![]() 1981年10月16日(金)放送 |
出演 田中邦衛・原田美枝子・吉岡秀隆・中嶋朋子・岩城滉一・熊谷美由紀・永浜三千子・塩月徳子・中沢佳仁・いしだあゆみ・地井武男・清水まゆみ・今井和子・塔崎健二・今野照子・南雲佑介・大滝秀治・竹下景子 |
あれから五日が過ぎ、純の不満はどんどん増すばかりであった。おかむろづくりのためにネコで石運びをすることになる。蛍はよく働いていたが、純は怠けてばかりであった。純は昼の休憩時間に寝入ってしまい、夢を見ていた。突然、クマさんに起こされて、笹刈りに連れて行かれた。クマさんは、「こったら、こつこつ働いていれば、人間だんだん謙虚になる。」と言って、宮沢賢治の詩を歌った。 その夜、蛍が五郎に純が母親に手紙を書いていることを告げ口するが、純が蛍のことを信用して話したのだから、その秘密を漏らすようなことはしてはいけないと言われる。 翌日、五郎は純と蛍のことを頼みに中の沢の分校へ行った。しかし、先生は東京の子は気が重いし、来年の夏には廃校になるから本校へ通ってはどうかと言って、即答を避けた。 五郎は、学校に近い北村清吉の家へ寄った。すると、そこに東京から令子の妹の雪子が来ていた。そのころ、家では純が蛍に母への手紙を町へ出しに行くように頼んでいた。はじめは、いやだと断っていたが、引き受けてしまう。 町へ行く途中、橋の下に、綺麗な花を見つけた蛍は、橋の欄干の上に手紙を置いて、川へ降りていった。そのとき、橋の上を車が通り過ぎ、置いてあった手紙が川に落ちてしまった。蛍はそれを沢づたいに追いかけていった。 五郎と雪子は、農協のスーパーに寄って、家に戻ると純が留守番をしていた。純は、雪子を見るなり抱きついた。五郎は蛍が町へ行ったらしいと純から聞かされた。 夜の7時を過ぎでも蛍は戻ってこなかった。純はまだとぼけていた。五郎は、蛍を探しに出かけた。そこへ、涼子先生が五郎を訪ねてきた。九時半をまわった頃、純は自分が令子への手紙を出してくるように頼んだことを五郎に打ち明けた。夜遅く、蛍は無事に発見された。涼子先生は、いつからでもよいから学校に来なさいと五郎に告げた。 家に帰り、シュラフにくるまった蛍は、手紙のことは誰にも言っていないからと純に話した。それを聞いた純は、心の奥にあついものを感じていた。 |