第10話

 風力発電のバッテリーが届いたとの知らせがあり、五郎に内緒で雪子と純は富良野へ車で出かける。途中、五郎を見かけるが、五郎は気がつかなかった。五郎は、自販機でたばこを買うと笠松のみどりと正吉をバス停で見かける。みどりは、杵次と飼っている馬のことでやり合い、旭川へ帰るところだった。

 富良野で部品を受け取った雪子と純は、スキーの写真ができてるかもしれないから八幡丘の草太の家へ寄ってから帰ることにした。八幡丘の坂に入ると雪が強くなり、吹雪になってきた。雪子は、運転を誤り吹き溜まりに突っ込んでしまう。

 家では、留守番の蛍がお手玉をしていた。そこへ、笠松の杵次が訪れる。お手玉をしながら、昔の話をし始める。そこへ、五郎が帰ってくる。蛍は、杵次の馬を見に外へ出る。杵次は、北電に頼んで電気が引けるようにしたと五郎に言うが、五郎はそれを断る。杵次は、前の水道のこともあり、憤慨する。「昔は、懐かしがるだけのもんでない。二度としたくない昔だってある。お前は、まちごうとる。今に後悔する。」と言って帰る。

 その頃、雪子と純は吹き溜まりからの脱出を試みるが、雪はどんどん積もっていった。五郎は、帰ってこない二人を心配し、辰巳の家へ電話を借りに行く。富良野の電気屋へ電話し、午後1時頃出たことがわかったが、その後の消息が分からなかった。草太の家へも電話をするが、停電で牛舎が忙しく一方的に切られてしまう。五郎は、中畑からジープを借り、麓郷街道を探す。途中、すれ違った車に聞くが、車はなかったとのことだった。五郎は、笠松の杵次を訪ね、馬そりを貸してもらいたいと言う。雪子と純は疲れと寒さで、車内で眠ってしまう。純は、家族四人お花畑ではしゃいでいる夢を見ていた。突然雪子に起こされ、馬そりの鈴の音を耳にする。二人は馬のおかげで奇跡的に助け出された。

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