「招福!きねま猫」2010

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『アーマード 武装地帯』
 個人的な嗜好を表明すると僕はガーリィな映画こそが好きです。かわよいおにゃのこが出てると評価ワップします、てかさせます。つまり3月27日公開の映画で言ったら(未だ観てない故に当欄では採りわげられなかったが)『きょーれつ!もーれつ!!古代少女ドグちゃんまつり! スペシャル・ムービー・エディション』に一番惹かれます、私。絶対にシネマスコーレに観にく!予定◆本作はその対極にある。萌え系のおにゃのこどころか、そもそも女性がほぼ出てこない。ヒロイン役もマドンナ役もまっったくいない。そーゆー画づらの映画だ。それが、僕が「きねま猫」で紹介したくなるほど面白い!◆もいっこの意外性は、キャストにジャン・レノとかマット・ディロンとかの名があるでしょう? 主役は誰だと予想しますか?◆違う!!<答えを聞かずともその予想が間違っていることは判る! その意外さも意外なんだ◆「現金輸送車の警備員たちが結託し企んだ現金強奪計画」が描かれるこの映画は、貴女の予想を遙かに超えて抜群に面白い。どんなに期待してもその上をいくから。観て唸らされたらいい♪

『アイアンマン2』
 お金大好き! 正確には「無尽蔵のお金を湯水の如く遣うの大好き!!」だ◆そーゆーおにゃのこは『セックス・アンド・ザ・シティ2』を観ればよい。浪費と見まごう消費ぐわいでもセンスに裏打ちされたファッションを購入してるんだ、無駄遣いぢゃない!って説いてる◆でも男の子は“着飾って嬉しい”嗜好って持ちわわせていなそうでしょ? なら観るべきは『アイアンマン2』だぜ。有り余るお金を「望んだ物がなんでも発明できゆラボ」の運用に充てる訳だ、うわこれ男の子の理想ぢゃね!?◆『ヤッターマン』のドロンボーたちの新作メカの製作って売りだったでしょう? カートゥーンネットワークのアニメ『デクスターズ ラボ』なんて設定段階で萌えるし◆アイアンマンのラボは実写(+CG)だけにまぢで金を喰いそうだ! そんな環境で思い通りの発明品を造れるなんて!◆今回のライヴァルは頭脳的にはアイアンマンレヴェルのメカが造れるけどビンボなの。おにゃのこたちが『SATC2』に耽溺する今、男の子だって金遣いにストレスのない方=アイアンマン側を応援して観ていい。痛快だヨ♪

『新しい人生のはじめかた』
 たぶん恐らくだ、憶測で書くから「きねま猫の筆者はそう思っているのね」程度に捉えてほしい◆『新しい人生のはじめかた』のちらしの、ダスティン・ホフマン側にエマ・トンプソンが一歩踏み出し寄り添う写真は、合成だ(ズバッ)。エマ・トンプソンがちいちゃ過ぎる◆映画本編を観ゆとよっく知れる、エマ・トンプソンの図体ってでかい!! つか、ダスティン・ホフマンがこんなにちっこいおっさんだとは!ってことの方に驚くぞ。今までの強面なイメィヂは役柄のせいだったか◆てか本作での役柄こそ、エマ・トンプソンよりちびっこくて活きるんだ。原題は“Last Chance Harvey”です、ハーヴェイがダスティン・ホフマンの役名ね。家庭的にも仕事的にもどん底のハーヴェイの前に現れた女性。取るか?取らざるか?って話ですね。確かに美人だけど、自分よりでかいぞ(という見た目で躊躇や葛藤を象徴する訳だ!)。まさにエマ・トンプソンは適役。しかしまさか『ラブ・アクチュアリー』での科白「私に着れるのは今やパバロッティのお古だけ」がここで結実するとは! ファンとしては複雑…。
『インセプション』
 予告編とかで、町の向こう側がめくれて立ちわがってくる画を観たことあるでしょ? そんな映像、観てぞくぞくしたいに決まってる! 大友克洋の漫画『童夢』以来のヴィヂュワルショックがここにある。いかにCGの技術が発達しても「だったら何を見せたい?」って点に最大の価値があると思い知れよう◆ディカプリオが演じるのは「人の夢に侵入してアイデワを盗む」人物だ、観る前に知っておくのはこの辺りまででぢうヴん。どんな“夢の世界”を見せてくれるかなと楽しみに臨むといい◆クリストファー・ノーランの出世作、『メメント』を観たことがある人ならこの監督の特長はよっくご存じだろう、得意な技は「緻密なルール決め」と「そのルール内で容赦なく思っきし力一杯展開する物語」だ。『インセプション』ではその才能が「夢の構造とシステムの設定」に於いて遺憾なく発揮される。まさに世界を創るのに匹敵することが行われてるよ◆さらにお話が、映画とゆうメディワで表現されて活きる流れになるよー組まれてる訳だ。発想と創造の特異さ、精密さ、そして美しさに遊ばしてもらおう。
『牛の鈴音』
 東京でこの映画が公開された昨年暮れ、東京発の新聞各紙の採りわげぐわいが、そーも紙面を割く?ってくない凄かった。「映画を紹介する人々がそれほど語りたい」映画だ。これ、凄い好評価の証ぢゃんね◆老いた牛を飼い農業を営むぢいちゃんばあちゃんのドキュメンタリィです。ぢいちゃんは「老いぼれ牛」を可愛がってる。でもその割りには名前をつけてないみたい。韓国ってこうなの? 『ナビィの恋』のセイコなんかと対比するといいんぢゃ?◆牛が首に提げている鈴が鳴る。これがタイトルの所以だ◆だがここで我々はドキュメンタリィのアイデンティティに触れることになるぞ。牛の鈴音はアキラカにSEで足され流されてる(!)◆いかんのか?と問われると、ちっともいかんくない。ドキュメンタリィにBGMつけるでしょ? 効果的なら鈴の音を流して何故悪い?◆ドキュメンタリィは真実とは違う。映画に組んだ時点で意図が当然入る。どのシーンを使いどのシーンに繋ぐかで見えるものが変わる◆そんなことを解った上で受け容れればいい。牛も、ぢいちゃんばあちゃんも、嘘は吐いてない。
『おまえうまそうだな』
 名演小劇場にて公開の『冬の小鳥』とテーマが一緒ですよ(共時性!?)◆『冬の小鳥』は父親に棄てられ孤児院に入る9歳の少女の話。お父さんと一緒にいる時の笑顔の愛らしさ!が一転、孤児院では一切笑わなくなる落差!が凄い。孤児院の他の幼女たちは喜色満面でいる、つまり「居心地はいい」設定なんだ、そこでの笑顔の封印は心境の表れです◆「実の親に棄てられる」点が共通している『おまえうまそうだな』は『冬の小鳥』のアンサー映画、ひとつの解答を示していると言えよう。特に秀でてるのは「産みの親を恋しがらない」点だ。捜しすらしない。まあ、卵生の恐竜の話だから“孵った時点で産みの親はその場にいなかった”訳だが◆「肉食竜と草食竜とゆう種族の違いを超えて幼子を慈しむ心は発動する」と「自分が受けた育ての親の恩は次の世代に引き継ぐべし」とが訴えられます。親は見返りを求めて子を育てるのぢゃない。次世代を世話することが親の恩に報いることになる、と説いている(と解釈しました)。そんな“種の保存”の基本ルールを恐竜が主人公のアニメイションで学ばれたい。
『牙狼〈GARO〉〜RED REQUIEM〜』
 男の子の好きなものの宝箱や?! イフユーアー男の子、是非観たらいいシルブプレ?◆2005年に深夜テレヴィでやってた「変身ヒーロもの」の映画版です、僕もその番組観たことないけど大ぢょヴだった。主人公と、“ミッションをアシストする喋る指環”以外の登場人物はすべて映画のために新たに設定されたものだ、前情報がいっっさいなくて観ても楽しめます◆パチンコもしない僕はやはり現物を見たことないが、この『牙狼』のパチンコ台もあるみたい。つまり「今現在パチンコに興じる年齢層が5年前に喜んで観てたろう」内容ってこと。男の子に受けてたんだぁとの想像は難くないでしょう?◆アイテムもそっち方向で揃っている。怪異を倒す変身ヒーロに加えて「肌も露わなおねいちゃん同士のバトル」だぜえ? 男の子の好物を解って創ってる!◆映像的には破廉恥な衣裳やポーズ満載だけども、しかしやっぱき変身ヒーロものは小さいお友達向けが建前だ。一切ラヴとか劣情とかの方向に展開することはない。動きまで含めて純粋に造形美の観賞が目的の創作です、ストイックにして崇高ぢゃんね!

『渇き』
 ヴァンパイヤ映画だ、吸血鬼ものです◆スタートラインは解りやすくオーソドックスだ、カトリックの神父が吸血鬼になるわ、救済を求めてきたおにゃのこを仲間に引き入れるかどーか悩むわで、背徳や葛藤が描かれてゆく◆この辺りまでなら萩尾望都の漫画『ポーの一族』とか、映画でも『ダレン・シャン』だったり『トワイライト』だったりの創作でおなぢみの、「吸血鬼の躊躇や困惑」だよね◆ぢゃが『渇き』の本領はこっからだヨ。もちよん吸血鬼をテーマに据えて逸脱せぬまま、サスペンスになりミステリィになりギャグになる! 10分ごとくらいでテーストが切り替わり、そしてそれが不自然でもなく、到った現在の状況を最も効果的に面白く脚色できゆ視点に移行し続けてくのだ。スゲー!◆一人の監督が多様な映画を撮ることはできよう。違う雰囲気の作品を創れるってーのは才ある監督なら当然持ち合わせている振幅だ。ただ、それを一本の映画の中で展開し、しかも破綻させずに観せるなんて! 視線の移動が一切のイワカンも戸惑いも引き起こさない。称賛されるべきは監督のバランス感覚だネ!
『キャタピラー』
 自己満足って献身の原動力だ。子育てでもボランティアでも、「見返りが目的ではない」行為って励みをキープするのがむづかしかろう。最初こそ理屈や使命感?で走り出せてもそれだけでいつまで続くか?とかあるし◆だから、なんらか「快」であることは献身を貫く上で有利だ。故に「自己満足」を恥じることはないし、寧ろ献身が結果を出すんなら立派だ、いっそ「打算」が原動力でも構うまいよ◆そんなことを考えさせられたのは『キャタピラー』の夫婦、寺島しのぶと大西信満はともに「滅私」の献身を強いられるからです。大西は“お国のため”に戦争に駆り出され「キャタビラ」になって戻ってくる。寺島は“軍神”となった夫の世話を余儀なくされる◆そんな状況冗談ぢゃあるまい、しかし「どーしよーもない」。最初こそストイックに生活を送ってるけど、これが延々続く日常になるとますます耐えられなくなる◆だから、せめて続けるために、「見返り」を求めはぢめる訳だ。そう、自分が納得できない行為って励み甲斐がないよね!と教えてくれるよ、だから「反戦映画」と呼ばれる所以ですが。
『クロッシング』
 北朝鮮に住む親子の物語です。妊娠中のお母さんが結核に罹る、でも北朝鮮では治療薬が手に入らない。お父さんは脱北して薬を手に入れて戻ってこようと試みる◆この映画に於いて、この家族3人誰一人として道を誤っている者はいない。「現在すべき最善手を間違わず考え実行に移している」んだ、その結果を観せてくれるのがこの映画です◆僕が個人的に嫌だなと思う創作は「キャラクタがミスチョイスをするが故に窮地に陥る」よーなストーリィです。そんなん!わざわざ作り事で教えて頂かなくても知ってるし!当たり前だよ!!って思うのよ◆馬鹿が馬鹿故に不幸だなんて映画、観て得るところはないぢゃん。“観てためになる”ものだけがいいとは言わないけど、頭のよさを存分に発揮してくれる方が痛快だし工夫だろう◆そこで『クロッシング』だ! 我が身の不幸を手を拱いて嘆いてお終いにせず、できゆたけのことをやろうと望んだ者は、この映画の家族のように行動するだろう◆つまりだから言いたいのはこれだ、「だったらどーすりゃよかったっちゅうねんっ!?」。顛末を観て悶絶して頂きたい。
『劇場版『怪談レストラン』』
 ヂャンルは「ホラー冒険ファンタヂィ」だ。ホラー+冒険+ファンタヂィて! 子供の(大人も!)好きなものの三乗ぢゃんか(足してるけど!)。子供まっしぐらなはずだよ◆監督は『感染』や『シャッター』の落合正幸だから、大人でも理屈が納得できゆルールに基づいた上で、アイテムに子供が喜ぶものを配置した形です。我々大人が子供だった時分にはあり得ない怪異や解決法のアイデワも提示される、今の子供の社会や嗜好が知れちゃウ!◆イランやタイなんかのあんまなぢみのない国の映画とか、そこまで極端に走らずとも韓国でもフランスでもいっそアメリカでも、洋画を観る時って、感情移入したキャラクタの行動規範にイワカンを感じることあるでしょ? 民族性とか社会の仕組みに違いがあるせーだ。そん時って、そーゆ環境や思考もあるのねとひとまず受け容れつつ観進めるでしょ?◆この鑑賞法は“我々大人とは時代が違う子供”に受ける世界を描いた映画にも応用できゆ。異文化に親しむように、現代の子供たちに絶大の支持を誇る児童文学『怪談レストラン』の映画化を楽しんだらよいよ。

『ゲゲゲの女房』
 映画はスクリィンに投影するすべてに責任を持つべきだ。「ガラスに映り込んだスタッフ」なんて意図に逆らった存在を赦しちゃ駄目。観客は、どこかにヒントがないかと本氣で観てる。創り手側も応えるのが誠意だ、そーゆ制御ができてない作品って信用できない◆さぁて。「ゲゲゲの〜」は新語流行語大賞だし。真多呂人形の変わり雛にも「ゲゲゲの女房人気雛」がオメミエしたし。2010年の締めくくりに相応しいでしょ、これ◆舞台は昭和30年代で、でも遠景にLEDの信号機だの巨大マンションだのが映ってる。でも認める!<あっ、上であんなこと言っておきながら、ダブルスタンダードっ!?◆内容はご存じ、「売れる前の水木しげるのビンボ生活」だ、だから演出として“妖怪”がいる。“誰とも交流を持たないキャラクタ”がふわっと映ってたらそいつは妖怪だ◆つまり「妖怪が出る映画に“現代の風景”が入り込んで、どんな不都合が?」って理屈です、「昭和30年代に出現した妖怪“平成の風景”」だと解釈すればよい!◆妖怪如きに惑わされてこの映画で観るべき真髄を見誤ることなかれプリーズ。
『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』
 相武紗季と、“友達男子”である塚本高史との物語です。当然(当然?)お互いラヴい下心が無い訳ない。でも果たしてラヴに発展するか?って状況が描かれる◆次の一歩を踏み出せないってある意味「草食系」にも通じよう、「切り替えるタイミング」が判らないんだ。本作でのパタンは“幼なぢみの間柄”なのね、そりゃきっかけが読みづらかろ◆塚本高史はイタリヤンのシェフだから、提供する料理に於いてこの「幼なぢみ」を最大限に武器にする。相武紗季の嗜好を解ってるもの。友達男子の本領発揮とはこのことだ◆そして相武紗季に自分を投影して観てるとこれが美味しそうだよ! 料理の見映えや調理の手際、喰い様などでシズル感を演出することはよくあるけど、この映画のは「相武紗季的に嬉しい」から「旨そう」だ。つまりストーリィに即したアプローチで、創作物語ならではでしょこれ!◆観ゆ前にこれ知っとくとよい。塚本高史と“ある間柄”で繋がる眞木大輔は、年齢こそ違うけどこの2人、実はリワルお誕生日が10月27日で一緒。ほほー!とかにやりん!として観れるかもよ♪(にやりん)

『ゴースト もういちど抱きしめたい』
 1990年公開の『ニューヨークの幻』の“アヂア版リメーク”です。20年も前の映画ってもはや古典だ、それがリメークされるって所謂「古典の名作」な訳で。名作を現代の日本人が観る用にアレンヂしてくざさった訳ね◆最大に価値が高いのはプロデューサが、かの『リング』『呪怨』の一瀬隆重!って点。霊障がちゃあんと半端ない(笑)。ひゃっほう! 霊験灼かとはこのことか(たぶん誤用)◆今の日本ってそんなに、みんな肉食系の恋愛とか流行ってないでしょ? 「死んだら化けて出てでも逢いに来る」とか「死んだラヴい相手にもっかい逢いたい」とかってリワリティ薄いでしょ?◆ってんで導入されたのが、ヒロインは松嶋菜々子だけど相方は韓国人俳優とゆう意訳だ。日本人同士だとそこまで想い入れ合うか?と訝しみたくなる熱いラヴも、片割れが韓国人だと認められる氣がするぢゃんね。粘着質っぽいラヴの形も文化の違いとかで受け容れられちゃうって寸法だよ、巧いこと思いついたなあ!◆そうして。是非観て頂きたいのは樹木希林と、意外や意外(笑)温水洋一ですぞ! この2人に喝采を。

『告白』
 中島哲也監督が『下妻物語』や『嫌われ松子の一生』で我々の度肝を抜いた映像表現は今や1ヂャンルを築いた(断言)。多くの邦画に引用され転用され応用されてるもん。映画好きの映画監督らが自作でも使いたくなる魅力があるんだ(たといば同様に、ほんの1作でその後の映画界に大激震を与えた作品としては『アメリ』もそうだ)◆そしてここが重要なんだけど、中島哲也監督も『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督も今はもはやその“当時”の位置にはいない。新作では進化した「次」を観せてくれる◆ってんで『告白』だ、待ってました!!◆「口八丁で人心を操る」物語です。こう巧く嵌るとすっげい小氣味いい♪ 大好き!◆そして画面的には、はぢまるやトーンが暗いと思うだろう(預言)。テーストに見合った「画面の制御」が施されているためだ。つまり「画面のフレィムにCGでお花を咲かせる」は中島哲也監督の表層的な特徴であり、その芯は「映像をテッテ的に的確に創りわげる」にこそあった訳ですね。是非しゃぼん玉や「逆回り時計」に導入された“見せる”効果を堪能されたい。

『コップ・アウト 〜刑事した奴ら〜』
 これは既に映画の一ヂャンルとして確立してるよねっ!「白人と黒人の2人組の刑事のバディムーヴィ」です。もちよんお約束として「黒人はお喋りなお調子者」だ、わはは、そうでなくっちゃ!!◆ヂャンルだから当然お客は“観たい定番”を期待して来よう。それに応えてる映画だよ。具体的にやられたー!と思ったのはブルース・ウィリスが追い求める野球カードの結末。すっげい“なぢみのある”手が応用される!のに僕は直前10秒まで読めなかった、悔しい!でも痛快なので嬉しい♪◆ブルース・ウィリスのバディの黒人刑事は“映画好き”で、取り調べ中も台詞の引用&モノマネを次々繰り出す。全部を判らなくていい。この人のアダモステみたいな顔(!)がすべてを訴え、キャラがびんびん伝わってくる◆まさにそのシーンで、曇ったマヂックミラーにブルース・ウィリスが画く落書きが!必見!! こっこここんなことする人だったのか!>ウィリス!! もしかしたらこのせーでこの映画はPG-12になってるのかも♪ でもだとしたらそりゃ思っきしやった故だ。PG-12指定はこの映画にとって勲章である。

『コララインとボタンの魔女 3D』
 大人は自由だ。自分の周囲を望むよう築き上げられる。より希望する方向に自分で生き方を決めて進める◆「だから大人になるまで我慢しろ」なんて大人の言い分だ。子供には「大人になるまで待つ」なんてあり得ない。今、ソッコーで世界が望み通りになってほしい。だから現状に不満を抱く子供が主人公だと、自分の思い通りになる世界にとんずらこく流れになる。『かいじゅうたちのいるところ』みたいに◆コララインもそう。父母に不満があり(両親に不満がない子供なんて不自然だ!)隣近所の人もみんなしょぼくれてる。そこで、部屋に開いた穴を通り、皆が自分を楽しくさせてくれる「輝いた」世界に行くんだ。でも、そこの住民はみんなお目目がボタンだよ!◆「お目目がボタン」のキャラクタはディズニィ映画『プリンセスと魔法のキス』でも出てくる。役柄は“VOODOO DOLLS”、つまり呪術に使う人形だ。きっとたぶん、アメリカ人が「目がボタン」のキャラクタを見た時にはこれをイメィヂする可能性大ぢゃ? 日本人にはない嫌悪感が「目がボタン」にはあると、先入観を抱いて観てよい♪
『ザ・ウォーカー』
 「本」を「西」へ運ぶ「男」が主人公。もう30年も歩み続けているという。舞台は所謂“滅亡後の世界”、力が支配している◆辿り着いた町の実力者が「本」を狙ってくる。「男」は「本」を護りとおしヴぢに目的地に到れるか!?◆なんだかカギカッコ大発生だ(笑)が。マスコミ関係者に配られたプレス資料には主人公の名すらも明かされず“ウォーカー”と表記されている(但し映画のエンドロールではデンゼル・ワシントン演じる主人公の役名はラインナップされているぞ、つまり未見の者に対しては伏せておきたい「理由」がある訳だ!)◆最後まで観れば、宣伝段階ではマスクした方が望ましいと判断された理由もお解り頂けよう。たといば何の本なのか。誰の本なのか。どんな本なのか。容易く予想がつく内証も含まれてるが、これらが全部明らかになると確認のためにもっかい観たくなっちゃう!はず!◆僕は個人的に、もっかい観ゆ場合には初見の時とは全然違うとこに注目しながら観たいね! 制作サイドが本当に隠したかったのはここかと舌を巻いた点をチェキりたい。まんまとしてやられたので!

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』
 「裁判の傍聴」って今や趣味として成立してる。しかしいつでも行った任意の裁判が常に人に教えたくなるくない面白い訳では、当然なかろう。つーことでネタたり得る訴訟を厳選して映画化したヨ!◆つまりまぢめに訴訟問題を採りわげた裁判映画ではない。かと言っておちょくったギャグものでもない。「フツーに開廷された裁判のうち、特徴のある、採りわげて面白がれるよーな切り口で料理・デフォルメできゆもの」を観せてくれる◆視点人物は、だから傍聴人だ。取材で沢山の裁判を傍聴しないとならないバナナマンの設楽統が主人公です◆期待どーり阿蘇山大噴火が出てくる♪ てゆーか今や阿蘇山大噴火が傍聴席にいることは事実としてあったり前だから、逆に避けた方が嘘になる訳やね(笑)◆観て思い知らさたのは、裁判官も人間だなあ、です。こんなにさまざまな裁判例を並べられると際だち読み取れるのは“裁判官の個性”だ。ああ、裁判官って誰であれ揺らがず法の番人たり得てると勘違いしてた(笑)、人の子だったと知れたのが最大の収穫でした! コメディなのにためになってしまった!!

『サロゲート』
 『アバター』の映像美って映画館の大スクリィンで観ておくべきだ! あれ、今後すべての映画を量る基準になりますから。つーことで当然『アバター』を観た人に向けて以下を書く◆本作『サロゲート』は量産型アバターの物語です。アバターってDNAが違う他人には操れない個人使いぢゃんね? それを、メカにすることで万人向けにしてる、そんな世界が舞台だ◆アバターは青くてでかくて、鼻筋が広くて、あの姿になるには抵抗もあろうが、サロゲートはいっそなりたいぞ? お金さえ払えばかっちょういい姿の自分が得られるんだ。ブルース・ウィリスなんか若くて、肌もつるっとしてて、なにより髪がある! わははそこか!!君がルックスに求める点は!!!◆故にサロゲートを操ってる人間本人が登場すると見た目に氣を遣ってないったら。サロゲートこそが「飾るべき対外的な自分」だからね。僕だってサロゲートで外出できゆんならもーダイエットなんかしないもんね! 好きなだけ太って、他人には「中身」で判断してもらうことにする! なぁんて夢の世界♪◆と認識して観て頂くと宜しいんぢゃ?

『さんかく』
 この登場人物たちの棲息域は狭い◆高岡蒼甫演じる百瀬は自分が優位に立ち、威張れる相手としかつきわわない。田畑智子演じる佳代はマルチ商法を、親友の勧誘だからと容易く信じちゃう。小野恵令奈演じる桃は、中学生とゆー若さの故だ、目の前に現れたものにだけ反応し離脱するのも当然か◆そんな視野の狭い連中の、心に痛いごたごたが綴られる。「痴話喧嘩で袂を分かつ」とか「ストーカ化する」とかね。距離を置いて観てる我々からしたらちゃんちゃら微笑ましいほどだが◆そのレヴェルなので閉塞感はない、息苦しくまではない。この勘違いの重なりって、日常的に勃発しそうなありそうさだ。すなーちリワリティが見事です。こんな絶妙な機微をよく組んだもんだ◆このバランス感覚はキャスティングに於いても冴えてるよ。ヒロインの小野恵令奈ってAKB48選抜総選挙で9468票獲って15位だった。この子が憧れている男の先輩との“親密な相手”として登場するのは31448票で見事に1位に輝いた大島優子だぜー? これって先見の明でしょ! 解って、効果を狙って配役し成功してる証左だね。
『ジェニファーズ・ボディ』
 おにゃのこムーヴィだ。みんなおにゃのこ氣分で観たらいい♪◆この手のホラーの“血塗れになって殺される被害者”って「夜の湖からトップレスで上がってくる、おっぱいにシリコンをたんまり入れたおねいちゃん」が定番でしょ?(笑) それは想定されてる観客が男性だからだ。でも本作はおにゃのこが観て楽しいよう作られてる、つー訳で被害者は男の子です(笑)◆親友のミーガン・フォックスの様子が変だ。いけてない眼鏡っ子のアマンダ・セイフライドは真相を探る!って展開です。いや、ちっともいけてなくない、むしろお話が進むにつれどんどん可愛くなる>アマンダ・セイフライド。自身をアマンダ・セイフライドに投影して観るおにゃのこのお客さん、大喜びの巻だ◆おにゃのこおにゃのこ言うのにも訳がある、脚本が『JUNO/ジュノ』のディアブロ・コディなのね。『JUNO』に敷かれてた徹底した“おにゃのこの文法”が本作にも活きてます◆なお『JUNO』にてJUNO役だったエレン・ペイジは『インセプション』でヒロインを演じているぞ。頑張ってるなあ>『JUNO』組!

『十三人の刺客』
 悪いお殿様がいる。こいつが国政に参与したら日本の危機だ、今の、一国の城主のうちに討っちゃえ♪と企んだお侍らが大名行列を襲うお話です。21世紀の日本でかくも痛快な時代劇が撮られるとは!◆三池崇史が“効果的におもろい画”に容赦せず貪欲な監督だってのは周知でしょ? 本作の映像的にアッピールするミドコロは『ヤッターマン』や『ゼブラーマン』からの流れとも言えるメカニカルな舞台装置と『殺し屋1』でも発揮されてた残虐描写だ♪ 現実では拝めないような画って観甲斐がある。是非とも、若松孝二監督の『キャタピラー』を観た人には観てほすい◆あと秀でてたのはキャラクタの造型とマッチした配役だ。「13人目」の伊勢谷友介、萌え?♪ 伊勢谷と絡む岸部一徳(!)激萌え?♪◆中でもテッテ的なヒールを演じた稲垣吾郎、チョベリ萌え?♪ SMAP仲間のきむたくが古代進を、香取慎吾が座頭市を演じた今年にこのオファを受けるとは! 稲垣吾郎偉すぐる!!◆ってゆーちゃんばらの舞台が中津川のモヨリの落合宿だよ。ヂモティの我々が観ない道理がない! わくわく観よう。

『書道ガールズ!!-わたしたちの甲子園-』
 「書道パフォーマンス甲子園」ってイヴェントがある。今年で3回目だ、その初回を高校の書道部が立ちわげる物語です。実話を題材にしてます◆観ゆ前には『ロボコン』みたいかなと予想してた。“未だ一般には認知されていない、高校生らが競う文科系の大会”がモチーフって捉えてたから。観てみたら、どっちかつったら『スウィングガールズ』に近いです、おにゃのこの友情譚込みなので◆でも『スウィングガールズ』よりか遥かにとっっつきがいいよ、「完成作品が吹き替えではない」=「俳優たちでも吹き替えを使わずに完成させ得る“なぢみ易い”難易度」のヂャンルの話だもの。自分でもやれそうって、やってみたいに至る興味の最短コースでしょ?◆他作品との比較ばっっかし書くが(笑)俳句甲子園が舞台の『恋は五・七・五!』よりかは創作過程に動きもあり、映像化に向いてる。いいことづくめぢゃん!!◆そしてメンバの中で僕の一推しは小島藤子ですよ? そう、あの、くぁwせdrftgyふじこlp;@:のふじこだ<違う!<元おはガールの「ふじこ」だ!! ふじこ可愛いよふじこ(萌え〜)。
『スイートリトルライズ』
 森博嗣は日記文学であるトコロの『MORI LOG ACADEMY』2007年7月16日付にて「同じ家に住んでいる人間の関係は、もっと各自が自由になる方向へ変化するだろう」と書いている。この後は「個人の部屋で個人のリズムで暮らすようになるものと思う。夫婦もそうなるはずだ。いずれも、同居と別居の区別は明確ではなくなる。これは、自然なことだと僕は思う」と続く◆本作の中谷美紀と大森南朋の夫婦がまさにこれだ。映画で観ると「低体温」な間柄に映る。でも端からの評価では幸せそうな夫婦って言われてる。それは端が正しいでしょ、イゴコチよさゲだもの!◆この提示だけではドラマティックぢゃないから、肉慾がここで投入される。夫婦双方とも別に所謂“草食系”の故にローギアっちゅー訳ぢゃないと示される訳だ、「低体温」は単に過ごし方の選択肢の一つなのね◆たといば真逆に、『マイレージ、マイライフ』にてジョージ・クルーニーは「高体温」∩ぢうヴん“肉食系”だけど人間関係には稀薄を望むキャラクタを演じてた。映画が提案する生き様って斯くも多様で手本たり得るんだよね。
『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』
 CBC者ならエキストラ出演している夏目みな美アナを捜すがいい。ヒントは夏目さんの2010年1月23日付のブログ「いざ本番!!」の写真だ、あんな場面になったら必死にサーチだ! いづれ出るDVDでなら停め停め捜せようけど、映画館のスクリィンはでかさがアドヴァンテイヂです、是非頑張れ!◆6年ヴいの続編だから前作を忘れちゃった人もいよう(僕のことだ!)、でも大ぢょヴ。観てけば説明してくれる、楽しむのに支障はない(もちよん前作をきっちり解って観ても当然、いい)◆そして僕的に最大のミドコロは仲里依紗だった! ゼブラクイーン萌え?(はぁと)♪ てゆーか、つくづく凄いのは三池崇史ですわ。きっとおそらく想像するに失礼ながら仲里依紗の音楽的素養って、たといば倖田來未とは比べるまでもなく下ぢゃ?と僕は思う。が。ゼブラクイーンのヴィデヨクリップってば『キューティーハニー』に於ける倖田來未のそれに、劣ってない!(個人的な感想です) 仲里依紗の素材にコスチウムとコレオグラフィと、撮り方と編集で、仕立て上げてるのだ、すげいすげいよ必見だよ!
『ソラニン』
 刹那の、青春時代の話です。こいつら先行きを一切思い悩んでない。目的もない。今現在の“快”だけを求めてる。でもそれってまさに青春だ。転んで取り返しがつくのが若さの特権でしょ?◆一番特徴的なのは仲間がみんな社会に出ている中で、一人だけ大学で留年を続けてるバンドメンバがいる。そいつがいよいよ次の春に卒業する段になり、ブルー入るんだ。なんちう!(笑)甘ちゃんか!と大人は驚愕しようけど、そんなもんだったでしょ?>自分を顧みて◆宮崎あおいは高良健吾と同棲してる。会社が嫌で辞めて花屋さんでバイトをはぢめ、やがてバンドでお歌を歌う展開になる。なんて自由か!◆どの時点ひとつとっても将来に対するふわんを抱かず、ただその時氣持ちのいいことだけを追う生活だ。これを積み重ねて生きていけたらそれは幸せだよ◆だから『ソラニン』が描いているのは理想です。ネガティヴに陰々滅々と暮らすのが高級な訳ではちっともない。てかむしろ人生って微分すると快だ、その集積で構成されてこそ人は生きていけると、教えてくれる。羨ましくあらまほしい青春をご覧じろ。
『第9地区』
 今、名古屋のマスコミの映画担当者の間でサイコーに盛りわがる話題つったら『第9地区』だ! まず「観ましたか?」と問う。重ねて「どうでした?」と嗜好を確認する◆好き嫌いがぴっちり分かれる映画、のよーだ<「あれ私駄目」と表明しておられる実例を一名知ってるので僕にしてはこの辺り慎重です。好みが分かれるって、すなーち癖があり灰汁も強い訳で、好きな人はのめり込むよ? だってピンクのブラて!あり得る?<あっ、コラッ言うなっ◆実はこの映画、内容を知らないで観て頂きたい。せーぜ「南アフリカの首都ヨハネスブルグ上空に巨大UFOが停滞した」とゆー状況(写真参照)のインプットくないで是非。何が起こりどー展開するかは観て驚いてほすい◆この映画について語りたい、でも観てない人にはばらせないつーヂレンマですね、故にまずは「観た?」から話がはぢまる。早く『第9地区』が全人類の共通認識になったらいいのにね!◆ネタがばれない程度で僕の一番好きなシーンを教えると「豚を引きつけて射ち出す」のが素敵!! 豚可哀想すぎ!(笑)<あっ、でも笑ってるよ!
『チェブラーシカ』
 前の『チェブラーシカ』が大好き! ロシヤのおにんぎょさんアニメ然とした“素朴さ”がいい!◆僕もそー思っていた。今度のチェブは、綺麗すぎるんぢゃ?と。チェブの映画の画面がクリヤでは、味わいが削がれちゃわない?◆ごめん! 全面的に撤回する!! チェブのほのぼのさは荒い画質の故ではないのだと知ったよ。よくぞこの2010年に新作を拵えて、1969年当時のテーストを保ったもんだと感動しました私◆具体的にいっこ挙げると、郵便屋がゲーナに手紙を届ける。チェブラーシカが氣にするのは、しかし手紙の内容ではなく去ってゆく郵便屋さんの方だ、「小さい子は動いている者に氣を取られる」が見事に表現されてて!◆つまり一事が万事がこー。各キャラクタの性格がテッテ的に解って創られている! 見事と言うほかはない。前のチェブが好きな人ほどきっと萌えれよう♪◆同時上映は『くまのがっこう ジャッキーとケイティ』。是非チェキって頂きたいのは、くまの子たちが各自思い思いのコスプレをする、そん中で海賊の扮装の子の台詞だ。これぞ「的を射ている」ぞ。お聞き逃しなく!
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』
 原題の直訳は「復讐」だ。復讐の物語と知って観て宜しい◆邦題に提示されているのは特徴的に主張されるアイテム群です。まず「冷たい雨」。雨が印象的に降る。てか降らせてる。意図ある雨なんだ、どう効果的に画を築くか考えてる監督なのね<大概の監督は考えていようけど活かしきってるって点でジョニー・トーは秀でてる◆さらに邦題は「銃弾」とも謳う。つまり「復讐」に当たり銃器が使用される訳だ。ここいら数々の演出も見事だったよ! 具体的にどんなシーンかは観てからのお楽しみ、ここでは使われるアイテムを教えちゃおウ♪◆「自転車」! こーゆー画がかっちょうよい。この画で訴えてくる価値がある◆「上着の銃痕」。巧いなあ。異文化だろうが言葉が通じなかろうが“解る”表現だこれ。映像で意味が伝わるって、映画のならではの真骨頂ぢゃん!◆「シール」。巧いアゲーン。映像にして映えるものが解っているならではの(以下同文)◆そして「スクラップのキューブ」!! 本作はこのシーンに於いて永遠に映画史に刻まれよう。凄まじいアイデワだから。絶対観ておくべきぢゃよ!
『東京島』
 沖縄近海の“無人島”を舞台に、流れ着いた1人の女性と22人の男との生活が描かれます。“男の中にマドンナひとり”という図式なのに「男が女性を取り合わない」ぞ。こんなリワリティって前代未聞のうろこもんだよ!◆創作ってなにかっつーとラヴをテーマに据えるでしょう? そっち方面に肉食ぢゃないと登場人物になれないでしょう? 本作では「違う指向」がちゃあんと描かれる◆木村多江演じる“唯一の女性”はぢうヴんに肉食だ。でも男連中はまさしく今流行りの“草食系”です。こーゆー極限状況で発揮される草食系は、抽象され、途轍もなく解り易いデフォルメで訴えてくるよ◆こいつら「面倒は嫌い」なんだ。たった一人の女性を取り合って争うのはヤだ。それくないなら氣の合う男同士で布でも染めてた方が楽しいよ♪って指向ですね◆もちよん巧く設定されていて、木村多江が男連中よりビミョーに年齢が高い。「無理して取り合うほどの女かあ?」が演出されてる。よくぞ木村多江はこんな役を受けたものだ(笑)◆でもだから故にすげい説得力である。草食系男子の言い分が学べちゃう。
『ナイト&デイ』
 僕は『トイ・ストーリー3』より前座の6分間のアニメ『デイ&ナイト』の方が好きよ。あれを誉めないなんてみんな解ってない!!◆『ナイト&デイ』も佳い!! こーも似たタイトルの映画が同時期に佳いって、共時性?<たぶん違う◆『ナイト&デイ』の方はkのつくknightです、お間違いなきよう!(実は僕は全部観終わり、エンドロール前に出たタイトルで知った!<遅!<だって邦題が片仮名なんだもの?)◆ナニモノかの組織に狙われてるトム・クルーズと、内通しているのでは?と疑われたキャメロン・ディアスが、トムに護られまくる話だ。つまりknightってトムのことです。そもそもあんたのせー、でもその護りっぷりがすげいからそりゃあknightにもなろう、つー訳◆そして「護りっぷり」表現の演出が秀でてる。「略しちゃう」(!)んだ。映像でのミセドコロを抛棄して、しかしおにゃのこには安心感を。メンズには女性扱いの理想を、訴えること必至♪◆夏に地下鉄栄駅に張られてたポスタのコピィに曰く「極上のデートムービー」とのことぢゃが、まさにそうだ。ラヴい相手と一緒に観て吉!
『パーマネント野ばら』
 昨年公開の映画『女の子ものがたり』でも描かれてた「いつものサイバラ調」だ。“しょぼくれた町から離れるに離れられない、だめんずうぉ?か?な女性たち”のお話です◆今回の主人公たちおにゃのこ3人の世代設定は所謂アラサァって辺り。菅野美穂は子連れの出戻り、小池栄子はフィリピンパブのママ、池脇千鶴は暴力男の間を転々とする、選球眼に難のある女性◆実写になることでサイバラの絵柄ではデフォルメに紛れてスルーしてしまっていた「状況」を認識することができた。この女性たちってみぃんな、肉食系だったか! アラサァにしてなお、まだ、「盛ん」だ。だからが故に「町を出られないような駄目男」しかいない環境下では“駄目”のデフレスパイラルが加速しちゃう仕組みだった訳ね!◆そして。クライマックスで思い知った。単に下品なおばはんとしか映らなかったパーマネント野ばらの客たちが、こんな慈しみを秘めていたなんて!! 同じ土地で同じように生きてきた女性同士ならではの「理解」と「庇護」が菅野美穂に向けて発動する、つーかしてたことが判明するよ。震えて観よ。

『パラノーマル・アクティビティ』
 本作に関して伝え聞く噂は凄まじい称賛だ。ちらしに曰く〈$15,000で制作され限定12館、しかもレイトショー公開でスタートした作品が公開5週目にして全米1位を獲得〉、〈北米はドリームワークスが権利を取得しリメイクした作品を劇場公開するつもりだったが、最高経営者たちが本編を鑑賞し「これ以上の作品を作ることはできない」とリメイク化を諦め〉等々◆“カップルが住んでる家に起こる超常現象を解明しようとカメラをまあした”って体だからカップルで観ゆと真に迫れる、かも!◆こーゆー映画を観ゆとつくづく解る、こあいのは「正体不明」ではない。正体不明で引っ張るホラーは所謂「出落ち」と一緒だ。インパクトこそあっても、枯れ尾花であることが暴露されるや幽霊はこあくなくなっちゃうでしょう?◆本作の怖さは「意味不明」です。パートナの行動で解らないシーンがあって、怖いぞう!(ふる!ふる!) 今思い出してもこあい。この映画を観たその晩に、是非お布団に入ってから思い出してみて頂きたい。「後で思い出してこあい」ホラーが真に出来のいい、こあいホラーだ。

『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1』
 長きに亘った物語もいよいよ最終章、佳境だから、ハリーもロンもハーマイオニーも学校行ってる場合ぢゃない。授業風景なんてみぢんも出てこない。前話からの懸案の「分霊箱」捜しと、追っ手からの逃走に専心せねばなんない。ホグワーツ魔法学校ファンには申し訳ないけど“やること”が絞り込まれ枝葉が削げ落とされてる分、受け容れ易く観られました◆もいっこ削がれてスリムに、シャープになってたことがある。今回のお話の割りと最初の方で、集合していた騎士団絡みの魔法使いたちは襲撃を受け散り散りばらばらに分断される。それ以降はもう、ほぼ延々ハリー&ハーマイオニー&ロンの3人旅だ◆ひとエピソードごとそのシーンごとにあたかもゲストキャラのように他人が関わってきては場面転換とともにチェンヂしていく。コーナごと、キャラクタごとに見せ場を作り切り替えてゆくこの語り口だと解り易く、集中力が持続できゆっつー寸法ですな◆そう分けた時、僕のいち推しはステファン・ロードリが演じる“人物”の登場シーン全部だ! サスペンスフルな中にあって一服の清涼剤でしたぜ?

『パンドラム』
 「主人公が自分の立ち位置を認識してない。それを(観客と一緒に)解明していく」ではぢまるお話です。『プレデターズ』や『[リミット]』もこの類だ、状況把握のために探索する藻掻きや焦りは、我がことのように観客に訴えてくる◆冒頭で主人公は冷凍睡眠から目覚める。「冷凍睡眠明けには、きよくに障害がみられる」との理由の故に、いる場所もすべきことも解らない、まず出口を捜そうと行動に移る◆この時点でこの話がどっちに転がるか観客にはまったく見当もつかない。ただ登場人物の選択を頑張れ!頑張れ!!と応援しつつ観るのだ◆やがて「乗り込んでいる宇宙船の原子炉」を目指すとゆう目的、目標が定まってくる。ミッションが決まれば次に出てくるのは障害と仲間(!)だ。ダンヂョンものかと思ってたら一氣にRPG色を帯びてくるぞ。当然SFがベースでアクションも観れるしね◆物語が軌道に乗ったら“過去のこと”を思い出してくれてOK、もう我々には心の準備が整ってる。次々アキラカになる「謎」を主人公とともに驚き受け容れ、我がことのように応援し続けて、楽しもうよ♪
『ヒーローショー』
 井筒監督のヴァイオレンス映画の売り(のいっこ)は「地味に痛い」だ。それが観たくて観る!◆たといば。どーせフィクションなら「あり得ない」画を!と望む客は『鉄男 THE BULLET MAN』とか『アイアンマン2』とか観たらいい<両方とも鉄人だ! 「嘘んこ」を武器としデホルメを施した破壊表現で、氣持ちよい衝撃を提供してくれるぜ?◆井筒作品は真逆に「地に足が着いたヴァイオレンス」を描く。「刀で斬られて死ぬ場面でも出血が表現されない時代劇」が横行する映画界に於いて『ヒーローショー』は「たかが金属バットで頭をどついたくらいで人が死ぬ」よ?◆そう、今「たかが」って書いたのはデホルメに麻痺しきった脳だ。人は実際「そんなこと」で死ぬから。さらに井筒はこの暴力沙汰をそこいらにいるよーなちんぴらのお兄ちゃんに行わせる。そんな巻き込まれかねないヴァイオレンスって、痛いよ!◆蕾のままで夢を見ていたいのに。破壊衝動は自分に累が及ばないとこで発散してほしいのに。でも「ヴァイオレンスに伴う痛み」を描き込むこのスタンスって誠実だし、観たいです、私。

『ヒックとドラゴン』
 「ドラゴンに乗る」映画って大流行だって知ってた? 『アバター』でも赤いでかい奴に乗ってたでしょ! 『アデル』でも翼竜に乗るでしょ? 今やトレンドだ◆そこへきて、本作の原題は“HOW TO TRAIN YOUR DRAGON”だ。直球ぢゃんね!! 決定版とはこのことだ(きゃっほう)◆ヒックはヴァイキングの少年。村の皆は襲い来るドラゴンの大群と戦闘中だ。ま、ヴァイキングつってもヴァイキング的な活動が描かれることはなくって。“「力」が一人前であることの判断基準だとされている社会”を象徴してるってくらいで捉えてもらうと宜しい◆そんな環境でドラゴンをトレイニングする物語です。さすが原題で謳うだけあって、このくないの苦労や工夫や発案や努力って必須だよね!と思わせる説得力で習得の顛末が描かれるぞ。容易く乗りこなしてた『アバター』や『アデル』がいかにデフォルメして端折ってたかが判ろう◆なにより美麗なのはドラゴンのデザインです。この絵柄のをこんなふうに飛ばせたら、動かせたら、絵描き冥利に尽きる!と思わせる秀逸さでした。この飛び様ってこの夏必見!

『ビッグ・バグズ・パニック』
 親父だ。親父がミドコロだ。親父をオタノシミニ!◆日本経済新聞2009年12月4日付夕刊の映画評欄「シネマ万華鏡」でこの作品は★★★★★(=今年有数の傑作)を獲っていた!!!!! 他のメディワが軒並み“でかい虫が襲ってくるアホバカ映画”扱いしてる中で! 我が「招福!きねま猫」は当然日経新聞に与するからね♪◆主人公は駄目男だ。こーゆー奴がパニック状況下で思わぬ力を発揮するパタン、あるよね?◆発揮しない!(ズバッ!) 「それなり」どまりだ。それなりでも巨大昆虫は襲ってくる訳でやるべきことは決まってくる、対応してれば観られるストーリィに勝手になっていく◆ここまでなら並のパニック映画だ。そこへ、冒頭に書いた飛び道具である親父が投入される。こいつすげえ!! 映画を沢山観てて好きな者ほど親父の造型の妙に痺れる。むづかしい喩えをすると『炎の転校生』の伊吹一番を彷彿させるね◆もう一点のミドコロは本編終了前の10秒間。この余韻を否定するのは『ローマの休日』の後日談が観たいとゆう野暮に等しいぞ◆これら二点に於いて僕も★★★★★をあげますよ!

『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 〜http://鷹の爪.jp は永遠に〜』
 CBCのラヂヨスタヂヨのフロワには映画のちらしが置いてある(って僕が置くんだが)。こないだアナウンサの澤さんが本作のちらしを持ってったヨ! きっと観る氣? もしかしたら「サワっていいとも!」で紹介されるかも。要エヤチェキ!!◆今回のヒロイン、ジュリエット役の声優は川村ゆきえだ。『吸血少女対少女フランケン』であんなにカワユスの極みだった川村ゆきえがフラッシュアニメの絵に声を当ててるなんて! なんて贅沢!! もちよん僕は絵柄の向こうに川村ゆきえの顔を想像しつつ観た! 激萌え〜♪◆「バジェットゲージ・システム」も健在だ。スポンサの商品名を連呼し予算を貯め、クライマックスの3DCGに一氣にお金を注ぎ込む! 本作の3DCGパートの演出は『ALWAYS 三丁目の夕日』や『BALLAD 名もなき恋のうた』の白組! 白組描く「博士の動く城」が登場すると背景までもがリワルになり無駄に贅沢!◆さらにサブプライム問題の画期的な解決法(とゆう実は赤字減らし)も示される。『キャピタリズム』にて金融問題を訴えたマイケル・ムーアもご照覧あれまほし!
『プレシャス』
 僕的には本来そんなにアカデミィ賞は信じてないのね、あれってアメリカの映画人が決める賞だからアメリカンなフィルタが掛かってる訳だし。日本人が参考にするんならばアカデミィ賞よりか「招福!きねま猫」の方が絶対に役に立つヨ!◆そんなアカデミィ軽視の僕も、ああ、良質な映画を選ぶことあんぢゃんと認めることがある。今年の助演女優賞と脚色賞を獲った『プレシャス』がそーだ。あとサンドラ・ブロックが主演女優賞を受賞した『しあわせの隠れ場所』も。この2作に共通するのは「不遇な者には手が差し伸べられるべき」と説いている点です◆『プレシャス』の主人公、その名もプレシャスの家庭環境は劣悪で悲惨だ。父親には強姦されて身籠る、母親には「男を盗った」と暴力を振るわれる◆「問題が山積した現状を打破したい」と括れば先週紹介した『クロッシング』と骨組みは一緒、だが『プレシャス』の世界は『クロッシング』よりかよっぽどまんざらでもない。「人が信じられる」社会が舞台だから◆このテーマの映画を支持したって、アカデミィ賞だってまんざらでもない訳ぢゃんね!
『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
 銀杏BOYSの歌手である峯田和伸が演じる主人公、田西敏行は情けない◆情けなさにもいろいろあるが田西のは“恥ずかしい”情けなさだ。こんな目に遭いたくない、特に人前で、もっと特に好きなおにゃのこの前で。本当に、居たたまれまいと思うことが次々降りかかる。観客が田西に自己を投影して観てたらつくづく耐え難かろう◆救いがまったくない話ではない。最大に力となるのは上司だ、俳優名でいうとリリー・フランキーと小林薫だ。ま、この2人にバックワップされちゃ逆に逃げられないとこに追いやられる訳だがな!(ぎゃっ)◆そして。逆に田西の情けなさに拍車を掛けるのはマドンナである、黒川芽以演じる植村ちはるだ>但し終わってから振り返ってみると解るが、ちはるはその時々の自分の心に反することはいっっさいしてない。この映画の中で最も裏表のないキャラクタのひとりです、チェキ!◆もひとつ、田西の情けなさのヴィヂュワル的な象徴となっているのが「洟」(!!)だ。この、洟を自在に操るとゆう一点に於いて、田西役に峯田和伸をキャスティングしたのは大正解だったよ!
『真幸くあらば』
 「真幸くあらば」ってのは万葉集の有馬皇子の歌からの引用です◆監督は「御徒町凧」と書いて「おかちまち・かいと」と読む。森山直太朗のほとんどの楽曲を作詩している詩人で、その森山直太朗は本作の音楽監督でテーマ曲とエンディング曲を歌ってます。情報話休題◆設定は「獄中の死刑囚の面会にそれまで面識のなかった女性が訪れ、徐々に心を通わせていく」だ。このパタンってこれまでに小池栄子主演の『接吻』とかキム・ギドク監督の『ブレス』にあった。だから物珍しさぢゃなく物語の展開する方向にこそ興味が湧く◆僕的には「こーきたか!」と思いましたね! ヒントはR15+指定だ、オタノシミニ?♪◆要所要所に“景色”が多用される映画でした、石森章太郎の『マンガ家入門』とゆう本でも推奨されていたテクでしょう。つまり表現手段に於いて暗喩とか隠喩とか運輸とかが施されている(運輸はないな)と考えられる訳だ。そーすると。尾野真千子を正面から捉えたラストがすごく重要になるよ? 表情と背景の音に、先を予感させる意味がある(と僕は思ったけどみんなはどうかな?)。

『マチェーテ』
 主人公は強面のメキシカンの捜査官。妻と娘を殺され、舞台はその3年後のアメリカはテキサス州に移る。不法移民跋扈する町でさらなる罠と復讐のアクションがはぢまる!ってお話です◆主人公マチェーテは傷だらけのあばた面おやぢで、はっきりと見た目のとっつきは悪い(笑)。あと不法入国問題などの“アメリカ人にとっての常識”、知っておくべき下地が要るんぢゃ?とふわんが過ぎる。しかし◆タランティーノ製作×ロバート・ロドリゲス監督の映画に難解だの解りづらいだのはない!! 前面に押し出されるのは痛快と面白ですよ◆「どーせ敵の撃つ弾に主人公は当たらない」んならそれをテッテーする。「撃たれて死んだら勿体ないキャラ」には配慮(!)が施される。映画好きが観たい期待を叶えてこそのロドリゲス作品だ♪◆そもそもこれ、知る映画ファンぞ知る、かの「グラインドハウス」の冒頭に流された“嘘んこ”の映画予告編の映画化だもの! 「決め」の画や「あらまほしい」恰好よさが先に存在してて、それを成立させるために構成され創られた映画だ、企画の時点で愉快極まりないよ!
『ミックマック』
 みんな『アメリ』大好きでしょう? そのジャン=ピエール・ジュネ監督の新作だよ。期待し過ぎてもOK◆『アメリ』は人を幸せにしようと企むおにゃのこ本人が幸せになる物語だ。この「企み=作戦」が痛快に愉快♪◆そんなアメリが一回だけ、作戦を「仕返し」つーか「腹いせ」つーかむかつく奴に天誅を下す!方向で発動する。八百屋のコリニヨンの部屋に忍び込んで各種いたづらを仕掛ける顛末ですね、『ミックマック』はその箇所の拡大強調テッテー凝った版だ♪ フランス語の“micmac”って「いたづら」って意味だしね◆どーしてミックマックを目論むに至ったか。ターゲットは誰で、協力者たちはどんな連中で、主人公のキャラクタは?などなどなどは、映画を観てのお楽しみ!◆ミックマックのやり方たるや、もちよん直接手を下しちゃ野暮だ。濃い、濃ゆういキャラクタたちがよってたかって手分けして共謀する訳で、つまりこれって人間を装置に組み込んだ「ピタゴラスウィッチ」だと思って頂くとよい! みんな、ピタゴラスウィッチ大好きでしょう!? 大好きの二乗以上が観られるよん♪
『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』
 原作の漫画では、ライアーゲームの参加者には外見に準じた呼び名がつけられてる。「ヤンジャン」とか「ショートボブ」とかね。でも。映画である本作は苗字や名前で呼んでるよ! 実在の役者が演じた時点で、キャラクタを特定するのは“演じている役者”になるからだろう。つまりあだ名をつけるとしたら「関めぐみ」や「濱田マリ」になる訳だ、“顔がその俳優と似てる”(!)からね◆「ライアーゲーム」は、ゲームの勝者が大金を得、敗者は巨額の借金を負うゲームです。ルールは単純だけど心理戦が肝なんだ、だから『カイジ』でやってたゲームのいっこをクローズワップし、より緻密且つスリリングに展開させた、と思って頂くと宜しい。人の考えそうなことを察、あるいは誘導し、勝ちを獲りにいく◆加えて。今回は「ライアー=嘘つき=口八丁の騙し」と「発き」もさることながら、面白さの肝は「説得術」だ! 信じられる味方をいかに殖やすかつーカケヒキですな。この流れって和風『十二人の怒れる男』ではっ!?◆『カイジ』+『十二人の怒れる男』って!!面白さ保障されてるっしょコレ!?

『乱暴と待機』
 世間から隔絶したよな生活を営む浅野忠信と美波の住む長屋に、山田孝之と小池栄子の夫婦が越してくる。フツーの神経なら浅野・美波ペワにちょっかいは出さないだろうが関わっちゃうのが山田・小池ペワの“ビミョーに外れ者”たる所以だ。つまり展開するすべては一般社会から乖離している◆自分が好きになった男はみんな美波に取られる、ってんで小池栄子は美波を赦さない。どのくない赦さないかを最大に的確に表現するアイテムが「自転車」です。自転車をこー使うとは!考えても実社会でやる奴はいまい、乖離の故ですね。そしてこの導入に拠り、双方の性格と間柄と心境を一瞬で表しきってるよ。映像の持つ効果を解ってるなあ!◆他者と関わりを断ちたい美波は「男性と距離を置く」目的で髪は括ってオサゲにし眼鏡を掛け常時ヂャーヂ姿で過ごす道を選んでる。ところがそんでも惹かれる男は惹かれる、って立ち位置だ◆そしてもちよん「男性とのカンケーを避けたがってる」、且つ「でも逆に萌え対象になり得ている」の両方をヴィヂュワルで見せてくれる! 解ってる映画だなあ(つくづく)!!
『レポゼッション・メン』
 原作・脚本のエリック・ガルシアの発想の元は「アメリカで自宅を持つといっても実際の所有権は銀行にあり、ローンを払い続けるか、さもなくば取りわげられるって人が多い状況」だそう。この“自宅”を“人工臓器”に置き換えた物語が『レポゼッション・メン』だ。わ。解り易い!◆もし『キャピタリズム?マネーは踊る?』を観てなかったらサブプライムローン問題なんてゆー遠く海外の出来事を僕は一切認識せずにいたぞ? 映画ってためになるなあ◆マイケル・ムーア話休題◆だから、人工臓器のローンの支払いが滞るとジュード・ロウが取り立てに来る。具体的には生きてるユーザから人工臓器を抜いちゃう。わははわははは! 愉快∩痛快♪◆“観て面白い画”を提供してくれるんだ。のみならず!こんな仕事に就いてるジュード・ロウが安寧に済むはずがないと予想する、その期待も裏切りませんよ? “観たい展開”を観せてくれる!! ラストに至るまで!◆観たい期待って所謂「定番」だ、それにテッテ的に応えつつレヴェルを保つって、すげい。エンタテインメントの鑑と言えよう娯楽作だよ。
『私の優しくない先輩』
 「クサくてウザくてキモい」先輩であるはんにゃの金田が川島海荷に要らんちょっかいを出すカルピスウォータのCM、観たことあるでしょ? あれ、この映画との〈共同企画〉だ、あの間柄が102分に亘って展開するよ!!◆こんなん若い子ならずとも大好きだ。保証する!◆川島海荷が片想いをしていると知った金田は、恋を成就させてやろうと節介を焼く。“はんにゃ”金田ならこんなふーに「熱い」だろうと予想する、その期待を裏切らない鬱陶しさを発揮します◆もちよん川島海荷もそのノリに対抗できゆリワクションを見せるぞ。途中で止まるでんぐり返し!必見だよ!(萌え?♪)◆原作はかの、仲里依紗をヒロインに据えた『ちーちゃんは悠久の向こう』の日日日だ、だから若向けコメディの体を採りつつもオフザケだけでは解決できない問題を発生させる。ハイテンションを封じられた金田がそこで見せるは「人間味」(笑)だ、お調子者はこれを鑑とするがいい◆そして本編終了後のラストはもっかいやり放題にハッピィ!! エンドテーマが川島海荷の歌う『MajiでKoiする5秒前』だぜ♪ 必聴すぎ!!
アルファベット
『GAMER』
 2002年の映画『ハロウィン:レザレクション』は名作だ。殺人鬼が廃屋の中で学生たちを次々と襲う。その模様を監視カメラで観てる連中が屋敷内の仲間にケータイで指示するんだ、隣の部屋まで殺人鬼が来てるぞ!とかベランダに逃げろ!とか。生きた人間を操作し逃がす様はゲームをやってるかのよー♪◆『GAMER』の舞台はまさに「生身の人間をキャラクタとして動かすオンラインゲーム」が世界的に大流行してる近未来。操る側はおもろいに決まってる◆駒の側の理屈は、「自分では選ばないような衣裳や行動を採る」のって「人生を人任せにする」訳で、興味深くてある意味魅力的だって! さらに駒にはキャストとしてお金が支払われる。どこから不満が出よう!?◆擬似社会生活を送らせるゲーム以外にバトルゲームもある。「生身の人間を操って殺し合いをする」んだ。こっちも近未来の人が納得する(笑)よな筋が通してあるよ◆でも安定感がありすぎではお話にはならない。事件を起こすために、ほつれとゆーか陰謀が加味してあるのね。惜っしいなあ! 折角の夢みたいな理想社会なのになあ!!

『Ricky リッキー』
 オゾンの映画で2010年を締めくくれるなんて!ファンタヂックすぎる!!◆赤ちゃんの背中に翼が生えてくる話だ。クリスマス当日に公開になるに相応しい物語だと思いませんこと?◆もちよん癖のある(笑)オゾンだけに、そこにリワリズムが導入されてる。ちょっと明かすと、生えかけの翼って手羽先みたいだよ?◆「赤ちゃんに翼が生える」夢と現実を描いてる訳で、夢パートを担うのは赤ん坊リッキーのおねいちゃんリザだ。作り物の羽根を着けフェワリィみたいな扮装を披露する。そうそう、みんな観たいのはこっちだよね♪ 片やリワルに翼が生えるリッキーには綺麗で済まされない負担が発生する仕組みです◆やがて訪れるラストは、しかしながらもう一度ファンタヂィに帰結させてるよ。これぞオゾンならではのハッピィエンドでしょ?◆そして年明けは1月8日にセンチュリーシネマで公開になるオゾンの『しあわせの雨傘』を観たらいい。赤いヂャーヂ姿でヂョギングするドヌーヴが日本でいったら松坂慶子みたいでチョー好感だ♪ オゾンの映画で2011年を迎えれるなんて!スタイリッシュすぎる!!
数字
『9〈ナイン〉〜9番目の奇妙な人形〜』
 デザインだ、本作のデザインに驚嘆せよ!◆右の写真でお解り頂けよう。こんな、お人形さんがいのいて所謂“冒険”をする映画です。胸にファスナが付いた奴が9、主人公だ◆目の、瞳の仕組みに、もちよん当然導入されておかしくない絞りの理屈が、解り易く用いられててとても素敵。こーゆー細かく凝った設定が、楽しく感じる人にはたまらなく魅力となろう◆「舞台」のデザインも秀でている。『カリ城』が好きな人だったら絶対に萌えることうけわいの場が観れるよ、乞うご期待♪◆しかし。観て頂きたい「デザイン」は外観の造型のみに留まってない。ストーリィのデザインも巧みだから!◆物語は9が造られ、目覚めるとこからはぢまる。9は、自分が何者であるか、ここがどこでどんな世界かを認識できてない。主人公が≒映画を観てる客と同じ立場なんだ。9は状況を解明しつつ、順繰りに降り掛かる「すべきこと」をこなしてゆく◆この“すべき”衝動の選択が、まったくスムースにリーズナブルですよ? よく巧くイヴェントを組んだもんだ、そのデザインまでもが秀でている!のを観られたし。

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