第5回

 純は、あれ以来五郎の自分に対する態度と蛍に対する態度が違うことにひがみを感じるようになる。翌日、五郎は山仕事に出かけ、笠松の杵次から五郎たちが住んでいる土地は自分のものだと聞かされる。その夜、学校のテストの点のことで純が蛍を馬鹿にするが、五郎は静かにするように注意する。五郎は、杵次の言葉が気になっていた。

 次の日、純と雪子は草太の車で町へ買い物に行く。草太はボクシングの練習の後、純を喫茶店に誘い、雪子の気持ちを聞き出そうとするが、純はへなまずるく応対する。五郎は、杵次に土地のことについて詳しい話を聞く。家に帰ると、かんびが片付けてないで、てっきり純の仕業だと勘違いし、純を叱るが、それは雪子が出しっぱなしにしたものだった。純はその夜、雪子に自分が五郎に嫌われていると話す。

 次の日、杵次は仕事場には来なかった。純が、がんびで火をつけようと練習しているところへ杵次がやってきた。その夜、久しぶりに五郎の家は賑やかだった。そこへ、つららが訪ねてきて、純に草太を呼ぶように伝えるが草太は相手にしなかった。純は、五郎が杵次の悪口を言ったときに怒ったくせに、今は自分が悪口を言っていることに矛盾を感じ、また、草太に相手にしてもらえないつららも自分と同じで嫌われていると感じ、一人外へ出る。そんなとき、蛍のかわいがっているキツネが現れ、石を投げつけて逃がしてしまう。五郎は怒り、純を殴った。草太は純を追いかけ、自分の車の中で諭す。純は、そんな草太が優しく男らしく思えた。蛍のキツネは、このことがあってから現れなくなってしまった。

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