素直ヒート

ヒート 5

スレ 【赤い綱で】素直ヒート【結ばれているッ!!】
No >>536〜>>541
日時 2011/01/24(月) 02:18:31
本文
「む!むむ!!むむむ!!!」
学校のPCルームで画面を凝視しているのは松田緋糸。通称ヒートである。
「これは本当か?!」
「さぁ?でも男の意見だからうまくいけばいくかもよ?」
頚椎を痛める心配なく振り向くヒートに横の人物は笑顔で答える。
「うまくいけば…」
「そう、うまくいけば…和久くんは…」
そっとヒートの肩に手を置きその人物は間をおく。
「ど、どうなるというのだ?!」
「それはね、当然、ヒートの願うように…」
「そ、それは、つ、つまり!!」
息を飲むヒートによりいっそう目を細め顔を近付けて言う。
「そうよ。男と女のか・ん・け・い」
「関係!!」
何を想像したかヒートの顔は一瞬で真っ赤になる。
「さぁプリントアウト出来たわ。これを持って愛しの彼の元へ!」
「おう!!ありがとうな、友よ!!」
紙を受取るなりヒートは走って出ていった。
その後姿を見ながら残された者は笑みを絶やさなかった。

この者が何者かは追々として時間は昼前まで進む。

昼休み前の授業中。
ヒートは教科書の楯に隠れながら先程の紙を見ている。
(…8位なのが心配だが丁度、昼。これはやれという天の指示!)
それを裏付けるかのように… きーんこーんかーんこーん と授業終了の鐘が鳴る。
教師が出ていくと生徒は教科書等を片付けて食事の準備をする。
「和久!!飯だ!!」
ヒートは弁当箱を持って和久の机に来た。
「えぇ、そうですね。さて、今日はここで食べますか?」
「何処でもいいぞ!和久となら!」
「そうですか、では、ここで。椅子はいつもの所で」
「了解!!…は!!」
何かに気付いて硬直するヒート。
「どうかしましたか?」
「しまった…今日はカレーじゃない…」
「それは助か…それが何か問題でも?」
「カレーじゃないと和久への愛情が!!同じ物じゃないからついでに作ってない!!」
「何を言ってるかよく分かりませんがお弁当は2つ有るんですね?」
和久の問いにこくこくと肯くヒート。
「じゃあとりあえず食べながら聞きますから座ってください」
「か、和久はカレーじゃなくてもいいのか?!」
「カレーはまた家で。少なくとも貴女が作ってくれたお弁当にはかわりないのですから」
「しかし…」
和久は机の上の弁当箱の風呂敷を開け弁当の中身を見る。
「しっかりと出来ているお弁当じゃないですか、そちらとこちらで品も一部は違うし」
「和久は魚がいいと言ってたから…」
「さ、食べましょう。これだけ僕の為に作ってくれた物に愛情を感じないわけないじゃないですか」
「和久!!」
2人は美味しく昼食をとりました。
周囲の状況は推して知るべし。
放課後。
「和久!!帰りに家に寄っても良いか?!」
「えぇいいですよ。珍しいですね、了承を得るなんて」
「そ、そうかしら?!」
妙な手つきでヒートはポーズを作って言う。
(いつもと違うアピール成功!!これで後はギャップを!!)
などとヒートが妙な考えを巡らせているうちに和久の家に到着する。
「おや?どうもどっか行っている様ですね」
和久が懐から鍵を出し玄関を開けて言う。
「無人?!」
「無人って…ま、先に部屋に行ってください。飲み物とか用意してから行きますから」
「わ、わかった!!」
ヒートは靴を放り投げる様に脱いで和久の部屋と走っていく。
「何を焦ってるのかな?」
そう言いつつ手馴れた様にヒートの靴を揃える和久であった。
数分後。
和久の部屋の前。
お菓子やお茶をのせた盆を持ちながら和久は扉の向こうのヒートに言う。
「すみませんが開けてくれません?お盆で両手が塞がってるのですが?」
「無理だ!動けない!」
「何をやってるんだか」
仕方なく和久は盆を床に置き扉を開けた。
そして目に入ってきた光景は
「あ、ありがたく思え!!」
と目をしっかり閉じて体にリボンを巻きつけて寝転がっているヒートだった。
「ええっと…前回のような真っ裸でないけど…何のつもりで?」
「プ、プレゼントだ!!」
「そのような手段は断ったはずですがお忘れですか?」
「そ、そうだった!!」
「ま、いいでしょう。早く解きなさい、そんな馬鹿げた物なんか」
「了解!」
ごろごろと四苦八苦しながら解こうとするヒートを尻目に和久は盆を取りに出た。
そして、盆を持って中に入った途端、赤いリボンの蓑虫がカラーボックスに衝突する。
「な?大丈夫ですか?!」
「大丈夫だ!!しかし、なんか散らばってしまった!!」
「とりあえず、先に貴女のそれを外しましょう」
「ほ、本当はできるんだぞ!今は不測の事態で不可能になったが!」
和久はどう考えても自力では無理と思ったが面倒なので無言で解き始めた。
(あれ、無反応?3位のも不発か!!)
倒れたカラーボックスと中身の物と上に乗せていた小物が散らばった光景を2人は見ている。
「幸か不幸か1つだけ済んでよかったと考えるべきか…」
「和久がだらしないからだな!細かいのを上に置いてるしな!さ、片付けようか手伝うぞ!」
「貴女がぶつかって倒したのによく言いますね…片付けは1人でやりますよ」
そう言うと和久はしゃがんで片付け始めた。
「あ、あれ〜??」
「これ以上散らかされるのは勘弁ですからね」
しゃがんだまま和久は背の方に立っているヒートを見ずに言う。
(なんとか壊れたのはなかったみたいだな…ん?なんだろう、この紙)
紙を拾い上げて、他の物を脇に寄せて一応の片付けが終わると和久はヒートに振りかえる。
そこにいたのは俯き通常では考えられないぐらい凹んでいるヒートがいた。
「どうしました?」
和久の問い掛けにもヒートは反応しない。
ふと、先程の紙を広げて見てみる。
そこの文章をさらっと読んで和久は今日のヒートの行動に納得がいった。
紙面から顔を上げるとヒートの怯えた眼差しと合う。
「ははは、ばれちゃった…」
目線に気付いたヒートはなんとか笑おうと顔が引きつる。
「それで今日はおかしかったんですね」
「馬鹿だろ、そんなのに頼って…」
「緋糸さん…」
「笑えよ、笑ってくれよ!馬鹿だって罵ってくれよ!!」
ヒートの目からは涙が止めど無く流れる。
和久はそれでも笑おうとするヒートが辛くて悲しくて、そして愛しくて強く抱き締めた。
「!!」
「気にする事はありません、それでも貴女は貴女です」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
既に空には月も出ている。
和久はヒートの家の門の前で相対している。
ただし、相手はヒートの母である。
ヒートは何故か家に着くなり走って部屋まで行ってしまったのだ。
「では、帰ります」
「和久、手間をかけたな」
「いえいえ。じゃあ、後はよろしくお願いします」
礼をして和久は自転車を推し始める。
(プレゼントはぞんざいに扱わないで喜んで奪ってくっていうのは言い過ぎたかな…)
と、和久が2位の項目について考えてると携帯電話が鳴る。
かけて来たのはその当人であるヒート。
立ち止まり電話に出る。
「はい、もしもし?」
『和久!』
「はいはい。いきなり部屋に篭ったんと思えば電話してきてどうしたんです?」
『ひ、暇だったから!』
「それは…1位のアレでしょ?懲りてないんですか?」
『じゃない!じゃなくて、その、あの…』
「暇だからデートっていうのも何位かにありましたよね?」
『「そうじゃない!!」』
「ふむ。では、用件というのは?」
「好きだああああぁぁぁ!!」
「?!」
振り向くと少し離れた所にヒートが携帯を持って立っていた。
「じゃ、じゃあ、明日!!」
言うなり今日一番のスピードでヒートは家に入っていった。
途中の門灯の光でヒートは素晴らしい赤面であった。
街灯の下、和久も負けないぐらいの赤面であった。
月はそれでも白く輝いていた。







解説 <参考資料>
オトメスゴレン
『男性のハートをわしづかみにするツンデレ発言8パターン』

ツンデレねぇ、と思ったがネタになったので良しとする。

仮タイトルは「ツンデレ」