そー思えば終わり方が、そこでそれを描写して終わって、何が言いたかった訳!?みたいなラストを迎えるのも、サモアリナンという氣がする。さー、考えようかな?(もちよん考えたところで据わりのいい唯一の解が導かれはしまいけど)と思わせることで「余韻」の効果が現れている、というテク、なのかも。12.06.29
『RINGO FILE 1998-2008』JAPAN編/ロッキング・オン〔2009年5月27日第2刷発行〕
 つまり「椎名林檎に関してどいなけ洒落た、巧いことを言えるか大会」に過ぎない、インタヴュウもライヴレヴュウもCDレヴュウも。ロッキング・オンJAPANっていう雑誌の性格がそーゆーことなんだろう、てゆーかレヴュウの本質がそー、とゆーことか。椎名林檎に関する情報が知りたくて読んだ僕的にはがっかりだった。12.09.01
『流転の海』宮本輝/新潮文庫〔平成4年2月25日九刷〕
 すごい読み易いなあ!!(感嘆)<たぶん一因はミステリィぢゃないから言葉尻を捉えつつ読まなくていい!ってのもある、だろう かといってすーかすかな訳でもなく、第1章の情報量ってばすげいし。しかし。その情報量を詰め込める文才を持ってしても、ラスト50ペヂーくないになると、おやおや?と。こんなペースでこの本が終わるまでに「なんらか据わりのいいラスト」までもっていけるのか?と。心配していたとーり、ぶった切って投げっ放しで終わってんの、解説読むと五部作の第一部らしいの、なぁんだ! もちよんだからつってこの終わり方を認められる訳がないよ、途中まで興味深く読んでたのに惜しいなあと思う次第(もちよん続編なんか読む義理はございませんの)。まあ、逆に、続編があるんだったらまさかこっから50ペヂーで今までの積みわげてきたものをぶっ壊す展開もないわなと察し、安心して読めたけどネ?<てかそれもがっかりぢゃね?12.07.06
『論より譲歩』土屋賢二/文春文庫〔2012年8月10日第1刷〕
 文春文庫オリヂナルってことは、もう、「一旦単行本で出してその数年後に文庫落ち」って流れをやめた、ってことかにゃ。だったらとっとこ、この本は200年末の分までだから、続きの2年8カ月分も文庫化してほしいものだわ? 僕の好きなのは{「冥土の土産」理論,なぜ集中できないか,不安を解消する方法,ツチヤ師、生き甲斐を語る,理解できない女,姪の子よ,四日間の人生,付属品とは何か,人生は無意味か,現在のフランス国王はハゲである}の辺り。12.09.11
『わたくし率 イン 歯ー、または世界』川上未映子/講談社文庫〔2010年7月15日第1刷発行〕
 言葉遣いが大阪弁で「聞こえるよう」だからすいすいすい読める、と思いきや、言ってることが「独特」だ(笑)<そーでなきゃ価値がない、つーことなんだろうけども。でもその独特さは結局「面倒くさい」だけだったと知れるので、なんだかなーと思う。新しい、現代風の、「ガロ」?って思った。詮索を、親切にもしてあげる氣には、僕はならない脳。曲解してても誤読してても僕のせーではない、と思う。ただ、本当に、「面倒くさい」。音だけを愉しんで表層だけで味わうのならば心地よい、かな。12.09.18
『私の奴隷になりなさい』サタミシュウ/角川文庫〔平成23年6月30日十五版発行〕
 ヂャケ買いしたんだけど、この作者はクレヴァだなあ。「SM青春小説」とか帯で謳っていて、わはは(笑)と思っていたけど。えっちな状況はそうそう簡単に出現するようなものではなく、ああ、レワケースを小説にしたパッターンか、そうして採りわげているのがえっちな間柄いうだけでこれは結局そーゆー人間関係を築く話で、僕とは無縁の別世界の物語ぢゃんなあと敢えて批判的に捉えながら読み進めてったら。#14にて、その両方がいっぺんに説明されていた! 「三人の小国の王」と「SMとは嗜好ではなく関係性の問題」って箇所! すげえ。見越されてる!! てゆーかこーゆー「深み」の出し方をしてくれるんだったら、それは褒めやすい特長っぽくて、助かる(笑)。12.09.12
『われ悩む、ゆえにわれあり』土屋賢二/PHP〔2012年11月19日第1版第1刷発行〕
 さすがに通常のエッセーよりは薄まっている。でも、本当に役に立ったりする(笑)のがすげい! 帯の赤字の煽りがすべて言ってるんだけど、つくづく「ものは考えよう」だなあ!と思い知らされるよ。そうしてよくぞここまで、相談のヴァリエイションをつけることができたもんぢゃ。12.12.04

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