第3話 「初雪」

 勇吉は、いつものようにめぐみ(大竹しのぶ)の遺影の前に食事を供え、朝食を共にしていた。その日、ペンションオーナーをしている滝川(納谷真大)が、親戚で未亡人の美しい女性美可子(清水美砂)を伴って「森の時計」にやって来た。常連客の音成(布施博)や佐久間(久保隆徳)たちは、その話で盛り上がっていた。午後、店に梓の初恋相手だった教師・松田(佐々木蔵之介)が客として現れた。松田が来たことを知ったリリ(森上千絵)は、梓を買い物に行かせた。 リリは、梓と松田の間に起きた出来事を勇吉に説明した。
 閉店した「森の時計」に、朋子(余貴美子)が酔って現れた。別れた夫が死んだと娘から電話があったと勇吉に話した。
次の日、「森の時計」に美可子がひとりでやってた。亡くなった夫が毎晩ミルを挽いていたう話した。勇吉もめぐみのことを思い出していた。客にミルを渡して挽かせる、というアイデアは、めぐみが考えたものだっからだ。松田が梓に会って直接謝りたいと店にやってきたが、勇吉はその申し出を断った。
 その夜、拓郎は、皆空窯でジンギスカンの支度を手伝っていた。六介(麿赤兒)と洋子(朝加真由美)の息子が、3年ぶりに帰ってくるからだった。ところがやってきた六介の息子・洋一(星野源)は、婚約者の紀子(吉井怜)を連れきたいた。おまけに紀子のお腹にはもう子どもがいると聞かされ、六介と洋子は、喜びを隠せなかった。そんな中、拓郎は、勇吉とのことを思い出していた。
閉店した「森の時計」に、めぐみが現れ、美可子や朋子の話を持ち出し、勇吉をからかった。勇吉が、薪小屋まで薪を取りに行くと近くで枝の折れる音がした。「キツネか」とつぶやいて店に戻る勇吉の姿を木陰から見ていた拓郎は森の小道を泣きながら駆け出した。空には初雪が舞っていた。

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