1998年12月20日:管理人しば執筆
注意!ネタバレ有りですので、映画鑑賞後の一読を推奨します。


armageddonlogo.gif
■アルマゲドン■
聖書の予言は現実となる?あと18日で人類滅亡!
巨大隕石が地球に迫り来る!

爆音を轟かせつつ、トンでもない超高速でニューヨーカーの頭上にドカーーンと振り注ぐ、太陽よりも明るく燃え盛る隕石群!うあーこりゃすげーや!真冬の早朝の地面にできる霜柱をガリガリ踏み潰すかの如く、マンハッタンの摩天楼が崩れ去る。頂上が霞む、目も眩む高さのエンパイアステートビルは中腹あたりに直撃を受け、バキっと折れてガレキと人間の固まりとなって地面に落下!
armageddonspecialpic2.jpg

armageddonpic4.jpg
あらら、エンパイアステートビルも真っ二つ

荘厳な石造りのビルが並ぶ金融地区ウォール街も、これでもかといわんばかりに豪快に崩れまくり、世界貿易センタービルにはポッカリと穴が開いてやたらと風通しがよさそうだ。隕石落下のあまりの衝撃に、渋滞しているバスやタクシーがメンコのようにパラパラとひっくり返って宙を舞う。崩壊してゆくニューヨークの上空には、隕石が無数に飛び交っている・・・

●次々と飛来する隕石群

いやはや凄い迫力で、最初からもう飛ばしまくり!序盤に最大のクライマックスを持ってくる、というハリウッドお得意の手法ですが、この他にも、ガチガチなまでに起承転結で貫かれているエピソード、キッチリ15分おきにくる映像的な見せ場と、ハリウッド映画の文法をかたくなに守っているので、見る者を一瞬たりとも飽きさせない・・・わけではなく、中盤がなんだかダレダレな展開(^^;;最初がすごすぎた副作用とも言うべきか。
armageddonspecialpic1.gif

監督
マイケル・ベイ

出演
ブルース・ウィリス
ベン・アフレック
リブ・タイラー
armageddonpic5.jpg 奇蹟を行う悪魔の霊どもは、
全世界の王のもとに出向いていった。
全能なる神の大いなる日の戦いに勝利すべく、
彼らを召集するために。
…そして、ヘブライ語で〈アルマゲドン〉と呼ばれる
場所に
世界の王たちを集結させた。

──ヨハネ黙示録 第16章──
 ようやく公開されたアルマゲドン。私も前から楽しみにしてて、こないだ近所の映画館で見てきました。
見所はSFXを駆使した、各地の大都市に隕石が降り注ぐスリリングな映像です。
地球に激突する天体を阻止する戦いというテーマのこの作品の感想、というかネタバラシをしてみたので、
これを読んで面白そうだと思ったら是非どうぞ♪

ニューヨーク壊滅は前触れでしかなかった

 この、ニューヨーク名物ビル直撃大祭りの後、更なる巨大隕石が18日後に地球へ激突するコースを辿っていることが分かる。大きさはテキサス州に匹敵するもので、直撃を愛ければ人類はおろか、動植物、細菌すらも完全に死滅し、地球は46億年の歴史とともに灰塵と帰す。これを阻止するには隕石表面から穴を掘って、中心部に核爆弾を仕掛けるしかない!というわけで、穴掘りやらせりゃ世界一の石油掘削会社の荒くれ野郎達が選ばれるわけです。

●ダレダレな感じの中盤・・・何故だ!?
 この後、なんだかダラけた中盤のストーリーがだらだら続きます

 NASAの近未来設備をダイジェストで見せてゆく訓練風景。
    ↓
 出発直前に、恋人、娘、別れた家族、賭博場へと赴き、地球でのこれまでの人生を、それぞれの方法で清算をする荒くれ野郎達。
    ↓
 瞬時に5万人の命を奪った上海への隕石片落下により、一斉に高まる人類滅亡の危機
    ↓
 これまで極秘事項だった、巨大隕石接近がマスコミに知れ渡り、各地で発生するパニックシーン。
    ↓
 全世界の人々が見守る中での、希望と悲壮感入り交じったシャトル発射。      ↓
 地球周回軌道上の、ロシア宇宙ステーションへのドッキングと、燃料補給時の爆発事故。
    ↓
 巨大隕石が月に最も近づいたときを狙い、月の重力を利用しての月面軌道上でのシャトルの猛加速を行い、一気に月をグルリと一周して隕石の裏側に回って、なおかつ隕石の速度(時速35000km)とシャトルの速度を同調させる一石二鳥作戦(こんなシナリオよく思い付くよな〜)。
    ↓
 シャトルの窓から見える、アルマゲドンの名にふさわしい宗教的神秘感漂う隕石の姿。そして、涙なくしては見られない、壮絶すぎる隕石への着陸シーン…
armageddonpic6.jpg

armageddonpic2.gif

armageddonpic11.jpg

armageddonpicspace1.jpg
 客が途中で飽きない時間と言われる15分間隔で次々訪れるクライマックスが、息つく間もなく見せ場の連続な緩急織り交ぜたストーリーとして完成されてます。たたみかけるストーリー展開で「ドウダ!コレデモカ!」と言わんばかりの力みまくるマイケル・ベイ監督の勇姿が目に浮かんできますが、最初がすごすぎた反動で、これだけテンコモリな内容にもかかわらずダレダレな感じで集中力も無くなり、「今日はポテピリバーガー食べよ♪」など思わず別の事を考えてしまいます。

 また、「時限爆弾を止めるのに、赤と青どっちのケーブルを切るか」とか「故障してどーにもならない機械をガンガン叩いたら直った」など、今時サザエさんにも出てこないようなベタベタエピソードがたまに出てくるのでさらにウンザリしちゃいます。そしてようやく、メインである隕石上での掘削作業が始まるのですが、思いもよらぬトラブルの連続で遅々として進みません。差し迫る人類滅亡のカウントダウンとオーバーラップさせて緊迫感を高めるのが目的かどーか分からないんだけど、「ジミな穴掘りなんぞトットと終わらせろよ!オラ!」とイライライライラ。ガラ悪い発言したくなってきました。 armageddonpic9.jpg

ヨーロッパ大陸に落ちる悪夢、スゴイ迫力!

 ゴタゴタした掘削騒動にイヤケがさしてくる頃、最後のクライマックスへ向けて物語はうってかわって突如の大盛り上がり!これまでとはケタハズレの特大な隕石の破片がパリを直撃する。

●大都市ばかり狙われる!

 ニューヨーク、上海に続き欧州にも悪夢が訪れる。ヨーロッパ大陸がメクれあがってしまったのでは?と心配になるほどのインパクトは、凱旋門が米粒にみえるほどの巨大なクレーターを残します。ドンドコ高まる緊張感、焦りまくるホワイトハウス。
armageddonparis.jpg

armageddonparis2.jpg
●パリが消え、世界も終焉する?

 掘削も終わり、核を仕掛けて隕石から脱出するときのスリリングな映像が、思わず涙する超悲しいエピソードと交錯して、隕石爆破のラストへとなだれ込む・・・このあたりはサスガ、面白く作ってます。

armageddonpic13benliv.JPG
● おきまりパターンのラスト。でもグッド♪

 最後は、核爆発で2個に分断した隕石が、地球衝突のコースを外れてそれぞれ宇宙の彼方に消えて行きます。欲をいえば隕石は大きいのと小さいのの2個に別れて、小さい方が地球に落着、聖書に予言されしアルマゲドンは現実となり人類の半数は滅亡するが、生き残った者が新しい世界の再生に向け立ち上がる・・・みたいにすれば映画の題名にもなっている、聖書の予言の面目もたちますし、それ以上に最後の最後に一番すごい映像を持ってこれるので、客の印象もまた良くなると思いますが、これじゃディープインパクトそのままですやね(^^;;
 いぁ〜思わず、完全にネタバラシしてもうた・・・怒られるかなこんなことしたら(^^;;ここまで読んだ人はもう、映画館行かなくても良いくらいですね(って実は、泣けるエピソードとかは触れてないので、この辺は見てのお楽しみ)。この映画のミスを指摘すると(エラソウに)、中盤やラストより、序盤の盛り上がりが凄いので、終わりまで見るとなんか物足りない感じになってしまうのと、上映時間が2時間30分もあって、どうしても間延びしちゃったことですね。
ありがちな鑑賞後感
ハリウッド映画って、やっぱりコレですね

 世界中の人達が地球の終焉を目前にして、さまざまな思いを込めて己の宗教にすがり付く・・・ありがちな世紀末的最後の日のなか、空を見上げればあら不思議!地上から肉眼で見えるほどに接近していた隕石が、神々しい閃光につつまれながら2つに分断し、衝突コースを避けて行くではないか。この啓示的なシーンにかぶせて、アメリカ大統領の悠然たる演説が始まり、これがまるで神の言葉のように表現されている。世界各地の仏教徒やイスラム教徒の人達が、大統領の演説をバックに寺院とかで祈ったりしてるので、「アメリカ原理主義だ!けしからん!!」とご立腹の方もいらっしゃるようです。この類のシーンはディープインパクトでもあったりしますが、まぁこんなことは私が言うまでもなく、大昔からアタリマエのこと。今更目くじらたてて怒らないでも、「アメリカ君は自己主張が強くて、やんちゃな年頃なんだね」と暖かい目で見守って差し上げましょう。でもやっぱ、気に入らねぇ(笑)

 つーわけで、ちょっとけなしてしまったけど、それを差し引いてもこの映画はオススメです。スリリングな映像を楽しむもよし。彼氏や彼女と一緒に鑑賞して、涙を誘うのもまた良し。かくいう私は、クリスマス近くに彼女と観に行く予定だったのが、待ちきれずに一人で観てきたらほとんどカップル・・・一人で見てる私は一体ナニモノ?寂しかったッス、あはは(^^;やっぱ映画は彼氏彼女か、友達と観に行こーね。
armageddonearth.jpg

バナー