![]() 1982年 2月 5日(金)放送 |
出演 田中邦衛・原田美枝子・吉岡秀隆・中嶋朋子・地井武男・岩城滉一・宮本信子・清水まゆみ・矢田稔・松村彦次郎・今野照子・塔崎健二・南雲佑介・尾上和・塩月徳子・高橋のぞみ・いしだあゆみ・竹下景子 |
夏になった。五郎は、この夏中に丸太小屋を完成させると純や蛍に宣言していたが、二人は不安に思っていた。その日は午後から授業が中止となり、凉子先生に連れられてバスで本校に行った。帰りのバスの中で純たちは凉子先生に本校へ来てくれるようにお願いするが先生ははっきりした返事はしなかった。 家への帰り道、自分たちを呼ぶ声に振り向くと、それは東京へ行っていた雪子の声だった。久しぶりの再会に二人は喜ぶ。雪子は、五郎に令子と弁護士の本多が一緒に来ていることを話す。五郎は、二人に会いにワインハウスへ出かけた。令子は、最後に子供たちに会いたいと申し出た。五郎は了承し、その夜純と蛍に正式に令子と別れることを伝え、明日令子と3人で過ごすようになっていると言った。翌日、純と蛍は学校を早引きし、令子の待つホテルへ五郎の車で送ってもらった。五郎は、二人を降ろすと帰ってしまった。 ロビーには令子が立っていた。そこへ弁護士の本多が現れ、4人で中富良野のラベンダー畑へ行くことになった。純は、胸が一杯でラベンダーなんか見ていなかった。純は、一晩中考え令子についていこうと決めていた。蛍は、令子とは一言も口も聞かず、純はそんな蛍の様子にいらだっていた。令子は、二人の通っている学校へ行き、凉子先生から二人の学校の様子を聞き安心する。 五郎は、中畑の家に離婚の保証人を頼みに来ていた。突然電話のベルが鳴り、令子が急に苦しみだし渡辺病院に担ぎ込まれたということだった。五郎は、すぐに病院へ向かった。病院の医者から令子の様態について聞かされるが、ちゃんとしたところで検査をした方がよいと言われる。病室へ行くと令子は目を覚まし、子供たちに会わせてくれたことに感謝していると言った。そこへ、中畑と雪子が入ってきた。雪子は、令子に怒った。 次の日、黒板家の墓へ令子たちと行くことになっていたが、蛍は仮病を使って、一緒に行こうとはしなかった。五郎は、令子にいつでも子供らには会わせると約束して、富良野の駅へ令子を送った。純は、電車のドアが閉まるまで手を握っていた。最後に令子は蛍のことを頼むとだけ純に言った。令子は、座席に戻ると外の景色をぼんやり見ていた。令子は、川岸を一死に走る蛍を見つけ、大声で「蛍」と叫び手を振った。蛍の目は涙で一杯になっていた。蛍は、草太に頼んで一人令子を川岸から送ったのだった。 五郎と純が丸太小屋の作業をしているところへ蛍が帰ってきた。家で寝ていなかったことを五郎は叱った。蛍は、二階に駆け上がり、ひとり泣いた。その夜、草太が蛍を元気づけようと「いかだ下り大会」のことを伝えに来た。突然雪子に声をかけられ草太は驚く。慌てて家を飛び出したところで五郎に出くわす。五郎は、草太から昼間蛍が家に来て頼まれ、坂の下の電車の見える場所へ連れていったことを聞かされる。それは、蛍が草太に内緒にしておいてほしいと頼んだことだった。そして、帰るときに「父さんが世界中で一番かわいそうなんだ」と言っていたことも伝えた。 五郎は、風呂を沸かしている純の横に座り、「蛍はお前や父さんよりももっと辛くて、送りに行かなかったかもしれない」と話した。純は、二階に上がって寝ている蛍の顔に残った涙の筋を見て、さっき五郎の言った言葉が本当だったことを知る。次の日曜日、廃校式が五郎や中畑や辰巳らの分校の卒業生を招き行われた。 富良野では、7月26日のいかだ下り大会に向け、二三日前からそれぞれいかだをつくりはじめていた。純と蛍は、中畑木材の大きないかだに乗せてもらうことになっていた。 |