第20話

 純は、新聞に記事が載ってからというもの完全に落ち込んでいた。蛍から五郎に最近女の友達ができたらしいと聞かされ驚く。二人は、できたら雪子と五郎が結婚してくれたらいいと望んでいたので、雪子に直接聞くことにした。ジャンケンで負けた純が雪子に話すが、丸太小屋には自分の部屋がないと言われ、純たちはショックを受ける。

 五郎は、その夜も遅くに帰ってきた。五郎は、寝床でランプをつけて本を読み始めたが、灯油の無駄だと純に叱られてしまう。翌朝、五郎は丸太小屋の土台を組みに出かけた。蛍は、自分の作った弁当を届けに、一人作業現場に向かった。そこで、五郎がこごみと二人で楽しそうにしているところを見てショックを受け、持ってきた弁当を川へ流してしまう。

 翌日、東京からテレビ局の人がやって来た。蛍の見たUFOのことで番組に出演してほしいとのことだった。蛍は出たくないと言うが、純は令子が東京で見るかもしれないから出ろと蛍を説得した。結局、蛍は翌日インタビューを受け、3日後の番組に放送されることになった。蛍の話が作り話とされ、凉子先生も避難する番組の内容に蛍は傷ついた。五郎はそんな蛍を気遣い、自分や雪子や純や中畑たちみんな蛍の言ったことを信じているから今日のことは忘れろと言った。そして、明日秘密の場所へピクニックに行くことを話す。

 次の日の朝、雪子が仕事に出かけた後、いつになく陽気な五郎に驚く。9時頃初めてこごみが家にやってきた。純は、無邪気にはしゃぐ五郎を軽薄に感じ、蛍は一緒にこれなかった雪子のことを考えていた。

 8月7日の旧の七夕の日、凉子先生が転勤することを知らされ、純と蛍は学校へ走った。学校は施錠されており、先生の姿はなかった。その夜、純は凉子先生に会い、自分があの晩のことをしゃべってしまったことで先生に迷惑をかけたことを謝った。そして、先生とUFOを見せてもらうことを約束する。その夜から純は風邪を引き、昼頃まで寝ていた。それでも約束の時間までまだ時間があったので、ついうとうとと寝入ってしまった。気がつくと時計は3時20分を回っていた。慌てて飛び起きた純は登山口に向かったが、着いたときには4時を過ぎており、先生はもういなかった。純は凉子先生を捜しに一人森の中へ入っていき、そこで、葉巻型のUFOに凉子先生が吸い込まれていくのを目撃する。その後、ふらふらになって家に戻ってきた純は、五日間熱を出して起きあがれなかった。

 8月も半ば過ぎなのに、もう富良野盆地には秋風が流れだしていた頃、富良野の街の夜の飲み屋で一つの噂が話題になっていた。五郎も、駒草で客が話しているのを聞いてしまう。

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