よ*り*ぬ*き

★風流未来俳句★

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◆『風流未来俳句』とは…?

 かつてCBCラヂヨで金曜の夜にon airしていた『未来派ラジオ 電波デリック』(DJ:石丸元章、アシスタント:マチャコ)内の1コーナ。「未来に詠まれた俳句」を考えるもので、季語の代わりに含まれるべき言葉として、毎週「未来key語」なるものが設定されている。をかべは当時スタッフとして参加しており、毎回例題を考えていた。


@未来key語…「
リニア」@

青竹の リニア悲しや 土ふまず

【解説】 西暦3125年に地球磁場の逆転がおこり、そのあおりで地球上の多くのものが磁性を帯びた。人類からは肩こりがなくなった。なぜならみんな生きたまま磁気ネックレス状態だからだ。しかしデメリットもあった。足がくたびれてももう青竹は踏めない。足の裏と青竹が反発しあって浮いてしまう。そう。現代人の悩みは足の裏がこってこって仕方ないことよ。


@未来key語…「
サンタ」@

冬泳ぐ 海のサンタよ 波に乗り

【解説】 今も昔もクリスマスイヴはディスコ。今年も、大平洋の底にある深海ディスコ、マリアナ東京には泳ぎ台ギャルが押し寄せている。泳ぎ台コギャルや泳ぎ台マゴギャルの間をぬってプレゼントを配りまくる、そいつがサンタ・クロールだ。つ、つまんね〜〜〜〜〜。27世紀になってもこんなつまんない世の中だとは、ショック100連発な事だのう。


@未来key語…「
モザイク」@

モザイクに 隠れし額の 好景気

【解説】 沈静化した日本経済をたて直すために日本銀行は新たなお札を発行した。その名もモザイク紙幣。1000円だと思って遣ったら1万円だったり5000円だと思って遣ったら10万円札だったり日本経済は一気に活性化した。モザイク除去装置も次々と売り出されたが、政府とのいたちごっこで、お札のモザイクはどんどん巧妙なものへと変遷して行った。今やお金はお札なのか千代紙なのか判らなくなっている。昨日はうちの7歳の孫が10万円札とおぼしきお札でツルを折っていた。おるなー。


@未来key語…「
電波」@

見て聴こう 赤外電波も 可視電波も

【解説】 「電波は目に見えない」なんてのは昔のこと。今は見える。ほら今日も黄色い赤い茶色いムラサキ色の電波がとんでゆくよ。僕はミドリの電波が好きだからミドリ色のラジオでエアチェックするんだ。見えない電波を聴くときは見えないラジオをつかう。ほらきこえるよきこえるよ。きこえるよ。


@未来key語…「
未来」@

酌み交わす まだ見ぬ君よ 未来酒

【解説】 この酒を呑んで未来の君に逢おう。来週の金曜日の君。1カ月後の金曜日の君。1年後の金曜日の君。もう僕は行かなくてはいけないけど、これからのすべての金曜日、君と一緒にいたから。ずっとずっと未来まで、一緒にいたから。


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