'84夏

 純と正吉が中畑すみえを牛の膀胱とトウキビの毛でつくった人形で驚かした。その知らせを聞いて五郎と中畑が駆けつけてきた。

 正吉の母のみどりから五郎に手紙が届いていた。今年の冬に丸太小屋が正吉の不始末で焼けてしまったことへの謝罪と8月になったら正吉を引き取りに行くことが書かれていた。

 夏休みに入ってすぐの頃、東京から中畑和夫の妹のゆり子が息子の努をつれて来ていた。純と蛍と正吉は、努を紹介されるが、努は愛想がなかった。努は、東京からパソコンを持ってきていた。それを見た純は、とてもうらやましく思えた。純と正吉がパソコン雑誌を開いていると努が「汚すなよ」と言ったことに二人は腹を立て、部屋を出ていった。

 五郎は清吉を訪ね、今度の家に住むようになって、何とか北電に電気を通してもらおうと佐々木という人を通して頼んでいたが、負担金が80万円もかかるため、あきらめることにしたことを話した。五郎の帰り際に清吉は、雪子と草太の結婚についてなかなか雪子がはっきりしないので、そのわけを聞いたが、五郎ははっきりとした返事ができず困った。

 草太は、今年のいかだ下り大会に雪子と二人で参加するために新しいいかだを準備していた。いかだには、ローマ字で「YUKIKO」と書いてあった。

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