素直ヒート

ヒート 6

スレ 【赤い綱で】素直ヒート【結ばれているッ!!】
No >>561〜>>566
日時 2011/02/02(水) 02:19:28
本文
「らんらららんららん、るんるんるるるん♪」
廊下を機嫌よく緋糸ことヒートがスキップをしている。
「あ!和久発見!!おおおおおい!!和久〜〜!!」
見つけるなりヒートはスキップをダッシュに変え目標である和久に向かっていく。
当然のようにある程度の距離になったら跳び付く気まんまんである。
「廊下は走らないように」
声で気付いた和久は立ち止まりつつも向ってくるヒートに牽制した。
「むぅ!」
ヒートは不服ながらも早足に切替え近寄る。
そして和久の抱えてるダンボール箱に気付く。
「ん?和久、鞄はどうした?」
「まだ教室です。さっき先生からこれを貰ってまだ帰れません」
和久はダンボール箱を床に置きヒートに中身を見せる。
「なんたる職権乱用!!」
ヒートは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の教師を除かなければならぬと決意した。
「何か凄く変な事を考えたようですが違いますよ?」
「友を人質に捕られたのだな?!」
無駄な問い詰めをするヒートの背後に男女。
「だ〜れが人質だって?」
「私も人質になった記憶はないけど?」
「な、何でいらっしゃる?!」
現れた2人、
男の方は小山内孝(おさない・たかし)。ヒートと和久と同じクラスで所謂、男友。
女の方は木本成美(きもと・なるみ)。やはり同じクラスで所謂、女友。
「何でって、旦那と一緒に作業するからだよ」
「共同作業か?!私というものがありながら!!」
「何を言ってるの?ヒートも同じ班なんだから一緒に作業よ?」
「ゑ?」
「やはり忘れてましたか」
やれやれという顔をする和久に班の作業を思い出した。
「私を殴れ!ちから一ぱいに頬を殴れ!」
ぽこん。
和久の柔らかいチョップがヒートの脳天に落とされる。
「なんですぐ一緒に帰れないだけでそこまで錯乱しますかね?」
教室の中では四つの机を合わせ4人の男女が作業をしていた。
ヒートと和久が横並びでその対面に残る2人。
「和久〜切れちゃった!」
「このテープで貼ってください」
ヒートの紙面の裁断状態を確認してから和久は自分の鞄からテープを出して渡す。
「うぉう!指まで切ってしまった!!」
「大丈夫ですか?…これぐらいなら…」
少し出血していたヒートの指に和久はすかさずティッシュを当てて
鞄から”救急”と書かれた袋を取り出して、その中から絆創膏を選んで貼る。
その様子を黙ってみていた2人が事の終わりを確認してから口を開く。
「毎度毎度ながら何でも入ってるな、その鞄」
「ヒートの為に用意周到ねぇ」
「和久は頼もしいだろう!!」
「用意しなくてもいいぐらいだと良いのですが、緋糸さん?」
「何でも解決してしまう鞄…鞄…和久(わく)さんの鞄!!」
ヒートを窘める和久にいきなりビシッと指を差して言う小山内。
4人に一拍の沈黙。
「…わくさんって」
「何ですか、それ?」
「和久はわくじゃないぞ!!」
「何者かがそう言ったのだ、和久は”わく”と!」
小山内は立ち上がり
上にいるらしい何者かを見る様にしながら拳を握り締める。
「はいはい、電波が混信してたのよ、おじいちゃん」
木本がそう言いながら制服の裾を2度引っ張る。
「誰がおじいちゃんだ!」
「だいたい、わくさんの鞄って何よ?」
「知らないのか?”ばくさんのかばん”は昔、国営放送の教育番組で…」
常識だぞ?という顔で皆を見る小山内。
「そんな昔の事、知らないわ」
「私も知らないですね」
「当然!!私も知らない!!」
3人に全否定をくらい一気に萎む様に座る小山内であった。

あらあら、おやおや、それから、どんどこしょ〜
和久は紙に切り込みを入れ、スティック糊を下地に薄く塗っておき
それを受取ったヒートが加工と貼り付け作業をしていた。
「終った!!」
「流石ですね」
「流石は貴方よ、和久くん。ヒートでも出来る様に手順を作るなんて」
「得手不得手の把握が出来てるだけですよ」
「よ、ノッポさん!」
「あぁ、できるかなの長身の」
「という事はヒートはゴン太くん?」
「やってる事はまんまノッポさんとゴン太くんだろ?」
「言い得て妙ね」
「私はあんな毛むくじゃらじゃない!!」
「まぁゴン太くんは言い過ぎか…」
小山内は目を瞑り腕を組んで考える。
そして何かを受信したのか開眼する。
「ワクワクさん」
和久にまたもやビシッと指を差して言う小山内。
「今日はそれを引きますねぇ」
「だから和久はあんな眼鏡じゃない!!」
「和久くんがワクワクさんだとすると…ゴロリ?」
木本が口元に指を当てにっこりと笑いながらヒートを見る。
「私はゴロリじゃない!!せめてゴロネと言えぇぇ!!」
「落ちついて、赤いパンツの熊さん」
「きょ、今日は白だ!!って和久まで!!」
「それは失礼。さ、片付きましたから帰りますよ」
「へぇ、ヒート、今日は白なんだ」
何かを察した木内は目を細め言う。
「そ、そうだぞ!!今日こそは…」
もじもじしつつも何かを言い続けそうなヒートに背後から和久は何かを乗せる。
「何だ?!」
「耳が冷たいと言っていたので」
「おぉ!!耳当てか!!」
「また珍しいな」
「白いファーね」
「おお、温かい!!温かいぞ、和久!!」
「声も聞こえますが道路では気をつけてくださいね」
「了解!!」
微笑ましいヒートと和久の様子を黙ってみている2人。
「何かに似てないか?」
「そうね、ヒートのあの姿、何処かで…」
「じゃあ、先に帰りますね」
「じゃあ!また明日な!!」
「ほ〜い」
「さようなら、お2人さん」
教室を出て行くヒートと和久を見送りつつまだ考える2人。
そこに廊下からヒートの口ずさむ歌が聞こえる。
「らんらららんららん、るんるんるるるん♪」
それで2人は顔を合わせる。
「「あ!タップ!」」







解説 発端は>>555氏の”和久がどうしても「わく」さんとしか読めなくて困る”というコメントから。
NHK教育ネタは
何でも入っている和久の鞄は”ばくさんのかばん”、
ヒートの歌と白いイヤーマフとタップは”いちにのさんすう”
ノッポさんとゴン太くんは”できるかな”、
そして後継番組の”つくってあそぼ”のワクワクさんとゴロリ、
途中のブリッジのようなあれは”にこにこぷん”のチューリップの歌。
知ってる人は知っていた様で一安心。
仮タイトルは「ワクワクさん」