![]() 1983年3月24日(木)放送 |
出演 田中邦衛・竹下景子・吉岡秀隆・中嶋朋子・地井武男・岩城滉一・清水まゆみ・今井和子・中沢佳仁・笹野高史・今野照子・塔崎健二・南雲佑介・尾上和・塩月徳子・石黒正男・加藤正之・大友柳太朗・末吉敏男・小林秀治・恩田恵美子・叶杏子・坂本由英・平川ひとし・峯田智代・森康子・市原清彦・成瀬正・奥村公延・木田三千雄・ガッツ石松・風吹ジュン・林美智子・大滝秀治・笠智衆 |
五郎とクマさんば、11月から東京へ出稼ぎに出ていた。純や蛍のクリスマスプレゼントを買いに、デパートへ行き、そこで東京の子供たちがテレビゲームに夢中になっている姿を見て驚く。五郎の腕の中には、お菓子の詰まった長靴が2つ抱えられていた。 五郎が出稼ぎに出ている間、純と蛍は、丸太小屋で2人だけで生活をしていた。五郎とクマさんが帰ってくる12月30日、二人は、富良野の駅まで草太に送ってもらった。草太は、青年団の花嫁対策委員をやっており、花嫁探しに燃えていた。家に戻ると、雪の上に足跡があった。突然、家のドアが開き、中から吉本辰巳と友子が現れ、二人は驚く。 翌日の大晦日、五郎は朝から壊れていた風力発電の修理をしはじめ、純はそれを手伝っていた。そこへ、中畑和夫たちが正月の準備の物を持って現れた。純は、中畑の娘のすみえから正吉が家を飛び出したことを知らされた。その夜、蛍はあの雪の上の足跡は正吉のものではないかと純に話した。純は、蛍の話よりもNHKの紅白歌合戦の方に気持ちが向いていた。純は令子からもらったラジオを見つめながら富良野へ来た年の大晦日の出来事を思い出した。テレビで紅白歌合戦を見るために正吉の家まで行ったが、母親と楽しそうに過ごしている正吉を見て、中に入らずにそのまま家へ帰ってきたことをだ。 純と蛍は五郎に連れられ、麓郷神社へ初詣に出かけた。お参りを終え、中畑家の人たちと新年の挨拶を交わしているとき、蛍が木の陰からこちらを見ている正吉の姿を見つけ、純に知らせた。純は、「正吉!」と叫びながら雪の上を逃げる正吉を追った。正吉は取り押さえられ、ひとまず丸太小屋へ連れて行かれる。純は、正吉と二人で風呂に入った。突然、風呂場の扉が開き、蛍が着替えを持って入ってきたので、正吉は慌てて湯船に飛び込んだ。そのとき、純は正吉の成長の証を何度も見せてもらったのだった。五郎が交番から戻ると、三人ともベットで眠っていた。五郎は、このとき正吉の寝顔に涙の筋があるのを見た。 元旦の朝、純と蛍は自分たちにきた年賀状を見てはしゃいでいた。その中に凉子先生からの年賀状を見つけ、正吉を呼ぶが、正吉は部屋の中にはいなかった。すると屋根の上で物音がしたので外へ出ると、正吉が屋根の上で雪はねをしていた。純はそれを見て、自分がはしゃいでいたことを反省した。そこへ、正吉の母のみどりがやって来た。みどりは、正吉を見るなり殴りかかった。みどりは、迷惑ついでに正吉をしばらく預かってもらいたいと五郎に頼んだ。五郎もみどりに同情し、子供たちも喜ぶからと言って引き受ける。みどりは、自分を訪ねて人が来なかったかと五郎にたずね、来ていないと知ると逃げるように丸太小屋を後にした。 みどりが去って、しばらくして知らない老人がやって来た。その人は、祖父の黒板兵吉のことを知っており、兵吉が死んだことを聞くと、三人にお年玉だと言って袋を差し出した。純は拒んだが、正吉が受け取った。そして、その人は帰っていった。正吉が袋の中を調べると50円玉が一つ入っているだけだった。 次の日、正吉は蛍から届いた年賀状に喜んでいた。そこへ、草太がラーメンを食べに行かないかと誘いに来た。草太は、二人を妙子の勤める三日月食堂へ連れて行った。純と正吉は草太から千円を渡され、食べ終わったら帰るように言われたが、草太の車の中にこっそり隠れた。草太と妙子が店から出てくると時夫がやってきた。草太は時夫にあきらめろと言って、妙子を乗せて車を走らせた。草太は、妙子に正吉の母のみどりが作った借金を五郎がかかえて困っており、松吉が自分の山を売ってくれればいいと言っていたと話した。車内で話を聞いてしまった純と正吉は、車が布部のラーメン屋に着くと車から降りた。純はその話しにショックを受けていたが、正吉の方が自分よりもっとショックを受けていることに気がついていた。二人は、そのあと無言のまま歩いて帰っていった。 ラーメン屋に入った草太と妙子は、さっきの話の続きをしていた。妙子は、松吉の話は全部昔の話して松吉が錯覚しているのだと言った。その頃、松吉は蛍と一緒に杵次の墓に来ていた。松吉は、蛍から杵次が橋から落ちて死んだことを知らされる。 草太が家に帰ると、五郎と中畑が来ていた。清吉は、五郎に早まって土地を手放さないように説得していた。草太は、松吉の申し出の話が出たところで、松吉の言っていることは全部嘘だと話した。 五郎が、丸太小屋へ帰ると、屋根の雪はねがやってないのを見つける。家の中にはいると正吉が花札を一人やっていた。雪はねがしてないことを叱責するが、正吉は後でやると言った。五郎はそんな正吉の様子が腹立たしく思い、花札を窓から外へ投げ捨てた。正吉は、しばらく黙っていたが、突然家から飛び出していった。その後を純が追ったが、正吉は雪道を走り去った。蛍は、捨てられた花札を拾いながら五郎に正吉も土地と家をとられることを知っていると話した。 夜になっても飛び出した正吉は戻ってこなかった。五郎が外へ出るとみどりがやって来た。五郎は、みどりを富良野の駅まで送った。みどりは、今回のことでもうここには戻ってこれなくなったと言うが、五郎は金のことはいいから戻って来るように励まし、正吉もしばらく預からせてもらいたいと言った。みどりは、そんな五郎の優しさに涙した。11時を回っても正吉は戻ってこなかった。純が夜中に目を覚ますと五郎が一人吹雪の窓の外を見ていた。 翌朝は、からりと晴れ上がっていた。雪に埋まった車を掘り出したあと、昨日帰ってこなかった正吉を捜したが、どこにも見つからなかった。五郎はストーブの前で純に正吉を家で預かることを話していた。そこへ、蛍が正吉が留守中にここにやって来たみたいだと言ってきた。みんなで外に出るが、正吉の姿はなかった。五郎は屋根の下に正吉の帽子を見つけた。帽子の雪を払いながらその場から離れようとしたとき、屋根から雪が滑り落ちた。それを見た五郎は慌てて雪を掘りだした。すると、その中には正吉の姿があった。正吉は、五郎を喜ばすために屋根の雪降ろしをやっていて足を滑らせて落ちたのだった。正吉は病院に運ばれ、九死に一生をえた。中畑たちが病院に現れ、借金はみんなが農協から借りて返済することになったことを五郎に伝えた。 翌日、正吉の病院から帰るとみんなが家に集まってまっていた。松吉は、自分の申し出が受け入れてもらえなかったわけをみんなに聞こうとしていた。妙子は、そんな松吉にたまりかね、家から出ていった。五郎は、松吉に感謝の気持ちをあらわし、松吉にお茶を差し出した蛍の目にも涙があふれていた。 その日、昼食の支度をしていると草太がやってきた。そして、五郎たちは以前笠松の杵次が住んでいた家の隣にある畑へと向かった。着くと、松吉が雪を耕してマメをまいていた。 1月10日、五郎とクマさんは再び出稼ぎに出ていった。正吉は、みどりが東京へ行ってしばらく帰れなくなったということで一緒に住むことになった。富良野はこれからもっと寒くなる。今朝は、マイナス26℃だった。 |