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「雲のむこう、約束の場所」
パイロット版 Movie 全台詞

【 お 断 り 】
この「全台詞」は、聞こえるままに書き起こした物です。
現時点では設定の多くの部分が検証不能ですので、
文字表記をはじめ各部での間違い、勘違い、思い込みがあることをご了承ください。
【 表記説明 】
登場人物 ヒロキとタクヤはMovie中の流れからキャラを判断しましたが、逆の可能性があります。
テロップ 太字表示になっています
台 詞 各キャラ毎に台詞を色分けしました。 (沢渡 佐由理 / 藤沢 浩紀 / 白川 拓也
(モノローグに関してはヒロキとタクヤを聞き違えている可能性があります)
ハッキリと聞き取れなかった部分は太字&アンダーラインの表記になっています。
描 写 各シーンを1、2行程度の説明で列記しました。
そのため、各行に人名などが繰り返されている部分もありますが、
描写説明と言うことで、ご容赦、ご了解ください。



 大きな雲を背景に、舞うように飛ぶ何機もの小型飛行機たち
 キラキラと陽光で翼が輝いている

サユリ:「古い写真みたいな空の色

 小石を踏む足音、飛行機たちを見上げるサユリの髪を風がゆらす

サユリ:「約束の場所、きっと・・・遠くない

 (C)Makoto Shinkai / CoMix Wave

 光と雲の作る影に照らされ、サユリは草原のゆるやかな傾斜を塔に向かって登っている
 草原にそびえ、表面に象形文字のようなものが描かれているオブジェのような塔
 塔のむこうに舞い翼を輝かせる飛行機たち、塔に駆け寄り空を見あげるサユリ

サユリ:「あ、ヴェラシーラ、藤沢君の翼

原案・監督 新海 誠
音 楽 天門
作 画 田澤 潮

 塔に彫られたような深く長い溝、サユリはその内側にある階段を上る
 眼下遥かな草原には塔を巡る幾筋もの石垣の壁と長く伸びた塔の影
 塔を登り切り、「はあっ」と息をつく
 強く吹く風にサユリの長くしなやかな髪が踊る
 その風のむこう、飛行機を笑顔で見つめる
 見つめるサユリに答えるかのように、塔をぐるりと滑空・旋回する白いヴェラシーラの機体
 びゅぅ、と風を切る音を曳きヴェラシーラは飛び去って行く
 その先には雲を貫き天空へ届くまっすぐな塔

サユリ:「いつかの放課後の約束、あの塔まで、わたしは行くんだ

 雲のむこう、約束の場所
 −The place promised in our early days−

サユリ:「はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから

 1996年 青森県

 教科書のページをめくろうと準備するサユリの指

サユリ:「おまへはわたくしにたのんだのだ

 授業中、教科書を朗読しているサユリ、窓の外からは蝉の声
 強くさし込む緑色の日差しが、そこかしこで強い影を作っている

サユリ:「銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの

 朗読の内容よりも、サユリの声を聞き入るヒロキ、そしてタクヤ
 遠くから届く蝉の声より、澄み渡るサユリの朗読

サユリ:「そらからおちた雪のさいごのひとわんを・・・

 長く吊り下げられた、たくさんの蛍光燈がたくさんの影を天井に落としている

ヒロキ:「あの頃、僕たちは2つのものに憧れていた

 鳴きながら秋の田んぼから飛び立つ小鳥の一群、畦道を歩くヒロキとタクヤの影

ヒロキ:「沢渡サユリと海峡の向こう

 飛行機の部品を運びながら、小鳥たちを見上げるヒロキとタクヤ

ヒロキ:「ユニオン占領下の北海道にそびえる、あの巨大な塔

 ローカル鉄道がのんびりと走る景色の向こう、山の彼方に高くそびえるまっすぐな塔
 小鳥たちは自由にあの塔へ飛んで行けるのだろうか、2人の視線は小鳥を追い越し、塔へ憧れる

 日本が分割統治された、もうひとつの戦後の世界

 塔の延びる先は暮れはじめた空へと消えていて見えない
 山の廃駅跡、漏れる日差しに照らされたヴェラシーラへ駆け寄るサユリ

サユリ:「すごい! 飛行機!

 夢を形へ作り替えている、その証しを見てサユリもうれしい
 エンジンよりもサユリに視線を向けているヒロキとタクヤ

ヒロキ:「そ・・・そうかな

 頬を赤くするヒロキはエンジンをいじるポーズをとる、その様をあきれ顔で見るタクヤ

ヒロキ:「これで、北海道の塔まで行くんだ

 3人俯瞰、サユリとヒロキとタクヤとヴェラシーラ
 薄暮の空の中、塔へ向かって旋回する超音速爆撃機の編隊

サユリ:「ね、じゃあ約束

 パンをかじるヒロキ、タバコを燻らせるタクヤ
 女の子らしい小奇麗な、しかし落ち着いた自室、そこで一人たたずむサユリ

サユリ:「約束・・・

ヒロキ:「転校した?

 廊下の影の中、入口の向こうに見える誰もいない教室の黒板と教壇、机たち

ヒロキ:「結局、僕たち2人ともよくある片思いだったんだ

 頭部CTスキャンらしきモニタ上の映像
  (モニタ表示:Sayuri Sawatari, Age 15, Sex Female, date 22 08 1996)
 医師から説明を聞いているサユリと母親

ヒロキ:「と、思うしかなかった

 傾く日差しの中、すれ違うように左右へ別れて歩いて行くヒロキとタクヤ

 2001年 東京

サユリ:「でも、ねえ気付いて、藤沢君

 電車の窓越しにサユリらしきホームの人影を見て驚き、ヒロキは思わず席から立ち上がる
 草がゆれる草原の風、その中で一人、立っているサユリ
 駆け足で自動改札を通り抜けるヒロキ

ヒロキ:「でもなぜか、今でも、誰よりも近いと感じる

 積み上げられた3冊の本と、ペットボトルの花瓶に鮮やかなほおずき
 サユリの物らしきバイタルモニタの画面が波形を刻み続けている
 何かを悲しむような表情でサユリはベッドに眠り続けている
 草原にある石垣の上、よろよろと両手でバランスをとりながら歩いているサユリ

 永い眠りの中で約束の場所にむかう彼女と、

 立ち止まったサユリが見つめる先に雲とまっすぐに建つ塔

 キーボードを操作するタクヤの手元
 そのタクヤの横から見守るヒロキ、鳴り続けるキーボードの音

タクヤ:「サユリの病気と、ユニオンのやろうとしている事

 モニタ上、起点から分岐を重ね、描き出されて行くチャート図
 イージス艦、空母の手前を飛ぶプレデターらしき無人偵察機

タクヤ:「関係があるかも知れない

 吹雪の中、黒い塔の影を背に、夜空へ向け砲火を放つ自走砲
 タクヤの肩をつかみ、振り向かせ、叫ぶヒロキ
 海辺の絶壁から洋上へと跳ぶヴェラシーラ(音はプロペラ機)、滑空降下後、高度を上げてゆく
 同じ青色の空と海、隔てる雲を飛び越えて飛ぶ

 塔と、世界と、彼女の秘密に迫るふたり

サユリ:「もう来ないで

 誰もいない電話ボックス、グレイカラーの公衆電話
 携帯電話を手に畳敷きのサナトリウム病室の床に座っているサユリ
 夕日が影を作るサナトリウム病室、ベッドにいるサユリに母が付き添っている
 夜空に向かい塔のようにそびえる街路灯

サユリ:「わたし、藤沢君の考えていること、全部見えるの

 ユニットバス(サナトリウム内?)、シャワーと鏡に映るサユリの足元
 沸き上がる雲と草原、一本の木の向こうに長く延びる飛行機雲
 窓の外の雪景色に浮かぶタクヤの顔、吐く息も白い

タクヤ:「サユリを救うのか

 銃の安全装置を外す小さな金属音
 座ったまま、タクヤを見上げるヒロキ
 ヒロキに銃口を向けるタクヤ、窓の向こうでは雪が静かに降っている

タクヤ:「世界を救うのか

 雪の降る朝日にシルエットで浮かび上がる駅、ホームの端に立つヒロキは、その世界を眺めている

サユリ:「世界は本当に綺麗だけど

 草原に立つサユリ、周囲には幾本ものオブジェのような塔が取り囲むように立っている

サユリ:「でも、さびしくてさびしくて、不安で、
     わたしだけが世界のいろんな暖かさや優しさや楽しさから、
     遠く遠く離れている。
     そんな気がする


 眠り続けるサユリの頬に、そっとヒロキの手が触れる
 吹雪の中、画面中央から手前へ飛んで来るヴェラシーラ
 画面切り返し、まっすぐな塔に向かって飛んで行く

 あの遠い日に
 僕たちは、
 かなえられない約束をした。

ヒロキ:「何もかも、今度こそ取り戻すんだ

 雲のむこう、約束の場所
 −The place promised in our early days−
 (C)Makoto Shinkai / CoMix Wave

 原案・監督 新海 誠 × 音楽 天門 × 作画 田澤 潮

 2003年公開予定
 新海誠ホームページ http://www2.odn.ne.jp/‾ccs50140/



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