純はシュウから、上砂川の兄の店で働くことになったから富良野から離れなくてはならなくなったと聞かされた。純は、かつてのれいちゃんのときのように、これから富良野と上砂川に離れてしまうことで互いの気持ちが変わってしまうのではないかと不安になった。ある日、純が仕事をしていると五郎と雪子に声をかけられた。純は、雪子をみてとても懐かしく思った。その夜は、三人で赤ちょうちんへ行った。そこで、五郎から雪子が富良野に住むことを聞いたのだった。純は、次の日曜日雪子の引っ越しの手伝いをした。雪子は、東京の大介のもとへ純に電話してもらうが不在だった。

 草太は雪子を連れて自分の農地を全部見せて回った。草太は、借金をしてどんどん近代的で大規模な農業に取り組んでいた。草太は、五郎のやっている有機農法に否定的な考えを持っていた。
 仕事を終えてアパートへ戻った純は、ドアにはさけられたメモを見つけた。それは、シュウからのものだった。そこには、「急に帰ることになりました。改めて電話します。シュウ」と書いてあった。

 へそ祭りの始まるその日の昼、仕事中に中畑から声をかけられた。中畑は、螢が金を貸してほしいと言ってきたことを純に伝えた。螢が、雪子の働くニングルテラスへ現れた。螢は、自分がここに来たことを五郎や純には黙っていてほしいと頼んだ。純は仕事を終えて事務所に帰ると正吉から電話が入り、喫茶店に呼び出された。店内にはいると、螢と正吉が向かい合って座っていた。純がお金を工面しに店を出ると正吉が追った。その隙に、螢も店を飛びだし、二人は、螢を追ったが見失ってしまった。

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