素直クール

クーと男は夫婦 29

スレ 素直クールでエロパロPART15
No >>129〜>>130
日時 2011/11/12(土) 02:35:54
本文 暗闇の中、ふと目が覚めた。
蛍光塗料で浮ぶ時計の針は深夜を示していた。
ぼやけた頭が何かを感じ、考える。
自分は部屋の寝床に居る。
カタカタと窓枠を冷たい風がたまに鳴らしている。
昼に干した蒲団は温かく、この部屋唯一の暖房機能を発揮している。
まだこの温もりの中にいたい。
横向きの姿勢から仰向きになろうとして止まる。
背に何かある。いや、何かいる。
そのうえ横腹に何か乗っている事に気付いた。
背後に意識する。
すると寝息らしきものが聞こえる。
横腹のこれは腕だろう。
そして多分、まず間違いなくこの人は…
確認すべく蒲団の外に転がり出る。
「寒っ!」
温度差にすぐさま安住の地に戻るがその人と相対する状態になる。
その人はやっぱりクーだった。
何故ここにそれも蒲団に入りこんでいるのか。
その理由を聞こうと起そうかと腕を上げてちらりと見えた。
クーの綺麗な肌と肩口、そして白く細い物。
服、シャツは確認できなかった。
ということは下着のみ…これは起せない。
起さないのも問題を後送りするだけだが寒い部屋で言い合うのも勘弁したい。
寝よう。
疲れてるから今は寝たい。
見なかった事にしよう。
目を瞑るといい香りがしてきた。
化粧品とかではない微かな悪くない何かの匂い。
クーの匂いか。
目を開ける。
静かな寝息を立てて寝るクーがいる。
睫毛はそこまで長くないがしっかりとわかる。
寝顔はクールな感じが薄れるようだ。
あの意志の強い瞳が大きな要素なのだろう。
ん?額の生え際近くになにかの痕があるような…
手で髪を少し除けてみると小さくはなっているが少し傷痕があるように見える。
子供時にでも傷つけたのかな?
なんだろう、なんでそう思うのだろう。
「…見るなら他の所があるのだが?」
思案していると声が聞こえた。
「あぁ、ごめん、クー」
「いや、気になるのなら構わない。傷物の女ですまないが」
クーが苦笑した気がする。
クーの前髪を上げて、多分ここだと思う辺りに口付けをする。
髪を触っている時は硬直していたクーの体が弛緩した気がする。
なんでこんな事をしたかわからない。
とりあえず間が持たないので背を向けようとしたらクーが体を掴んだ。
クーは無言だ。
そっとクーを腕で胸元に引き寄せる。
まだ寒いし、眠い。
人肌は温かく、クーの匂いは眠り易い。
起きたらとりあえずクーに聞く事が有る。
それだけは忘れずに意識を手放した。







解説 クーと男は夫婦の結婚前のそこら辺の話。

仮タイトルは「変な状況」