記者がその連絡を受けたのはあるたおやかな午後のことだった…
「3巻FILE-1にP20に記されている『ラ・ノア』とは実在するのか?」*1
…そう! これは全くの盲点だった! 実はこのページに記されている桜木高見嬢食する「ラ・ノアの抹茶ケーキ」だが、YOUNG KING OURS連載時は「サン・ジェールの抹茶ケーキ」だったのである。この「サン・ジェール」だが奈良県と目される桜木高見嬢の故郷(GEOBREEDERS 趣味の部屋参照)において、高見嬢の先輩に当たる高乃嬢が二箱、「サン・ジェールの抹茶ケーキ」と称するものを受け取っている。何故単行本収録時に書き換えられたのか? あるいはこのラ・ノア及びサン・ジェールなるケーキ屋は実在しているのか!? 神楽総合警備の食糧事情を調査することであるいは神楽の実体に近づけるかもしれない、そう判断した我々は早速調査を開始した。

 我々は極秘裏に入手した綾金市の電話帳を使い、綾金市中の洋菓子屋を調査した結果、市内に「サン・ジェール」という店名は3件、「ラ・ノア」という店名は1件存在することを突き止めた。また3件の「サン・ジェール」の中から、神楽総合警備の頻出地帯などを考慮して、T区の店が目的の「サン・ジェール」であろう、との結論に達し、さっそく両店に取材に赴いた。



*画像の一部に手が加えられています

 まずラ・ノアだが、住宅街からやや離れた閑静な道路沿いにあった。こざっぱりとした店の外観が落ち着いた雰囲気を与える。写真では小さいので分かり難いが、入り口の真上には「LA NOX」と書かれている。我々は店内に入ると目的のものを探した…それはすぐに見つかった。そう、まぎれもない「ラ・ノアの抹茶ケーキ」である。目的のサンプルと、サン・ジェールと比較する目的でスタンダードな苺ショートを買い求め、次なる目的地、サン・ジェールへと向かった。


 最初の取材地からそれほど離れていない地点にあったその店は、ラ・ノアとは一転、いかにも「町のケーキ屋さん」と言った感じの親しみやすい外観である。
 我々は店の写真を撮るとラ・ノアの時と同様、何の気無しに店内へと入り、目的のものを探した。しかし、そこには驚くべき事実が待ち構えていた。
 そう、「サン・ジェール」には抹茶ケーキがなかったのである!!
 売り切れ、という訳ではなく、ショーケースの中には抹茶ケーキの入るべき場所もない。そう、GEOBREEDERS三巻において高見嬢の食する抹茶ケーキの店名が変わったのは、サン・ジェールにおいては抹茶ケーキが存在しないという事実に従うべく、加えられた修正に他ならなかったのだ! では何故連載時は「サン・ジェールの抹茶ケーキ」とレポートされたのか? これに関しては一切が謎のままである。またこの事実が明らかになった時点で、高乃先輩が受け取った「サン・ジェールの抹茶ケーキ」も綾金市のサン・ジェールのものではないことになる。
 我々はこの驚愕するほかない事実にひるんだものの、取り敢えず「ラ・ノア」との比較の為に苺ショートを買い求めその場を後にした。
 そして両店の取材の成果が以下の写真である。
本邦初公開(?)桜木高見嬢ファン垂涎の品、これが「ラ・ノアの抹茶ケーキ」だ!!



(左)サン・ジェールの苺ショートと(右)ラ・ノアの苺ショート

 サン・ジェールのケーキはスポンジがやや固め、段も高く、食した後に満腹感を与えることが意図され、昔ながらのケーキ屋さんのケーキ、という感じなのに対し、ラ・ノアのケーキはボリュームはサン・ジェールのものより小さいものの、素材の果物を味わうことを意図されており、甲乙つけがたかった。もし写真があまりおいしそうに見えなかったらひとえに記者の写真の腕が悪い所為である。
 しかしこの取材において一つ、明らかになったことがある。

ラ・ノアの抹茶ケーキは旨い

ということである。しかしまた同時に一つの疑問が浮かびあがった。抹茶ケーキは旨いが、わりとくどめのこの抹茶ケーキを2箱受け取った高乃先輩は、2箱とも食べられるのであろうか!?*2 ということである。

 神楽の謎を明らかにするつもりが、謎がまた一つ深まっていった様である。

 補足として、参考までに他の二人の食料を上げておく。これを見ればまだ高見嬢の食生活の方が幾分ましだとわかるであろう。(写真上:ローソンのとろろそば、写真下:大盛りUFO)

*注1:このネタは「GEOBREEDERS 趣味の部屋」の水城徹さんからいただきました。この場を借りて感謝いたします。
*注2:この件に関しては後日A・I氏(匿名)から「彼女は一箱なら食べられます。後の一箱は他の作家さんとの交渉に用いたと思われます」との連絡が入った。一箱でも記者にはきついのだが…

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