No.71 GTV(その1) 01/08/10 走行距離 35,500Km

さて、GTVの試乗のお話である。これなら1台156売ってもいいと思ったGTV、実はいわく付きのクルマである。
最近インターネットや雑誌の紙面でも結構ド派手ににぎわしてるヤツ。本国イタリアでカップカーとしてレースを走り、役目を終えて倉庫で眠ってたのを叩き起こされ、はるばる日本へやってきた10数台のウチの1台である。

さて、このGTVをもっとよく見てみよう。プロダクションモデルの豪華装備と内装引っぺがして軽量化を行い、ロールケージ付けた上で、足回りと排気系に手を入れてって感じである。

まずはざっと見回してみる。

外装はツェンダーフルエアロ付いてるぞ。だけどそれ以上にスゴイのがスポンサーのステッカーだな。これだけでもうレースカーそのものである。
サスはビルシュタインにアイバッハスプリング。タイヤはスリックだよスリック。車高もベタベタステッカーもベタベタすげぇもんだ。

中見てみるとシートはひとつ、助手席にはOMPの消火器が。キルスイッチも付いてるぞ。
屋根の床も内貼りなんてぜんぜんなしで鉄板剥き出し。ドアの取っ手はヒモだよヒモ。ヒンジも切ってあるからドアの開閉は頼りない。ドアは内張りのかわりになんとカーボンが貼ってある。これだけですげぇ値段するんじゃないのかねこれ。助手席のフロアにもカーボンのパネルが貼ってある。あぁすげぇ、なんてクルマだこのクルマ。

おいらはコイツにナンバー付けようと思ってる。当然法規に会わせた改良が必要。レースカーを公道で乗るために適正化を行わなければならない。
その前に試乗だ試乗。こんなのおいらに運転できんのか?1ミリも動かせずギブアップするのがオチではないのか?

乗ってみる。ロールケージまたいで低いバケットシートにドスンとお尻を落す。

ぐわーなんじゃこの視界の低さ。フロアにそのまま座ってるみたいじゃん。完全なレーシングバケットでクッションなんてほとんどない。。シートベルトも4点式。

エンジンかけてブリッピング。

ぐわーなんじゃこのレスポンス。これでコンピュータとマフラーだけかいな。プロダクションモデルより20〜30馬力多いだけ?ホンマかいなこれ。

で、やおら走り出してみる。

クラッチは交換してあるようで半クラが効かない。スパっと繋ぐも回転会わせられなくていきなりキュッとホイルスピン。
やおらそろそろとアクセル踏んで見る。ぐわー踏んだだけゴンと出て行くやないの。しかもコイツ早ぇ〜。マジでこんなとこで踏み込んだらやばいやないの。
おいらの頭の中で赤信号が点滅する。
広くてすいてる道で乗ってみたい。こんなところじゃ危なくて踏めないっつーの。

特筆すべきはブレーキ。踏むのも軽い上に踏んだ量だけちゃんと効く。しかもすげぇ効きでやんの。フェロードのパッドだそうだがホントにパッドだけかねコレ。

ふーむ・・・・まいった。
おいらでもなんとか運転できるレースカー(つーてもノーマルベースのカップカーだからそうなんだが)
クラッチも軽く、ブレーキも普通でABSも残ってる。パワステも付いてるからハンドル軽いしラクチンラクチン。
そうなんだよ。ノーマルベースだからこんな普通なんだけど、恐ろしいくらいソリッドな動きとアクセルレスポンス。ガチガチなのにしなやかさすら感じさせるサス。
普段普通のクルマに乗ってると、こうしたクルマは恐ろしくソリッドに感じられるのだと思った次第。

信号で停止。おー前に155がいる。こっち見てるよ恥ずかしいなぁ〜。
バォンバォン〜・・・。ぷす・・・。

あ、やっちまっただエンスト。

降りたときは放心状態。言葉も出なかった。エアコン付いてなくて炎天下だから相当暑かったはずなのだが、まったく覚えてもいない。
それくらいおいらにとってはすごい経験だった。
レースカーとはいってもプロダクションモデルにロールケージ入れて、サス替えて、コンピュータいじった程度の代物。
軽量化は恐らく100KG程度は軽く、パワーは20〜30psでてる。これだけなのにこんなに凄いとは。

「買うしかない。買うしかなかろう。こんなクルマは世界中どこ探しても二度と巡りあえん・・・・・。」

つーわけで売ってもらうことにしたのである。こうしておいらの手元にGTVが納車されることになった。
おいらの場合は、ナンバー取得のための多少のモディファイをする予定。フロントウィンカーとホーン着けて、助手席にもシートを付ける予定。

ちなみにこのクルマ、おそらく15台程度が日本に輸入されたと思われる。これがなくなったら多分おしまい。当たり前だがファーストカーにはならない。エアコンもないから夏も辛い。
まだ数台残ってるかもしれないからほしい人はお早めに。でも、単なるシャコタンでボディと足固めたクルマだろうと安易に思わないほうがいい。日常性はまったくない。
たまたまおいらは運がよかったが、試乗はできないかもしれないので覚悟決めて思い切って飛び降りるしかないのである。