第4話 「根雪」

 「森の時計」に、水道工事業者の立石(國村隼)がやってきた。立石は、勇吉(寺尾聰)に自分の娘の話を始めた。娘の結婚相手が、結納金として1000万円出すと言われ、娘を売り飛ばすような気がして思わず断ってしまったのだった。
 朝から店には妙なカップル(瀧伸、久保明子)がいた。彼らは、席につくなりぴったりとくっつき、午後になっても同じ姿勢のまま、ただ窓の外を眺めていた。リリ(森上千絵)やミミ(高橋史子)は、刑事の風間(山下澄人)に連絡をとった。それからしばらくして風間がやってきた。勇吉とともにふたりに近づいていくと突然ふたりは立ち上がり何事もなかったかのように店を出てしまう。
 常連客のひとりで電器店を経営する音成(布施博)が現れた。今日の午後6時までに金を用意しないと、店の商品を引き上げられてしまうので金を貸してほしいと頼んできたが、勇吉は彼の申し出をきっぱりと断った。ふたりのやり取りを聞いていた梓には、勇吉の冷たい態度が理解できなかった。
 仕事を終えた梓は、拓郎(二宮和也)の家に向かった。拓郎の部屋に梓が来ていることに驚いた六介(麿赤兒)は、朋子(余貴美子)に相談を持ちかけた。朋子は、いまは修行に専念しなければだめだ、と拓郎を諭す。
 梓がレジの金をポケットに入れたところを、ミミに目撃され、勇吉は盗んだと疑いを持たれるような行為はいけない、と梓を諭すが、店を辞めると言い残し、出て行ってしまう。梓は、その足で拓郎のもとへ走った。
 「森の時計」の前にパトカーがやってきた。風間から音成がこの先の納谷で首を吊ったと聞かされ勇吉は落ち込んでしまう。勇吉は、周囲の人に厳しすぎて、自分でも意識していないところで人を傷つけてしまう冷たい人間なのかもしれない、めぐみに話した。
 梓は、車を降りて、家に戻ってしまった拓郎をドア越しに呼び続けてた。

次回
前回

あらすじ