ある日の帰り、列車に勇次の叔母が乗ってきた。叔母は、勇次に東京の予備校へ行くように勧める。帰りの車の中で五郎は次の日曜日にマイタケ採りに蛍を誘うが、蛍は断る。蛍は、次の日曜日に勇次と約束があったのだった。
次の日曜日、蛍と勇次は勇次の生まれた滝里という村へ出かけた。そこで、勇次が東京へ出ることを知らされる。勇次は、ずっと富良野にいたいと言い、木にナイフで「HY」と彫った。その夜、蛍は五郎に来年から旭川に住み込むことを伝えた。
そして、蛍は6ヶ月の実習を終え、戴帽式があった。五郎は、出席できなかった。
蛍は、純に手紙を書いた・・・・・・
今日、純は髪を染めた。これで、正月はまた帰れないと思っていた。
その日、友人のアカマンに誘われ、喫茶店に出かけた。そこには、エリと田沢がいた。そして、純が前からほしがっていた400ccのバイクを譲るという話を聞かされ、純は正月富良野に帰るために貯めた金で買うことにした。
ある日の昼休み、純はアカマンとバイクの話をしていた。そのとき、アカマンが水谷に呼ばれた。アカマンは「まずい・・・」と言って、水谷の所へ行った。そのことがあってから、アカマンの様子がおかしくなった。学校が終わって帰るとき、純はアカマンを誘うが断って、バイクで走り去った。純がアカマンを追いかけようとするとエリが待っていた。純はエリに誘惑されるが、エリがボートから落ち純はその場から逃げてしまう。純は、エリの兄が暴走族の幹部でヤクザにもつながりのある人と聞いていたため、その夜ほとんど一睡もできなかった。翌日、一日中生きたここちができなかった。夜、定時制の学校へ行くとアカマンは来ていなかった。純は、帰りにアカマンのアパートへ寄った。そこで、アカマンが母親の病気のために水谷に10万円の借金をし、それが半年で20万円になってしまったことを知らされる。そして、沖縄に残してきた父親を一人にしておけないからもしかしたら沖縄へ帰るかもしれないと言った。純は、その言葉が胸に突き刺さった。
翌日の昼休みに田沢が現れ、12万円でバイクを買うことになった。ところが、純が田沢から買ったバイクが盗難車であったことで、警察に連れて行かれることになった。長い時間取り調べがあり、無実が証明されて解放されたのは、夜の11時を過ぎてからだった。翌日、アカマンから水谷がバイクの件で警察に呼ばれたことで頭に来ていると聞かされ、謝りに更衣室へ行くが、無視される部屋から出ていった。純は、自分のロッカーを開けると財布が落ちていた、中に入れてあった泥の付いたピン札2枚が無くなっていることに気づき、水谷たちに聞くが知らないと言われ、更衣室のロッカーを片っ端から開け始める。そんな純を見て、アカマンが自分がとったと純に打ち明けた。アカマンは、水谷に借金を催促され、それで純の金をとったと言った。純は、水谷にその金を返してもらうように頼むが、水谷は知らないと言って部屋を出ていった。純は、水谷を追いかけて3万円払うから返してほしいと言ったが、水谷は持っていてもやるものかと言って純を殴りつけた。純は、近くにあったバールをもって水谷に殴りかかりケガをさせてしまう。
純は、エリに喫茶店に呼び出され、一枚の泥の付いたピン札を渡される。それは、水谷のロッカーのジャンパーのポケットにあったものだった。もう一枚は、この近くの薬屋でつかったらしいことをエリは教えてくれ、一緒に探すと言ってくれた。
純は、このことがあってから東京に出てから富良野へ帰りたいと初めてそう思った。
丸太の皮をはがしている五郎の所へ警察の人がやってきた。そして、五郎は純が東京で傷害事件を起こしたことを知らされる。その夜、五郎は蛍を迎えに富良野へ出かけたとき、東京へ電話をかけようとしたが止めた。五郎と蛍が家へ帰ると純が東京から帰ってきていた。純は、疲れて二階でぐっすり眠っていた。五郎は、純の髪を見て、慌てて草太のところへ出かけ、寝ている草太をたたき起こし、純の様子を伝え、何とかしてもらうように頼んだ。朝方、ふと目を覚ますと、蛍が起きており、出かける準備をしていた。五郎が下から好きなだけ寝ているように言った。純は、すぐに眠りはじめ夢を見ていた。
目が覚めると明るくなっていた。下に降りると新吉・シンジュク・クマさん・草太が来ていた。そこで、純は新吉たちに取り押さえられ、髪を黒く染めさせられてしまう。その後、純は挨拶回りに出かけるとみんながとても暖かく迎えてくれ、昔と変わらず昔のように接してくれた。中畑木材へ行った純は、五郎が丸太小屋をつくろうとしていることを知らされ、トムソン・ウッディヴィレッジの土場へ五郎に会いに行った。純は五郎に何度も「すみません」と頭を下げた。純は、五郎に丸太の皮むきを教えてもらいながら手伝った。五郎は、蛍に恋人がいることを純に教え、今夜二人で見に行く計画を話した。
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