第16話

 18年間連れ添った馬を手放した日に、杵次は川に転落してなくなった。笠松の家では、葬儀の準備で慌ただしかった。そんなとき、正吉の姿が見あたらず、五郎たちが探すが見つからない。蛍は、以前杵次から教えられた木の上の家へ純と凉子先生を連れて行く。そこには、一人悲しみに暮れる正吉の姿があった。

 翌日、杵次の遺体は焼かれ、夜はご馳走がでた。純は、葬式なのにみんながお祭りのゆうに楽しそうなのに驚く。そんな中で、杵次の息子たちが生前のことをとやかく言うことに立腹する。草太はそんな清吉の様子を見かね、家に連れて帰る。純と蛍は、一足先に辰巳に送られ、家に戻る。純は、さっき清吉が言った「あの馬だけが、爺さんのことをわかっていた。」という言葉がいつまでも頭から離れなかった。夜中に、ふと目を覚ますと、五郎が帰っており、ストーブであの雑誌を燃やしているのを見て、唖然とする。そして、五郎に、最近女性の胸や足が気になってしょうがないので自分は病気だと打ち明ける。五郎は、それは、一人前の大人になった証拠だと説明し、これからは一人前に扱うことを約束する。そして、五郎が秘密にしてきた丸太小屋をつくる計画を話す。

 東京から、雪子からの手紙が届く。そこには、令子の容態が書かれていた。雪子の説得にも応じず、病院を変わろうとしない令子に五郎から何とか言ってもらいたいとのことだった。  夕方、正吉とみどりが家にやって、夕食を一緒に食べることになり、純も蛍も喜ぶ。 ところが、ある日学校の授業が終わると凉子先生が正吉が急に学校を辞めて遠くへ行ってしまったことを知らされる。

 いよいよ、丸太小屋の計画が実行される日が近づいてきていた。五郎は中畑たちに模型を使って作り方を説明していた。

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