夕方、作業終わると中畑は五郎を夕食後、飲みに誘った。五郎は、昼間こごみが現場から帰されたことが気がかりだった。家に着くと、中から純の声が聞こえた。純は、こごみが飲み屋の女だから誕生日には絶対に呼びたくないと言っていた。五郎は、家には入らず、そのまま中畑の待つ店へ行った。中畑は、五郎にこごみとは余り深入りしない方が子供たちのためだと言うが、五郎は自分は器用でもないし無責任でもないと言って店を飛び出す。純と蛍がブドウをビンに詰めているところへ五郎が帰ってきた。五郎は、職業で人をとやかく言うことは絶対に許さないと純を叱り、家から出て車に向かった。車に乗ると、雪子が令子からの手紙を差し出した。それは、令子が吉野と一緒になるという報告だった。五郎は、そのまま車を富良野の街へ走らせた。家の中では、五郎に叱られた純は泣きながらブドウをビンに詰めていた。
五郎は、蛍がこごみとした約束は自分が忙しいからやられなくなったと話した。こごみは、仕事が休めなかったから丁度よかったと言った。しばらくして、中川と松下が店の外から五郎を呼んだ。しばらく外で話をした五郎が店に戻ってきたとき、目に涙が光っていた。聞くと、令子が死んだという話だった。雪子にも、中畑からそのことが知らされた。その頃、純は親子のクマが楽しそうに山を歩いている夢を見ていた。
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