第17話

 夏になった。五郎は、この夏中に丸太小屋を完成させると純や蛍に宣言していたが、二人は不安に思っていた。その日は午後から授業が中止となり、凉子先生に連れられてバスで本校に行った。帰りのバスの中で純たちは凉子先生に本校へ来てくれるようにお願いするが先生ははっきりした返事はしなかった。

 家への帰り道、自分たちを呼ぶ声に振り向くと、それは東京へ行っていた雪子の声だった。久しぶりの再会に二人は喜ぶ。雪子は、五郎に令子と弁護士の本多が一緒に来ていることを話す。五郎は、二人に会いにワインハウスへ出かけた。令子は、最後に子供たちに会いたいと申し出た。五郎は了承し、その夜純と蛍に正式に令子と別れることを伝え、明日令子と3人で過ごすようになっていると言った。翌日、純と蛍は学校を早引きし、令子の待つホテルへ五郎の車で送ってもらった。五郎は、二人を降ろすと帰ってしまった。

 ロビーには令子が立っていた。そこへ弁護士の本多が現れ、4人で中富良野のラベンダー畑へ行くことになった。純は、胸が一杯でラベンダーなんか見ていなかった。純は、一晩中考え令子についていこうと決めていた。蛍は、令子とは一言も口も聞かず、純はそんな蛍の様子にいらだっていた。令子は、二人の通っている学校へ行き、凉子先生から二人の学校の様子を聞き安心する。

 五郎は、中畑の家に離婚の保証人を頼みに来ていた。突然電話のベルが鳴り、令子が急に苦しみだし渡辺病院に担ぎ込まれたということだった。五郎は、すぐに病院へ向かった。病院の医者から令子の様態について聞かされるが、ちゃんとしたところで検査をした方がよいと言われる。病室へ行くと令子は目を覚まし、子供たちに会わせてくれたことに感謝していると言った。そこへ、中畑と雪子が入ってきた。雪子は、令子に怒った。

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