第5話 「記憶」

 レジの金の取り扱いについて勇吉(寺尾聰)から注意された梓(長澤まさみ)は、拓郎(二宮和也)の元へと向かった。そこで彼から、勇吉が実の父親であることを打ち明けられる。
 なかなか家に戻らない梓のことを心配していた勇吉のもとに、リリ(森上千絵)から梓が戻ってきたと連絡が入り、勇吉は、ホッと胸を撫で下ろした。
 あくる朝、「森の時計」に凍りついた木道で転んで頭を打ち、記憶を失ってしまった中年男(小日向文世)がやってきた。リリやミミ(高橋史子)は、常連客の横山(水津聡)とともに男の持ち物などを調べたがわからなかった。
 梓は、「北時計」を訪れ、拓郎のことを朋子に話した。その夜、近所の寺で音成の通夜が行われた。そのころ、「森の時計」では、メロン農家の納屋が解体されることになった話をきっかけに徐々に記憶がもどり、慌てて店を飛び出すと、音成の通夜へと向かった。しばらくすると、通夜を終えた勇吉や常連客らが「森の時計」に戻ってきた。
 皆が帰った後の「森の時計」に音成の妻・春子(キムラ緑子)が勇吉からの香典を返しに来た。勇吉がカウンターに戻ると、めぐみが現れた。めぐみは、勇吉が、音成の借金の申し出を断ってしまったことへの償いとして香典をたくさん包んだことを見抜いていたのだった。
 表で物音がし、勇吉が外に出ると、店の木道で梓が雪かきをしていた。梓は、勇吉に謝り、もう一度この店に置いてほしい、と頼んだ。

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