ある日、純が仕事を終えるとシュウが会社の前で待っていた。シュウは、クリスマスプレゼントといって日記を純に渡した。その夜、二人は島ノ下のモーテルへ行った。待っている間、純は螢のお腹の子のことをシュウに聞いてみた。シュウは、正吉なら男ぽいからあり得ることだと言った。
 完次の一家が富良野から消えたのは、それから三日後のことだった。純は、完次の持っていた土地の大部分を草太がとったと正吉から聞かされた。純は、最近の草太の考え方ややり方に不満を抱き始めていた。五郎に、そのことを話すと人の悪口は言わない方がいいと言われた。その翌日の夜、純は草太に呼び出され、自分のやっている仕事を一緒にやらないかと誘われた。そして、明日完次から引き取ったトラクターを運ぶのを手伝ってくれないかと頼むが、純は強く断った。翌日、シュウへのプレゼントを買いに雪子の店を訪ねるとそこへ五郎から草太が倒れたトラックの下敷きになって死んだという電話がかかってきた。

 純は、草太の手伝いを断ったことに心を痛めていた。五郎は、シュウに電話し、純のそばにしばらく居てくれるように頼んだ。純は、シュウと会って少し落ち着きを取り戻したが、草太が死ぬ前の日の夜雪子の店にやってきて純は自分の弟だからこれからのことが心配だと言っていたと雪子から聞かされ、号泣した。
 その翌々日、草太の告別式が行われた。その夕方から、また雪になった。正月に入ってしばらくしてから、草太の家で純と正吉に新吉から草太の牧場をやってみないかという話があった。翌日7時にくまげらへ行くと螢の結婚式の話だった。その話を聞いた純は中止するように頼むが受け入れてもらえなかった。ある日、純と正吉が五郎の家に行くと草太から螢の結婚式の衣装が届けられていた。正吉は、草太の計画した結婚式をやってもらってもいいと純に言った。

次ページ
Menuへ