素直クール

仮称)椿舞と武智 11

スレ 素直クールでエロパロPART14
No >>636〜>>639
日時 2011/05/19(木) 02:58:31
本文 春の暖かな日差しの縁側に2人座っている。
1人は小学生ぐらいの女の子。
もう1人は
その横に和装して座布団にちんまりと座っている小柄な淑女?

「それでね、お父さんもお母さんも仲が良いのはわかるけど娘の前でいちゃつくのもそろそろ控えて欲しいかなぁ」
腕を組んで溜息をつく小学生。
「仲が良い事はいいじゃないか」
「仲が良いのは良いのよ、お婆ちゃん。でもねぇ、わざわざ言わなくてもいいと思うのよ」
「あの子がわざわざ言うかねぇ?」
小学生の祖母である小柄な丸眼鏡の淑女は不思議そうな顔をして問う。 
「言ってるよ!いつもは口より行動のお母さんが昨日の夜も『なかがいい』ってお母さんが叫んでたし」
「何処で?」
「トイレに行く時に廊下で聞こえたもん」
淑女は少しの間の後、ぽむっと手を叩き合点がいったような顔をする。
「それは仲が良い話だね。まぁ直に良い事があるかもしれないねぇ」
「どんな?」
「前々から欲しいと言っていたもの」
「おっぱい?!」
「それはどうかねぇ」
孫娘の即答に淑女は苦笑いをする。
「おっぱいがいいなぁ〜お母さんは残念だけどお婆ちゃんぐらいあればなぁ」
まっ平らな胸を両手で擦りつつ祖母の胸元を見る小学生。
「こればかりは成長次第だからねぇ…あの子も樹もその分が上にいったのだろうねぇ」
「樹ちゃんもすらっとしていて綺麗だけど…うう、おっぱいと身長の両方が欲しい」
「ないと困るものでもないと思うがね。経験者としては」
「でもお婆ちゃんにはおっぱいあるしお爺ちゃんがいたじゃん!」
淑女は熱心な孫娘を見つめて考える。そして1つの答に辿り着く。
「彼氏が…欲しいのかね?」
「!!」
孫娘の表情で淑女は答えが当たった事を知る。
「やはりなくてもどうにかなるものだよ、経験者としては。
 樹には隼人がいたし、あの難物の我が娘ですら相手を見つけたし。
 いずれ貴女にも伴侶、いい相手と巡り会える」
「樹ちゃんと隼人おじちゃん、お母さんとお父さん…お爺ちゃんはおっぱいで?」
「胸、というわけでもなし、そうでもあったり…どうだったかねぇ」
「ねぇねぇ、お爺ちゃんとはどうやって出会ったの?」
「出会い?それは私がまだ文筆をやっていて、あの人が編集者だった…」
祖母は孫娘に自分と伴侶の出会いからを語り始めた。
夕刻に近い頃合。
「さ、今日はこれぐらいにしようかね」
「凄かったね!!」
「好評だった様で嬉しいね」
喜ぶ孫娘に微笑返しを祖母はする。
「じゃあ帰るね。多分、帰ったらまたお父さんにくっ付いてるだろうけど」
縁側から庭に降りランドセルを娘は背負う。
「ほんと、お父さんが仕事に行ってなければずっと横にいるんだもんなぁ」
呆れた顔をする孫娘に苦笑いする祖母。
「お婆ちゃんはお爺ちゃんと一緒にいたくないの?」
「そりゃ、一緒にいれるものならいたいよ」
「寂しくない?」
「おじいさんは遠い所にいるからね…なに、直に会えるから寂しくもないさ」
2人の視線は額に入った写真に向けられている。
写真の中の淑女の横には優しい顔をした背の高い人物が立っていた。
「さ、気をつけて帰りなさい」
「はーい。じゃ、お婆ちゃん、さようなら〜」
どんっ
手を振りながら駆け出す娘は何者かにぶつかる。
しかし倒れる寸でのところでその何者かに持ち上げられる。
「おっと、大丈夫かい?」
「あ、お爺ちゃん!」
「お帰り、公保くん」
「ただいまです、智さん」

「と、いう夢を見たんだよ」
「はぁ」
武智は椿の語りを聴き終ってこうとしか返事が出来なかった。
聴き間違えでなければ自分は目の前の人と結婚して娘と孫娘がいる設定になっている。
「正夢、既視感とかになるといい話だが1つ問題があるのだよ」
一本指を立てて椿は言う。
「問題、ですか?」
「時に武智君、君は1人かね?」
「はい?」
「君は1人かと」
「えぇっと…独身ですが」
「それは知っている」
「あぁ、一人っ子ではないです。姉がいます」
「姉?おねぇさんがいるのか」
椅子から降りんばかりに椿は武智に寄る。
「は、はい。1人ですが。もぅ結婚して子供もいますけどね」
「むぅ、そうか」
腕を組み仰ぐ椿。
「武智智…たけちち…江藤…公保…」
「?」
なにやら念仏の様に言っている椿に武智は不思議な顔をする。
「入り婿に興味はないかね?」
「いったい、なんの話で?」
「性急過ぎるか…しかし代々家を護る重要性…この際…樹辺りに押し付けてでも…」
「先生?」
またもや念仏を唱える椿に触れ様とした瞬間、
「よし!」
椿は椅子から降りて立つ。
「挨拶に行こう!」
「はい?」
「今日はこれで直帰で用は無いはずだね?」
にっこりと笑いながら見上げる椿に武智はなにやら嫌な予感がする。
「用はないと言えばないですが…」
「じゃあ急いで支度するので実家に電話をしてくれたまえ」
「へ?」
「今回は取り急ぎという奴で改めてまた行くので挨拶程度で…」
クローゼットの方へ向う椿を武智は追う。
「ちょ、ちょっと、椿先生?いったい、何を?」
「武智くんの御両親に挨拶をしに」
「何故に?」
スーツやドレスなどを選ぶ手を止め武智に椿は向う。
「それは武智くんをお婿さんに下さいって言いに行く為さ」
「ゑ?」
「いやぁ、我が家にと考えはしたのだが、あまり私も行きたくないし、武智くんも大変だろうしなぁ…」
驚く武智にぽりぽりと頬を掻きながら椿は苦笑いをする。
「ちょ、ちょっと待ってください。だからと言っていきなり…」
言葉を遮る様にぎゅっと武智に椿が抱き着く。
そして見上げながら言う。
「武智くんは年上のちんまいのは嫌い?」
「き、嫌いじゃないですよ」
「好き?」
「す、好きですよ」
「愛してる?」
「愛してます!」
「そう…」
「そうです!」
「じゃあ…」
「じゃあ?」
「急いで行こか!」
満面の笑みで椿はぱっと離れ、クローゼット戻って行った。
(嵌められたぁぁぁぁ!!)

<おわり>







解説 最終話。
一応これでこのシリーズがスレにアップすることはない予定。
いろいろ脇のキャラが出ている割に
椿の孫娘と娘の名前が決定できなかったので面倒だった。
終らせる事が目的で書いてるので出来はあまり良くない。
かといって椿の実家の話はスレ違いだからなぁ…長いし。