翌朝は、からりと晴れ上がっていた。雪に埋まった車を掘り出したあと、昨日帰ってこなかった正吉を捜したが、どこにも見つからなかった。五郎はストーブの前で純に正吉を家で預かることを話していた。そこへ、蛍が正吉が留守中にここにやって来たみたいだと言ってきた。みんなで外に出るが、正吉の姿はなかった。五郎は屋根の下に正吉の帽子を見つけた。帽子の雪を払いながらその場から離れようとしたとき、屋根から雪が滑り落ちた。それを見た五郎は慌てて雪を掘りだした。すると、その中には正吉の姿があった。正吉は、五郎を喜ばすために屋根の雪降ろしをやっていて足を滑らせて落ちたのだった。正吉は病院に運ばれ、九死に一生をえた。中畑たちが病院に現れ、借金はみんなが農協から借りて返済することになったことを五郎に伝えた。

 翌日、正吉の病院から帰るとみんなが家に集まってまっていた。松吉は、自分の申し出が受け入れてもらえなかったわけをみんなに聞こうとしていた。妙子は、そんな松吉にたまりかね、家から出ていった。五郎は、松吉に感謝の気持ちをあらわし、松吉にお茶を差し出した蛍の目にも涙があふれていた。

 その日、昼食の支度をしていると草太がやってきた。そして、五郎たちは以前笠松の杵次が住んでいた家の隣にある畑へと向かった。着くと、松吉が雪を耕してマメをまいていた。

 1月10日、五郎とクマさんは再び出稼ぎに出ていった。正吉は、みどりが東京へ行ってしばらく帰れなくなったということで一緒に住むことになった。富良野はこれからもっと寒くなる。今朝は、マイナス26℃だった。

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