第15話

 次の日の朝、純と蛍は朝食を急いで済ませ、学校へ出かけた、途中で正吉と会い、昨日の約束を確認し、今日一日凉子先生を観察することにした。ところが、凉子先生は旭川の教育委員会へ出かけてしまい。本校の先生が来ていた。そして、今度父兄会をおこなうから家の人に連絡しておくように言われる。

 その頃、保護者の家に凉子先生を中傷する怪文書が送られてきていた。五郎は、こんなことをする奴は卑劣だ言い、手紙を破り捨てた。 純は、ますます女性の体を意識しだす。五郎と蛍の3人で町に買い物に出かけても、女性の胸ばかりに目がいってしまっていた。五郎は、町で同じ中の沢の分校の保護者に声をかけられ、笠松の杵次が怪文書のことで話し合いたいと言っていることを知らされる。その夜、保護者全員が集まり、今後の対応について話がされた。杵次は、断固凉子先生を問いつめると言ってきかなかった。

 五郎は、家に帰り二階の純と蛍の様子を見て、降りようとしたとき純が東京から持ち帰った雑誌を見つけショックを受ける。翌日、学校へ行くと凉子先生がいた。窓越しに、先生を観察していたが、純は先生の胸の膨らみばかり見ていた。五郎は、思春期の純にどうのようにしたらいいのか困り、北村の家へ相談に行く。そこで、清吉から相談したいことがあると言われ、その夜正子に内緒で富良野の「くまげら」で会うことになった。そこで、清吉から雪子が東京に帰ってしまったのは自分が裏で手を回したからだと思われているから誤解を解いてもらいたいと頼まれる。五郎は、ボクシングジムへ出向き、草太に説明するが納得してもらえなかった。そのとき、草太から今度札幌で4回戦の試合に出ることを聞かされる。

 次の月曜日の父兄参観日の日、酒に酔った杵次が遅れて教室にやってきた。授業が終わり、分校の閉鎖のことを連絡し始めたとき、杵次が怪文書のことについて凉子先生に問いただした。先生が自分からことの詳細を語り始めたが、五郎が途中でやめさせ、杵次を教室から連れ出した。純は、そんな杵次の姿に涙していた正吉の気持ちを察していた。

 その夜9時頃、雨の降る中を笠松の杵次が一升瓶を片手に五郎の家に現れた。杵次は、今日18年間共にした馬を売ったことを話に来た。話し終わると乗ってきた自転車にまたがり、一人雨の中を走り去った。翌朝、明け方まで降った雨も上がり、純と蛍は学校へ行く途中で橋の上の人だかりを見に行く。すると橋の下には昨日の夜現れた杵次が倒れて死んでいた。

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