第6話 「聖夜」

 クリスマス・イブの日。コーラスグループの五木(木村多江)たちがサンタクロース役がカゼで寝込んでしまったので、勇吉(寺尾聰)に代役を頼みに来た。勇吉が断ったために、常連客の佐久間(久保隆徳)が代役を務める羽目になってしまった。そこへ、美可子(清水美砂)がやってきた。美可子がアクセサリー作りをしていると知った梓(長澤まさみ)が呼んだのだった。梓は、雪の結晶の形をした銀のペンダントをふたつ買った。
 店に怪しい男(梶原善)が入って来た。その男はリリの別居中の夫の話を切り出し、リリを脅迫し始めた。近くで話を聞いていた刑事の風間は、男を脅迫の現行犯として連行した。
 夕方、五木たちのコーラスグループがリハーサルにやってきた。梓はリハーサルの様子を見ていた勇吉に紹介したい人がいるから店が終わったら会ってほしいと頼んだ。勇吉は、楽しみだと言って承諾した。しばらくして、店におそろいのセーターを着た父(小野武彦)と息子(永山たかし)が入って来た。その二人の仲のいい姿を見つめていた梓は、店を出て行った。
 朋子(余貴美子)が勇吉にクリスマスケーキを持ってきた。すると、美可子もケーキを持ってやってきた。そして店の奥からリリとミミも特大のケーキもってカウンターに置いた。勇吉は3つのケーキを前に苦笑した。
 閉店後、勇吉は梓の車に乗せられ紹介したい人のもとへ向かった。その途中、雪の結晶のペンダントを梓からプレゼントされ、照れながら身に付けた。
 車が皆空窯に着くと、勇吉を車内に待たせて工房へ向かった。工房へ入ると拓郎はまだ仕事をしていた。梓がプレゼントの箱を渡すと拓郎は喜んでくれた。梓はもうひとつのプレゼントだといって勇吉を連れてきたことを拓郎に話した。それを聞いた拓郎は激怒し、工房を飛び出していった。工房の前に置いてある彩文のオブジェが気になり車外へ出ていた勇吉は、「拓ちゃん!!」という梓の声を聞き、梓の肩越しに走り去っていく若い男の姿を見たが、梓に知られぬように車へ戻り、煙草に火をつけた。そこへ、相手が忙しくて今晩は会えないといって戻ってきた。
 店に戻った勇吉は、「今夜、拓郎に似た若者を見たんだ」とめぐみに話し、暗闇に向かって走り去っていった若者の姿に思いをめぐらせていた。

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