それは、五郎が出稼ぎから帰る日ことだった、純と正吉はスキーで遊びすぎてしまい、草太との約束の時間に遅れてしまい、蛍のメモを無視して、濡れた衣類をストーブの上に無造作に放り投げて、急いでバス停まで走り、富良野の駅まで向かった。その頃、草太は、子牛の出産を終え、蛍を連れて駅に向かおうとしていた。そこへ、電話のベルが鳴った。それは、丸太小屋が火事だという連絡だった。草太と蛍は丸太小屋に急いだ。そんなことが起こっているとは知らず、純と正吉は、五郎と雪子を駅で出迎えていた。4人を乗せたバスが麓郷へ着いたのは午後6時頃だった。五郎たちは、すぐに中畑を訪ねた。そこで、初めて丸太小屋が火事だということを知った。五郎たちは、急いで丸太小屋に向かった。純は、火に包まれた丸太小屋を見てぼう然としていた。そして、どのように言い訳しようか考えていた。その夜は、中畑の家で泊めてもらうことになった。純は、火事場から戻ってきたクマさんたちが火元がストーブらしいと話しているのを聞いてしまう。
次の日、純と正吉は交番で事情聴取を受けていた。純は、何を聞かれても覚えていないと嘘を言っていたが、正吉が自分がやったと言いだし、純は慌てた。丸太小屋へ行くと、村の人たちが総出で後かたづけをやっていた。純は、火を出したのが正吉だということが村の人たちの話題になっていることを知り、ショックを受けたのだった。今年の冬のこの出来事のことを正吉は言っていることに純は気づいていた。
へそ祭りの翌日、雪子が井関を連れて家にやってきた。井関は、風力発電がだめなら水力ではどうだと言うが、五郎は言うは易しでと答えた。そんな五郎の様子を見ていた純は、最近の五郎が、富良野へ来たばかりの頃と比べて元気がないを心配していた。その夜の夕食は、葬式のようだった。五郎は、雪子が突然井関を連れてきたことにショックを受けていた。純は、水力発電のことを五郎に切り出した。しかし、五郎からは朝から晩まで一生懸命に働いている自分にこの上何をやれと言うのかと言われてしまう。雪子が、止めると五郎は、外へ出てくると言って出ようとした。五郎は、雪子にこんなやり方は納得できないと言って出ていった。五郎は、草太や清吉たちの気持ちを考えていたのだった。
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