第7話 「息子」

 大晦日の日、「森の時計」に身なりの良い客・中里(北島三郎)がやってきた。続いて、勇吉の商社時代の同僚・河合(佐々木勝彦)が家族連れでやってくる。すると、河合の妻・綾子(田島令子)は、勇吉が朋子(余貴美子)に貰った拓郎作の彩文のカップを見て、皆空窯の名前を口にした。勇吉は客たちをミミ(高橋史子)に頼むと、「北時計」の朋子に会いに行き、拓郎を皆空窯に紹介したのが朋子だと知った。
 勇吉が「森の時計」に帰ってくると、店では中里が薪を割っていた。そこに、敏子(佐々木すみ江)という年老いた女性が現れ、この店の経営者である息子の安男に会いに来たと言われ、勇吉は、驚く。敏子が息子から貰ったという手紙と写真を見た高松(山谷初男)や田村(正名僕蔵)は、その人物が春日町に住んでいて、、以前喫茶店を経営していたことを思い出した。コーヒー業者の光夫(田中圭)は、敏子をそこまで送っていくと申し出た。
 拓郎は、師匠の六介(麿赤兒)に北海道新人陶芸展に作品を出してみないかと言われる。そして、梓に「当分、逢わない。メールしないでくれ。タク」とメールを送った。
 夕方になって、刑事の風間(山下澄人)が敏子を連れて「森の時計」にやってきた。。敏子は、薪ストーブの前にいる中里に気づき、桜の薪を燃やしていることを懐かしく感じたのだった。敏子も中里も、富良野の出身だったが、ともに夜逃げ同然でこの町を離れていったのだった。
 中里が帰った後、敏子のために「ペンション滝川」に部屋をとったが、滝川(納谷真大)が迎えにくると、敏子は、息子が待っているかもしれない駅に行ってみると言い出すし、滝川は、そんな敏子を追いかけていった。
 閉店後、店に河合がやってきた。河合は、もう一度会社に戻る気はないか、と勇吉に切り出したたが、勇吉はそれ断った。
 河合が帰った後、めぐみ(大竹しのぶ)が現れ、自分は、拓郎やめぐみのことをちゃんと見ていたのだろうか、と勇吉は問いかけた。めぐみは、ちゃんと見ていたと静かに答えた。
 ひとり神社に参りに行った勇吉は、破魔矢とお守りを買い、皆空窯に向った。勇吉は、たったひとりでろくろを回している拓郎の姿を目にした。しばらくその姿を見つめ、買ってきた神社のお守りを彩文のオブジェの中に置いた。

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