2002年9月6日(金)放送
出演
田中邦衛・吉岡秀隆・中嶋朋子・宮沢りえ・内田有紀・唐十郎・清水まゆみ・中島ひろ子・串田和美・根岸季衣・平賀雅臣・沢木哲・春海四方・西村成忠・柳葉敏郎・布施博・ガッツ石松・高橋昌也・円城寺あや・大森博・久保隆徳・水津聡・富良野市の皆さん・羅臼町のみなさん・富良野塾・古賀プロ・原田美枝子・岩城滉一・地井武男・竹下景子

 草太の牧場を引き継いで4年が過ぎていた。純と正吉が引き継いだ牧場は破産し、正子とアイコは富良野から消え、純と正吉は借金を2人で分担し、今後少しずつ払う約束をして別々に富良野を離れた。螢は、看護婦をしながらアパートで快と一緒に住んでいた。五郎は、今の何よりの楽しみがこの快と一緒に遊ぶことだった。

 ある日、五郎は保育所から快を石の家へ連れてきて遊んでいると螢が車で乗り付け、勝手に保育所から連れてきたことで五郎を怒鳴りつけた。五郎は走り去る車に向かって雪子の息子の大介が今日来ることを言う。
 ニングルテラスのロウソク屋で働いている雪子のもとに16歳になった大介が現れる。大介は、殆ど話もせず無表情で食事をしていた。すると携帯が鳴り、大介は携帯を持って外へ出ていってしまう。そこへ、五郎が現れ、大介に話しかけ、脇に座るが携帯のメールに夢中で、すっと立って家の方へ歩いていってしまう。

 翌日、五郎が炭焼き用の材を造っていると中畑が娘のすみえを連れてやってきた。札幌で保母をやっていたが、今度結婚することになり富良野に戻ってくることになったことを知り、五郎は中畑を祝福する。しかし、中畑は、相手の男を余り気に入っていなかった。今晩、祝いの食事をするから一緒につき合うように頼まれる。そこへ、すみえの相手の男清水正彦がバイクで現れた。正彦は、五郎が廃材で造った雪子の家に感動していた。その夜祝いの会で正彦は自分たちの新居を五郎に造ってもらいたいと言い出した。そして、バイオ発電で電気をつくることを提案する。五郎も、興味を示すが、中畑は不満だった。
 五郎が、テラスでバイオ発電の図面を見ていると、車の音がして一人の女性が道を上がってきた。五郎は手をかざしてその女性を見た。シュウだった。
 シュウは五郎のために風呂をたいた。五郎は、シュウが結婚して神戸へ行くことになったことを告げた。シュウは純に当てた手紙をテラスの上に置いて帰っていった。五郎は、シュウの後ろ姿に深々と頭を下げた。突然五郎は激しい痛みに襲われた。

 純は、各地を転々として今は知床半島の付け根の町、羅臼で廃棄物処理の仕事をしていた。今年30歳になった純は、暖かい家庭を持ちたいと痛切に感じていた。
 ある日、港で魚を積んだリフトと軽トラックがぶつかりそうになって、箱がくずれて魚がこぼれた。純は、落ちた魚を拾って持っていると若に女性が近づいてきてその魚を海に捨てて行ってしまった。その日、純は中標津から生徒をつれて羅臼へ来ていた凉子先生と20年ぶりに出会い、次の日曜日に中標津の凉子先生の家を訪ねた。そこには、港で出会った女性が居た。その女性は、凉子先生が昔教えた子で、高村結という名だった。凉子先生の家では、昔の話で盛り上がった。純は、結を羅臼まで送った。番屋へ帰ると五郎から手紙が届いていた。開くとシュウからの手紙が中に入っていた。純は、それを読み終えるとストーブの火の中へ入れた。

 純は仲間とカラオケバーにいたが、明日が早いからといって店を出た。ふと橋の向こうにコンビニの明かりがあり、レジの前には結が座っていた。純が店に入って弁当を手にとってレジに行くと結はその弁当を賞味期限切れのものと取り替えて戻ってきて純に渡した。純は、事情が分からず返そうとしていると、店長が声をかけてきた。結は、仕方なく代金を純から受け取り、レシートとお釣りを渡した。レシートには「ごめん、また来て」と書いてあった。純はやっと事情が飲み込めたのだった。純の心の中でしだいに結の存在が大きくなってきていた。ある夜、純は仕事を終えて出てくる結を待ち、結の家まで話しながら歩いた。純は、次の日曜日に結をドライブに誘った。その後、結と会う日が少しずつ増えていった。ある日、拓と寅が番屋に現れ、結が人妻であること、結の義父がとても荒い性格であることを純に話した。純は動揺していた。富良野の螢から手紙が届いた。そこには五郎の体の調子が余り良くないらしいと書いたあった。

 中畑木材の土場で定期検診を受けるように螢から進められていたが、成田新吉に言われ梅干しを種ごと飲んでいるから大丈夫だと言って五郎は拒んでいた。螢は、五郎に検査を受けなければ快には今後会わせないと言って帰っていった。五郎は、中畑から今造っている家をすみえたちの新居にしてもらえないかと頼む。螢の快に会わせないという言葉でついに五郎は、定期検診を受ける決心をした。しかし、検査期間が長引くにつれ、心配になってきた。そこで、清水正彦に知り合いのことでと言って相談した。正彦は、ガンでなければいいがと言い、医者もはっきりしたことは言わないと聞かされた。検査終了後、診察室で大したことはないと言われた。五郎は、螢から許されたので久しぶりに快を保育園に迎えに行きかくれんぼをして遊んだ。

 螢は、病院で債権者の三沢の夫人に呼び止められ、純が借金を半年だけは送ってきたが、その後ぱったり送金してきていないことを知らされた。螢は、三沢の夫人に何度も頭を下げ謝った。家に帰ると快が見あたらなかった。螢は、また五郎が連れだしたと思い、五郎の所へ向かい、寝ている五郎を起こした。しかし、快はいなかった。2人は、螢のアパートへ戻り、部屋中を探し回った。快は、風呂場の浴槽の中で眠っていた。螢は、五郎に三沢の夫人から聞いた話をした。五郎は、それは何かの手違いだと螢に言った。純のもとに五郎から借金のことで手紙が届いた。借金は、ずっと払ってなかった。

 結が番屋に来た。結は、純に私と結婚する気持ちはあるのかと聞いた。純は、答えなかった。メールでやり取りしていることが義父に知られ、近々会いに来ると言われ、純は当惑した。翌朝、番屋の外へ出ると漁船に乗って双眼鏡でこちらを見ているトドを見て、純は慌てた。突然携帯が鳴った。結からだった。義父が海沿いの温泉で義父が待っていると伝え切れた。純が急いで温泉に出かけると既にトドは湯船につかっていた。純は、トドに家族のことや借金のこと結とのことを聞かれ、その迫力にビビッてしまった。その後、心配した結からメールが届くが、多分駄目そうとメールを打った。

 螢は、病院で検査入院をしている中畑みずえに会い、五郎がすみえたちの新居を廃棄物で造っていることを知らされた。そして、みずえは夢で見た廃棄物で造られた町の話を螢にし始めた。和夫は、病院からすみえたちの新居に車を走らせた。雪子が息子の大介のことで屋根にいる五郎を呼んだ。五郎と大介の話しを聞いていた和夫は、腹を立て大介を殴り、大介の持っていた携帯電話を川に捨ててしまった。五郎は、いつもと様子が違う和夫に訳を聞いた。和夫は、みずえのガンが再発したことを五郎に泣きながら話した。

 翌日、はじめて雪虫を見た。富良野の秋が終わろうとしていた。