突然、結の夫の弘が羅臼の酒場に現れた。翌朝、港で作業している結のもとに弘が姿を見せた。弘は、純と話をつけると結にいきがって見せた。結は純に電話を入れ、弘に気を付けるように伝えた。仕事を終えて番屋へ戻ると弘達が中から出てきた。純は、無抵抗に4人にボコボコに痛めつけられた。そこへ、弘の父トドが現れた。弘は、トドに殴られ黙ってその場から立ち去った。トドは、純にもっと戦うように言って帰っていった。夜、結が番屋にやってきた。純は結と二人で弘の元へ話をつけに車を走らせた。純は、弘に結との結婚を許してほしいと土下座して頼んだ。結は、純の後ろで鉄砲の銃口を弘に向けて黙って立っていた。

 翌朝、番屋の前から海鳴りの音が消えていた。そして羅臼に流氷が来た。流氷が翌日から港を覆い、羅臼の海は一変した。二月のしばれる夕方、五郎が羅臼にやってきた。その晩、久しぶりに親子みずいらずの夕食をした。純は、結のことを五郎に話をした。五郎は、結が人妻だと聞き、反対した。純は、1時間かけて五郎に事情を説明した。五郎はやっと理解したが、目に涙をため、黙っていた。
 翌朝、五郎が番屋の外へ出ると、結が番屋に向かって走ってきた。五郎は、慌てて番屋に入った。結は、トドが昨日から五郎に食べさせるトドを打ちに出かけたきり帰ってこないと話した。仲間達は、遭難した船の目印に流木で迎え火を焚きだした。夜の8時頃、ニュースを聞いた凉子先生がやってきた。純は、五郎が来ていることを話し、先生を番屋へ連れて行き、五郎の相手を頼みで迎え火の場所へ戻った。弘が一人迎え火の番をしていた。弘は、結を譲ると言って純に酒をついだ。

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