1981年10月23日(金)放送
出演
田中邦衛・原田美枝子・吉岡秀隆・中嶋朋子・岩城滉一・熊谷美由紀・石井富子・園めぐみ・塔崎健二・南雲佑介・前沢迪雄・刀原章光・塩月徳子・中沢佳仁・高橋のぞみ・いしだあゆみ・大滝秀治・竹下景子

 あくる日、純は雪子に東京へ帰りたいと打ち明けた。雪子は、自分から頼むように言うが、純は自分からは話せないと言って、雪子に頼んだ。その夜、純と蛍はつららと家の中で遊んでた。雪子は家の外で純から頼まれたことと自分が何故富良野へ来たのかを話した。そこへ、バイクで草太が現れ、雪子をホテルへ送り届けると言ってきた。そんな草太の言動につららは不安を感じていた。

 次の日の夜、洗い物を終え二階に上がろうとする純を五郎が呼び止めた。そして、五郎は純に直接父さんに言わずに、雪子おばさんを通じて言ってもらうようなやり方は卑怯だと言ってから、雪子をホテルに車で送った。

 五郎は、分校の涼子先生を訪ね、純のことを相談した。涼子先生は、もう一度よく令子と話し合った方がいいのではないかと言った。

 五郎は、清吉の家から東京の令子へ電話し、純を東京に戻すことを伝えた。それから三日がたち、純と雪子は五郎と蛍に見送られながら麓郷を後にし、北村清吉の車で布部の駅まで送ってもらった。

 電車の発車時刻まで、駅前の喫茶店に3人で入った。そこで、清吉は昔の話をし始めた。そのとき純は、清吉から「お前ら、敗けて逃げていくんじゃ」「わしらを裏切って逃げ出して行くんじゃ」「そのことだけは、よう覚えとけ」という言葉を聞かされた。清吉に見送られ、二人の乗った電車は動き始めた。電車にゆられながら、純はさっき清吉の言った言葉が頭から離れなかった。
そのころ、五郎は、分校の涼子先生を訪ねていた。そこで、涼子先生が、東京の学校で受け持ちの生徒が自殺したことを聞かされた。

 その夜、蛍は、自分の名前が「蛍」とつけられた訳を五郎に聞いた。五郎は、自分が、昔この村を出たときに、自分の体にホタルがまとわりついてきて、出ていくなと言っているようだったという話をした。そして、純の名前は、令子がつけたことも教えてもらった。

 突然、窓に自動車のライトが横切った。蛍が、外に飛びだして、戻ってきて表を指した。そこには、純と雪子が立っていた。純は、ついに決意をひるがえして麓郷に戻ってきてしまったのだった。