No.60 ねこふんじゃった! 00/09/27 走行距離 29,000Km

あれはもうずいぶん前になる、晩秋から初冬のことである。夜中というか、夜明間地かのガラ空きな高速道路は東海北陸自動車道。こんな時間はクルマも走ってないから楽だけど、やっぱ退屈だおまけにちょっぴり眠いときたもんだ。
制限速度を少し超えるくらいで流してたとき、ライトに照らされて高速道路の向こうの端っこに白いものがちらりと見えた。
なんだかなーと思ってると、そいつが道路の端っこから真中にくるでねーの。
しかもすごい勢いで近づいてくる。

「ぐわー、なんじゃこりゃ!」

すごい勢いで近づいてくるってのは、実はおいらがすごい勢いで近づいて行ったわけでそういうことなんだが、とにかく、急ブレーキも間に合わず、考える間もなくそいつはフロント左端にゴツンとぶつかった。

ぶつかる直前、そいつはおいらのほうをちらりと見た。ネコだよ、紛れもない白いネコ。なんでネコが高速道路に、高架なんだぞ高速道路は。ネコが走るのは道交法違反だよなきっと。やっぱネコは走っちゃいかんだろう高速道路は。

ワケわかんない思いが頭をかけめぐるなか、おいらはクルマ路肩に停めて、クルマから降りて後ろを見やった。こんな時間にゃクルマなんざ1台も来ないからまぁ安全だろうと。
ネコはどこにもいなかった。跳ね飛ばされたのか、軽傷で済んで逃げちゃったのか、いやいやそんなことあるわけないぞ、だってゴツンって音したもん。ブレーキ踏んだけど、どうみても50kmはまだ出てたから、きっと・・・。
やれやれ、フェンダーやタイヤにはキズも何もないようだ、血痕もどこにもない。

おいらは、白いネコの無事を祈りながら、既に夜も明けてしまった高速道路を降りて自宅へ戻った。

結局ネコがどうなったのか知る由もないが、いまだに化け猫が出た形跡はないから、きっとどこかで生きててくれるだろうと思っている。